2013参院選:維新ポスターに橋下氏 不出馬確定へ
毎日新聞 2013年06月04日 大阪夕刊
日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が6日、今夏の参院選に向けて政党ポスターに使う写真撮影に東京都内で臨む。これで、比例代表を念頭に臆測を呼んでいた橋下氏の参院選不出馬が事実上、確定する。公職選挙法の規定で、比例代表に出馬する候補者の写真は、政党ポスターなどに使うことができないからだ。
公選法201条は、選挙期間中に掲示・配布する政党ポスターやビラについて、「当該選挙区」「選挙の行われる区域」の候補者名が類推される事項を記載することを禁じている。参院選の比例代表は「選挙の行われる区域」が全国になるため、比例候補の写真をポスターやビラに使えない。大阪府内で政党ポスターを張り出さずに大阪選挙区(改選数4)から出馬することは法律上可能だが、維新は党総務会長で新人の東徹氏の擁立が決まっており、2人擁立は現実的ではない。
2004年と10年参院選で、社民党の福島瑞穂党首が比例で出馬したが、政党ポスターと政策ビラで福島氏の写真を使えなかった。
橋下氏は、昨年の衆院選でも党内から出馬を望まれたが、応じなかった。ただ、08年の大阪府知事選で「2万%ない」と否定しながら、発言を翻して出馬した経緯があり、「支持率アップの切り札として出馬するのでは」と臆測が絶えない。
石原慎太郎共同代表も5月19日、名古屋市内で橋下氏と会談した際、「問題提起をするなら国政だ」と立候補を促した。国会議員団に出馬待望論は強いが、橋下氏はこの日も「大阪の統治機構改革をやり遂げたい」と改めて固辞した。
維新は今回、政党ポスターに橋下、石原両氏を起用する方向。昨年12月の衆院選では黒っぽいシャツとジャケット姿の写真を使ったが、6日は都内で予定される街頭演説で夏服の橋下氏を撮影し直すという。【野口武則、熊谷豪】