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大学では教えられない歴史講義

2010年12月31日(金曜日)

「アルマ」が伝えたかったこと

カテゴリー: - kurayama @ 12時59分35秒

 どうも玉山鉄二です。(いきなり大嘘)
「アルマ」ちゃんの玉鉄さん、カッコウ良かったですねえ。今年のことは今年の内に。というか、記憶が薄れないうちに。

 その前に昨日、「統一地方選挙・全国共通公約」を書いたら、本当にお問い合わせがありました。神奈川県相模原市中村武人君と和歌山市南竜也君です。どちらも大学のサークルの後輩です。
 中村君はさすがに目の付け所が良く、
「景気回復(=金融政策)に地方で出来ることは何ですか」との質問でしたので、
「増税反対。今、増税すると地方経済を殺すことになる。経済学の常識に反する」とは言えるし、言うべきでは?と答えておきました。

 「景気回復」と「外国人参政権反対」はよく言われていますけど、「犬猫殺処分をゼロにできる」は、どうやら驚愕の内容だったようです。熊本でやって成果が出ているのだから、日本中どこででもできるということで、知ってやる気を出すかどうかだけです。
 今のところ、東京以外での活動は考えてなかったのですが、早速連絡があってびっくり。
 愛玩動物は家畜ではなく、家族です。大事にしましょう。

 さて、どういうきっかけで私がアルマちゃんに関わるようになったかというと、あれは、年明けに続編が発売される
『総図解 よくわかる日本の近現代史』(新人物往来社、税込1470円)
が、出版を待つだけとなっていた七月のことでした。

 お世話になっている編集者から一本の電話。
「倉山さんって、満洲の専門家でしたよね?」
「は、はい。(何となく嫌な予感)」
「倉山さんって、犬は好きでしたよねえ?」
「は、はあ。まあ、昔、飼っていましたが。。。(???)」
「満洲の犬の話でお願いしたいことがあります。会社に来てください」
と呼ばれてノコノコ
 百瀬孝『事典 昭和戦前期の日本』(吉川弘文館、一九九〇年)・・・とても軽くて便利。
 秦郁彦『日本陸海軍総合事典』(東京大学出版会、二〇〇五年)・・・とにかく、お、重い。
&その他、満洲関係の地図やら写真やらを持って出かけると、
NHKのプロデューサーの内藤さんとディレクターの一木さん&シナリオライターの藤井さんが。
人からは「2時間くらい打ち合わせをしたのですか?」とか聞かれるのですが、とんでもない。6時からはじまって、4時間くらい?(その後、36時間⇒24時間⇒12時間・・・と、調査&回答にかかる時間は短縮できましたが)
 なぜかと言うと、私が即答できない質問ばかりで。。。(これほど即答できないのは日本近代史に関してははじめて)自分の名誉のために言っておきますと、某研究所の専門家に同じ質問をぶつけてみるとことごとく沈黙。で、こちらが「これで良いですよね」に、すべて「ハ、ハイ」でした。

 だって、シナリオそのものも読んでいない状況で質問が三十項目くらいあって、
「昭和十八年の獣医学生の生活環境は?」
「国分寺市民の交通状況は?」
「満鉄は軍犬を扱っていましたか?」
「赤峰の写真はありますか?」
とかも関連質問で加わるので、いい加減な答えをする訳にもいかず、ということです。
 さらに、
「軍服と国民服の見分け方」・・・軍人と民間人の違いです。国際法の資格の話とか余計な話はしませんでした。
「駐屯地と基地の違い」…動くことを前提としているか、動かないことを前提としているか。
「関東軍と万里の長城以南の方面軍は別世界」…満洲でソ連を警戒しているか、支那事変をやっているか。
「満洲国内に『私は中国人です』などという中華ナショナリズム爆発の漢人などまずいない」
とか、理解していないと作品世界が一気に壊れてしまうディテールもあるので、意外に忘れられがちな基礎知識も、軍オタ的にならないように説明。

 で、原作がまったく細かいことを書いていないので、映像にする際はリアルな設定が必要になります。
 と言っても、事実をそのまま羅列してもそれでは作品にならないのですね。
 事実を基にしたフィクションではあるのですが、モデルの一人は
「満洲の草原で犬を走らせたかったんですよねぇ」って、ド・ドキュ・・・???
ということで、「提供」する「資料」の中身は、ほぼすべて自力に・・・。

 ちなみに、一匹の愛犬を探すために満洲に渡るか?
 私なら躊躇うことなく渡りますが、やっぱりそれをそのまま描いたらまずいでしょう。
 だから主人公は、やたらと軍(用)犬の雑誌を眺めていたので何とか手がかりをつかめましたし、どうにか満鉄の募集に応じて、一年間どうして良いかわからなかったら偶然、出会えた、という話になる訳です。もちろん「犬のために満洲に来た」は劇中でも変人扱いです。
 「そうだ、隣組を通じて地元選出の大政翼賛会の議員さんに掛け合ってみよう!たまたま国策企業の満鉄で応募がある。どうせ人手が足りないから雑誌の記事を手がかりに希望地を出せば
すぐに会えるぞ!」みたいな、悪知恵が働くロビイストみたいな学生を主人公にしたら、それだけで嘘くさいですから。
 作品上の「リアル」は「本当らしい」であって、「本当であっても嘘くさい」では駄目なので難しいのです。

