メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

トピックス
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

「再稼働請い願う」 九電前会長発言の全文

:サガハイマットの開設記念式典であいさつする九州電力前会長の松尾新吾氏。右隣は古川康知事=5月29日、佐賀市拡大サガハイマットの開設記念式典であいさつする九州電力前会長の松尾新吾氏。右隣は古川康知事=5月29日、佐賀市

 九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)への寄付と原発再稼働を絡めた、松尾新吾・九州電力前会長の発言が物議を醸している。九電はサガハイマットへ約40億円の寄付を約束しているが、「3・11」後の原発停止で赤字経営となり、ほとんど払えていない。そこで飛び出した松尾発言。「(原発停止で)1日10億円の赤字、4日早く運転すればなんていうことない。再稼働もあわせて、こいねがいたい」。

 「軽率な発言だ」と噴出する批判に、古川康・佐賀県知事は「再稼働を迫る意図はなかった」と擁護する。九電側も「早く経営を立て直し、責任をもって寄付をしてもらいたいという気持ちだった」と釈明する。

 でも、この発言、どう読んでも、寄付に絡めて再稼働をお願いしていないか? 5月29日の記念式典での松尾氏のあいさつ全文を掲載する。

●サガハイマット開設記念式典 松尾新吾氏あいさつ(全文)

 みなさんこんにちは。ただいまご紹介を賜りました松尾でございます。古川知事もおっしゃいましたが、私もどちらかというと白いリボン(※式典では来賓は赤いリボンを、ハイマット関係者は白いリボンを着けた)のほうじゃないかという感じがしています。

 と言いますのは、正確な日付は覚えていませんが、7、8年前くらいになると思うんですが、私のとこに、当時九電にいましたが、古川知事がみえて、「放射線がん治療施設を佐賀に作りたい。どうやろか」という話をしたんですね。

 まったく予備知識はありませんでしたが、少し関心を持ってみますと、今でも日本がトップだそうですね、この技術は。世界の最先端を行く治療だということでですね、いま数々(来賓らのあいさつで)ご説明ありましたように、これ以上ないという手段を用いた治療法なんですね。

 ただ、当時は300万円かかりますよなんて言われてですね、ちょっと高いなあと思っていたんですが、利用した人にとってはですね、命とひきかえということであれば、私は貧乏だったから高いと思いましたけども、そういうものかもしらんなとも思ったところでございます。

 ただ、佐賀の(式典で先にあいさつした)池田(県医師会)会長の話にもありましたが、そんな富裕層だけじゃないよとのことで少し安心しています。ということで、私は大賛成というんですかね、どうせ作るなら、日本に、できるなら九州に作りたいと思った一人でありまして。従って当事者意識というのはですね、かなり強いんですけれども、私の役割はさきほど紹介がありましたように、開設委員会の委員長なんですよ。これなにかというと、要するにあんた金を集めなさいということなんですね。

 「九州電力、40億寄付しましょう」と私が言ったんですね。ところが払った金はね、3千万円なんですね。39億7千万円は未納になっている。本当に申し訳なく思っていますが、私は今トップじゃありませんで単なる相談役ですけど、今のトップの社長がですね、「約束したことは守ります」と言っているということで少し安心しております。

 私の後任は貫(正義)会長ですね。本人がここ(記念式典)に来ているということは、まさかね、払い切らんとは言わんだろうと思います。

 ということで、安心してくれと私は言いたいところですけれども、たぶん彼がなんらかの場でそう言うんじゃないかと思います。

 とにかくみんなでですね、力を合わせて、こんないい施設はないと思うんですね。さきほど鳥栖市長(のあいさつで)、感心したのは、場所を無償で提供したということですね。しかもお金(補助金)も出しておられる。まったく、やっぱり同じ気持ちなんです。私は気持ち先行で金がついてこんもんやから、自慢話はできんのですが、ずっと私が監視しておきますから。九電の協力がですね、ダウンしないように。今言えるのはそんくらいですけどね。

 ちょっと愚痴を言いますとね、1日10億プラスアルファの赤字なんですね。九電はですね。なぜか。ぜんぶ原発を止められてですね、ほんとに今は死に体です。出血が止まらない。いつまで会社がもてるか分からないんですが、考えようによってはですよ、1日10億ですよ。4日早く運転すれば、なんていうことないという考え方もあるんです。

 ということで再稼働も併せて、こいねがえれたらと思っています。

 今後ともですね、話にありましたように、いろんな問題が出てくると思いますけれども、地元の方を中心にですね、我々も全面的な、元々スタートからそういう気持ちですんで、支援を惜しまない気持ちでおりますんで。手を携えてこれを世界のモデルとして発展させていきますようお互いに力を尽くしましょう、ということを申し上げて、ごあいさつといたします。ありがとうございました。

豊富なコンテンツをお読みいただくには、会員登録が必要です。

無料会員登録はこちら

朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら

※有料記事の一部を自動で取り出して紹介しています。
PR情報
検索フォーム

ここから広告です

朝日新聞 佐賀総局 公式ツイッター

※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。

注目コンテンツ

  • ショッピングペットをいざという時に

    背中に、肩に、手提げもOK!

  • ブック・アサヒ・コム間違いだらけのラジオ体操

    「正しい第2」でダイエット

  • 【&M】金泉俊輔編集長が語る

    『週刊SPA!』創刊25周年

  • 【&w】河瀬直美監督、カンヌを語る

    「シネマな女」たち

  • Astandエベレストからスキーで滑降

    三浦さん、40年前の挑戦

  • 朝日転職情報

  • 就活朝日2014