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大学では教えられない歴史講義

2011年2月27日(日曜日)

楽勝バイト?と革命のさきがけ

カテゴリー: - kurayama @ 22時16分56秒

 日給:16万円

 期限:雇い主の気分が満足するまで。

 職業:傭兵

 業務:戦闘、その他。

 雇主:カダフィー大佐

 

 リビアがデモとかを飛び越えて、ほぼ内戦状態らしい。私が学生の頃は「選挙バイト」というのがあって楽勝バイトの筆頭のようなものでしたが、今は不況と意味不明に改悪された公選法のセイでそんなものはないとか。ついでに当時も、とある兄弟政治家の由紀夫さんと邦夫さんのどちらに回るかで地獄と天国だったとかは内緒です。

 

 それはそうと革命と言えば、昔イランでホメイニ革命と言うのがありました。当時のパーレビ国王が進める近代化政策を、「欧米への屈服だ!」「堕落した世俗主義だ!」などとイスラム原理主義者にして12イマーム派の総帥であるホメイニさんが決起を呼びかけて、遂に国を転覆させて今に到っています。

 この時、亡命先のホメイニさんがコーランを吹き込んでイラン中にばら撒いたツールが、

ソニーのカセットテープ!

 ツイッター革命のさきがけは、ソニーのカセットテープ革命?


2011年2月26日(土曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(完)―中華人民共和国の場合

カテゴリー: - kurayama @ 01時54分17秒

 そもそも、この人たち、国でも何でもなかったですね。
 ところが、中華民国(蒋介石の国民党政府)が連合国に五大国としておだてられている間に、
牙を研ぎ続けて、遂に中華人民共和国を建国してしまいました。
 今に至る中国共産党支配の始まりです。

 これを指導したのが毛沢東です。
 中国共産党など、最初は中国国民党内の秘密結社にすぎませんでした。
 蒋介石が「掃共」とか言い出して内戦を始めると、全戦全敗です。
 ひたすら逃げ回ります。(長征とか言いながら)
 その間にも、国民党内部にかなりのスパイを浸透させます。
 で、反日を煽り、つまり「日本留学帰り」を自慢する蒋介石を遠まわしに攻撃しながら、
「中国人民は抗日戦で一致団結を!日本人を殺さない奴は売国奴だ!」と煽りまくった訳です。
 ここまで来ると、蒋介石は日本に戦を仕掛けないと暗殺されかねません。
 というか、実際に拉致監禁されていますし。(西安事件)

 盧溝橋事件で日本軍と国民政府軍の双方に銃弾をぶち込んだのは劉少奇だという説が根強いですね。
 ちなみに、支那全土に戦が拡大する契機となった大山中尉虐殺事件の首謀者である張治中は、
コミンテルン&中共(つまりスターリン&毛沢東)のスパイだったと言われ始めています。
 何のことはない、正規軍に劣る毛沢東は、謀略とスパイを駆使して、日本と蒋介石を共倒れになるように持ち込んだわけです。

 忘れてはいけないのは、アメリカへの宣伝を徹底することですね。
 F・ローズベルトとかその側近は馬鹿か確信犯だったので、「毛沢東は危険な共産主義者ではなく人民の味方だ」などと訳もわからず信じ込み始めます。そして、日本の敗色が濃厚になった途端に、蒋介石に冷たくなります。

 1945年以降の毛沢東は、ソ連の援助で蒋介石を叩きのめす準備を進めます。
 頭がお花畑になっていたアメリカ人は、ノーリアクション。。。
 1949年には、遂に蒋介石一派を台湾に叩き落し、支那大陸全土を支配します。
 支那大陸だけではなく、ソ連が日本をだまし討ちして奪い取った満洲ももらいます。
 というか、国共内戦の際、毛沢東は延安からモンゴル人居住区を通って満洲に入り、まず満洲の支配権を確立してから大陸本土の侵攻しているのです。この時の毛沢東の台詞が「満洲を取ることがすべてだ!」です。

 第二次世界大戦のアジアにおける戦いの意義を正確に理解していた訳です。ちなみに、当時の中国人や満洲帰りの日本人は、日本人の天王山の意味で「満洲」と使います。

 こと、満洲を誰が支配するか、に限れば毛沢東はスターリンから満洲をもぎ取った格好です。
まあ、スターリンとしては当時の毛沢東は忠実な飼い犬くらいのつもりだったのでしょうが。

 1950年、朝鮮戦争が起きました。
 この戦争の意味、特に中華人民共和国にとっての、は何でしょうか。
 満洲を守ることです。
 鴨緑江の手前まで敵(アメリカ)に来られたら、満洲を守れなくなります。だから、38度線近辺で押し合いへしあいして終わることは、毛沢東にとって既に戦略的に勝利しているのです。
ついでに多大な犠牲者ですが、それまでの政敵を間引きしているにすぎないので気にしてません。(笑)にして良いのか???

 スターリン死後は思いっきり、ソ連と袂を分かちましたが、それを抜きにしても、
 日本と蒋介石を共倒れに追い込み、スターリンの力をこれでもかと利用して、支那全土と満洲を獲得した。

 まさに第二次大戦の真の勝者が、アメリカに代わる覇権を奪おうとしている、と言えないでしょうか。
 だから、日本人が正しい歴史認識を持つことを嫌がるのでしょうし。

ひとまず完。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

(新人物往来社、1470円税込)

 好評発売中!


2011年2月25日(金曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(7)―ソ連の場合

カテゴリー: - kurayama @ 02時33分08秒

戦争目的。
その一 東欧の赤化=完全成功!
その二 満洲の獲得=北朝鮮までもらいました!
    スターリン存命中は、毛沢東は忠実な手下。

 か、完勝ですな。
 ウェデマイヤーレポートの日本語版は『第二次大戦に勝者なし』との題名なのですが、内容は「第二次大戦の勝者はソ連だけだ」です。

 でも、1922年の正式建国の段階では、日英・日英米・日独・日英米独と、ありとあらゆる挟撃の可能性に怯えねばならなかったのです。
 逆に言えば、最大の敵である大日本帝国は滅びようがない状態だったわけです。
 どうやれば、日本がみっともない滅び方をして、ソ連が地球の半分を手に入れられるのか。。。ちょっと視点を変えて、スターリンの思考を時系列で追ってみましょう。

1917年 ロシア革命と同時に干渉戦争。
 ひたすら耐えるしかない。弱い奴から各個撃破!をやったのは政敵のトロツキーだとは内緒。
1922年 同じように孤立してるドイツと組もう!ラパロ条約。
 レーニン死亡、政敵を暗殺&粛清し、独裁確立!
 どうでもいいが、米国が日英同盟に同時に喧嘩を売っている。
 ありがたやありがたや。孤立しているのは我が国だけではなくなった。
 というか、日英米ソのすべての大国が孤立!夢のような局面!
1925年 日本に国家承認してもらう。ひとまず安心。国力増強!
 その気もないのに「バイカル以東は日本がどうぞ」とか友好姿勢を示した甲斐があった。
 ついでに世界中にスパイを放つ!
1929年 訳もわからず喧嘩を売ってきた張学良を制裁!
 とりあえず排外運動を日本に向けさせる。
1931年 満洲事変。日本、電光石火で満洲を獲得。勢力圏の北満を奪われる。
 しかも駐ソ大使の廣田弘毅とか言う奴が恫喝してきた。
 とりあえず、日本軍は万全でこちらは準備できていないので、中立宣言。
 国際連盟が何を言ってきても他人のフリ。
 尾崎君には上海で地道に組織作りからはじめてもらおう。
1933年 ドイツにヒトラー政権。なんか敵対的。ヤバイ。
 ところがアメリカのF・ローズベルトが国家承認してきた。カモネギ状態!
 なんか仲良くできそう。(こちらの都合どおりに。)
 これを期にホワイトハウスを赤く染めてしまおう!
1936年 中国大陸では蒋介石が手下の毛沢東を追い出しそう!
 よし。蒋介石を監禁してしまえ!(西安事件)
 ついでに国共合作だ!排日一色!
1937年 日本が蒋介石と戦をはじめた!どんどん煽れ!
 国民党に入り込ませたスパイと日本の近衛政権に入り込ませたスパイは全力支援だ!
1939年 大陸で泥沼の日本なら勝てるだろうと思ってノモンハンを始めたら、ヤバ イ。。。赤軍の元帥は皆殺しにしたところだった。。。仕方がない。唯一残ったジューコフ君!
 後は任せた!(やってることはひたすら物量作戦)
 と思っていたら、ヒトラーが和平を提案。えーい!乗ってしまえ!とポーランド分割。
 極東の方は、何だか東郷とかいう大使が、向こうから譲歩してくれた。めでたしめでたし。
1940年 ヒトラーが西欧を席巻している!いざ火事場泥棒!
 バルト三国は楽勝。フィンランドは意外と手ごわかった。。。
 国際連盟から侵略者として除名される?なんか痒いなあ。
1941年 日本が中立条約を提案してきた。渡りに船!これで英米を孤立させられる!
 と思っていたら、いきなりドイツが裏切り!えええええ?
 こんな時に日本に後ろを突かれたら。。。しかも国境に100万の軍隊が集結。超脂汗!
 と思っていたら、アメリカが日本を徹底的に挑発している。
 今こそホワイトハウス内の我が内通者の働き時だ!イギリスや中国のスパイもワシントンで動き待っているし。
 ということで、英米との結びつきを強めよう!
 やったあ!日独対英米の殺し合いが始まったあ!
 とはいうもののドイツ軍は手ごわい。
1943年 ドイツを我が領内から追い出した!
 チャーチルに発言権はないし、ローズベルトなど赤子の手をひねるように扱える。
 もはややりたいほうだいモード。
 とりあえず蒋介石を大国だと持ち上げておいて、毛沢東を支援。
 でも毛沢東も信用できないので、両方に保険をかけて置こう。
1944年 もはや追撃戦。
 東欧はもらったあ!
 というか、ローズベルトがくれたようなもの。
 もはや笑いが止まらん。
1945年 ドイツに勝った!
 次は日本だ!
 以上、地球の半分を獲得終了!

