
松戸市立博物館は市制50周年の記念事業の一環として平成5年みどりの日に開館。 縄文人の心を知り、文化を体験しようという「感動体験型博物館」で、そこには松戸の歴史が集約されている。
松戸は縄文遺跡の宝庫として知られるが、このあたりでは台地と低地の境界にあたる傾斜地(谷津)に住居を構えていた。こうした歴史を伝えようとここでは縄文時代の竪穴住居を3棟復元し、野外展示している。住居では体験講座を行っており、縄文時代にタイムスリップした気分を味わえる。
館内は7つのゾーンに分けられ、松戸で人の生活がはじまった縄文時代から現代まで3万年に及ぶ歴史を時代順に展示。縄文時代の石器に松戸にはないヒスイが混じっていたなど、当時のネットワークの大きさに驚いてしまう。中でも一番の人気は昭和35年当時の公団住宅を再現したモデルハウス。当時の家具や日用品がそのまま展示され、当時を知る人には懐かしい。
縄文の石器からごく最近の暮らしぶりまで対比できる″記憶の遠近法が同館の見所といえる。「触れてみるだけでなく技術などを体験して楽しんでもらいたい」と学芸員の羽左田真一さん。4月9日まで特別展「教科書のなかの道具とくらし」が開かれている。