ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
警告   この作品は<R-18>です。 18歳未満の方は移動してください。
芳雄編は6話+閑話の予定です。
芳雄
19 あかり
あかり


女の子達は、普通なら心が折れて奴隷になるのが当たり前だ。

大学テニスサークルのメンバーが甘いと表現した。

けれども、それは女性達の『強靭な精神力に比較して』という意味だ。

彼女達には強力な支援者がいた。



四人の奴隷の一人、浅川あさかわあかりは芳雄の姉だ。

ただ、こまめに連絡は取り合っていない。

そのため、美奈の拉致・監禁を知るのが遅れた。

それと、知ったところで直接助ける手段は無い。

下手に警察沙汰になれば、傷つくのは女性の方だった。

あかりは、男達があまり暴走をしないように監視する立場を与えられている。

もっとも、その立場にはついたところだ。

それ以前は、同様の立場のナンバーワン(最初の奴隷)に助けられていた。

もちろん、あかりはナンバーワンの正体は知らない。

同様に、ナンバーワンもあかりが仲間になったことは知らない。

お互い、その正体は知らないままに共通の指令の元に動いていた。



あかりは、男達が平然と中出ししていても安心できた。

あかりの出身校の女子の間で流れていた噂だ。

『望まなければ、妊娠しない』

女子の間だけで流れていた噂だった。

事実、あかりの友人達の間でそれは証明されつつあった。

中には偏屈な友人もいて「妊娠するわよ」といって妊娠した娘もいたけど・・

『それって、望んだのじゃない?』

そう言って、一笑に付されて笑い話にされた。

二十歳で出産後結婚した彼女には羨ましさ半分だ。



今では、あかりは、男に抱かれることについて嫌悪感は皆無だ。

それは、もっと禁断の関係にあったからだ。

弟を愛してしまった嫌悪感。

それを思えば、普通のセックスは気にならない。

逆に、『もっとめちゃめちゃにしてほしい』と自虐していた。

そして、崇高なる任務を与えられて別の意味で気にならなくなった。





大学で、テニス同好会のメンバーに襲われて確かに落ち込んだ。

最初こそ痛みはあった。

しかし、強姦とはいう物の男達のテクニックは上手だ。

三人目の頃には痛みは意識してなかった。

それを上回る快感の所為だ。

一巡する頃には女であること教えられていた。

その意味では、強姦されても運が良かった方だ。

そして、快感に追い上げられて、奴隷の誓いまでさせられる。

『これで、奴隷にさせられる』

あの快感に襲われたとき、そう感じた。

処女を奪われた弱気も重なっていたからだ。

しかし、先輩奴隷がそんなあかりを助けて要領を教えてくれた。





あかりは、高校時代まじめに生きてきた。

それだけに、衝撃的な経験が心を打ちのめした。

『これなら、高校時代石碑の前で誰でも良いから誓っていれば・・・』

こんな見え見えの誘いなど乗らなかった!

そう考えて、落ち込む。

『誰でも良い』というのはあきらめの境地ゆえだ。

なぜなら、あかりには好きな人がいた。

それも、世間では絶対に認められない男だ。

それは、弟の芳雄だった。



『好き』と思っていたのは中学生の頃までだ。

高校に入って、周りが恋愛に騒ぐ頃に気付く。

あかりは弟の芳雄を『愛している』と感じていたことに。

友人達の、相手のことを考えるときの気持ちを教えられて気付かされた。

芳雄のことを考えると胸がどきどきする。

それだけに、『許されない想い』と認識した。



そして、大学で奴隷に落とされた。

延べなら数百人に挿入されて、半ば開き直りだ。

からだの関係はただ繋げるだけ。

芳雄との心の繋がりに比較すれば、かすだった。

いくら堕とされても、身体の関係だけだ。

救われないあかりには気を紛らわせるのにちょうど良かった。

少し鬱陶しい男は一人居たが・・・

あかりは、奴隷生活を一面楽しんでいた。



学園長に呼ばれたときは焦った。

誰かが、彼らのことを学校に知らせたのか?

