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大学では教えられない歴史講義

2011年7月31日(日曜日)

いよいよ!勝手に復興会議!

カテゴリー: - kurayama @ 23時37分42秒

 いよいよ、本格的に世の中を動かします!
 日本を救いたい人、大集合!

経済評論家 上念司プロデュース

 

仙台前市長梅原克彦さんと

 

勝手に復興会議

 政府の無策で遅々として進まない復興事業。もう黙ってみ​てられない。
 増税ばかりのアホな復興会議にはもう任せられない。
 前仙台市長の梅原克彦氏をお招きし、被災地のために必要​な政策をタブーを恐れず大胆に提案すると同時に、聴衆の​みなさんとも議論をしてよりよいプランを検討したいと思​います。今こそ国民の声を震災復興へ!

【出演】
上念司(経済評論家)
梅原克彦(前仙台市長)
ゲスト 倉山満(憲政史研究家、国士舘大学講師)

【日時】
東京都  ネイキッドロフト(JR総武線・大久保駅徒歩3分)

2011年9月6日(火)
OPEN18:30 / START19:30

【値段】
前売¥1,500/当日1,800(共に飲食代別)

※ご予約はネイキッドロフトweb&電話で受付中
電話→03-3205-1556(16:30〜24:0​0)
web→http://www.loft-prj.co.jp/​naked/reservation/

 この砦に書き込まれた意見は、私が言うべきだと判断したら、必ず伝えます!


2011年7月30日(土曜日)

リンカーンが作った国―アメリカ合衆国はこんな国(4)

カテゴリー: - kurayama @ 15時42分11秒

 歴史を読む場合、あまりにも善と悪が明瞭に分かれていたら疑うべきです。
 大人になったら
「さすがに偉人のようなリンカーンだって何か偽善があるだろう」
などと疑うようになりました。
 甘かった。。。
 ただの極悪人でした。

日本での通説。
 建国以来、自由主義経済を掲げる北部と奴隷制に固執する南部が激しく対立。
 奴隷解放を訴えるアブラハム・リンカーンがアメリカ合衆国大統領に当選。
 南部は連邦離脱を宣言。「南北戦争」に突入。
 4年間の激しい「内戦」(USAにおける正式呼称)の末に、南部は降伏。
 復讐に燃えた南部出身の俳優に、リンカーンは暗殺された。

 だがこの通説には疑問が残る。(宮下秀樹調)
どころか、ほとんどSF級の架空の話?
 これが史実なら、火の鳥の生き血を飲めば永遠の命が得られます。たぶん卑弥呼は大陸からやってきた騎馬民族の神武天皇に滅ぼされたのだし、義経は火の鳥の生き血を飲んだとの疑いで頼朝に追討されたのでしょう。
 というくらい、歴史歪曲と捏造もここまでくれば、もはや立派な創作。

 以下、普通にアメリカ史の概説から年表でちゃんと拾いましょう。

 アメリカ合“州”国結成以来、自由主義経済を旨とする北部州となかなか移行できない南部州の経済格差は大きかった。
 最初はアメリカ合“州”国議長(President)は南部が独占していたので何とかバランスが取れていたが、政治的特権すら失って、南部の諸州は立つ瀬がなくなっていった。
 ちなみに文化的には、黒人奴隷は南部では、愛玩動物か家畜として重宝された。
 間違っても『アンクルトムの小屋』のような馬鹿な扱いはしない。あれが発売された時、南部では「ストウ夫人は黒人奴隷を見たことあるのか」と猛抗議を受ける。
 ついでに南部奴隷主の言い分。「あんな扱いをするのはアイルランド移民相手だけだ」

 北部の人間が南部に入り込んで黒人奴隷の鎖を壊して回るという事件が発生するですが、今の感覚で言えば、動物園の檻を壊して回るのと同じです。

 さらにちなみに北部では黒人の投票率はゼロパーセントでした。
 なぜならば、黒人が投票所に来ようものならリンチをして追い返すからです。
 北部人の発想は「アメリカは白人だけの天国だ!黒人などアフリカに追い返してしまえ!」
 つまり、民族浄化の思想です。
 そういって本当に黒人を送り返してできた国がリベリア(自由の国)。
 その黒人たちが現地黒人を奴隷にするという地獄絵図には、知らん顔。

 さて、「奴隷解放」を掲げてリンカーンがアメリカ合“州”国議長(President)に就任。
 南部諸州は連邦離脱権を主張。アメリカ連合国を結成。
 リンカーンは「奴隷解放をやらないから戻ってきてよ」などと猫なで声で懐柔。
「公約破り」の批判もなんのその。
 同じ南部でも、南西部には「連邦に残ってくれたら奴隷制を残すよ」と説得に成功。
 こうして、アメリカ連合国(南東部)は、三方を包囲される形勢となる。

 ここで追い詰められたアメリカ連合国が、アメリカ合“州”国を奇襲。
 緒戦の有利にフランスとスペインが国家承認をしてくれる。
 焦ったリンカーンは、英国首相が奴隷解放原理主義であったことを思い出す。
 そして「これは、自由主義と奴隷制の戦いだ」などと、内心はどうでも良いと思っていることをプロパガンダ。
 フランスに北米大陸をくれてやる気のない英国は、リンカーンに好意的中立を約す。

 で、開戦二年目のゲティスバークの戦いで大勢が決したところでリンカーンが有名な演説。
「私たちは英霊の前に誓います。
 民衆の、民衆による、民衆のための連邦政府を永遠に守ります。」
 つまり、アメリカ合衆国は州の集まりではなく、民衆の意思によって成立した国なので、州には連邦政府からの離脱など許しません、ということです。
 実質的にはリンカーンが南北戦争(内戦)に勝利して、連邦離脱権を認めないことにしたのですが、ジョージ・ワシントン以来、統一したひとつの国民国家だったことにしましたとさ。

 つまり、南北戦争とは「連邦離脱権」をなかったことにする戦いです。
 黒人奴隷?その後百年、差別され続けましたが何か。

 これでもかと絶版ですが、
中屋健一『大世界史 偉大なるフロンティア』(文藝春秋、一九六八年)
がまとまっていると思います。(以後の概説書はここから逆行・レベル低下している?)

 ちなみに、南北戦争の本らしい。

誰が殺した?日本国憲法!

(講談社、税込1680円、好評発売中)


2011年7月29日(金曜日)

もはや眠睡党?

カテゴリー: - kurayama @ 23時28分10秒

 相変わらずこんな動きが。

増税規模10兆円を削除、民主党が政府の復興基本方針修正
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-22439020110729

 つまり、増税を阻止した代わりに、増刷も阻止された。

 

 で、これはどうでも良いのですが、海江田大臣がとうとう泣き出した。

経済産業委員会 海江田万里さん泣く
http://www.youtube.com/watch?v=df4K-1cLWz8

 泣くくらいなら大臣辞めればよいのに。

 大臣が辞表を叩き付けるというのは、総理を政権から引き摺り下ろす常套手段なのですがね。


2011年7月28日(木曜日)

マッカーサーの十二歳

カテゴリー: - kurayama @ 07時31分53秒

歴史が嫌いな人=他人の作った年表を覚えさせられるだけ。
歴史が好きな人=自分で年表を作ってみて面白がってみる。

例)
どこぞの野蛮人が「日本人は十二歳だ」とのたまわったらしい。
 ↓
昭和20年に12歳だった人の人生を年表にしてみよう!

 0歳 昭和 8年。以降、「軍国教育」を受けて育つ。
12歳 昭和20年。敗戦。大人たちの変節。占領軍のジープに「ギブミーチョコレート!」。
          「民主化」と言えば何でもやりたいほうだいの時代。
17歳 昭和25年。朝鮮戦争。「逆コース」の大学受験生時代。
23歳 昭和31年。社会人一年目。もはや戦後ではない。
27歳 昭和35年。安保闘争。ひたすら働く。
36歳 昭和44年。全共闘終焉。何となく前後にベトナム戦争。
40歳 昭和48年。オイルショック。インフレ怖い病。
46歳 昭和54年。アフガン侵攻でモスクワ五輪をボイコット。
52歳 昭和60年。プラザ合意。バブル。何もかも忘れる。
56歳 昭和64年。昭和天皇、崩御。よくわからなけど、時代の終焉を感じる。
    平成 元年。湾岸危機。金だけ出して血を流さないと言われ、錯乱。
62歳 平成 7年。ようやくバブルが終わっていることに気付く。
68歳 平成13年。小泉内閣の時に9.11テロ。ブッシュに反発。
78歳 平成23年。今。

 以上、ある老人の自己批判をそのまま流してみました。


2011年7月27日(水曜日)

不要の段落

カテゴリー: - kurayama @ 23時05分23秒

 新聞記事はネットで十分、と言う人も多いでしょうけど、やはり新聞紙を広げると、違った世界が見えてくる。
 本日の『産経』、2面の社説なんかは良かったのですが、、、
 1面に気になる文章が飛び込んできて、悩む。

 菅総理の原発政策の危険性を訴えたかったらしいエッセー。

山河有情 元検事総長・但木敬一 総理の単眼の危険
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110727/plc11072703140007-n1.htm

 冒頭がこれでもかと気になった部分。

 明治憲法には内閣も総理大臣もなかった。「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼(ほひつ)シ其ノ責ニ任ス」(55条1項)という規定があるのみであった。「内閣ハ国務各大臣ヲ以テ組織ス」「内閣総理大臣ハ各大臣ノ首班トシテ機務ヲ奏宣(そうせん)シ旨ヲ承テ行政各部ノ統一ヲ保持ス」という制度は法律ではなく、天皇の大権に基づく「内閣官制」勅令によって定められていた。いうまでもなく天皇が行政権を行使する主体であり、内閣はこれを補佐する組織にすぎなかったからである。閣議は全員一致を求められていたうえ、総理大臣には大臣を罷免する権限もなかったため、閣内不一致は命取りとなり、実際軍部との対立によって退陣に追い込まれた内閣も少なくなかった。

 片っ端から間違いを指摘しますね。

明治憲法
 正式略称は帝国憲法です。宮沢俊義が呪いを込めた造語なので、最近は学界でも敬遠されます。

明治憲法には内閣も総理大臣もなかった
 憲法典に規定がなかっただけです。憲法典だけが憲法ではなく、内閣官制のような憲法附属法も含めて憲法です。この憲法附属法という概念、現行憲法制定直後は宮沢教授も重視していたほどです。今や死語ですが。

「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼(ほひつ)シ其ノ責ニ任ス」(55条1項)という規定があるのみ
 気になるのが「〜規定があるのみ」という表現。簡文主義という言葉ご存知でしょうか。法律、特に憲法典には余計なことはできるだけ書かないということです。
 内閣は憲法典制定以前の存在なので、わざわざ規定する必要がありません。
 逆に帝国議会は憲法ではじめて認められたので、繁文主義で詳細な規定が書かれています。