 敵ながら、すさまじい能力。ビスマルク級か。
 自分で書いててあきれてしまった。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

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ゼロの会のブログです

カテゴリー: - kurayama @ 01時54分57秒

 私の教え子達が作ったゼロの会の報告です。

 H.P.の前にブログを先行させたようです。

http://ameblo.jp/zeronorawannyan/
 若者達の活動、暖かく育ててください。
 刎頚の親友、吉住君には感謝、感謝。
 
 ところで業務連絡。
 ゼロの会のブログでは会員申し込みができないのですか?

2011年2月24日(木曜日)

一寸先は光?

カテゴリー: - kurayama @ 13時45分11秒

 情報の世界に関わるならば、
 絶対に見落としてはならないニュースを二つ紹介。

 その一 別名「政界再編会議」

 2月22日の猫の日に、デフレ脱却に向けて、超党派で大物議員が集まりました。

http://bit.ly/hwe9mz
http://www.facebook.com/note.php?note_id=180336228678404

 その二 とうとう北朝鮮で暴動

北朝鮮でも数百人デモ発生、治安部隊と衝突、4、5人死亡か 不満が爆発
http://sankei.jp.msn.com/world/topics/world-14890-t1.htm

 場所が新義州というのが気になる。
「一寸先は光」であれば良いのですが。

 ちなみに、この二つのニュースがまったく違う話ではなくて、繋がっている話だと気付いたでしょうか。
 この砦を毎日見ていると、瞬間的にわかるようになります。
「倉山満 船中八策」で検索してください。

 さて、前回の「中大生を救う会、かく戦えり」の重要な戦訓の一つが、
「予想外に好転した時の為に動き回れ!」でした。
 確率論で言えば、取り返せるはずが無いのですね。そんなの言えば最初から無理なので。
 でも現実にはありえないようなことがしばしば起きるのです。しかも起こせるのです。
 そのためにはこういう情報を絶対に見逃さないことが必須条件になります。


第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(6)―アメリカの場合

カテゴリー: - kurayama @ 00時44分31秒

 日本の大学生はアメリカと戦争をしたことを知らない。
 タダの馬鹿だから。
 アメリカの大学生も日本と戦争をしたことを知らない。
 毎年誰かと戦争をしているので一々覚えていられないから。

 アメリカ人は色々な才能があります。
 例えば、
自分で流した嘘をその内、本気で信じてしまう。
敵を作るのが天才的に上手い。
なおかつ、敵同士を結束させるのが上手い。
さらに味方を敵に追いやってしまう名人。
そして味方を一生懸命潰して敵の勢力を拡大させる。
根本的には、敵と犯罪者の区別がつかない。(頭の中は西部劇のまま)
戦闘で大量破壊を続けて悦にいっている間に、本来の戦争目的を忘れてしまう。。。

 さて、私はビル・クリントンのことを言っているのでしょうか?
 それともフランクリン・ローズベルトのことを言っているのでしょうか?
 正解。
 両方です。

 この二人よりもアメリカの国益を損ねた大統領って、ウッドロウ・ウィルソンくらいしか思いつかないのですが、
 その時は大英帝国と大日本帝国が何だかんだと健在でしたし、
戦間期は潜在的な強敵である独ソが一番逼塞していた時期ですから。

 さて、日本人が「先の大戦」と言うと、どうしてもアメリカとの戦争を思い出します。
 では、なぜアメリカが出てきたのか?
 実は山川の教科書なんか読んでもよくわからないのですね。
 無理やり理解しようとすれば、
「中国を苛める日本を懲らしめる保安官として登場した」
みたいになるのですが。
 で、一足飛びに「スターリンの謀略により引きずり込まれたのだ!」と言われても、
スターリンをチャーチルや蒋介石としても間違いでは無いのですが、意味不明です。
「ではなぜ騙されたのか?」の説明が無いからです。

 そこで原点にかえり、日本に戦争を売った目的を考えましょう。
 大きく、
一、太平洋における覇権の確立
二、中国大陸(特に満洲)の権益を奪取→つまり太平洋における覇権の確立
三、ドイツの同盟国である日本と戦争状態に持ち込んで欧州に参戦し、
  英国から東欧までを救出する
の三つが上げられます。
 
 まず、三がいきなり失敗しています。
 まあ「陰謀論」「裏道参戦論」を否定して、アジア・太平洋と欧州の戦争が別物だったとしましょう。
 前回の「大英帝国」と同じ理由でアメリカは敗戦国です。
 この点をA・ウェデマイヤーはこれでもかと批判しています。
「チャーチルはピット気取り!そんな英国に引きずり回されるとアメリカの国益に反する!」
と『ウェデマイヤーレポート』で筆誅を加えたので、同書は欧米でタブー扱いです。

 二は結局、一になってしまうのですね。
 第一次大戦中から米国がアジアで行なったことを時系列で並べると、

・とりあえず大英帝国、ついでに大日本帝国に喧嘩を売る。(ウィルソン14か条宣言)
・日英同盟を分断、徹底的に対立させる。(ワシントン会議)
・中華民国の反日を全力支援。(満洲事変以後のローズベルト)
・支那事変でヘトヘトの日本に包囲網、疲れきったところで、これでもかと挑発。(日米交渉)
・日本の緒戦の快進撃で、大英帝国の植民地支配が崩壊。
・日本の敗北が見えてくると、今度は蒋介石の腐敗を追及。中国共産党を持ち上げる。
・日本降伏後、蒋介石への援助をやめる。中国共産党は見事に時間稼ぎ。
・国共内戦開始。まともな支援を行なわず(行なえず)、蒋介石は亡命。
・気がついたら、ソ連&中華人民共和国という二大大国と独力で対峙する羽目に。
・こんなこと本当は無関係なのに、当事者の大日本帝国を自分で潰したのだから仕方が無い。
・あまつさえ、朝鮮戦争で朝鮮半島の釜山以外は金日成が支配。
・国連軍を組織し(世界の半分を味方につけ)、何とか金日成を追い返し平壌攻略。
(実は、アメリカにわざと国連軍を組織させるのがスターリンの謀略だったと最近判明)
・と思いきや、いきなり中国人民解放軍が乱入。追い返される。
・日本の大東亜共栄圏よりもさらに広大な距離を自前で肩代わりする羽目に。

 アメリカ人って本当に馬鹿じゃないのか?
と言いたくなる。

 ちなみに日本の戦争目的がコロコロ変わった点は指摘したし、自虐的な似非インテリも散々言うのですけど、
アメリカだって真珠湾攻撃をされて上記三つの戦争目的をころっと忘れているわけです。
日本のことをとやかく言えないわけです。
 支那事変で疲弊しきった日本だったから、しかも「真珠湾だまし討ちプロパガンダ」が成功したから、
何とか物量作戦で勝てたのですが、そうでなければアメリカ艦隊など太平洋の藻屑と消えて
アメリカ人はとても継戦意欲など持てなかったのですね。

 以上、親米派日本人の歴史観でした。

 ウッドロウ・ウィルソンとフランクリン・ローズベルトが日本に多大な迷惑をかけたことはいくらでも指摘できます。
 しかし、彼らはそれらの行為によってアメリカの国益を損ねたからこそ、永遠に歴史において断罪されるべきです。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

(新人物往来社、1470円税込)

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2011年2月23日(水曜日)

お礼とお詫び

カテゴリー: - kurayama @ 17時17分45秒

 2月11日に告知しましたトークライブですが、28日に以下のショットバーでやります。

会場:伽藍バー
http://www.ghalan.com/pc/

 とはいうものの、本格的な告知を昨日から始めたら、既に満員で。。。
 お礼及びお詫びを申し上げます。
 ということで、第2回以降も決定???

