【アテネ=古谷茂久】ギリシャ議会は5日未明(日本時間同日午前)、パパンドレウ内閣の信任投票を実施し、賛成多数で内閣を信任した。不信任で解散・総選挙に追い込まれ、金融市場の大混乱を招く事態はひとまず回避された。今後の焦点は欧州連合(EU)と約束した財政再建策を実行する連立内閣の樹立。ただ与党内には新首相を擁立する動きもあり、野党との連立協議の行方は流動的だ。政治空白の長期化を市場は警戒している。
投票結果は賛成153、反対145、欠席2だった。賛成票は首相が率いる与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)の152議席を上回っており、野党議員の一部も信任票を投じたとみられる。
パパンドレウ首相は投票に先立ち議会で演説し「野党とともに連立政権をつくりたい。リーダーにはこだわらない」などと発言。自らの辞任の可能性も示しながら、連立内閣づくりに乗り出す意向を表明した。
首相は5日にパプリアス大統領と会談。その後、最大野党、新民主主義党(ND)などと新たな連立政権樹立に向けた協議に入る方針だ。
野党は首相が辞任すれば大連立を受け入れる方針とされる。4日まで南仏カンヌで開かれていた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)でギリシャは国際社会から強い圧力を受け、これまで支援策受け入れに反対してきたNDも包括策の受け入れに転じている。
現地の報道によると、ベニゼロス財務相が野党の一部から連立に向けた支持を取り付け、首相候補の一人となっている。同相は連立の救国内閣は来年2月ごろまでの暫定政権で、その後に総選挙が実施されるとの見方を示している。
連立内閣が発足すれば、EUなどが提案する包括的支援策の国会承認を急ぐとみられる。EUは年内にも包括支援策の詳細を決定する予定。ギリシャは来年早々にも、EUと国際通貨基金(IMF)の管理下で財政再建を実行する体制を整えることになる。
ただ国民の間では、支援と引き換えに実施を強要される超緊縮策に対する反対意見がくすぶる。年金支給額の減額や公務員の削減など身を切る改革が予定されているためだ。デモやストなどの抗議行動が激しくなり社会不安が募れば、連立内閣も窮地に立たされることになる。
ギリシャ
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