天皇の大権に基づく「内閣官制」勅令によって定められていた。
 二重の間違いです。
 勅令とは今の政令にあたります。「大権に基づく〜」は、「象徴天皇の最終的裁可に基づく政令」というくらい無意味な表現です。
 また、議会制定以前に法律と命令の区別はありません。(美濃部達吉先生が強調されていた事)

いうまでもなく天皇が行政権を行使する主体
 帝国憲法第三条、四条、五十五条及び『憲法義解』の該当部分を読み直していただきたい。
 いまどき左翼でも真面目に勉強している人はこんな解釈はしません。

内閣はこれを補佐する組織にすぎなかった
「輔弼=adivice」です。帝国憲法の輔弼は、今の「助言(と承認)」とまったく同じ意味です。では今の内閣も天皇の補佐機関にすぎないですね。

閣議は全員一致を求められていた
 今とどう違うのでしょう。

総理大臣には大臣を罷免する権限もなかった
 これは法制史のよほどの専門家でもなければ知らないので酷ですが。
 でも法律の専門家なら、山崎丹照がどんな議論をしていたか知っていて欲しいですが。
 内閣官制の「内閣総理大臣ハ各大臣ノ首班トシテ機務ヲ奏宣」云々はもちろん、大臣任命権からはじまります。でないと「行政各部ノ統一ヲ保持」などできないからです。
 で、本質的に憲法第十条の天皇の文武官の任免権は総理大臣の責任で行使されます。つまり、本来は総理には大臣罷免権があるのです。
 ただし、大臣罷免が行使された唯一の例が内閣制度開闢以前の明治十四年の政変における
大隈重信への諭旨免官だけなので話がややこしいのですが。
 正確には、明治十八年の内閣制度設立から、昭和二十年までの帝国憲法下では、総理は罷免権を行使できないという慣例(より正確には憲法習律と言います)が強固に存在したということです。
 ではなぜ総理が閣僚罷免権を行使できないようになったかというと、「そんなクビにしなきゃいけないような大臣を陛下に推薦した責任はどうなるのだ」という意識が強くて、そういう運用になったのです。
 で、法制局など法律専門家の間では「この運用は問題があるのでは」と認識されつつも、ついに改善されないまま敗戦を迎えてしまったということです。

 よくある、「帝国憲法は大臣罷免権が無かったから欠陥憲法だ」は嘘で、「(憲法附属法である)内閣官制の運用に問題があった」が正解です。

閣内不一致は命取り
 これが帝国憲法下での内閣総辞職の最も多い原因ではあります。
 これは世界で私の他に誰が知っているの?的な話になるのですが、かの右翼の頭目・平沼騏一郎なんかは、憎き若槻礼次郎民政党内閣が安達内相一人の造反で総辞職になったとき、「こんなんで内閣総辞職しなきゃいけないのはおかしい」と言っていたのです。
 ウソだと思ったら『倉富勇三郎日記』をお読みください。は、さすがに無理なので言いませんが。

軍部との対立によって退陣に追い込まれ〜
 これは表現が粗雑すぎます。「軍部」って誰?「陸海軍の総称」の意味なら、この文脈では明らかに不適当です。
 ちなみに昭和十年代の陸軍はよく内閣を潰しますけど、潰されるのはもっと早いです。

 別にこの段落、無くても意味が通じるというか、無い方が良いというか。
 まあ司法試験って、法制史いらないですからねえ。ってそういう問題?

 疲れてるので気軽な話題をと思ったのですが、かえって普通の人には難しい話題になったような。。。

 ということで、気軽にわかりやすく読めるのが、

誰が殺した?日本国憲法!

              (講談社、税込1680円、好評発売中)


2011年7月26日(火曜日)

満洲のキーマン―『歴史読本』に寄稿しました

カテゴリー: - kurayama @ 23時09分34秒

 既に店頭に並んでいる『歴史読本』9月号
「知られざる満洲のキーマンたち」を寄稿しました。
 関東軍がいた時代の満洲のキーマンをかぶらないように5人選んで解説するというのが私の担当。ということで、著者自身のコマーシャル。

後藤新平
大風呂敷とあだ名された、日本の植民地経営者

 今のご時勢に、後藤を語るのに理由はいらんでしょう。
 といっても震災の話なんかつけたりで、満洲時代の話だけですけど。

 中華世界では正規戦が終わってからが本番。⇒日清戦争後の台湾平定が本番。
 鉄道もまともに敷けん国は文明国ではない。⇒図らずも某大国への嫌味になった。
 ハリマンなんか追い返して何の問題も無い。⇒これを日米戦の起源にする奴の気がしれん。

なんかは、学界に遠慮している人は書けないでしょうね。

川島浪速
清朝の皇族と親交を結んだ満蒙独立運動の先駆者

 要するに大陸浪人。
 満洲とモンゴルと漢の区別もつけないで「日本は中国を侵略したぁ」などとほざくアホがいまだに多いので(日本は社会主義国か?そもそも中国って島根県か?)、川島を通して描きました。
 川島の行動が国益にかなっていたかの冷徹な評価は別として、侵略など微塵も考えていないのだけは史実。自称実証主義者はここを二重基準どころか、五重基準ぐらいの詭弁を使ってごまかすのが常。
 まじめな歴史家なら、「日本の国益を度外視してまで満洲人やモンゴル人のために戦った右翼」が国益を結果的に損ねた話をすべきでは?
 まあ、自称実証主義者は「漢民族は民族紛争の加害者」だという事実を隠蔽するのが実証主義だと思っているから度し難い。少しでも奴らの機嫌を損ねると「それは実証的ではない!」と馬鹿の一つ覚えのヒステリーを起こす。近寄らないのが一番。

 川島芳子?書くことがないことが、書くべきこと。
 そんなことより石井菊次郎!⇒2009年8月6日、7日の記事を参照。

ヴィクター・V・リットン
満洲事変のため派遣された調査団長

 DNB(英国人名事典)に、「妻の元彼がチャーチル」とか書かれている人。
 ふんだりけったり人生。
 ほとんど内田康哉という人物のセイ。⇒2009年10月8日の記事を参照。って知らないうちにレスが。。。
 満洲がいかに無法地帯だったかは詳述。その事実と国際法を知らないと、満洲事変が何も理解できませんからね。外務省・平和主義vs陸軍・人権尊重・・・日本国憲法の理念の分裂???
 あと、「満洲は東洋のバルカンだ」と呼号する奴に限って「ブルガリア方式」を無理解だから困る。

 どうでも良いけど、イギリスの話を書くとき、ワルツのような文体になるなあ。。。

大橋忠一
対米戦回避のため、松岡洋右外相の下で尽力

 杉原千畝の上司として。
 外務省関係者には絶対かけない杉原千畝の真実。
「杉原千畝に謎なんかない!」
 キャリア・ノンキャリアの関係がアパルトヘイトだとわかれば、全部説明がつくし。「ユダヤ人差別」なんて言葉を持ち出す必要すらない。
 この項はいつもと違って、国際法の議論とか全部消して、ひたすらエスピオネーゼ(諜報)の話ばっかりです。

「廣田弘毅、一世一代の大仕事。スターリンを恫喝」とかも出てきますよ。

梅津美治郎
敗戦に際し重光葵とともに降伏文書に調印

 実は、昭和史の超重要人物なんですけどね。是非やりたかったけど字数が大河ドラマ分はないと足りない。
 梅津ある限り、スターリンはビビッて攻めて来れなかった。
 戦わずして勝つ有能な軍人です。東條英機と違って。
 有能なキャリア官僚でもあります。石原莞爾と違って。

 飯村穣(総力戦研究所所長)の梅津評はあまりにも的確なので、長文引用しました。

 ということで、ご興味がある方はどうぞ。


2011年7月25日(月曜日)

日本が即時採用すべき海洋地政学的結論

カテゴリー: - kurayama @ 16時58分06秒

問い
 海洋国家日本として、大陸国家中国に対しどう対峙すべきですか。
 沖縄、日本海、黄海、南沙諸島と重視すべきところは色々ありますが、
 特にどこを注目すべきですか。

答え

 
本石町に艦砲射撃!

 真摯な御質問でしたので、大真面目に答えました。

 昨日は海軍OBの集まる場所・水交会のネービー21にて講演してきました。
 山本権兵衛さんが、震災対策の指揮をとった場所でもありますね。
 懇親会では「砦に書けない、書かない話」を中心に。笑
 例えば、
「7月6日の記事、本当はもっとえげつないですよ」とか
「実は7月23日のおちゃらけた方の記事が死人が出かねない暗号です」とか。笑

 冒頭のやりとりは、質疑応答での私の回答。
 結論だけ言うと突飛なようでも、実は合理的な議論の積み重ねです。

 マフィア国家・中国は、アメリカの海洋覇権に挑戦している。
  ↓
 日本銀行が中国の資金源だ。
  ↓
 マフィア退治には資金源を断て。

よって、

本石町に艦砲射撃!

 2.26事件でも戦艦長門の主砲は国会議事堂に向いていた訳ですし。
 今回はどこに照準?
 もちろん、上空から見れば「円」の形をした建物

 ちなみに2.26事件では、岡田首相女婿の迫水久常(大蔵官僚・首相秘書官)が、首相官邸に立て籠もる陸軍を討伐しようと、「海軍陸戦隊を突っ込ませろ」と無茶苦茶を言い出したらしい。大角岑生海相(魔夜峰夫は彼にあやかる命名)は「内乱になる」と拒否したらしいですが。

 私も日本人同士の殺し合いはまったく望みませんが、
 今や普通の国だったらとっくにクーデターか革命という状況ですから。
 以下、普通ではない国の例を三つ。

その一、大英帝国
 政治の決着は演説と総選挙で決着をつけるという「憲政の常道」を積み重ねた。
 特に、ウォルポール・大ピット・小ピット・パーマストン・ディズレーリ・グラッドストン。
 イギリス人どうしで血を流すのは名誉革命で最後にしようと思ったから。

その二、大日本帝国
 政治の決着は演説と総選挙で決着をつけるという「憲政の常道」を積み重ねた。
 特に、大正期の第三次桂・第一次山本・寺内・清浦の内閣は民衆運動により倒れた。
 日本人どうしで血を流すのは西南の役で最後にしようと思ったから。

その三、今の日本
“変態”憲法の下で言葉そのものが意味をなさなくなっている。もはや日本全体がバベルの塔。
 特に、、、
 二十年に及ぶ大不況で、国民の心がデフレ脳になっているから何も出来ない。

 テロだのクーデターだのしなくても、ちょっとだけやる気を出せば良いのですけどね。

 日本を救う処方箋を知りたい人には。

誰が殺した?日本国憲法!

(講談社、税込1680円、好評発売中)


2011年7月24日(日曜日)

大久保利通が考えたこと

カテゴリー: - kurayama @ 02時42分26秒

 明治維新の成功率って何%あったでしょう?