 その時代に合わせた歌を聴きながら、合間にトークを挟むと言う趣向です。


2011年2月22日(火曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(5)―大英帝国の場合

カテゴリー: - kurayama @ 23時25分56秒

 今回の対象は大英帝国です。日本人が想像するイギリスではありません。
 本書の主題の一つが、W・チャーチルの再検証です。

 ここで今や英国最高の英雄とされているチャーチルの功績を考えて見ましょう。
 ブリテン島をナチス・ドイツの侵略から守った。
 だけです。
 それが、すべてのように片付けてはしゃいでいる歴史観が主流でもありますが。
 ファシズムに対するデモクラシーの勝利とか。

 では、そもそも大英帝国の戦争目的は?
 ポーランド以下、東欧の解放です。
 では1945年以降の東欧はどうなりましたか?
 ほとんどすべてソ連によるファシズムの支配下におかれました。
 むしろナチスよりも残虐な支配が45年間もの間、続きました。
 これのどこが勝利?むしろ完敗です。
 しかも、ドイツやイタリアよりも戦後復興が遅れ、さらに10年の配給生活を続けました。
 さらにしかも、七つの海を支配していた帝国は失われました。

 世界史最強の帝国は、錯誤を重ねた末に、大日本帝国と刺し違えてしまいました。
 ついでに言うと、アジアにおける大戦の本質は日英戦争です。
 アメリカなど、本来はお呼びではありません。

 紙数に余裕があれば描きたかったのが第二次中東戦争(スエズ動乱)なのですが、
 ここで英仏はこれでもかとみっともない負け方をするのですね。米ソに。
 チャーチルを継いだイーデン首相はショック(本当に麻薬に手を出したらしい)で退陣してしまう。。。世界を支配していた大英帝国は、米ソに分割されてしまいました。

 これではチャーチルを英雄にでもしなければ、ごまかしようが無いわけです。
 チャーチル自身、大戦末期には暴走するアメリカに頭を抱えながら何もできないのでして。
 あの手この手で自分で引き込んだ以上自業自得ですが、とにかく大英帝国を守れなかったのは間違いないです。

 一方、「英雄・チャーチル」に比して、これでもかと貶められているのが、先代首相のネヴィル・チェンバレンです。悪名高くされてしまった「宥和政策」にしても、ソ連とドイツのバランスを考えているわけで、じゃあナチスを潰してソ連に覇権を与えたチャーチルはどうなのか?とならないと議論がおかしくなります。これは私が勝手に言っている訳ではなくて、大昔からA・J・P・テイラーなんかは指摘していたことです。最近の欧米の学者は歴史歪曲のために、日本の学者は単なるモノ知らずか健忘症で無視していますけど。

 戦争の勝利は何によって判定されるか?
 目的を実現できたか、です。
 大英帝国は如何?

 ちなみにこの論点に関して、「ミュンヘン会談〜独ソポーランド分割〜英仏宣戦」のくだりは、我ながら自信作です。
 長年思索していたのですが、ヒトラーとチェンバレンが一つずつ致命的な錯誤をしているのですね。

 

 なんと、これを2回にわたり書くのを忘れていました。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

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2011年2月21日(月曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(4)―フランスの場合

カテゴリー: - kurayama @ 23時02分52秒

 よく、一国平和主義ならぬ、日本一国で世界史を語ろう主義の皆さんが左にも右にもいて、
「こんな国は日本だけだ」と言い出します。せめて、今回のシリーズであげる国ぐらいは比較してから言ってもらいたいものですが。

 大体、「日本だけが」とか言い出すと、戦間期と第二次世界大戦の場合、フランスにも当てはまってしまいます。思いつくままにあげると、

独裁者がいなかった。
だから内閣がコロコロ変わった。
政治家は何も考えていなかった。
官僚は学歴秀才の集まりで、まじめに軍事のことなど考えていなかった。
だから希望的観測だけが議論を支配した。
真人間は嫌われ発言権はなく逼塞していた。
婦人参政権を戦後まで認めなかった。←これは差別以上に、総力戦をわかっていなかった証拠。
大国のクセに戦争に負けて占領された。←フランスが大国だったのは幻想でしたが。
ただ一つ違うのは、日本には

ド・ゴールがいなかった!!!!!

 かなり本気で考えているのが、日本がアメリカの属国から中華帝国の属領になった際、「自由日本」とかをつくらなきゃいかんのかなあ、ということ。そういう意味もあり、共著者の鍛冶先生には相当力を入れて書いてもらいました。
 フランスはどさくさに紛れて戦勝国(しかも五大国の一角に)になったのですが、それはド・ゴールが「パリ解放の先陣は我々にやらせろ!」とわがまま放題を押し通したからなのですね。
自衛官や保守政治家が「日本は楯であって、北朝鮮を攻撃するのはアメリカにやってもらう」とか言い出すようでは話になりません。

 この砦を始めて以来、拉致問題を解決できねば日本は文明国として地球上で生存できない、と言い出しているのですが、「平壌解放軍」の先鋒は日本軍でなければなりません。これは軍事合理性とかこちらの戦死者が何人出るとかそういう問題ではありません。政治の都合です。だから軍オタ的議論は一切シカト!(いつものことでは?という説あり)

 それともう一つ、フランスが大国になれた重要な理由は、歴史を歪曲したことです。

ヴィシー、何それ?

が、公式見解です。この辺りのフランス中華思想では、中国人並みに「そんなものは最初から存在しなかった」扱いされます。真面目な言い方をすれば、第四共和制成立と同時にナチス占領中の憲法以下すべての法令を無効にしました。日本人には耳が痛い話です。

 さて結論。

 第一次大戦まで=名実ともに大国。
 戦間期    =名目のみ大国。
 第二次大戦中 =ドイツに占領される。
 第二次大戦後 =名実ともに大国に復活。

 ド・ゴール一人のおかげですな。最後の勝利以外は、本当にみっともない。他山の石としましょう。


仙台御報告

カテゴリー: - kurayama @ 22時42分25秒

 日曜日に帰宅後、死んだように寝ていました。重要な用事を終わらせた以外は。ということでレスも今、はじめて見ました。すみません。

 さて、土曜日は想像外の盛況でした。

 宮城は日本を守ろうと言う血が燃え滾ってきていますね。
 特に30代が熱い!
 毎月、仙台行きが決定!お招き、ありがとうございます。

 1月26日の記事も参照してください。
 私の知りうる、まだ歴史になっていない、知恵と勇気と行動力だけで立ち上がった三人の若者の物語が、日本を守ろうとする人たちのこれからの活動にお役に立てれば幸いです。

 ちなみに“行動力”担当の人物は以下の漫画に実名で、日曜朝8時にテレ朝に出てきて奥様のハートをゲットしそうな二枚目として描かれています。当時はその通りの二枚目でした。爆

 奪還

 当日「そのスゴイ人は実在の人物ですか」と言われた、“知恵”担当は現役ですので、詳細は省略ということで。

 大事なことは、予想外に好転したときのために自分で必死に動き回ることです。

 まずはご登録を!と宣伝。

 http://sns.mynippon.jp/index2.html


2011年2月19日(土曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(3)―ドイツの場合

カテゴリー: - kurayama @ 02時33分08秒

 第一次大戦の勃発は必然ではないです。
 何一つ合理的理由がないのですから。

 『レクサスとオリーブの木』なんかが「経済的に相互依存していれば戦争は起きない」とかいう言説を撒きちらすのですが、それには前提があります。
 お互いが合理的経済人であることです。
 つまり最低限「戦争したら損だからやめよう」という計算ができなければならない訳です。
 では第一次大戦前のヨーロッパは?すべての国が英独二大国と緊密な貿易関係にありました。
 ところが、バルカン半島の小国は「自分が不幸でも他人がもっと不幸ならば幸せ」という、合理性のかけらもない連中です。だから二度のバルカン戦争を六大国で止めたら、今度はセルビアが大国のハプスブルクに喧嘩を売るという有様で不幸は拡散されました。

