国民年金制度は免田さんが既に拘置中だった1961年に施行。免田さんは加入手続きや保険料免除申請ができず、社会復帰後も無年金状態となっている。日弁連は2002年、「冤罪[えんざい]で加入機会を不当に奪われた」として厚生労働相に支給措置を取るよう勧告していた。
法案は免田さんと、島田事件で再審無罪になった赤堀政夫さん(84)が当面の対象者。本人が本来納付すべきだった保険料を納めれば、65歳から現在までの年金相当分を特別給付金として国の一般会計から一括支給。その上で、今後の年金を支給する。
当初民主党案では、北朝鮮による拉致被害者などと同様に本人の保険料も国が負担すると規定していたが、自民党が「無罪後に刑事補償を受けており、追納の形を取るべき」と主張し、修正で合意した。民主党によると、免田さんの保険料は約200万円で特別給付金は約1700万円となり、金額の不利益は受けないという。
自民党は4日午前の法務部会で修正案を全会一致で了承した。磯崎仁彦部会長代理は「国会審議日程の絡みもあり提出のタイミングは未定だが、5党共同提案か衆院法務委員長提案になるだろう」と話した。
免田さんは1948年に人吉市で起きた祈祷[きとう]師一家殺傷事件で翌年、逮捕・起訴され、52年に最高裁で死刑確定。83年に熊本地裁八代支部で無罪が確定した。(渡辺哲也)
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