 山川の教科書とか読んでいると、ペリーが来た瞬間に徳川幕府が倒れるのが決まっていて、歴史の必然のように幕末史は展開したように思えてしまいます。
まったくのウソです。「徳川さんもうだめだ」とみんなが思ったのは、日にちまで特定できます。
 慶應四年(1868年、つまり明治元年になる年)の1月4日です。
 戊辰戦争二日目、薩長側に錦の御旗が翻ってからです。
 この瞬間に雪崩現象が起きて、土佐やら肥前やらが大挙して薩長側につきましたが、その前日まで徳川方はまだ薩長の三倍の兵力がいたのですから。

 大政奉還なんて、徳川慶喜最後の罠であって、徳川抜きの政権なんてとても考えられませんでした。

 慶應元年からで考えて見ましょう。当時考えられる最も合理的な選択を積み重ねるとどうなるか。

 各派閥実力者の皆さんが納得する、徳川慶喜を首班とする政府をつくる。
 親藩・譜代・外様に限らず、雄藩の賢侯を集めて常設会議を創る。参勤交代は緩和。
 一番政権担当能力のある官僚の皆さんに実務はお任せする。
 何となく天皇親政ぽい体裁を整える。
 若くて優秀な武士の意見は取り入れられるものは取り入れる。=
既得権益は侵さない。

 さて、これをやるとどうなるでしょう。

 相変わらず各藩が勝手に税金をとり、軍隊を整備する。=富国強兵はできない。
 なあなあの既得権益擁護、強い政治家は現れず。=有司専制にすらならない小田原評定。
 外国と強い交渉が出来ず付け込まれる。
 以上、なし崩し的に植民地化。

「できるか?」だけを積み重ねたら破滅という状況です。
 そこでただ一人、大久保利通だけは徹底的な決心をしていました。

 名実ともに独立国。
  ↑
 富国強兵の実現。
  ↑
 強い統一政府の樹立。
  ↑
 徳川既成勢力の打倒。ただし、可能な限り速やかに。
  ↑
 何が何でも決戦に持ち込む。・・・ここで西郷隆盛が超重要な役割。泥をかぶってくれた。
  ↑
 薩長の意思の統一。軍事力強化。

 以上、五つの過程のすべてが危険で成功率が低いのですね。
 年表だけ並べてみると必然だと思い込みがちですが、当時生きている人にとっては、勝率数パーセントの賭けの連続なのですね。
 でも、それしか方法がないからそこに命を賭けた訳です。

「できるか?」「どうなる?」ではなく「やらねば!」「どうする?」という発想をしないと危機は乗り切れないのです。

 

 以下も実話。

 平成十年四月二十五日。
 たった三人の名も無き若者が、「北朝鮮に拉致された中大生を取り返すぞ!」と新宿の京王プラザホテルで決起しました。

 この三人、当時は誰からも「バカじゃねえの?」「とうとう血迷ったか」「お前そういうことする奴じゃなかったよね」などと散々あざけられていました。

 さて、

質問一 
 この時の彼らの「北朝鮮に拉致された中大生を取り返す」という夢想、成功率は何%だったでしょう?

質問二
「北朝鮮に拉致された中大生」こと蓮池薫さん、今はどこの国にいますか?

質問三
 この三人の夢想と、「今の日本を二年以内に救うぞ」という夢想、どちらの可能性が高いですか?

質問四
 あなたは何人の仲間が集まれば決起しますか?
 それとも誰かが何とかしてくれるのを待ちますか?

質問五
 あなたは自分に何が出来るか、自分が何をなすべきかわかっていますか?


2011年7月23日(土曜日)

諸葛孔明の話

カテゴリー: - kurayama @ 12時26分41秒

 私の黒歴史。
「諸葛孔明のような人物になりたい」とか口走っていたらしい。。。
 記憶にないが、20代でもまだ言っていたらしい。。。
 まあ、「〜演義」の方の、妖怪変化ならなってみたいものですが。みんなが想像する孔明は、モンゴルに対抗する「明・ナショナリズム」が産み出した架空の人物ですね。

 現実の孔明は、内でも外でもチョコチョコとネゴやって、、、が本業でしたからねえ。
 劉備、肝心な時に限って言うこと聞かないし。www
 確かにあの交渉力と統率力は欲しいかも。
 あとイメージ戦略の上手さ。
「孔明さんは私利私欲のない公平な人だ」と思わせる能力は凄い。
 実際に公平かどうかが問題なのではなくて、公平だと思われることが大事ですから。
 結構、地道な性格です。

 いかんせん率いていたのが、泣きたくなるような小国の蜀。
 何が小国って、人材難。
 本当に自分の寿命を計算していたかどうかはともかく、
「自分が生きているうちに何とかしなきゃ、魏や呉に何されるかわからん」
という焦りだけはすべての行動に現れています。
(この辺り、泣きたくなる)

 対して、ライバルの大国・魏の司馬仲達は何も焦る必要がない。
 むしろ蜀を滅ぼして「走狗煮らる」だと困るので、勝てなくても負けなければ良い。
 ひたすら孔明の寿命が尽きるのを待てばよい。

 そんな相手に「決戦」を挑まねばならないのだから、孔明の方が不利に決まっている訳です。
一回遠征するだけで、国力が傾くし。常に時間制限のハンディキャップを背負って戦っているわけです。
 それでも自分の死後三十年近く破綻させなかった孔明の内政能力、やはり化け物か。

 私が焦る理由の一つが、「今この瞬間に戦わねば間に合わない」という危機感です。
「何をそんなに焦っているの?」が最近の私に対する禁句だったりします。

我が国の近隣。
 アメリカ・・・明らかに衰退期。
 ロシア・・・もっと衰退期。というか一回、国が滅んだとこ。
 中国・・・実は火の車。日銀を通じて日本人の富を巻き上げて、自転車操業。

 合理的な議論を積み重ねれば、今の日本が生き残れる可能性なんて、蜀が生き残れる可能性より怪しいのですよね。
 今は建国以来の危機です。
 でも幕末も建国以来の危機でした。
 ではなぜ救国が出来たどころか、大日本帝国にまでなれたのか。

 次回は、「大久保利通が考えたこと」をやろうと思います。


おめで、と〜う〜♪×2

カテゴリー: - kurayama @ 11時52分57秒

 最近、珍しく慶事が重なる。

 本日はパーティー。
 私が「アキ姉」と呼ぶアキ・ハラダさんが東久邇宮文化褒賞を受賞。
http://www.lovelin.jp/

 おめで、と〜う〜♪
 密かに私も祝う会の発起人です。

 アキ姉は、故藤田田日本マクドナルド社長の娘分みたいな人。
 「だれころ」にも登場していただきました。
 なにせ『ユダヤの商法』シリーズ、中学時代の愛読書でしたから。www
 ちなみに「だれころ」の藤田田さんの部分、『頭が悪い奴は損をする』が元ネタなのですが、
 軽妙な文体の中であそこだけ異様なのですね。
 藤田さんも東大法学部には相当な反感を抱いていたみたいです。

 また、故黒川紀章さんの妹分でもあったとか。
 今の復興構想会議とか、、、いやこれ以上何も言うまい。

 もう一つが、仲良し四人組の中で最後まで行き遅れ決定!!!
 よかったよかった。おめで、と〜う〜♪
 ということで、三連続友人代表スピーチ決定!!!
 結婚式スピーチの名人としては、来年の四月までにネタを練りに練るつもり。(陰謀)
 その前にお嫁さんを我々の前に披露してもらわねば。www

 本題は、「このままじゃ、日本の寿命はあと二年もないね」になるのだけどね。。。

 さあて、どう戦い抜くかな。。。

 こちらもよろしく。
「ネービー21」 第174回定例会
「今だから語ろう 山本権兵衛一代記 〜現代の政治家に求められるもの〜」
日時 平成23年7月24日(日)13時00分〜15時50分(12時30分受付)場所 水交会館 1階  
http://suikoukai-jp.com/
講師 : 倉山満(国士舘大学講師)
※ 講義・質疑応答の後、懇親会を予定。
参加費 3,500円 (会場費・資料代・幕の内弁当・お茶代として)
主催 「ネービー21」
事務局お申込
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info@navy21.jp
 FAX 048-225-8320 
 TEL 090-1807-0222


2011年7月22日(金曜日)

アンドリュー・ジャクソン一代記?―アメリカ合衆国はこんな国(3)

カテゴリー: - kurayama @ 16時04分01秒

 アメリカ合衆国の国史、これをそのまま事実と受け取るのは、ほとんど手塚治虫のマンガを実証主義と呼ぶくらい恐ろしいです。
 さすがにインディアン民族浄化(大虐殺でも可。典型的なジェノサイド)は誤魔化しようがない部分も多いのですが、米国建国史の無知誤解が日本人の無意味な対米コンプレックスになっているところもあるので、やや詳解。
 日本の外交官試験に出したい問題。アメリカ合衆国が大国になったのはいつですか?

 1783年の独立戦争終結後、USA(アメリカ国家連合)は世界の辺境の地として欧州と無縁の化外の地として扱われた。だって、フランス革命戦争やらポーランド分割やらで忙しいのですもの。ちなみUSA議長(今の大統領)はワシントンから第六代アダムス二世まで、すべて特権階級出身なので、「バージニア王朝」と呼ばれる貴族趣味の国家連合です。奴隷制に基づく階級国家振りを謳歌しています。

 で、その後、ナポレオン戦争が勃発。これでもかと親仏反英の国の集まりだったUSAは、この大英帝国亡国の危機に火事場泥棒を働く。

 1812年、英国に宣戦布告!その後、カナダに侵入。
 最初に宣戦布告を一方的にしておけば、火事場泥棒をしても良いらしい。覚えておこう。
 ナポレオン戦争にかかりきりで5倍の兵力で襲い掛かれば圧勝できると考えたらしい。
 で、結果は?

見事に返り討ち!

 アメリカ史の先生は「国民の士気が低くてぇ」と言い訳をしているが、支那事変の国民党軍くらい弱い。なぜ弱いものを弱いとはっきり言わないのだろう。そんなにアメリカ様には常に強くいえてもらわねばならないのだろうか。で、欧州の戦争が一段楽したら、英軍の反攻が本格化。でも片手間だけど。
 その片手間の結果の戦果。

大統領官邸焼き討ち!