 逆に第二次大戦は、ヴェルサイユ体制はドイツ抹殺体制なので、ケインズ博士などは「これは必然的に次の大戦を招く」などと予言したほどです。

 では第二次大戦におけるドイツの戦争目的は?
 ヴェルサイユ体制の打破・生存圏の確立、です。
 最終的には(米英よりも)ソ連にひどい目に遭わされて、国家分裂亡国の憂き目を見ました。
 ただ、第一次大戦後のワイマール共和国の惨めな有様と比べればどうだ?という話です。
 ワイマール共和国と東ドイツ、どっちが悲惨かという論争も必要かもしれませんね。
 それくらいワイマール共和国には何一つ良いことがなかったです。
 ヒトラーがミュンヘン会談でやめておけば、ビスマルク以上のドイツ史に残る偉大な政治家として終わったでしょう。
 例のユダヤ人への迫害が激化するのもこの後ですし。

 忘れてはいけないのは、ヒトラーはユダヤ人以外にも大量の残虐行為を働いています。
 敵国人や反逆者だけでなく、ドイツ国民でも同性愛者や身体障碍者も「生きるに値しない命」として片っ端から殺していますから。
 またユダヤ人を殺しまくった大悪人と言えばスターリンを忘れてはいけないですし。
 日本だと「ヒトラーがユダヤ人を殺しました」とアホの一つ覚えみたいに覚えさせられるのですが、条件反射的にそれしか言えないとユダヤ人の前で恥をかきますから。

 結果的には大国のクセに敗戦国、なのですが、ワイマールの悲惨さを抜け出したのでマシ、
という評価はまずいのでしょうかねえ。


アルマちゃん完全版放映!他、お告知

カテゴリー: - kurayama @ 01時24分48秒

 NHKさんから連絡がありました。
 今週日曜日2月20日16時25分〜17時59分
「さよなら、アルマ」完全版
を放映するそうです。
 リクエストが相当あったそうですので。
 私も楽しみです。
 見逃した方や、また見たい方、どうしても完全版1と言う方はどうぞ。

 講演話も色々あります。
 とりあえずクローズドのはずなのになぜかニコニコ動画で宣伝されていたのが
 明日の仙台吉野作造研究会。
 お題は、

中大生救う会、かく戦えり!

 さっき、内容を確認したのですが、まあなんとたくましい若者達で。笑

 倫理法人会さんからは月に二度ほど講話の話が来ています。決まったので言うと、
3月 8日(火)上野
3月26日(土)相模原
4月 9日(土)あきるの
4月12日(火)中央区
です。
 すべて朝6時半からと早めですが、お近くの方はどうぞ。
 この砦やチャンネル桜を見て来て下さる方もいるらしく。
 ありがたいことです。


2011年2月15日(火曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(2)―大日本帝国の場合

カテゴリー: - kurayama @ 23時31分38秒

 国際法的にも道義的にも、日本はどこの国にも謝るようなことはしていません。
 それなのに、最も謝り続けている敗戦国です。
 なぜか?
 国際法的にも道義的にも悪くないならば、なぜそんな正しいことを世界中に説得できなかったのか?という責任問題が必ずついてきます。
 日本が国際法や道義に照らして悪くない以上、絶対に付随します。避けられません。
 誰が悪いのでしょうか?

 外務省です。彼らの宣伝能力の欠如は、普通の国だったら国家反逆罪級です。
 これをやりだすとそれだけで別のシリーズになるのでやめますが。
 帝政ロシアなら、歴代外相・主要国大使、ほぼ全員が間違いなく死刑です。

 外務省公式史観では、
「悪いのは、圧倒的に陸軍、ついで海軍(の特に嶋田繁太郎特定個人)、それとよくわからないけど内務省(特高警察)、ついでに平沼騏一郎一派(枢密院)や民間右翼」です。
 どうやら「軍部の独走」の前に外務省は蟷螂の斧の如く抵抗していた平和愛好者らしいです。
 軍部(=陸軍全体+嶋田繁太郎)が侵略を行なったらしいです。
 んなアホな。
 ここで賢明な読者の皆さんは疑問をお持ちでしょう。

 嶋田繁太郎って誰?
 巨大官庁である陸軍省や参謀本部に対置される人物・・・。何物なのか?
 まあ、海軍大臣や軍令総長を務めましたが、渾名は、東條の男めかけ!です。

 そんな人物に「陸軍省+参謀本部」に渡り合う政治力があって侵略戦争を遂行したとか、ありえないでしょう。他の海軍軍人は何をしていたのだ?となります。
 そもそも、小学生レベルの「対比」としておかしいでしょう。
 今で言うと、「日銀・財務省と前原せいじ」くらいおかしな日本語です。
 昔からこういう教科書的な説明、訳がわからなかったです。

 要するに、自分達が仕事をさぼって国を滅ぼした言い訳として、「日本には一部の悪い奴らがいて、侵略戦争を行なったんだ」という歴史観で洗脳してしまえば、国民から「何であの時、あんなに一方的に正しかったのに国際社会を説得できなかったのだ?」と追及されることはなくなります。自分達は安全です。
 宮内庁とか最高の天下り先もありますし。
 自らの責任を回避するためには、日本の国際社会での地位がどんなに低下しようが、国益を損なおうが知ったこっちゃないのが腐敗官僚です。そのためには昭和天皇さえ利用して、歴史歪曲とかもします。

 詳しくは

『別冊正論』14号の「“つくられた大御心”と側近達の大罪」

をお読みください。

 以上、かなり長い前置きでしたが本題に。
 大戦参加中、これほど自分の立ち位置をわかっていなかった国はないでしょう。

 まず支那事変(昭和12年〜)の目的。
 暴支膺懲(=ならず者の支那人を叩きのめす)。←そもそも目的になっていない。

 次に、大東亜戦争(昭和16年〜)の目的は三つありました。

その一 自存自衛=生きていくのに必要な土地を守る。
 アメリカが石油を売ってくれなくなったので、他で確保する必要があった。
 で、オランダ領インドネシアの石油を獲得するために戦いを始める。
 ちなみに、当時のオランダは同盟国ドイツの占領下であり、平和的な交渉で石油を獲得しようとしたが、現地オランダ人は人種差別意識に凝り固まっていたのと、米英両国の後ろ盾でこれでもかと居丈高な態度だった。どころか、「日本を締め上げてやる」くらいの態度でした。(これがいわゆるABCD包囲網)
 日本は蘭印(今のインドネシア辺りのオランダ植民地)など国とも思っていなかったが、ご丁寧に向こうから喧嘩を売ってくれた。
 で、緒戦は連戦連勝。

 それにしても以上の経過を見る限り、別にアメリカに喧嘩を売らんでも良いのでは。。。
 私ならオランダにだけ最後通牒を「48時間以内に降伏せよ」とか突きつけるけどなあ。

その二 有色人種の解放
 日本人は開戦半年後のミッドウェー海戦から坂を転げるように連戦連敗と思っているが、そんなことはない。あれは最初の有利を失って互角に戻っただけ。昭和18年までは一進一退。
で、英領(ミャンマー・マレーシア・シンガポールなど)、米領(フィリピン)、蘭領(インドネシア)などを次々と解放。
 それまでの帝国主義植民地体制(要するに白人による人種差別)を気がついたら打破していた。日本政府のお偉方さんたちはそんな民間右翼の夢想みたいな話はまじめに考えていなかったが、「まじめに占領政策をしなければ」という意識が芽生えてしまう。
 いつの間にか言い出したのが「有色人種の解放}!
 ところが、どこまでの範囲に解放戦争を行なうか、など真面目に考える能力のある人が一人もいない末期症状。
 あわてて
「これからハワイのことを研究しよう!」・・・ミッドウェー海戦が終わってます。
「やはりインドに突っ込もう!」・・・頼むから2年早くやってくれ!泣
「中東って、インドのこと?それともペルシャ湾に入るの?」・・・もうこれ以上何も言うまい。
みたいな超泥縄式にアタフタしているうちに劣勢に。
 他国を解放するどころか、
「一億火の玉!」「本土決戦!」「聖戦完遂!」「一億玉砕!」
と、掛け声が意味不明になっていく。勝つ気が失せていっている。
 この掛け声、どんどん後ろ向きになっている日本人の意識がわかるなあ。。。

