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ふれあい交差点
 
松戸市
(2000年2月25日号掲載)
 博物館や美術館の多くはその土地の歴史や風土と密接な関わりを持っている。展示作品や規模こそ違っても、こだわりや作風が訪れた人を魅了するからおもしろい。シリーズ「まちかどの博物館」では市井の博物館や美術館を6回連載します。


野外には3つの竪穴住居 遠い昔と現代の暮らしを対比
●市立博物館
 
 松戸市立博物館は市制50周年の記念事業の一環として平成5年みどりの日に開館。 縄文人の心を知り、文化を体験しようという「感動体験型博物館」で、そこには松戸の歴史が集約されている。
 松戸は縄文遺跡の宝庫として知られるが、このあたりでは台地と低地の境界にあたる傾斜地(谷津)に住居を構えていた。こうした歴史を伝えようとここでは縄文時代の竪穴住居を3棟復元し、野外展示している。住居では体験講座を行っており、縄文時代にタイムスリップした気分を味わえる。
 館内は7つのゾーンに分けられ、松戸で人の生活がはじまった縄文時代から現代まで3万年に及ぶ歴史を時代順に展示。縄文時代の石器に松戸にはないヒスイが混じっていたなど、当時のネットワークの大きさに驚いてしまう。中でも一番の人気は昭和35年当時の公団住宅を再現したモデルハウス。当時の家具や日用品がそのまま展示され、当時を知る人には懐かしい。
 縄文の石器からごく最近の暮らしぶりまで対比できる″記憶の遠近法が同館の見所といえる。「触れてみるだけでなく技術などを体験して楽しんでもらいたい」と学芸員の羽左田真一さん。4月9日まで特別展「教科書のなかの道具とくらし」が開かれている。

◇市立博物館
開館時間9時30分〜16時30分 毎月・第4金・年末年始休館 入館料大人300円 小中学生100円  交通/新京成八柱駅、武蔵野線新八柱駅から新京成バス小金原団地行「公園中央」下車1分
TEL: 047(384)8181


※下総史料館は平成17年末をもちまして閉館となりましたが、平成22年10月9日から11月28日まで松戸市立博物館で開催される企画展「湯浅喜代治考古コレクション」において、旧下総史料館の展示物が公開されます
石蹴りが動機で収集を開始 縄文復元土器や日本最小の土偶も
●下総史料館
 
 古墳の上に貝塚を築くなど特異な地形で考古学ファンを魅了してやまない河原塚周辺。その一画、紙敷貝塚に自宅がある湯浅喜代治さんは子ども時代から集めたものを復元して私設の下総史料館を開設している。「この辺りは赤土で石はなかった。子どもの頃に石蹴りをして遊んでいた石が実は石斧であったことが収集の動機」と湯浅さん。自ら館報「かみしき」を発行する市井の考古学者である。(下総考古学研究会所属)
 矢じりや石斧などの狩猟具から装飾的な模様が美しい縄文土器まで一貫した展示物に圧倒される。必見は日本で一番小さい土偶(縦3センチ×横1.5センチ)。4500年前の縄文中期のもので大変珍しい。ほかにも県内で1、2点しか出土していない顔面把手もある。将来的には別館の所蔵庫と併せて民族史料と考古史料の展示を完成させたいと意欲を見せる。

※下総史料館は平成17年末をもちまして閉館となりましたが、平成22年10月9日から11月28日まで松戸市立博物館で開催される企画展「湯浅喜代治考古コレクション」において、旧下総史料館の展示物が公開されます


自宅をまるごと美術館に 心なごむこだわりの展示空間
●源川彦峰美術館
 
 二松学舎大学教授で書家の源川進さんが昨年11月に自宅を改装して開設したのが源川彦峰(みながわ・けんぽう)美術館。展示室はわずか20平方メートル余りだが、庭先から玄関、階段と限られた空間や壁面を利用して自作の書画や版画を展示するなど、随所に工夫が施された粋を尽くした設計。
 源川さんは書、絵、版画、陶器、漆芸、篆刻(てんこく)、茶杓(ちゃしゃく)など十芸をたしなむマルチ芸術家。何かひとつでも興味があれば楽しんでもらえるという間口の広さだ。俳優の片岡鶴太郎にも書を指導するなど交遊範囲も広い。作品は木製の展示棚やガラスケースの中に整然と並ぶ。「遊天戯海」の書(写真)が示す通り、自由闊達な精神が印象的。
 「世界一小さな美術館かも知れないが大きな感動を与え、心なごませる空間を目指したい」と源川さん。日常芸術ともいうべき作品群は肩のこらない居心地のよさで来館者をもてなす。源川さんが主催する月例のアートフォーラムも好評だ。 

◇源川彦峰美術館
開館水・日曜日13時〜17時 入場無料事前に予約を。松戸市西馬橋1-7-6(馬橋駅西口徒歩10分)
TEL: 047(343)9969


●その他

◇新松戸郷土資料館
新松戸の発展に伴い、昭和58年3月に開館。館内は「新松戸の土地と人の歴史」をテーマに「新松戸の誕生」や「新松戸の旧六ヶ村」「坂川の流れ」などのコーナーを設置。
【開館日】毎週水〜日曜日 10時〜16時 入館料無料 松戸市新松戸3-27 新松戸市民センター3階
【TEL】047(344)1909

◇松戸市戸定歴史館
水戸藩最後の藩主・徳川昭武の屋敷戸定邸のある歴史公園内にある。徳川家ゆかりの調度品などを展示しており、2月29日からは「徳川昭武・慶喜の見た幕末明治」展を開催。
開館時間9時30分〜17時(入館は16 時30分まで)入館料戸定邸、歴史館それぞれ一般60円、大学、高校生40 円、小中学生20円。
月曜休館 松戸市松戸714-1 JR松戸駅東口徒歩10分
【TEL】047(362)2050
 
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