そう考えて、出頭する。

そして、学園長室で驚くべきことを言われた。

「浅川あかりさん、あなたの弟さんが高校にいますよね」

「えっ、はい?」

「お互いに、想いあっているのは承知ですか?」

「えっ?、何のことですか?」

「二人は愛し合っているのですけど、認識していなかったの」

「そんな、それじゃ、芳雄も!」

「そうです。姉に恋して落ち込んでいましたよ」

「でも、・・・なぜ学園長が?」

「決まっているでしょう。お二人を結びつけるためですよ」

「え?、そんな、あまりに非常識な・・・」

「そうですね。日本では非常識のそしりは受けるけど」

「受けるけど・・・」

水神みずかみ様の元なら、当たり前です」

「水神様?」

「ええ、あなたもあの学校の卒業生なら『誓いの石碑』のことは知っているで
 しょう」

「ええ、もちろんです」

「あなたは、呟いたでしょう。『今生では無理でも来世では一緒になりたい』
 と」

あかりは、自分で言った言葉も忘れていた。

今、言われて思い出したぐらいだ。

「誰が・・・」

「聞き届けたのは水神様です。そして、その機会が来たので案内しましょう」

「え?、どこへ?」

「神の御許へ」

そう言って、あかりの背中を押すと駐車場の方に案内される。

あまりのことに疑うことも忘れてしたがってしまう。

車に乗せられて、ついた場所は『方形スイミング』だった。



オープンしてからはあまりの混雑に敬遠していたあかりだ。

初めて、内部を見た。

室内なのに、大きなプールだ。

ただ、天井が低い。

それでも普通の建物の三階以上だ。

そのため、印象的には生簀のように感じてしまう。

観客席が設けてあるのでプールとはわかるけど・・・

ただ、南側の反面は天井まで明り取りが開放されている。

遊戯用プールのある場所だ。

こちらは、親子ずれやカップルなどでにぎわっていた。

そのため、入った時に感じた印象は拭い去られて普通の屋外プールのように感
じた。

ファーストフードの店も並んで、レストランもある。

映画館があっても不思議ではなさそうな空間だ。

もっとも、野外(屋内なのに)ステージがあるのでなんともいえない。

そして、学園長はエレベーターで二階へ行く。

エレベーター用のタッチパネルに手を当てていた。

『手形認証?』

二階に上がるための設備はエレベータしか無いような印象。

エレベーターに乗るためにそこまで気を使う?

若干の疑問を感じた時だ。

その時、

「同行者は?」

エレベーターの横のインターホンから声が聞こえた。

同行者を聞いてきたからにはどこかで見ている。

「早瀬 あかりです」

「了解しました」

そう言うと、目の前の扉が開いた。

『エレベーター』と思っていたら、単なる壁。

エレベーターの箱を思わせるフロアだ。

二人が入ると、背後の扉が閉まった。

エレベーターのような部屋。

違和感を感じていると横の扉がスライドした。

そして、入り込むと今度は普通のエレベーターだ。

ただ、内部にあるのは緊急時の電話だけ。

ボタンが無いことから中からの操作は不可能。

そして、あかりが乗り込んだところで自動的に扉がしまる。

そのことから、全自動の可能性もあった。

中間部屋を入れることで、飛び込みを防ぐ工夫に感じた。

それほど、厳重な警戒にあきれるあかりだ。



二階は・・・

入ったとたん、あかりはあきれた。

どちらを見ても人がいた。

それ自体プールなので当たり前。

プール自体は一階の天井があった部分が二階のフロアの印象。

ただ、窓は無い。

なのに、外の景色が見える。

それも張り出しに近い部分に感じるのは一階の景色だ。

エレベーターに乗る時に見たカップルが先ほど同様に見えた。

だから、リアルタイムだ。

窓が無いのに外の景色が見えるのは映像だった。

あかりは移動していたのですぐに気付いたけど、一箇所で見る限り単なる窓だ。

一見継ぎ目なしの巨大スクリーンだった。

張り出しに見えるように床にも受像機が埋め込まれている。

そのため、『狭いフロア』と感じさせない工夫がなされていた。



そして、あかりを絶句させたのはそこかしこでセックスしているカップルだ。

水着を着てプール内でしている者もいる。

大体が四人で一組になっていた。

子供はさすがにいない。

それは、このスイミングの売りの一つだ。

託児所と子供預かり、それと、子供教室が充実している。



柔らかい素材を貼り付けたベッドのようなデッキチェア。

そこでやっている者もいれば、やはり柔らかい敷物の上で楽しんでいるグルー
プもいる。

テニス同好会の様子を見ているので、そんなに違和感は感じなかった。

ただ一ついえるのは、男女ともうれしそうだった。

無理やりしているのではない。

それどころか、凄く大事そうに扱っていた。

ただ、年齢的に違和感のあるカップルも多々あった。

まるで、親子だ。

そして、再び同様のエレベータに乗せられる。

ここでも手形のチェック付だ。

ただ今度はすんなり乗せられた。

あかりは三階のフロアに降り立った。



目の前に広がる円形のプール。

椰子の木があちこちに植えられて、背後の壁は水平線の写真壁紙。

天井は青空の広がるドームだ。

太陽も出ていて、その反射光で部屋は十分に明るい。

光量こそ少ないが、室内では十分だ。

実際影もある。

プールは直径十五メートルで水深は二十センチから三十センチほど。

フロアは白い綺麗な砂模様のつや消しの床。

そのため、ほとんど違和感は無い。

気分的には南国の島を思わせた。

中の水は普通の水とは少し違う印象だ。

『何が?』と言うわけではないけどなんとなく水が優しそうに感じた。

何故かは判らないけど、あかりの勘がそう言っている。



あかりは、昔から勘が鋭かった。

クラスメートからは『預言者』といわれたくらいだ。

抜き打ちテストなど、前日には判ったから友人には教えていた。

気味悪がられるより、重宝されていたほどだ。

なのに、テニス同好会に誘われた時にはその勘が働かなかった。

襲われて初めて勘が狂っていたことに気付いたほどだ。



向こう側にもう一つのエレベーターの口がある。

そして、反対の入り口に人が立っていることに気付いた。



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。