その三 国体護持
 現実には本土決戦なぞ生ぬるい、本土消耗戦が迫っていた。。。

 ちなみに本土“消耗戦”がどれほど恐ろしいかというと、ユーゴスラビアは、日本の8月15日の状態からが本番だ!、とばかりに全人民防衛を開始!ドイツ軍と戦いながら、王党派とセルビア人とクロアチア人とムスリム人と共産主義者が入り乱れて殺し合い、あまりの残虐行為にSS隊員に泡吹いて失神する連中が続出するわ、ヒムラーは「おウチにかえりたい」と泣き出すわで、怯えたドイツ軍をほぼ独力で本当に追い出してしまった。その間の国民死傷率は人口の1割。
 アメリカ人はこんなのを再現されると怖いから原爆を落としたとも言える。。。

 ところが、幸か不幸か日本人は文明人でした。そんな「消耗戦」などはかけらも考えていません。
 敗戦直前に何を議論したかと言うと、和平派は「一条件だけこちらから降伏条件をつけよう」で、抗戦派は「駄目だ。もう三条件を要求しないと、軍隊の武装解除なんかしたら何をされるかわからない」です。
 では日本人の総意とも言うべき一条件とは何かと言うと、国体護持です。
 国体護持とは、国家体制を守ることで、つまり天皇を中心として続いてきた日本の歴史文化伝統を変更しないことです。アメリカの返事は「日本国民が民主的に決めてください」でした。

 さて以上、大東亜戦争(日本国正式名称)における三つの目的は達成できたのでしょうか。

その一 自存自衛
 アジア太平洋最強の大国からいきなり三等国に転落。
 どう考えても失敗。
 カルタゴだって三回にかけてだったが、一回でいきなり滅亡、だとちょっと世界史で思いつかない。

その二 有色人種の解放
 日本敗戦直後に、日本が戦ったアジア中で実現。インドネシアの今村均とかインドの藤原岩市とか、かの地では大英雄だし。というか、敗戦後も一緒に日本人が戦っている。
 最終的には、アジアどころか世界中で実現。
 私はこの意味で「大東亜聖戦」と呼ぶのは構わないとは思う。

 ちなみに、日本の民族派の皆さんが「大東亜戦争記念碑」的なものあちこちに建てているようですが、非常に甘い。「戦勝記念碑」を建てるのが国際標準。
 サダム・フセインなんて、あれだけ湾岸戦争で袋叩きにされてクウェートから叩き出されても、ブッシュが1年後に大統領選挙で負けると、「アラーの天罰だ!」とか言いながら「戦勝記念碑」を国中に建てたくらいで。

その三 国体護持
 皇室に手をかけさせなかったのは確かでしょうね。
 ただし「マッカーサーの時限爆弾」という考え方もあります。

 占領政策とその後の戦後体制の評価次第でしょう。

 結論。
 第二次世界大戦が終わっても、日本は負け続けている!

 別に
「今すぐ戦争を周辺諸国に仕掛けてやる!」とか、
「今は戦後ではない、既に戦前だ!」とか、
「先の大戦の復讐を必ずしてやる!」とか
を言いたいわけではなくて、せめてドイツ人くらいに賢くなろうよ、という話です。

 未来の歴史書には
「日本人は戦争に負けたのではない。負けたフリをしていただけだ」
と書きたいものです。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

(新人物往来社、1470円税込)

 好評発売中!


2011年2月14日(月曜日)

ゼロの会、発足ご報告

カテゴリー: - kurayama @ 23時59分15秒

 年末に少しだけ告知しましたけど、犬猫の殺処分をゼロにする会を立ち上げました。
 ことのきっかけは、私の教え子の女子学生達が中心になって、今日本では30万匹の犬猫が殺されているので、これをドイツに倣ってゼロにしたい。熊本でもやってゼロに近づいているそうだから東京でも!ということではじまりました。

 正式名称は

犬猫殺処分をゼロにする会

です。

 正式な発足日は平成23年2月14日午前9時ということになります。
 私と将棋連盟の上野先生が顧問です。
 学生達の代表の名前とか活動報告などはH.P.が立ちあがったらご紹介します。
 とはいうものの、既に活動は始めていて、毎月一回の(おっと次回3月2日が最終回だ)政治を近くする会で出会う現職議員さんや新人さんにこの話をすると全員が二つ返事で「是非やりましょう!」と言ってくれています。

 東京二十三区の場合、野良犬猫の管理は都が管轄なので、まずは最も信頼できる東京都議会議員ということで、二十年来の親友の吉住健一先生のところを表敬訪問しつつ、お願い事や相談をさせてもらいました。

http://www.yoshizumi.jp/

 前向きな御返事をおただけましたので、今後この砦でご報告できることもあるかと思います。

 なぜ、犬猫殺処分をゼロにする会(略称・ゼロの会)を立ち上げたかをお話します。

 全国の保健所で殺処分される犬猫は30万匹です。
 東京都の場合は5千匹です。
 費用と職員の安全を考えて一酸化炭素を使っているので安楽死ですらありません。
 職員さんたちも殺したくて殺しているわけではありません。
 どうしても引き取り手がない場合に仕方なくです。
 しかも、首輪をつけていても迷子になって飼い主が見つけてくれなければ殺処分されてしまいます。
 
 その一方で、「地域猫」のような保護のされ方をしている猫なども居ますし、心無い飼い主による犬の害もあります。
 犬猫が嫌いな人にとっては不快極まりない話ですし、犬猫好きの人にとってもこれは好ましい状態ではありません。

 地方議員さんだと、こういう問題が一番身近で深刻で難しいのですね。
 というか、そういう話を区議会議員に当選した直後の吉住君からずっと聞いていたので、ドイツや熊本でできるのなら、東京や日本全国でできるだろうと考えた次第です。

 ではドイツはどうしたかというと、歴史は以下の通り。

1871年:ドイツ帝国、建国。動物愛護協会、設立。
1933年:ヒトラーが右翼票を欲しさに「動物愛護法」を制定。
      現代でも続き、世界中の模範となる動物愛護法となる。
 アウトバーン、フォルクスワーゲンと共に、ヒトラーが作ったもので
 ドイツ人が残している数少ないものがこの動物愛護法です。
 では、今に至る内容は?

1.登録制。愛玩動物は家族なので、人間と同じように戸籍を作る。
2.登録料として一匹辺り年間1万円くらいを納税。
  子供の養育費と考えれば超安い。これが払えないならペット飼うな!
3.違反者は罰金、罰金、厳罰!ヒトラー政権時代の強制力は御想像の通り。
  ちなみに現在の日本の法律でも最高金額50万円。問題はとる労力だけど。
4.野良ワンコ&野良ニャンコは、「動物の家」で管理。
  飼い主が見つかるまで探し続ける。⇒98%が見つかる。
  どうしてもみつからない2%の子たちも、名前をつけて、お墓に埋葬するまで面倒を見る。
5.ひたすら、去勢!去勢!去勢!
  安易に命を生み出さないという方針を徹底する。
⇒財源は、初期費用は罰金。その後は、飼い主からの登録料と寄付。

 かくして、犬猫殺処分ゼロ社会のできあがり!
 って、永久に去勢はしなければならないので、御役ゴメンにはなりません。

 熊本はこれを真似して、ほぼゼロに近づけているそうです。

 ということで、詳しいお話をお聞きに成りたい方は、レスで質問してください。


2011年2月13日(日曜日)

第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?(1)―中華民国の場合

カテゴリー: - kurayama @ 23時15分19秒

 いよいよ明日、大きな書店では発売です。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

(新人物往来社、1470円税込)

 Amazonで、先行予約始まっています!

 ということで、短期集中シリーズではじめます。
「第二次世界大戦の勝者は誰だったのか?」

 え?米英ソ中仏が勝者で、日独伊三国同盟が負けたと教科書で習った?
 そうですねえ、“山川さん”というモノ知りな方によると、ファシズムに対するデモクラシーの勝利だったそうで。
 特定の誰かさんにだけ都合が良いこの史観を日本人が信じ込まされているから困るのです。

 日本にファシズムが成立できたとは驚きですが、ソ連がデモクラシー国だったとはもっと笑い事です。
 東欧諸国にとっては、ナチスよりも長くひどいファシズムであるソ連共産主義に支配されるようになったのが、第二次世界大戦にほかならないですから。
 結局、「日本はファシズムだ!」と貶めることで得する人がいたのですね。
 敗戦利得者どもが!