 マジソン大統領はホウホウのていで逃げ出し、食べかけの昼食は英兵に平らげられてしまった。あんまりにも惨めに焼けてしまったのでごまかすために家中を白く塗ったのが、ホワイトハウスの語源。(以上、よくあるトリビア)

 USA全体に、厭戦気分と敗北感が漂う。
 そんな中、英雄が現れ、再び民衆に自信と進取の精神を取り戻す。
 その名が、アンドリュー・ジャクソン。

 ジャクソン氏、まともな教育も受けていないのに弁護士として活躍。
「All Correct」を「Oll Korrect」だと思い込んでいて、その略としてOKとしたとか。(よくあるトリビア)
 親の代から黒人差別とインディアン虐殺が趣味と実益を兼ねた仕事。
 英米戦争中は、英兵から逃げ回りながらインディアンの虐殺ばかりしていた。
(日本軍から逃げ回りながら、共産党虐殺をしていた国民党と同じ)

 このおじさんが英米戦争末期のニューオーリンズの戦いで戦勝をもたらす。
 というのは、とっくに停戦協定が結ばれていたのに、英軍にちょっかい出して、要塞(野戦築城)にこもって多大な被害を与えた、という話。

 ほほう、通信手段の不備で宣戦布告の手交が遅れた国のことを「だまし討ちだ」と口汚く罵って、あらゆる国際法違反の自己正当化に使った国がありましたなあ。
 覚えておこう。
 通信手段の不備は、だまし討ちの言い訳になるらしい。宣戦布告の前に攻撃してはならないという国際法は無いのだが、停戦協定違反は重大な違法行為です。この時の米国にどんな特段の理由があったのだろう。
 まさか「通信が届いていなった」などという言い訳だけはしないでしょうね。
 そんな言い訳をする奴らには無差別空襲やら原爆投下をして良いのでしょ?

 ジャクソンは「戦勝」の英雄として後に大統領に。
 今に至る「スポイルスシステム(腐朽官僚制)」を導入し、サミット参加国でワースト3位の金権政治の国へと導く。(最下位はロシア、ブ−ビーはイタリア、今の日本は5位かなあ)

 結論。
 ジャクソンが大統領をやめた1837年(日本で大塩平八郎の乱があった年)、米国は大国でも何でもないし、そもそも今のようなアメリカ合衆国は存在しない。まだまだEUのようなもの。

 以上を反米ナショナリズムの文章だと思ったあなた、甘い!
 この程度の事実を知らないで外交官をやることを許している、日本という国への批判です。
(日本外務省の、控えめに言って、九割は知らないでしょう)

 どこの国も程度の差はあれ歴史歪曲をするものであって、「アメリカではこう教えてますよ」などと連中のプロパガンダを最新研究だと思い込んで威張り散らす生半可留学組(しかも教授だったりする)が許せないだけです。

 こちらの一代記もよろしく。
「ネービー21」 第174回定例会
「今だから語ろう 山本権兵衛一代記 〜現代の政治家に求められるもの〜」
日時 平成23年7月24日(日)13時00分〜15時50分(12時30分受付)場所 水交会館 1階  
http://suikoukai-jp.com/
講師 : 倉山満(国士舘大学講師)
※ 講義・質疑応答の後、懇親会を予定。
参加費 3,500円 (会場費・資料代・幕の内弁当・お茶代として)
主催 「ネービー21」
事務局お申込
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info@navy21.jp
 FAX 048-225-8320 
 TEL 090-1807-0222


2011年7月21日(木曜日)

上野先生のツイッターにて

カテゴリー: - kurayama @ 20時53分48秒

 何がうれしいって、こういうのが一番うれしいです。
 将棋の上野先生からお電話いただきました。
「だれころ、買いましたよ!読みましたよ!面白かったですよ!」
 でもって、ツイッターでつぶやいていただきました。ありがとうございます。

http://twitter.com/#!/hirokazuueno

久々に面白い本を読みました。「誰が殺した?日本国憲法」倉山満著、講談社。
日頃意識しない、憲法の入門書といった感じです。
ほとんど知識のない僕でもすらっと読めました。
なお、戦後GHQと戦って将棋を守った大先輩のエピソードもあります。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2169967

 上野先生のおっしゃる“大先輩”とは、升田幸三名人のこと。
 第二章、自分で書いててあまりにも陰鬱だったので、升田名人に登場してもらいました。笑

 総力戦研究所によれば、
 占領からが総力戦の本番で「総力殲滅」というのをしかけてくるものだそうです。
 具体的には、その国の文化を破壊して、奴隷化をはかります。
 それに対して、占領された側は、必死に「総力抵抗」をするものです。

 憲法論議とは、総力戦そのものな訳です。
 文化を守ることもまた、お国を守るということです。
 升田名人、別に年がら年中天下国家のことを考えていた、などということではまったくなくて、自分の仕事を極めたら結果的にお国を守っていた、ということです。

 当時も今もそういう認識、日本人にはまるでありませんが、今の日本国憲法を守るということは、日本を敗戦国のままにさせておくことなのです。

 条文をどういじるか、などということよりも大事なことは、自分たち日本人が何者なのか、
を見つめなおすことです。

 日本が敗戦国のままでいて欲しい連中=日本を滅ぼしたい国、その人たちに媚びたい人

 日本が敗戦国のままでは困る人=圧倒的多数の日本人、日本を好きな国、アメリカ合衆国

 今や、反日的アメリカ人すら「日本よ何とかしてくれ」と言い出す惨状です。


2011年7月20日(水曜日)

先祖がえりの改名?

カテゴリー: - kurayama @ 21時16分47秒

 これはひどい記事。それともこれ“も”?

小沢氏、菅首相を「8月中に辞めさせるべき」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110719-OYT1T01003.htm?from=tw

 短いので全文引用。

 民主党の小沢一郎元代表は19日、都内の個人事務所で高嶋良充元参院幹事長と会談し、菅首相の退陣について、「8月中に岡田幹事長ら党執行部の責任で辞めさせるべきだ」との考えを示した。吉良州司衆院議員ら党内の中堅・若手議員が首相の即時退陣を求める署名活動を行っていることに関し、「執行部でもない議員が動いて首相の首を取れるわけがない」との認識で一致したという。

 この砦をずっと読んでいるとわかりますが、この高嶋良充という人物、トンデモない人物です。小沢さん、あれだけひどいめにあってまだ懲りていないの?
 私、昔から小沢さんのこと、あまり評価して無いのですが、「だれころ」で「この人、全然わかっていないや」と散々批判しておいて良かった。
 また改名すれば?

小沢自治労!

 古の大英帝国には、一年生議員のディズレーリがピール内閣を倒した歴史があります。
 私は逆に今の民主党執行部になんか菅おろしは期待しません。
 心ある若手が国民と向き合う言論を行なうことから、再び憲政の常道が切り開かれるのではないでしょうか。

 社会について語りたいなら、これを読みましょう!

誰が殺した?日本国憲法!

                        (講談社、税込1680円、好評発売中)


2011年7月19日(火曜日)

色々焦る今日この頃

カテゴリー: - kurayama @ 23時17分04秒

 とりあえず、内輪の話。
 小宮山たかし
先輩、中野区議に繰り上げ当選おめでとうございます!
http://nakano1188.blog10.fc2.com/

28日(狂乱の宴、確定)は祝勝会ですね。笑

さて、
どこをどう転んだらこの仕事をすることになるのかよくわからないが、
なぜか私にお鉢が回ってきて、とうとう明日が締め切り。その他、一日中テンテコ舞い。
で、今書いている仕事が

夫婦愛

のエッセーです。枚数は多くないのに、苦労しどおし。他の仕事も同時並行と言うのがあれなのですけど。

 まあ主役は、「大和撫子の鑑!」みたいな女性なのですけど、ダンナがまあヘタレ。上司(仲人)と親友と息子に本当に「腰抜け」呼ばわりされるほど。世間では偉くて立派な人で通っているのですが、家庭生活は、、、

 熱烈な求愛の末、結婚。散々尽くした挙句にウザがられる。(どこの三流メロドラマだ?)
 嫁姑問題で大モメ、お決まりの夫婦仲最悪のパターン。(どこの三流メロドラマだ?)
 海外出張中に奥さんが浮気の数々。(どこの三流メロドラマだ?)
 間男同士の喧嘩が近所迷惑になっている、と苦情がダンナのところへ。(・・・)
 奥さんが離婚を待たずに家出。(やはり、どこの三流メロドラマだ?)
 自殺未遂騒動を起こす。(もう、平日1時半に8ちゃんねるでドラマ化してください)
 なぜか多額の慰謝料をとられる。(再び・・・)
 息子まで前妻の元に走る。(カワイソすぎる)

 この一連の話、全面カットする訳にもいかず、かといってオチも思いつかず、でウンウン唸っていて、ようやく出だしとエンディングを思いついたとこ。
 こんだけアイデアに悩んだのも久しぶり。。。

 これじゃ、訳が分からなくて予告にならない?
 いつものことです。

 ところで 油断してると、こんな動きが。野田さん、もはや病気?梯子をはずされてしまえ!

復興基本方針、臨時増税を明記=野田財務相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110719-00000025-jij-pol

 この人、自分ひとりの決心で被災地はおろか日本全体を救える権限を持っているって知らないのかな?

 民主も自民も、増税か増刷かで党首選挙やらないと、総選挙できないでしょ。
 今は二大政党ともに主流派は増税ですから。
 党首選挙なくして、総選挙なし。
 被災地の選挙準備ができていないのどうのこうのではなくて、陛下の野党どころか、陛下の与党すら存在しないことが、総選挙をできないし、してはならない理由です。


2011年7月18日(月曜日)

信長が駄目部下に与えた七か条

カテゴリー: - kurayama @ 22時47分14秒

 若者に言い訳をされた場合に言い返す言葉。

「その言い訳、織田信長にもできる?」

 命が惜しい若者は必ず黙る。
 でも「織田信長って誰ですか・」とかいう時代が来たらどうしよう。。。

 さて、苛斂誅求の筆頭のように言われる織田信長さんですが、実は合理的常識人です。
 例えば、「電通鬼十則」なんか、無茶ばっかりなんですね。
http://dokugaku.info/dentuu/001dentuu.htm
「取組んだら放すな! 殺されても放すな! 目的を完遂するまでは... 」とか。

 それと比べて、信長さんは切腹をさせないのです。
 だって、それまでかけた金その他が無駄になるだけですし。
 ちなみに信長自筆の「駄目部下に与えた十九か条」というのが残っています。
 正式名称は「佐久間信盛折檻状」と言います。
http://ja.wikisource.org/wiki/%E4%BD%90%E4%B9%85%E9%96%93%E4%BF%A1%E7%9B%9B%E6%8A%98%E6%AA%BB%E7%8A%B6

 わたしだったら
「天正八年八月十二日佐久間信盛宛織田信長折檻状」
と文書名を付しますが、「折檻状」しかもノブ様みずから筆をとった文書なんて他に無いので、
単に「折檻状」で通じます。
 その中から、七か条を現代語訳で抜粋。

 一、良い働きも悪い働きもしない者には、かける言葉は無い。
 二、力で押して駄目なら、頭を使え。
 五、わからなければ聞け。
 六、姑息な言い訳はするな。
十七、負けるのは仕方がないが、卑怯な振る舞いは許さない。
十八、失敗したら命懸けで戦え。
十九、それが嫌なら出ていけ。

 随分とフォロワーシップにあふれた指導者です。


2011年7月17日(日曜日)

米国初代大統領ジョージ・ワシントンは架空の人物だった―アメリカ合衆国はこんな国(2)

カテゴリー: - kurayama @ 22時06分09秒

 最近、「聖徳太子不在説」なるものがあるらしい。
 曰く、厩戸皇子という人物は存在したが、聖徳太子はいなかったとか。
 まあ詭弁の極地です。
 ならば、米国初代大統領ジョージ・ワシントンは架空の人物です。
 アメリカ独立革命こと、「謀反」を年表に従って追いながら説明しましょう。

