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台湾と日本に不気味な地震のつながり 関東大震災、元禄関東地震の前にも…
2013/06/05 01:05更新
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これは巨大地震の前触れか。2日にマグニチュード(M)6・3の強い揺れに見舞われた台湾だが、過去には日本の首都・東京との不気味なつながりがあった。関東大震災の約3年前に台湾でM8級が発生していたほか、18世紀初頭の元禄関東地震の前にも大きな動きがあったのだ。南海トラフ巨大地震との関連性も疑われるという。東京から2000キロ離れた場所の活発な動きが、日本の中核を襲う大震災の引き金になってしまうのか。
台湾中部で2日に起きた強い地震では、落石などで4人が死亡、19人が負傷した。被害の出た南投県では3月27日にも最大震度6の地震(M6・1)があり、1人が死亡。いずれも、2415人の死者が出た1999年の「921大地震」(M7・6)の震源に近い場所で起きている。地元では大災害の記憶がよみがえり、おびえる住民が多いという。
台湾本島はフィリピン海プレートとユーラシアプレートがぶつかり合う場所にある。「プレートの押し合いで隆起した土地は3000メートル級の山脈となり、最高峰の玉山(ぎょくざん、旧称・新高山=にいたかやま)は標高3952メートルで富士山(3776メートル)より高い。せめぎ合う力の大きさを物語っている」(地質学者)といい、日本と同じく地震被害の多い土地でもある。
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記事本文の続き 南投県は東京から2000キロ以上も離れた場所にある。日本には何の影響もないと思いたいところだが、実は不気味な過去があった。
東京を恐怖に陥れた最大の災害は、1923年の「大正関東地震」(M7・9)による関東大震災だろう。東京や横浜で火災の被害が大きく、死者・行方不明者はあわせて10万5000人、21万棟超が全焼したといわれる。その約3年前の1920年6月5日、台湾で規模の大きな「花蓮地震」(M8・0)が起きていた。
それだけではない。関東大震災と同タイプで、相模トラフを震源とする地震は200年周期で発生するとされる。1703年には「前回の関東大震災」ともいわれる「元禄関東地震」(M7・9-8・2)が起きた。その9年前、台湾では「康煕大地震」(M7・0程度)があったとの記録が残っている。
元禄関東地震の後、1707年には南海トラフ巨大地震で過去最大といわれる「宝永地震」(M8・4-8・7)が起きた。台湾での動きは相模トラフだけでなく、南海トラフとの関連も懸念される。
遠く離れた日本と台湾を結びつけるものはあるのか。武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)は、「ともにフィリピン海プレートの影響を受ける場所にある。南海トラフは同プレートがユーラシアプレートに沈み込む場所、相模トラフはフィリピン海プレート北東端のあたりを指す。プレートは大きな固い岩で、どこかでストレスが発散されれば別の部分にひずみが生じ、ストレスが蓄積される。フィリピン海プレートはプレートのなかではさほど大きくない部類で、ある部分での動きが別の場所に伝わりやすい構造ともいえる」と解説した。
大正と元禄の関東地震、そして南海トラフを震源とする宝永地震。一連の地震は、台湾などでの活動で生じたひずみの解消という形で起きた可能性がある。現在、活発化している台湾周辺の動きが、すでに相模トラフや南海トラフにひずみを生んでいる危険もある。
残念ながら現状では地震発生のタイミングを予知する方法はない。が、一連の“予兆”を分析する限り、危機は迫っているといえそうだ。
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