 現代の「歴史論争」って、根源は第二次世界大戦ですから、この大戦によって誰が得をして損をしたのかの検証が、現代の世界を読み解く第一歩です。

 第二次世界大戦の勝者は誰だったのかを検証していきます。

 さて、戦争の勝敗は何によって決まるでしょうか?
 もちろん死傷者も重要です。領土とか財産を奪ったか奪われたかも重要です。
 しかし、本質は「目的を達成したか」どうかです。

 日本一国史観だと、
「日本ほどひどい目に遭わされた国はない」
「日本は世界で最も戦争の悲惨さを知っているのだ」
あるいは逆に
「日本は世界で最もすばらしいことをした国なのだ」
などと言い出す人がいます。

 前者だと、それこそユーゴスラビアで言ったら怒られますね。
 人口の一割が死んだのが、大戦中の東欧でしたから。
 日本はあれでも4%です。どれだけ悲惨かわかろうものです。

 後者に関しては次回。先走って予告をしておくと、私は
「大東亜戦争」と「大東亜聖戦」を昔から使い分けています。

 どちらの立場にも聞きたいのですが、全世界、少なくとも戦争参加国すべてを検証したのでしょうか。
「一番」と言うからには、二番以下があるはずですが、何か国中の一番なのでしょうか。

 ちなみに今回の私は、「大国の中で」で話を進めます。

 第二次世界大戦前後の大国中、最も惨めな負け方をしたのは中華民国です。
 まず、日本に首都をあっというまに陥落され、ひたすら被包囲状況の中で引きこもっていました。
 ABCD包囲網と言われますが、中華民国重慶政権の蒋介石からすれば自分が包囲されて、ミッドウェーがあと半年遅かったら、
 もうソ連がイギリス領インドにでも亡命するしかなかったのですから。

 で、日本が劣勢の中で、1943年頃には日本に代わる大国として扱われます。
 米ソ英三大国の決定を追認するという役割で。
 ところが、この頃にはもうアメリカが露骨に裏切っているのですね。
 蒋介石の愚痴。
「我々は共産党に対して軍事的には全勝である。
 ところが奴らは宣伝戦にだけは長けている。
 アメリカ人はまんまと騙されている。」と。
 日本にしたことをマンマ自分がやられる訳です。

 で、1945年には国共内戦開始。
 アメリカは「平和病」にかかって何の援助もしてくれない。
 毛沢東率いる中国共産党はソ連の援助でやりたいほうだい。
 哀れ蒋介石は台湾に叩き出されました。
 どこが大国だったのだか。

 蒋介石率いる中華民国の戦争目的。
 中国共産党を殲滅し、日本軍を追い出して中国大陸統一。

 どう考えても、大日本帝国以上にみっともない負け方ですね。
 あえて日本よりマシだった点をあげれば、敵軍に本土(台湾)を占領されていないので、
訳がわからん憲法を押し付けられないとか、意味不明な復讐裁判をされないとか、
自国を弱体化する教育を強要されないとか・・・かなぁ。

 ちなみに、蒋介石が毛沢東を台湾に上陸させなかったのは、根本博中将のおかげです。


2011年2月12日(土曜日)

予算関連法案の話―私が黒幕なら

カテゴリー: - kurayama @ 23時32分21秒

 よくされる質問。
「予算関連法案をどうやって通すのですか?」

 まず、日本の制度を憲法に基づいて確認しましょう。
 予算は、衆議院の多数の賛成だけで成立します。(60条)
 ところが、帝国憲法と違い日本国憲法には「予算関連法案」という代物があります。
 予算が通過しても、その法律を通さないと執行できない、という法律です。
 有名な子供手当て法、なんかがこれです。
 法律は、衆参両院の賛成が無ければ成立しません。
 つまり、実質的に予算の不成立と同じです。

「予算は国家の意思」ですから、国家機能の麻痺と同じです。
 これを憲法危機(要するに憲法違反)と呼びます。
 日本の予算は単年度予算制なので、もし最終的に予算関連法案が成立しなければ、自動的に83、85、86、87、88、90、91条に反することになります。(条文内容は個々にご確認を)

 参議院は野党が多数のねじれ国会ですから、与党民主党はどこかから補完しなければなりません。ではどうするか?
 方法一、衆議院で社民党の賛成を得る。
     衆議院で三分の二の多数で再可決すれば法案成立します。
     そのために民主党は5議席足りないのですが、社民党は6議席あります。
     ただし、この党の主張を取り入れると「沖縄から米軍は出て行け!」などと非現実的            になりますので
政権は持たないでしょう。

 方法その二 参議院で野党の賛成を得る。
       公明党が本命です。
       同意人事でも賛成しましたし。
       ただし、統一地方選挙までは反菅内閣の旗を掲げたいでしょうね。

 では菅首相はというと、何でも良いからしがみつきたいのはアリアリです。
 憲法上、選挙に負けなけ無い限り辞めなくて良いですし。
 ただし、予算(関連法案)が通らないと死に体です。というか憲法違反のオンパレードになります。
 いくら2年は選挙が無いと言っても、民主党内からの反発は強くなるに決まっています。
 誰も、菅さんと道連れに落選はしたくない訳です。

 では、私が敵方の黒幕ならどうするか?
 とにかく、3月中に予算は通す。ただし内閣は、できる限り低姿勢で。
 自民党やみんなの党に好きなだけ攻撃させる。殴りつかれるのを待つ。
 これでもかと感情的に攻撃させる。閣僚はただひたすら歯を食いしばって耐える。
 で、4月の統一地方選挙でガス抜きをさせる。
 どうせ、誰も勝てない選挙になるし、下手すれば既成政党不信選挙になりかねないし。
 そこで、公明党に協定を持ちかける。
 ただし、民主党にとっても公明党にとっても連立はよろしくない。
 民主党内には反創価学会教団が多いし、公明党は大臣を欲しがりさえしなければ何でもできる。ついでに自民党を可能な限り切り崩す。

 もう一つ、菅首相の首と引き換えに予算関連法案を通し、公明党が納得する人物を総理に据える。何を血迷ったか、某外相が参議院会長に擦り寄り始めましたが。大丈夫かな。

 ちなみに岡田幹事長、席順上毎回、仙谷&輿石に挟まれて座っている。こういうのを何のムシロと言うのだろうか。

 それはそうと、最近の輿石、絶頂期の青木幹雄の手法に近くなってきた。。。


2011年2月11日(金曜日)

近代とは何か

カテゴリー: - kurayama @ 01時26分54秒

 本日は鍛冶俊樹先生と打ち合わせでした。(BGMはエンドレスで「パリは燃えているか」←NHKの「映像の世紀」の主題曲です。) 銀座でトークライブやります。近日、詳細を公開する、かも。

 さて、その際に店主に大笑いされた三行詩が表題。

 1648年、マザランやりたい放題。

 1815年、タレイランやりたい放題。

 1945年、ドゴールやりたい放題。

フランスは常に美しかった。。。

 フランスの安全保障にも詳しい鍛冶俊樹先生との共著、

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

(新人物往来社、1470円税込)

 2月14日発売!乞御期待!Amazonで、先行予約始まっています!


2011年2月9日(水曜日)

「桜」出ました&新刊紹介

カテゴリー: - kurayama @ 23時29分47秒

 本日「チャンネル桜」でました。今回はこの砦の紹介時間も多めにとってもらいました。

 毎回ありがたいことに、「“桜”見て飛んできました」と仰ってくれる方が多く、大感謝です。

 ということで、今回は「はじめての“砦”」を。笑

 YAHOOとかグーグルで

「功山寺決起」←なんとこれで上位ヒットに!
「倉山談話」
「倉山満 船中八策」

などで検索すると、「砦 傑作選(笑)」にたどりつきます。
 
 さて、本題。今回、『歴史通』3月号

“総力特集 「日中戦争」は侵略だったのか”

に寄稿しました。題して、

国際法にてらして正義は我にあり

です。

 今日の番組は基本的にこの寄稿にそくしてだったのですが、要点は、

「侵略」の前に「戦争」ではない。そもそも奴らは「中国」どころか支那ですらない。

です。

 企画があまりにも充実しすぎて、宮脇淳子先生と鍛冶俊樹先生との対談は次号になりました。
 乞御期待。

 その鍛冶先生との半年に及ぶ一大ビッグプロジェクトが完成!