1775年 
 13植民地が謀反を開始。
 その首魁がジョージ・ワシントンという人物。
 後ろ盾には、大英帝国の宿敵、フランス。
 欧州のすべての国は、フランスに味方か好意的中立。
 七年戦争で勝ちすぎた英国に反感を抱いていたため。
 対して英国国王ジョージ三世はドイツ人傭兵で対抗。
 プロ集団の英国兵に、ワシントンたちはゲリラ戦で対抗。つまりひたすら逃げ回る。
1776年
 アメリカ独立宣言。
 福沢諭吉はこれを「檄文」と訳した。極めて正しい。
 だって、「俺達、ジョージ三世キライなんだもん」としか言っていない。
 13植民地の軍事同盟締結と今のEU憲法(にしましょうよ)条約の合いの子のような内容。
1778年以降
 フランス参戦。
 実は、英国苦戦の理由は、フランス以下欧州各国の謀反人たちへの支援。
 珍しく(というか史上唯一?)、フランス海軍が英国海軍に勝利。
 英国は通商破壊に苦しめられる。=軍や物資を本国からアメリカ大陸に届けられない。
 で、謀反人たちにはほとんどの戦闘に勝利しながら、和平に応じる。
1783年
 パリ条約。米国の独立を認める。
 アメリカ合州国という国家連合の成立。=今のEUのようなもの。
 国家連合であって、とりあえず国民国家である今のアメリカ合衆国とはまるで違う存在。
1788年
 アメリカ合衆国憲法と今では訳される、「アメリカ国家連合条約」が発効。
 要するに、これは州どうしの条約。
1789年
 ジョージ・ワシントン、アメリカ国家連合議長に就任。

 以上、ジョージ・ワシントンという人物は実在ですが、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンなどという人物は存在しません。

 つまり、アメリカ合衆国などという単一の国はまだまだ存在しないのです。
 今のEUを指して一つの国だ、というようなものです。
 先取りして言うと、みんなが想像するアメリカ合衆国は、リンカーンが作った国です。

 江戸時代の日本人は、「ワシントンやジェファーソンは尭・舜だ」などと中国伝説の皇帝に比していました。ということは、リンカーンは始皇帝になります。

 御参考にどうぞ。実はアメリカ史も詳しい。

 誰が殺した?日本国憲法!

(講談社、税込1680円、好評発売中)


2011年7月16日(土曜日)

ボストン「大」「虐殺」?―アメリカ合衆国はこんな国(1)

カテゴリー: - kurayama @ 23時07分47秒

 メイフラワー“サティアン”の皆さんが欧州大陸の近代化についていけず、“新大陸”と勝手に名づけた他人様の土地に侵入し、“発見”したのだから俺様のものだと他人様の先祖伝来の土地を自分達のものにして成立したのがアメリカ大陸の植民地。

 この植民地というモノを奪い合いしてたのが16世紀以降。1756年からの七年戦争と同時並行でアメリカ大陸北部沿岸ではフレンチ・インディアン戦争という英仏の植民地争奪戦が行なわれていた。結果は英国の完勝。しかし、この植民地とやらの維持のためには金がかかる。そこで英国本国の国王は現地の13の植民地に防衛負担金として課税しようとした。

 ところがこの13植民地の皆さんは「我々は守ってもらっているのだから思いやり予算をあげよう」などとは言い出さない。「我々は発言権が無いのに、国王に一方的に課税だけをされる。これはけしからん」などと暴動をおこしはじめた。
 そんなさなかに発生したのがボストン大虐殺!原語は Boston Massacre!だから「大」虐殺!ちなみにどれくらいの人数が殺されたかと言うと、ウィキぺディア先生によると5人
(東京・広島・長崎はどう表現するのだろう。。。)あやかりたや。

 てな小競り合いをやっているうちに、七年戦争での復讐に燃えるフランスの後ろ盾を得て、革命を開始。アメリカ独立戦争とかアメリカ独立革命と呼ばれるが、英国側呼称は謀反。実に正しい。

 さて、この時に謀反人ドモが言い出した理屈が「代表なくして課税なし」。
 税金に関して発言もさせないでとりたてるのは許さん!という意味ですね。
 自分達の生活は自分達で守るぞ、と武器を持って立ち上がったと解釈しても良いです。

 こういった歴史を知った上で以下の記事を御覧ください。

ノーベル経済学賞P・クルーグマン教授 日銀は正気とは思えない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/994?page=4

 日本のGDPデフレーター(名目GDPを実質GDPで割った値。経済全体の物価動向を示す)は、ここ13年間、下がりっ放しです。それなのに今、日銀が重い腰をあげないというなら、(その責任者たる総裁は)銃殺に処すべきです。

 年間自殺者が今年は大量増加しようとしています。内閣府は「その原因が経済不況や震災によるものか、警察に情報提供を要請しています」などと言い出しました。また「上原美憂の後追い自殺が増えたから」などと訳のわからない理屈を言い出すのでしょうか。

 経済不況を苦にして自殺を選ぶ人も、震災で絶望して自殺を選ぶ人も、自分がなぜ死ななければならないのか知って死を選ぶのでしょうか。その人たちは、日本銀行総裁の名前を知っているのでしょうか。

 日本の自殺者三万人!

 日銀総裁・白川さん!

自殺者の数が来年に増えないことを祈りつつ、次回予告。
アメリカ初代大統領・ジョージワシントンは架空の人物だ!


2011年7月15日(金曜日)

心にZ旗を!

カテゴリー: - kurayama @ 22時05分43秒

「震災復興」
 今使っている扇子の揮毫です。
 とうとう我らが金子洋一先生、ここまでやりました。

菅首相に対する即時退陣要求について
http://blog.guts-kaneko.com/2011/07/post_566.php

 民主党若手議員が菅総理に退陣要求をつきつけました。金子さんとともにデフレ脱却増税阻止の宮崎さんが必ずしもその立場ではないので意外だったのですが。
http://miyazakitakeshi.jp/modules/wordpress/index.php?p=471

 金子さんと言えば当選以来、二度の代表選挙をはじめ大小無数の民主党内の政局に超然としていました。細かい事情は言えませんが、震災での人助けにも多大な御尽力をいただきました。

 その方が、ここで立ち上がるということは、それだけ日本は追い詰められているということです。今年の自殺者とか、跳ね上がるのじゃないでしょうかね。
 私もそうですが、「日本滅亡まであと何日」と毎日数えています。
 この砦では散々言ってますが、今の日本は昭和で言えば十九年。
 レイテ沖海戦を何とか持ちこたえた状況です。

議員会館の事務所には

Z 旗

が飾ってありました。
 ググルのすら面倒くさい人のために意味を。

皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ。

 ちなみに飾って最初のお客さんがロシア大使館の参事官だったとか。


2011年7月14日(木曜日)

カトリックとプロテスタントの違い

カテゴリー: - kurayama @ 22時22分04秒

 この世をパソコンと考えましょう。

 カトリックの神様観
 ただ一人の神様がすべてをプログラミングした。
 神様はなぜ完璧なのか?
 どんなバグも直せるから。
 この力を「奇跡」と呼ぶ。

 プロテスタントの神様観(特にカルバン派)
 ただ一人の神様がすべてをプログラミングした。
 神様はなぜ完璧なのか?
 完璧なプログラミングをしたから。
 この力を「預定」と呼ぶ。

 日本人だとカトリックの方が親近感あるかなあ。
「頑張れば、最後は神様が助けてくれる」とか考えがちなので。

 一方で、プロテスタントってよくわからないと思う。
 そもそもこの世を完璧にプログラミングしたなら、なぜ不条理があふれているの?
と、言いたくなることが無数なので。

 これに対するプロテスタントの教え。
「人間にとって不条理に見えることでも、神様が創った以上、人間には計り知れない理由があるのだ。」
 何せ、人間は神様というプログラマーが創った、キャラにすぎないですから。
 信仰心が篤くなると、「私は神様に救われるように創られた」、さらに「あいつは私に支配されるように創られたのだ」などと言い出す始末。

 以上の前提知識で考えましょう。

問題
あるカルト教団の連中が、
「近代化なんてイヤだ。私たちは正しい信仰に従って生きたいんだ!」などとワガママを言うので国を追い出され、サティアンごと船にのって安住の地を探していたとか。
 で、暴風雨にあいながも何とか島にたどり着いた。
 そこでロクな食べ物も無く飢え死にしそうなほど苦しんでいるのを見かねた現地人が、親切にも食べ物や着る者を与えてくれたので何とか元気を回復することが出来たとさ。

 さて、この九死に一生を得た人たち、誰に感謝したでしょうか?

解答
 もちろん神様にです。

「ああ、こんなすばらしい運命を与えてくださるなんて。」と。

 え?現地人?
「そういう風にするように神様が最初からプログラミングしてただけでしょ?なぜ感謝しなければならないの?」で終了。「エスニッククレンジングのちアパルトヘイト」にした。

 こいつらの名前をピルグリム・ファーザーズという。
 で、船の名前はメイフラワー号。

 もちろんアメリカ合衆国の話。

 親米派を名乗るなら、これくらいの歴史は承知しておきましょう。

 まあプロテスタントも色々ですが。ちなみに私はルター派で習った。


2011年7月13日(水曜日)

私が考えなしサヨクだった頃

カテゴリー: - kurayama @ 00時35分13秒

 レスが15人に達したので、21歳の時の私のチェック表。(10日の記事参照)

 まず一は大バツですね。
 二はサンカクです。君が代は歌えましたが、、、
 十五は存在せず、十四はよくわからなくて、十三は問題になっていませんでした。
 で、三から十二は全部マルでした。

 つまり、天皇・皇室以外、全部サヨクでした!

 なぜそうなったかというと、何も考えていなかったし、モノも知らなかったからです。
 時代風潮や体制が左がかっているとき、何も考えないと自然とサヨクになるのは当然と言うか。

 で、21歳の時に何があったかと言うと、現代議士の森山浩行先輩に「おもしろい勉強会があるから行ってみれば」と勧誘されて迷い込んだのが佐藤和男先生講演会。
 佐藤先生と言えば当時は青学の先生で「国際法ではなく国粋法」とか言われてました。
 まあ森山浩行先生と佐藤和男先生、なんとミスマッチな。。。笑
 ついでに同行者が、その二年後に国際法で大学院に進学する作家の山本直治君。

 で、佐藤先生の二時間講演会の内容が
「日本は満洲事変・支那事変・大東亜戦争で侵略なんかしていない。
アメリカって言う国はひどい国なんですよ。
ソ連と言う国はもっとひどい国なんですよ。」
 確か、「アメリカの悪口:ソ連の悪口=95:5」の比率だったような。

 その時の私は、「満洲事変はさすがに侵略でしょう?」などと、今から思うとどんだけ不勉強な、という感想でした。大汗
 ただ、内容はわからなくても「こういうおじいさんになりたいな」というのがあって、まあ陳腐な言い方をすれば「佐藤先生の学問的真摯さに魅かれた」ということなのでしょうけど。
 何となく自分があまりにも不勉強だということはわかって、「人生に一度くらいはまじめに勉強したいな」と思った次第です。
(その頃は、大学院は入学ではなく「入院」などと知らない世間知らずでした)

 という感じで、私も何も考えていない無自覚のサヨクの時代があったのですね。
 実は「私はノンポリです」って、相当のお勉強をして、ありとあらゆるとまでは言わなくても、一通りの思想を知らないと怖くて言えない台詞なのです。

 メリケンさんの話をすると、やはり「外国と言えばまずアメリカ!」が最初でした。
 たぶん戦後の日本人、生まれて最初に意識する外国ってアメリカなのではないでしょうかね。
 平泉澄はもっと極端に「最近の子供はアメリカと言う国を知っていても日本と言う国を知らない」とか無茶を言っていましたが。
 まあ最近は「わが町には“何なに人”が多いです」が日本中なので、どうなのでしょう。

 私の場合、子供の原体験が「ゾウのいない動物園」。
 どうやら戦争の悲惨さを教える童話らしいのですが、私はアメリカの非道さだけを感じ取りました。笑

 しかし、10日のチェック表15個全部マルって人、すごいなあ。。。
 こんなに考えなしサヨクだった私ですら「天皇サンだけは好き」だったのに。

 調子に乗ってまたやりましょうか。
 20人レスをつけてくれたら公開。
 ちょっと不敬罪企画。

「私の好きな天皇さん、ベストスリー」

 教科書で教えないばかりか「天皇を知る本」的な本でも、まずとりあげられない方ばかりです。


2011年7月12日(火曜日)

大丈夫です。安心してください!?

カテゴリー: - kurayama @ 23時53分54秒

 ロッキード社とグラマン社が世界中で航空機の売り込み合戦をしていたとき、
日本でも政府高官が賄賂をもらったのではないかと大問題になっていた。
 数ある大物政治家の名前が「灰色高官」として取りざたされる中、前首相の田中角栄がロッキード社から賄賂をもらったとして逮捕され、日本中が騒然となった。
 そうした中の話。

三木武夫総理、側近の松野頼三に深刻な顔で聞いて曰く、
「松野君、君はロッキードは大丈夫だろうね?」と。

松野君、答えて曰く、

「大丈夫です総理、

  安心してください!

  私はグラマンです!!」と。

 何がどう、大丈夫で安心なのだろう。。。
 言い訳もここまでくると楽しいものだ。
 本日の日本国憲法の授業は、課外実習で一年生全員がいないので、こんな話ばかりしていた。
 なぜこんな話になったかは、個人の名誉のために伏す。(思いだし爆笑)


2011年7月11日(月曜日)

サヨクがアメリカを好きな理由

カテゴリー: - kurayama @ 19時49分17秒

 昨日の「サヨクはアメリカが好き」で意外に感じた人が多かったようですが。
 まず狭義にしぼらない、言葉のイメージだけで捉えられる定義でお話をします。

サヨク=その国の反体制派。あるいはそういう思想傾向の人たち。
    (とりあえず漢字左翼とカタカナサヨクの違いは捨象)
アメリカ=アメリカ合衆国。
好き=極めて肯定的な感情を抱くこと。

 根本的な話です。
 戦争をした相手。しかも負けたままやり返していない国を好きになる人がサヨクでなくて何でしょう。間違いなく、愛国心は欠けている。

 日露戦争に負けた後のロシアが典型です。
 国益上は日露協商を組むのが適切だと分かっていてその通りにしているのですが、別に「好き」にはならないのですね。行動と感情を一致させなければならないと考えているとしたら日本人は相当におめでたい。ロシア人など、ロシアが滅んでソ連に国を乗っ取られてもまだ恨みを忘れず、40年もたっただまし討ち参戦でやっと「露日戦争のかたきをとった」などと言い出す始末で。

 印パ戦争後のインド人やパキスタン人、イライラ戦争後のイラン人やイラク人が「我々ならば原爆を落とされたのだから、最低百年は許さない。日本人は腑抜けか」と口を揃えております。同じこと、リビアの大佐もおっしゃっていましたね。

 なお、サヨクが好きなアメリカとは、反日的アメリカです。
 そもそも、占領期には外国と言えばアメリカしかなく、その意識は短からず続いたのですから。「アメリカが嫌いな人はサヨク」って言ったって、日本よりは好きでソ連や中国よりは嫌いという比較の問題だけです。まあ、日本人のサヨクなど、思想の底が浅すぎるのであんまり分析する気にならないのですが、一応解説。

幼稚なサヨク=とりあえず外国と言えばアメリカなので好き。
       食事、服装、野球、音楽などなどとアメリカ文化に囲まれて生きているので。
極左=原爆その他の話を知って、怒りに震える。
  (時々ナショナリズムがまじって、左翼反米ナショナリストになる人もいる)
   しかし、根本的に日本が嫌い。
   だからアメリカをキライな分、他のもっと反日国を好きになる。
   そして日本もアメリカも攻撃する。この段階だと、「アメリカ嫌い」に見える。

 普通の国は、戦争で負けた国のことは悪く教えるものです。
 北朝鮮はやりすぎとしても程度問題です。

 戦争に負けました。私たちは間違っていました。これからは世界中のすべての国と仲良くしましょう。などと教えている国があったら、全部列挙して欲しいです。

 英国病のえげれす?一時期のスペインやフィリピン?あとは、、、

 サヨクじゃない人が「親米」とか、心の底から好きになって言い出すのどうなのだろう。話を戻して、日露戦後のロシアの愛国者で、「日露協商は永遠です。私は心の底から日本が好きです」とか言い出す人、いたのだろうか。

 ちなみにくれぐれも。ナントカ国が好き!とナントカ人(のナントカさん)が好き!はまったく違いますので。

 何か、手品の種明かしをした気分。

追伸一
 これレスが盛り上がればシリーズ化しますけど、どうしましょう。
例)「アメリカって何者?」「正しい日米関係史」とか。小学高学年に分かるレベルで?

追伸二
 ちと、ここのところ朝から晩まで次回作を書いていて大難航してまして。
 というか、二.二六事件から敗戦に至る日本の歴史、全部書き直さなきゃ?くらいの話になっています。山川サンとか何だったのだろう。。。という状態ですので今日は短めに。


2011年7月10日(日曜日)

あなたのサヨク度チェック

カテゴリー: - kurayama @ 12時47分57秒

 周りの人々、特に思想家を気取る人たちの底の浅さを確認するのにお使いください。
 ( )の内容まで踏み込んでいたら極左です。

一、 天皇・皇室キライ。なんであいつらいるの?
二、 君が代なんて歌えない。(日の丸は侵略の象徴だからヤ。)
三、 戦争はこの世で最も悲惨な出来事です。(最悪はアジア太平洋戦争。)
四、 外国と仲良くすることは良いことです。(東京裁判の結果を真摯に受け止めましょう。)
五、 軍隊がない社会って理想だよね。(自衛隊って憲法違反でしょ。無くさないと。)
六、 核廃絶は人類の義務です。(核武装など論外)
七、 日本は中国に悪いこととしたんだから、仲良くしたげようよ。(南京etc)
八、 日本は北朝鮮に悪いこととしたんだから、仲良くしたげようよ。(強制連行etc)
九、 宗教って格好悪い。(首相が八月十五日に靖国神社を参拝するって何考えてんの?)
十、 民主主義っていい言葉だよなあ(戦後民主主義教育マンセー。)
十一、人権っていい言葉だよなあ(日本国憲法は未来永劫守りましょう。)
十二、アメリカ、好きだよ。(でも原爆はちょっと〜。)
十三、外国人参政権認めないのって差別じゃないの?
十四、移民を受け容れOK!(グローバル化だから共生の社会をつくりましょう。)
十五、震災復興のためには消費税増税もやむなし。(反対している奴は人でなし。)

 今回は15人レスをつけてくれたら、私の21歳の時の意外な結果をご報告。

 今?もちろん全部バツ!(笑)


2011年7月9日(土曜日)

さて慶事

カテゴリー: - kurayama @ 10時23分37秒

 言論の価値は、そいつが何者かではなく、そいつが何を言ったかによってのみ判断されなければならない。18歳の時から体で叩き込まれたこの教えに疑問をもちたくなることが多すぎる。

「他人にすべての失政を押しつけて責任を免れようとすることこそ『恥の文化』に反する行動だ」

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110709k0000m010132000c.html

 おっしゃる通りなのですが、菅直人さんだけには言われたくない。
 最近、そういうのが多すぎるなあ。

 みんなの意識から「言葉は重い」「約束は守らなければならない」が消えたら、憲法や法律の条文に何を書いても無駄か有害、というのは「だれころ」の主題です。

 ちなみに菅内閣、今週だけでも出鱈目を乱発していますが、すべて日本国憲法に照らして違憲になりません。

憲法上、与えられた権限の中で全力尽くしている=菅首相
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22079020110707

 合憲か違憲かで言えば、菅総理のあらゆる出鱈目、合憲です。つまり、欠陥憲法の下で、日本人の精神まで腐ってきている、ということです。

 ではこれが帝国憲法が健在の時代ならば?
 「だれころ」をどうぞ。
 あと、この砦の「亡国前夜」シリーズも。

 つくづく思う。谷垣自民党総裁ある限り、菅内閣も民主党政権も安泰だ。菅か谷垣か、だと私は迷わず菅を選びます。(この前、菅か小沢か、ってやっていたような。。。)

 内閣が非立憲というより政治そのものが非立憲で、憲法典そのものが憲法違反。

 さて慶事。
「だれころ」が日本図書館協会選定図書になりました。
『週刊図書人』に掲載されるという良いことがあるらしい。

誰が殺した?日本国憲法!

(講談社、税込1680円、好評発売中)


2011年7月8日(金曜日)

つぶやき

カテゴリー: - kurayama @ 08時06分27秒

つぶやきその一
 被災地に決定的に欠けているもの二つ。

現金と希望!

 現金がないから希望が抱けないのですね。
 ここの所、仙台にしょっちゅう行ってて、よくわかります。

つぶやきその二
 最近、よく突っ込まれる。「日本の寿命はあと二年!」
 友人達曰く、
「希望的観測」
「長くて二年」
「二年以内の間違い」
 こんど、「滅びる」の定義を考えよう。

つぶやきその三
 もし坂本龍馬にツイッターを持たせたらどんなツイートをしただろうか。

「寺田屋なう」
「今日は太政大臣の三条実美さんとお会いしました」
「とりあえず一橋派をディスりたくなる。。。」
とか。。。
 持たせない方が良いか。と想像してしまう。

つぶやきその四ノ一
 去年の大河ドラマ総集編は、
「視聴者がもう一度見たいシーン」で決めるという、思考停止な手法。
 私の第二位はあまり高くない順位。
 吉田松陰がペリーの黒船に乗り込もうとするところ。

「僕には言い訳がない!」

 これまで史上最高の松陰は篠田三郎サマとされてきたのだけど、超えたと思うの私だけ?