 2月14日(月)に店頭に並びます。

『総図解 よくわかる 第二次世界大戦』

(新人物往来社、1470円税込)

です。

 今後、事あるごとに宣伝します。笑

 ご感想、お待ちしております。


2011年2月8日(火曜日)

人前で読んではいけない本

カテゴリー: - kurayama @ 12時26分10秒

 よくわからないが、こんな愚かな本が30万部も売れているとか。

藻谷浩介『デフレの正体』

 こんな本を買って人前で読んでいようものなら、マトモな大人から顔をしかめられるタグイの本が『デフレの正体』。どうしても、ゲテグロ見たさで読みたければ、かわらに捨ててあるのでも拾って、親に隠れて夜中に押入れでこっそり読んでくださいというタグイの本です。
 まあ敵情視察のために買わざるを得ない仕事の人はともかく、普通の人は目次を読んだだけで、買う価値が無いと判断できなければいけません。日本人として知的レベルを疑われます。

 日本中のまともなエコノミストから
「あなた御自分でおっしゃっている意味がわかっていますか」
と指摘され、
「すみません。私、デフレの話をしているんじゃないんです」
と、発売直後に自説を撤回したという、
 今や“トンデモ本の最高峰”とも言われるのがこの本です。

 管見では、藻谷説をこの世で最も完璧かつ簡潔にこき下ろした論説がこれ。
http://www.facebook.com/note.php?note_id=153860434659317

 上念司先生のマトモな本が世に出回った後になぜ藻谷本のような愚かな本がベストセラーになるのか?
 それは、帯に池上彰(とついでに山田真哉)が書いたからでしょう。
 他に何もない。それだけ日銀とその工作員どもは焦っているのでしょうね。必死の営業宣伝工作の勝利?しょせん一時的ですが。

 私、立ち読みで目次だけ見て、唯一読む価値がありそうな頁をめくったら、
「お札を刷ったら解決するような、そんな簡単な問題ではない」としか書いてない。
 何がどう簡単な問題ではないのかがさっぱりわからない。
 だからデフレを語った本としては失格。(本人も「署名に偽りあり」と認めている)
 本当に15秒で終わりです。

「大学弁論部に入部して2週間たちました」という学生ならば15秒で論破できなければ
「貴様、今まで何をしとった?」と「ムリヘンにゲンコツ」の制裁モノです。
 今の学生諸君の雰囲気は知らないですけど、少なくとも私の学生時代なら、本当に15秒で根本的な間違いを言えなければその瞬間から、ほとんど中世ヨーロッパにおけるユダヤ人の如く、
渾名が「モタニ君」「デフレの正体君」「人口デフレ野郎」などと迫害されたものです。
 だから、そういう憂き目に遭うのがイヤで真面目に勉強し、技を磨いたものです。

 初級者用の論破マニュアルだと、
  人口減少はインフレ要因です。
  日本以外の少子高齢化の国はみんな(マイルド)インフレ傾向です。
  あなた、バーゲンセールとデフレの区別がついていますか。
くらいで終了。
 まじめに経済学的にやりだすとこの種の致命的欠陥を30個くらいならばられるはず。

 ここからは、上級編。
 とある尊敬する政治家とのかーなり前の電話。

「倉山よ。なぜ藻谷ごとき小物討伐に血道をあげるのじゃ?(佐賀弁)」

「それはですねえ。藻谷はしょせんショッカー戦闘員上がりの一怪人ですが、
 池上彰という死神博士級の大幹部がいて、首領がパクヒョンミョンなんですよ。
 で、ショッカー以外のあらゆる悪の組織を束ねる真の大首領が居るB26暗黒大星雲がある場所 は中南海なんです」

「なるほどぉ!貴様は常に正しいことを言う!(佐賀弁)」

 これでわかるから、政治家をやっていけるのです。しかも実力のある。

 真贋を見抜く目というのは大事ですね。


『歴史通』に載りました&「桜」出ます

カテゴリー: - kurayama @ 11時28分16秒

 急遽決定しました。

 明日の夜にチャンネル桜に出ます。仮のお題は

「日戦争」は侵略だったのか

です。

 明日発売(だったかな)の『歴史通』でそういう論稿を書きましたので。

 乞うご期待。

 それはそうと、変な誤植をよくしてしまう。

憲法大惨状

 うーん。


2011年2月6日(日曜日)

「フェイスブック革命」と言う大嘘

カテゴリー: - kurayama @ 02時53分33秒

 今回の記事、私は誰に向けて書いているのでしょう?
 正解は?
 言うわけが無いでしょ。
 聞かれたら何でも教えなきゃいけないわけではないので。
 特定の人に向けて書いた文章ですけどね。
 自称□□××」とか「自称□□○○○」に向けてです。
 まあ普通の人は該当しないので、「あ、倉山なんか怒ってる」とか、気軽に読んでください。
 作品としては着地しているはずなので。

 昨晩、月に一度の不眠症解消番組こと「朝までテレビ」をつけてた。
 竹田先生も出てたし。
 ここ数ヶ月(という表現じゃすまないくらい)お会いしてないし、

 どんなもんやらと思いつつ見てたら、予想通りの展開に。
 しかし、田原さんの司会力、落ちたなあ。いつのまにあんな煽りがヘタになったの?
 エンタメとして成立してなかった。
 プロレスで言うところの「テーマが無い戦い」。
 テーマの例を基本だけあげると、
「ヒール対ベビーフェイス」→「巨大な外人VS.日本人」
「世代間抗争」
「日本人抗争、嫉妬と怨念編」
とかになるのだけど、どれにもなっていなかった。
 席順の配置からして意味不明だし、何がしたいのかよくわからなかった。
 竹田先生お疲れ様でした、としか言いようがない。

 この番組、適度につまらないと安眠できるのだが、
 あまりにつまらないと余計に不眠になるのが使用上の注意。

 西園寺公望が生きていたら
「テレビ朝日の放送認可を取り消せ」
とか言っただろうなあ。
西園寺元老様、思想統制には神経過敏だが、言論統制には安直だったから。
(だから「安住“言論”統制」とか言うな、と思っている。

 ちなみに、全部見たわけでは無いのだが、戦前なら不敬罪の該当者が多いなあ。
 堀江・田原は論外。堀江は社会人として駄目でしょう。ほぼ池田信夫級。
 東も該当者だろうなあ。それにしても「フェイスブックが世の中を変える」とか、何なのその日本語?
 でも意外と気付かないだろうけど、●●●●とか●●●●も戦前ならしょっ引かれるわなア。
 いくら「朝まで」流のルールがあると言っても、味方が話をさえぎっては駄目。

 重ね重ね、よく出たなあと思う。
 ブッチャー&シン戦で、猪木とタッグを組んだ馬場さんみたいに見えて仕方なかった。
(その心は?真面目にプロレスを愛している人にだけこっそり教えます。)
(結論だけ聞きたがるような怠惰な人には絶対に教えませんので、あしからず。)
(誤解を招くアホがウヨウヨいるので釘をさしておきますが、竹田先生に悪意が
あるはずないので。)
(というか、そんなこともわからんドバカがいるから世捨て人になりたくなる。)
(何でそんなことまで説明しなきゃいかんのだ。イライラ×∞)

 さて、本題。
 チュニジアとかエジプトとかアラブ諸国で「フェイスブック革命」と騒がれている。
 経済的要素、教育問題だけでなく、通信手段の重要な一つとしてフェイスブックがメールやブログ(ツイッター)とともに重要な意義を持った、
の意味ならわかるよ。
 でも、宗教改革のことを「活版印刷革命」と言うの?

「フェイスブックを使って革命を起こした」はわかる。
 言い換えれば、「革命に際してフェイスブックが重要な役割を果たした」なので。

 しかし、「フェイスブックが革命を起こした」はあくまで文学表現であって、
社会現象の分析で使うと
「そういうことは作家か詩人になってから言え。
そういう才能も無い只のアホが無生物主語なんて高等な文学表現は使うな。
それともお前は社会科学で擬人法をやりたいのか?」
などと真面目な学者からは怒られる。当たり前だ。

 例えば、
「原爆が広島長崎の悲劇をもたらした」→使ったのはアメリカ人だよ。
「統帥権という魔物が暴走し、大日本帝国を滅ぼした」→日露戦争でもありましたが何か?