つぶやきその四ノ二
 案の定、私が一番好きなシーンは飛ばされてた。
 このシーンだけを目当てに本放送&再放送で6回くらい見たのが、グラバーの告白。
 仲間のエゲレス人に「何でお前は急にそこまで日本人に肩入れするのか」みたいなことを言われて。
 大体、以下のような感じだったと思う。

 私はこの国の人間を心の底から軽蔑していた。・・・しかし、今は違う。命懸けでこの国を変えようとする名もなき若者達に出会って考えを変えた。

そのシーンで流れてたのがこれ。
http://www.youtube.com/watch?v=V4CTUALwnj0

 新田義貞のテーマを超える名曲だ。。。

つぶやきその五
 今日は深夜までレスできません。それではごきげんよう。


2011年7月7日(木曜日)

解答ではなく回答

カテゴリー: - kurayama @ 20時07分36秒

 どうも玉山鉄二です。(久しぶりに大嘘)・・・去年の大晦日以来。

 問題再掲。
 現在、みなさんは昭和20年8月9日の満洲にいます。
 目の前に130万のソ連軍が迫ってきています。
 日本軍のまともな武器は7万人分しかありません。
 その他の63万人にあるのは地雷だけです。

 もし、この対戦車地雷を抱いてT34戦車に体当たりすれば、婦女子が逃げる時間を2日間稼げます。
 しかし、当時満洲にいたうら若き日本人女性の大半は、中絶か自決の運命をたどりました。

 さあ男子諸君、どうする?

 で、普通の答え。
 こうなったらどうにもならないので、地雷を抱いて戦車に体当たり。ほんのわずかでも自分の愛する人が無事に生き残れる可能性があると信じて死ぬしかない。という状況です。他の国なら男が逃げても非難されないのですが、日本では全員死ぬものという価値観でした。

 よくよく問題文をよく読めば、男が逃げるという選択肢はありえないのだとよくわかるのですね。山道に迷い込んだとき、熊が突進してきたらどうするか?見たいな話で。
 自分が死ねば女は助かるかもしれない。
 自分が逃げれば男も女も不幸になる。
じゃあ選択肢はないのでは?

 これ、対米戦で特攻隊を募られたのとは状況が違うのですね。
 人として最低限の矜持と判断力があれば、もう死ぬしかないという設定なのです。

 そこで、この命題に悩んだ私は
「この状況で地雷を抱いて突っ込まなくても良い方法を探そう!」
と、歴史学の勉強をはじめたのです。

 で、得た方法が以下の二つの事例。
 ちなみに、いずれも年末のNHKドラマ「さよなら、アルマ」に生かしました。

その一 特殊部隊で特殊に応戦。
参考文献として、
鈴木敏夫『関東軍特殊部隊』(光人社、一九八八年)
「さよなら、アルマ」の有川部隊のモデルです。

 関東軍には特殊部隊があったのですね。
 その訓練は、重量三十キロ以上の荷物を身につけ一昼夜八十キロの脚力機動、山岳密林地帯の夜間踏破、水素を充填した五メートル直径の紙風船気球による空中飛流など。士官と下士官ばかりなので、一個連隊なのに300人しかいない。やっていることはほとんどマンガの忍者。

 実際の戦闘では、ひたすら遊撃戦。
 味方の兵を散らして、敵に小規模な打撃を与えつつ、こちらは決定的な被害を受けないようにする。味方は分散と集中を繰り返し、敵は分散させ漸減させてゆく。言うは易く、行なうはおそろしく難しく超人的な忍耐力がいる作戦。

 まあこの本を読むと、若い将校さんは古参兵に頼りきりだったりするのですが。
 最後は生き残ったものの、停戦協定に従ってシベリア送り。

 同じような事例が、占守島を守り抜いた池田戦車部隊。
 他の部隊よりは豊富だった武器をありったけ使い、ソ連軍をことごとく撃破した。
 ただし、最後は停戦後に武装解除される。。。

 たまたまこういう部隊に配属されていて少しはマシな武器があって、超人的な技量があれば生き残れはする(10年間シベリアで強制労働)、という方法です。

その二 軍神降臨
参考文献として、
小松茂朗 『戦略将軍根本博 ある軍司令官の深謀』(光人社、一九八七年)

 かの名作ドラマ「さよなら、アルマ」の最終盤で逃げ回っていた有川大尉(演・玉山鉄二、やっていることのモデルは私。エッヘン)や主人公達が張家口で根本博将軍が持ちこたえていると知り、「根本将軍は無敵の将軍だ!」「これで助かったぞ!」と、やっと生き残る希望を見つけるという場面で出てきた将軍です。
 この根本博将軍、満洲に隣接する内蒙古(北京の北西)にいて、数十倍の兵力のソ連軍の侵攻を受けたのですが、見事に撃退して居留民4万人を全員無事に帰したという、冗談みたいな強さの将軍です。ちなみに戦死者は2500人中、70名弱だったとか。。。
 こんな上司に恵まれたら、無事に生きて帰れます。
 以下詳述。

 昭和19年冬、根本博中将は駐蒙軍司令官になります。
 そもそも関東軍が根こそぎ動員されて数がいないのに、こんな辺境に十分な兵力は与えられません。2500人で、ソ連と国民党軍と中国共産党軍に備えねばならないわけですね。
 ところが、東京でも外地でもお気楽極楽論者が多数。国賊的な楽観論者だったのが、河辺虎四郎参謀次長と山田乙三関東軍総司令官。昭和20年5月のドイツが無条件降伏しても、「ソ連は攻めてこない」「攻めてくるとしても秋」などとこちらのご都合主義で意味不明な観測。
 なおも食い下がっても
「考えても見たまえ、あのスターリンが英米の走狗としてこちらを攻めるはずがない」
「ソ連だって中立条約の不継続を通告してきたんだ。条約を破るにしてももう少しタイムラグがある」
「ソ連を仲介とした和平は、決まったことです」
などとああ言えばこう言うで、まじめにこちらの話を聞こうとしない。

 で、根本は最低限の予算と物資と権限の要求だけはして、あとは勝手に来るべき対ソ戦の準備を始める。特に中戦車と90式野砲はかき集める。
 お偉いさんの言うとおりに内蒙古全域を2500人で守るなど無理なので、まずは、国民党と「我々が撤退した後、内蒙古はあなたのものです」などと勝手に交渉し、秘密協定を結び、中立化させる。

 また、司令部のある張家口に兵力と居留民を集中させる。
 で、丸一陣地という要塞と呼ぶのもおこがましいがないよりはマシという程度の砦を構築、山地に戦車をひそませて初動で打撃を与えるという作戦を立てる。

 実際の戦闘でも初日に大打撃を与えて、撤退させる。
 ちなみに、ソ連軍は張家口を空爆してから降伏勧告のビラを撒くというなめたマネをしたが、
そういう挑発は無視。
 そんなことよりつべこべ言う外務省を無視して強制的に居留民脱出の体制作り。
 町中に放送を流して居留民に準備を命令。
 威力偵察に来るソ連軍には中戦車と90式野砲をお見舞いしてお引取り願う。
 その上でソ連にはこちらが手ごわいと思わせた上で停戦交渉で時間稼ぎ。

 脱出する際の居留民全委員に手榴弾を二発渡す。一発は敵に投げるため。もう一発は自決用。
老若男女差別なし。緊張感がこれでもかと走る。

 直属の上司の岡村寧次支那派遣軍総司令官から武装解除命令の電報(明らかに従わなくて良いとの含)が届くが、「無法者のソ連に降伏はしない!」と返電。
 ソ連は「国際法違反だ!」と自分のことを思いっきり棚に上げた批判をしてきたが、根本は「負けたら俺一人が死刑になってやる」と、勝つ気満々の決心を軍民日本人全員に宣言。もちろん、軍民全員燃える。

 8月20日にはソ連軍も大戦車部隊で猛攻。
 ところが敵をできるだけひきつけてこちらの射程から一斉射撃するという、とても単純な罠にはめて一網打尽。ソ連軍は味方の死体も回収できずに敗走。
 そして、その日の夜陰にまぎれて撤収。(エルファシルの奇跡を越える張家口の奇跡となぜか言われないし、不敗の魔術師・ミラクル根本などの称号もなぜかもらっていない)

 ソ連軍をまんまと出し抜いて、岡村さんの指揮下(縄張り)に逃げ込み、全員無事。
 万里の長城の南にいた人たちは、満洲残留孤児やシベリア抑留者と違い、無事帰国。

 結論!
 指導者が優秀ならば絶体絶命の危機も乗り切れる!
 そうでなければ、、、死ぬ!

 こうした歴史から学んだ教訓から生まれた合言葉が

知恵と勇気と行動力!

 さあ、何の標語かは、この砦の過去ログをみればわかります。

 最終的な結論をまとめると、8月9日に目の前の大平原にソ連の大戦車部隊がいたらもう地雷を抱いて体当たりするしかないのですが、そうなる前に兆候は必ずあるのですね。

 その兆候を見逃さず、もう地雷を抱いて体当たりするしかないという状況を回避するためにも、知恵と勇気と行動力が必要なのです。

 追記
 ちなみに根本さんと言えば、
門田隆将 『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、二〇一〇年)
が去年の話題作ですが、史料批判や史実特定に問題があります。
 特に、根本さんを持ち上げるあまり、岡村さんを貶めているのはなぜ?


2011年7月6日(水曜日)

こんなに駄目だぞ!自衛隊―君塚陸将インタビューより

カテゴリー: - kurayama @ 19時37分12秒

 戦時中も、こういう安易な世論が、日本を滅ぼしたい勢力に利用されたのだな、と慨嘆。
 よく「戦時中の朝日新聞は戦争を煽りまくった」と言われて、それはそれで間違い無いのだけれども、毎日新聞(当時は東京日日新聞&大阪毎日新聞)よりは、かなりマシです。

 さて、学生諸君は以下の内容のどこが私のブチ切れポイントか、考えながら読んでください。

昨日、あまりにもヒドイ本で、特にヒドイ記事があったので、思わず買ってしまったのが、
毎日ムック『3.11東日本大震災ドキュメント 自衛隊 もうひとつの最前線』

 ただ、ひたすら今次震災での自衛隊の活躍を称えるという内容。
「不肖・宮嶋 自衛隊員の不眠不休を称す」とか。
 まあ現場の皆さんが頑張ってますはその通りなので、異論はございませんよ。報道が少なすぎるくらいで、必要はあるでしょう。

 佐々淳行&志方俊之といった自衛隊擁護派評論家は、まあこういうこと言うでしょう、という内容。ちなみに佐々氏「自衛隊は嫡出子となった」、志方氏「成果挙げた『自衛隊六つの特性』」
 かいつまんで要約すると、
佐々「今まで鬼っこ扱いされていたけど、よくがんばった」
志方「今まで財務省に対して口下手だった自衛隊が、アメリカと協力してよくやった」

 以上、別にそれを言うなとは言わないけど、それしか言わないのは有害でしょ?という内容ですね。
 昭和の支那事変・大東亜戦争でも、
「軍人さんはつらい中、頑張っています」
「皆さんのお父さんも戦地で苦しい中、戦っています」
「贅沢は敵だ!文句を言うのは非国民です」
「聖戦貫徹!貧乏生活に徹底的に耐えましょう!」
などと現場の軍人や国民に忍耐だけを強いて、
 いつの間にか経済合理性と無関係な戦争指導ができあがっていて敗戦に至った、という苦い歴史があるので。

 苦しい環境でしかも物資がない中で頑張る現場は偉いけど、それをヨシとする上層部はどうなのか?
 しかも国民がひたすら現場の軍人さんを盲目的に応援するだけで、本質をみない。
 何か似てませんか?

 で、同書の48〜49頁が
「君塚栄治・統合任務部隊指揮官インタビュー」

 今回の10万人部隊を率いた、東北方面総監へのインタビューです。『朝雲』という防衛関係紙の要約とか。

 で、見出しが

 状況に応じた作戦次々と

 「先憂後楽」で冷たい缶飯に耐える

 この見出しで、「自衛隊さん偉いねえ」と思ったら、愚民認定!
(といっても、普通の人はそんなものに関心を持って生きていないので仕方ないけど)
(さらにといっても、敵国の工作機関は日本人のそういうお人よしのところに付け込んでくる)

 少しでも防衛問題をかじったら、この見出しだけで
「オイオイ・・・」
「何のポジショントーク?」
「大丈夫?」
のどれかの反応になるはず。
 私は、「こいつも、“間に合ってます。現場の士気は旺盛です”の人?」という反応。

 で、中身を読むと、

被災地で直接活動している5万人が1日3食とると15万食。しかし東北方面隊の備蓄は2万人が3日間食べる分だけ。・・・仙台は調達できず、2ヶ月近くレトルトばかり。ビタミン不足でみんな口内炎に苦しみました。口が痛くて食べられない、水も飲めないと

とか、

現場の部隊には『先憂後楽の堅持』という指針を出した。温かいご飯は被災者に、我々は缶飯を食べる。

とかが並んで、

たまに愚痴をこぼす隊員もいましたが、そういう隊員には、なぜこんなとき、ここにいるかといえば、それは運命だからだ、長い人生のうちの数ヶ月じゃないか、ここにすべてを賭けようじゃないかと、はっぱをかけています

で締める。

 これを美談だと思ったら、日本は滅びます。
 ええかげん「小役人的ポジショントーク」
 もしくは「自分の無能の言い訳」
ととれなければ、情報化リテラシーも何もあったものじゃございません。

 気付きました?この君塚陸将の発言、「先憂」にしか触れていないことに。

 もちろん軍隊の行動において、すべての条件が完備して動けるなんてめったに無いのですね。
(それは敵との戦いの話であって、災害に際しては別と言う議論もありますけど)
 当面、手に入るモノだけで対処しなければならない局面はある訳ですよ。特に兵卒は文句をいっちゃいかん訳です。

 でも、将官の役割は兵卒とは違います。
 一時的に少ない物資で対応するとしても、それを恒常化して、「次もこれでいける!」など削っていくなどとしたら、どんどん現場は疲弊して最後は破綻するわけです。
 まさに日米戦がそうだったように。
 足りないものを補うのが人の上に立つ者の仕事な訳です。
 そうでないと、下の者は「人柱」にしかなりません。

 という視点でみると、この方は2ヶ月間、何をしてらしたの?
 与党や財務省主計局(初心者向け説明=国の予算を司ることころ)に「食料が3日分しかありません。ナントカしてください」とちゃんと伝えて、現場に補給するのが仕事じゃないのですか?

 現場に訳のわからない精神論で我慢を強いているけど、結局

主計局コワイ病

で、何もしなかっただけでは?と言いたくなる。

 財務省主計局ってこの震災時にも自衛官を口内炎に追いこむほど無慈悲な集団なのですか?
百歩譲って仮にそうだとしても、無駄でも何でも、予算をとってくるのが防衛省・自衛隊の将官の仕事なのですが。

 防衛省・自衛隊の幹部が、財務省に対して説明下手で予算をとれない、最初から予算をくれないと思って何もしない、って、これは憲法のセイなのか?財務省のセイなのか?

 悪いのは自衛隊の上層部でしょう?

 以上あんまりにもムカついたので、自衛隊擁護論者に喧嘩を売った内容です。
 ご意見求む。

 ちなみにくれぐれも部分と全体を混同した反論はされないように。
 現場を批判しているわけではないので。
 自衛隊上層部と、盲目的な自衛隊擁護論者を批判しているだけです。

 とりあえず4月22日の記事も参照してください。

 追記(というかもはや独り言)
 防衛問題関係者の間で注目されている知る人ぞ知る重要人物に市川健太財務省主計官(防衛担当)がいます。 私のように別にその道の専門じゃない人間にも噂が聞こえてくるくらいで。この君塚陸将の発言を聞いたら、市川主計官がどういうか、聞いてみたい。

 これ、それ系の講演ではちょっと気の利いた軍事ジャーナリストの方はみんな言ってますけど、「自衛隊は当然必要なものも請求していない。だから主計局は何もできない。あるべき日本の国防の姿を考えて頑張っている市川さんが可愛そうだ」という方です。


2011年7月5日(火曜日)

絶対したくないタイムワープ

カテゴリー: - kurayama @ 15時55分55秒

 毎年、男子学生限定でしている質問。
 要するに、命よりも大切なものはないのか?あるとしたら何か?という意図です。

 もっと単純に言えば、男は女の為に死ぬべきか、見捨てて逃げるべきか、です。

 現在、みなさんは昭和20年8月9日の満洲にいます。
 目の前に130万のソ連軍が迫ってきています。
 日本軍のまともな武器は7万人分しかありません。
 その他の63万人にあるのは地雷だけです。
(ちなみに現物↓)
http://jmas-ngo.jp/ja/?m=20100221

 もし、この対戦車地雷を抱いてT34戦車に体当たりすれば、婦女子が逃げる時間を2日間稼げます。※1
 しかし、当時満洲にいたうら若き日本人女性の大半は、中絶か自決の運命をたどりました。※2

 さあ男子諸君、どうする?

 なお、私の答えは、10人レスをつけてくれたら公表します。

※1 もちろん結果論。
 徐焔『1945年満州進軍――日ソ戦と毛沢東の戦略』(三五館、1993年)の計算。
 こんなことを中国人に意義づけしてもらうって、軍オタどもは国辱だと思わんのかね。

※2 一説には9割?もちろん統計などとれないので正確な真相など不明。


2011年7月4日(月曜日)

日銀総裁の発言を聞くたびに

カテゴリー: - kurayama @ 15時52分07秒

 こういうのをレッセフェール(自由放任)というのだろうか?

日銀:生産復旧で景気緩やかに回復へ…総裁見通し
http://mainichi.jp/life/money/news/20110704k0000e020054000c.html

「生産活動が回復するにつれ、日本経済は緩やかな回復経路に復していく」だと。
 翻訳すると「俺は何もしないけど、お前らは勝手に頑張れ」となる。

 なぜか日銀総裁の発言を聞くたびに

オスカルの声が聞こえてくる!

 被災地で流行らせましょう。

日本の自殺者三万人!

日銀総裁・白川さん!

 今年の自殺者が増えないことだけを祈る。。。


2011年7月3日(日曜日)

本筋と無関係な話

カテゴリー: - kurayama @ 23時40分33秒

『産経新聞』の「日曜経済講座」、見出しだけで読む気になるか失せるか一目瞭然。
 田村秀男さんの記事は毎回勉強になるけど、岩崎慶一って人、数字すら出てこない政治論ばかりで、しかも増税マンセー論。。。

と思ってたら、高橋洋一先生までこんなことを。

http://twitter.com/#!/YoichiTakahashi

【日曜経済講座】はいろいろだな。田村さんの「何でも増税」策の舞台裏 「デフレ」無視の財務官僚主導 http://t.co/5RzOucG はいいけど、客員論説委員・岩崎慶市 震災復興と税・社会保障改革 http://t.co/9wuveCS はポチ丸出し

 主張に全面的に賛成なので一つだけ文句。
「犬」だの「ポチ」だの、なぜワンちゃんを目の敵にするのだろう。
 犬にどんな罪があるのだろう。
 少なくとも、役所の大本営発表を垂れ流して仕事をした気になっている御用記者のように有害なことはしていないと思う。犬に罪があると言うのなら、以下は撤回します。

 はっきりいって、不愉快で耳障り。
 生まれて初めて飼って可愛がっていた犬の名前がポチだったので。

 これアメリカだったら、本当にシャレにならない抗議がくると思います。


2011年7月2日(土曜日)

聖戦貫徹と増税貫徹

カテゴリー: - kurayama @ 08時43分33秒

 昭和一五年、聖戦貫徹議員連盟という恥ずべき集団が存在しました。
 その主張は、

一、近衛声明の支援徹底
二、東亜新秩序を是認する第三国との提携
三、自由主義経済体制の是正
四、共産主義、自由主義、功利主義など一切の非国家思想の殲滅

という、当時としてはもっともらしく聞こえるけど、実は亡国の内容。
 翻訳すると、

一、支那事変をやめるな。生意気な支那人を徹底的に叩き潰せ!
二、英米を敵にし、ドイツと仲良くしましょう。
三、贅沢を戒め、軟弱な風紀を是正しましょう。
四、外国にかぶれず、日本精神を大事にしましょう。

 九割の日本人は上の建前を信じていました。
 しかし、さらに本音をむき出しにすると、

一、泥沼の支那事変で日本の国力を奪ってしまえ!
二、ソ連に攻めかかるのだけは断固阻止!
三、官僚統制経済マンセー!
四、日本を共産主義化してしまえ!

 尤もらしい正論に、亡国の毒を混ぜる。そして単純な「愛国者」が一番ひっかかる。
 歴史の教訓ですね。

 さて、現代の増税派の主張。
一、2015年までに増税と決めるのが大人の態度です。屁理屈こねて反論するのはやめよう。
二、社会保障を維持するために増税しよう。おじいさんおばあさんが死んでいいんですか。
三、デフレは構造問題です。もう経済成長は無いのだとあきらめましょう。
四、簡単に景気回復する方法なんかありません。この14年間やってきました。

 これを本音にすると、
一、もういい加減に増税しよう。とにかく増税させてくれ!
二、日本破産論の嘘はばれてしまった。次の理由は福祉だ。
三、だって日銀様の権益は侵せないんだもの。
四、日本がデフレから脱却すると中国のバブルがはじけるので困ります。

 我々平成日本人、後世の歴史家から昭和10年代の日本人並みに笑われるのだろうなあ。。。

 さあて、今から仙台で

勝手に復興構想会議だ!


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