 モノを主語にした一文、大体は誰かの責任を回避するためのミスリードであることが多いのだな。
 しかも使っている本人は無自覚なだけと言う場合が多いので、なおさらタチが悪い。
 本質は、あくまで使う人間の問題でしょ?

 チュニジアのジャスミン革命の時も言われてたけど、
「ネットにしてもフェイスブックにしてもあくまで道具。確かに便利な道具だが、独裁者はパソコン画面の前に座っている人民など恐くない。独裁者が怖れるのは街頭に出て行動されることだ」が、すべてでは?

 なんか日本では
「ネットにこそ真の世論がある。投票なんかじゃ世の中変わらない」
とか愚かな言論すら存在するようだけど。
 間違いなく24時間ネットに向かうよりも、1日8時間議員会館にいるほうが社会に対する影響力あるから。
 たとえば、議員会館だってネットのガセネタ級の情報が飛び交うのだけど、良質な情報の質が違いすぎるのよね。
 ましてや投票なんてのは、「擬似内戦」だからねえ。

 じゃあ「ネットは駄目なのか?」とか思われると、
「お前はそこまで読解力が無いのか?」とか言いたくなる。
 勝手に「All or nothing」にしたがる輩がどれほど多いことか。
 だから、ネットは便利な手段であって、すべてではありえないということ。

 宗教改革が「活版印刷革命」
 アラブ革命が「フェイスブック革命」なら、
 明治維新は「飛脚革命」だ。
 ついでに昭和初期は「怪文書革命」だ。

 私もネットに限らずツールは大事だと思っているんだけど(だからこんなブログをやっている)、ツールはあくまでツールであって、本質は人間だよ。

 本当に誰かが考えたツールとその運用手段が社会に影響を与えたというなら、
 蓮如上人の「御文(おふみ)」を無視されては困る。名付けて、

手紙革命!

 グーテンベルク + ルター = 蓮如?

 最後になぜ明治維新ができたか?

知恵と勇気と行動力!


2011年2月5日(土曜日)

最低何人?最大何人?

カテゴリー: - kurayama @ 02時15分19秒

まずは以下を。ほぼ全文引用します。
http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=2481

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2011.01.28)

昨日、1月27日、家族会・救う会・調査会は、内閣府会議室で、マスズキ・ダ
ルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者と面会した。

家族会からは飯塚繁雄代表、横田滋・早紀江前代表夫妻、有本明弘副代表、増
元照明事務局長が参加、救う会からは島田洋一副会長、平田隆太郎事務局長、特
定失踪者問題調査会から村尾建兒専務理事が参加した。ダルスマン氏は、ムンタ
ポーン氏の後任で、今回が初めての面会となった。日本人拉致問題についての事
情聴取が面会の大半であった。なお、同氏は今年3月に、拉致問題を含む北朝鮮
の人権状況について、国連人権理事会に報告書を提出する。同氏の発言内容は下
記の通り。

■マルズキ国連北朝鮮人権状況特別報告者と面会−家族会・救う会

拉致の全体像をとらえる努力をすることが重要だ。全体で日本人が何人拉致さ
れているのかを確実にすることだ。我々も新しい取り組みをしている。

3つのことを述べたい。私は、拉致の人数についての追加情報を盛り込むこと
を検討する。次に政治的な問題だけでなく、国際法の観点からも考えたい。第3
に、6者協議で取り上げると国家責任が曖昧になる問題がある。

(中国人拉致被害者への言及に対して)中国人も、北朝鮮による拉致の全体の一
部として考えれば、問題は国際的な問題と考えることができる。

二つのことを知ってください。
一、拉致被害者は日本政府認定の17人だけではないということを。
二、最低何人拉致されたかを明らかにするのは日本の責任。

  本当は何人拉致されたのかを明らかにし(真相解明)、
  現状復帰(即時帰国)・謝罪・賠償・責任者引渡し・再発防止をする、
  これらは北朝鮮の責任です。

 間違っても日本人は「最大何人拉致されたのか明らかにせよ」などという議論にのらないこと。
 そういうお人よしな議論はいたずらに人命を危険にさらすので警告しときます。

 最近の独り言。

 無能な味方は敵より先に殺せ!

 といってもそんな余裕がない場合も多いけど。


2011年2月3日(木曜日)

核兵器の悲惨さを世界中に知らしめる方法

カテゴリー: - kurayama @ 13時46分07秒

 反戦平和主義者がよく言っていた。
 アメリカの核は汚い兵器。

ソ連の灰はきれいな灰!

 断っておくが、ネタではないです。恐ろしいことに。

 冷戦期の日本では非科学的な議論が平気でまかり通っていた。
 人の命は地球より重い、とか。
 誰が量ったんだ?

 さて、反戦平和主義者と自称する連中が、広島や長崎の被爆者を持ち出して
 散々言いふらしているプロパガンダが、

日本は唯一の被爆国です。世界で最も核兵器

の悲惨さを知っているのです。

 これを、諸外国の人が聞くとどう思うか?

 答え。

そんなに核武装したいのか?

 つまり、核兵器の被害にあったのだから、とにかく核武装して身を守りたい、という意味にしか聞こえない。現に、インドもパキスタンも「核兵器を持っていないと日本みたいになる」とか言っていたし。

 で、広島左翼がよく言うような

私たちは原爆を永久に許しません

とかになると、

日本人は絶対に

アメリカ人を許さないのですね

と受け取られる。
 これはもう言語的な問題なのだが、世界の多数の人々の間では、兵器を使った人を憎むはあっても兵器そのものを憎むという発想が思い浮かばないので。

 仮に反戦平和主義者が言うように、原爆を落とされると平和の尊さを世界中の誰よりも知るのだとしよう。だったら世界平和を実現する方法はタダ一つ。

世界中に核爆弾を落とせ!

 と、こういうことを言うと、反戦平和主義者の連中は「そんなことは言っていない」と言い訳をする。自分の言っていることを自分でわかっていないから問題なのである。

 こういう連中を、私はアカではなくバカと呼ぶ。


2011年2月2日(水曜日)

核武装宣言の話

カテゴリー: - kurayama @ 14時25分04秒

 1948年、イスラエル独立戦争こと第一次中東戦争の最中。
 イスラエルが核武装したとの噂が流れ、アラブ連合軍に動揺が走った。
 そこへシリアのクワトロ大統領が


「我が国は既に核武装をした!」

 

で、みんなの当然の疑問。

どうやって作ったんですか?」

 

クワトロ閣下は真顔で一言。

「ダマスカスの鍛冶屋に作らせた!」

 買い付けに多数の顧客が来たらしい。。。(念のため、以上は実話。)

 ちなみにマリネラ王国は、小学校の図工の時間に核兵器を作らせたという。
 諸外国の諜報機関は真偽をはかりかねているが。

 それはそうと、日本の首相が
「既に浅草の島津製作所で核兵器を開発した」
とか宣言すれば、日本人以外全員信じるような気がする。


2011年2月1日(火曜日)

夫婦別姓―蒋家と宋家の場合

カテゴリー: - kurayama @ 19時36分26秒

 いつぞや、なぜか話題になっていた夫婦別姓の話を、私も。
 世の中には、ウィキペディア先生と言う物知りがいるらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%8B%E7%BE%8E%E9%BD%A2

 蒋介石と宋美齢は政略結婚ではなく、普通の恋愛結婚だったらしい。
 ふーん。

 「宋家の三姉妹」という私が生涯観た映画の中で最高“快”作があります。
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/THE_SOONG_SISTERS.htm#more

 中華ナショナリズム炸裂の映画です。
 この映画を5分に1回、笑えるようになれば中国通でしょう。
 映画館で笑い死にしそうになりました。
 回りの明らかにチャイナ系の観客はすすり泣いてましたが。
 2回目に観た時は3分に1回笑えました。

 その「宋家の三姉妹」で蒋介石が宋美齢にプロポーズするシーン。

Q「美齢には婚約者がいます」
蒋「文明的に別れてもらおう」
Q「あなたにも妻子がいるではありませんか」
蒋「そちらも文明的に別れてもらおう」

 で、白馬に乗っては宋美例とはしゃぎ回る蒋介石というシーンへ。

 いかん。寒気がしてきた。


2月2日は政治を近くする会です。

カテゴリー: - kurayama @ 04時48分47秒

 明日、2月2日は政治を近くする会です。

場所:文京シビックセンター26階スカイホール

時間:18時30分〜21時

です。ふるってご参加ください。

 明日までに風邪を治さねば。。。


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