 打ち合わせ後に御馳走になりながら、内藤さんと藤井さんが徳島出身と知ってびっくり。しかも私が転校しなければ、藤井さんとは同じ中学になっていた、などという奇縁も。
 この時に、やたらと芸能界事情に詳しい(何でだろう)と感心されたのはともかく、「その昔、脚本家を目指していまして、橋田壽賀子さんの『いのち』と金城哲夫先生のシナリオ集を熟読して勉強したものです。」などといらんことを言ってしまい、後で大変なことに。。。

 さてさて、本題。
 元のシナリオでも「昔は嫌な時代だった」「戦争はよくない」「犬が可愛そう」という「ありきたりの戦争ドラマ」にはしないという意欲は感じました。
 登場人物全員に詳細な設定があります。「中国人通訳のワン」だけでも大河ドラマだと一話分作るよなあ、級の。ちなみに彼がモンゴル語をしゃべれるというのが主人公が無事に日本に帰れるという伏線だったのですが、どうやら誰も気付かなかったようです(そんなの気付くはずが無いところにまで配慮しまくりでした)

 考証がひどいのになると、
 特高警察の皆さんが陸軍憲兵でも持っていないような機関銃を片手に民家に押しいる、
 ロンゲのキムタクや肥満体の松村邦洋が特攻隊員をしている、
 ついでにそのキムタクは「我が家は親子三代陸軍大将だ!」と上官に楯突く(二代が限界です)、
 さらについでに時局を反映して何の必然性もなく「イアンフ」が出てくる、
とかいう阿鼻叫喚地獄絵図な作品が出来上がったりするのですが、そういうのはやめましょうというのが出発点です。

 従来の戦争映画で違和感があるのは、昭和の日本とは別のほぼパラレルワールドと化していることですね。
「これ、どちらかと言えば同時期のナチスドイツとか、むしろソ連に近くね?」という、登場人物を無機質に描く作品ばかりで。
 肝心なことは、戦前の日本は結局はファシズムでは無かったということです。
 ただ無能な官僚統制のあげくに国民が大迷惑をしたというだけで、秘密警察による恐怖支配で人間性を喪失してしまったドイツやソ連とはまったく違う訳です。
 例えば、アルマを強制的に連れて行こうとするシーンででも、ドイツを舞台にしていたら無慈悲に鞭で殴り続けるというシーンもありなのですが、日本人だったら「それくらいにしてくださいよ」とならないとおかしい訳です。

 「軍部は戦争を次々と拡大していった」というのが大多数の日本人の持つ昭和史イメージなのでしょうが、では昭和十四年のノモンハン事件から、昭和二十年八月にソ連が侵攻して来るまで、関東軍が何を考え、何をしていたかって、日本近代史家でも実はなかなか言えないです。
 まず何をしていたか。ヒマしてました、は言いすぎなら、ソ連に備えていました。
 で、南方にどんどん戦力を引き抜かれ、張子の虎と化していって・・・まあ不安でしょうがないですね。
 梅津大将が司令官(在任中に総司令官に格上げ)は予算と物資をとってくるのがメチャクチャ上手かったから良かったものの・・・という今の霞ヶ関の論理とまったく同じ考え方をしている人たちです。

 で、関東軍って何なのですかに関する私の答え。
 他社の作品で恐縮ですが・・・

巨大な湾岸署です!

 私の受け持つ学生には警察官志望者が多いので必ず「これくらいは観ておきなさい」と勧めるのが「踊る!大捜査線」です(本当の官僚の世界は、あの“警察全面協力”の作品どころではないですが、ま、入り口として。別に嘘をついているのではなく、穏便な話にしているということです)。
 テレビシリーズで大事なことは、前半の5〜6話くらいはキャリア官僚制の不条理に主人公が悩むけど、後半になると「ノンキャリの知恵を使って裏をかいてやりたいことをやっていく」という話だということですね。
 日本陸軍って何物だったの?という話をしだすと終わらないので、私がいい加減なことを言ってないということで参考文献として、
 鈴木敏夫『関東軍特殊部隊』(光人社、一九八八年)
をどうぞ。
 この本でも「アルマ」でも、“青島刑事”やら“ギバちゃん”やら“チョーさん”やらが出てきます。

 仕事が巨大なルーティンと化してしまって部下のことなど構っていられない、ましてや犬などという状況は、犬に愛着のある部下にとってはどうにもたまらない状況ですよね。
 別に当時の関東軍だけが異常だった訳ではないですし、この辺り現代と近いのかなという演出でしたね。

 NHK史上初、というか日本映像史上初は列挙しときます。

その一 甘粕正彦の内面をちゃんと描いた。
 どこぞの「ラストエンペラー」は、中国共産党が溥儀に脅迫と洗脳で押し付けた史観そのものです。それに欧米人がまんまと騙されるとああいう映画になります(甘粕に関しては、演じた坂本龍一さんが悪いのではなく、脚本と演出の問題)。
 まあ、甘粕をヒトクセどころか七十癖くらいある人物として描くのは溥儀主観からすれば良いのですが、彼は泥をかぶれる苦労人だし、部下とか弱い人にはかなり優しい人たちだったのですね。そういう一面も描かないとこれまた嘘ですし、昭和十八とか十九年に甘粕が何を考えていたかと言うと、居留民保護より大事なものはない訳です。何より、自分が満洲国を作ったつもりでいる以上、ソ連の侵攻など許せるはずがない訳です。
 だからああいう台詞になりました。
 再放送の際はご確認を。

その二 甘粕と同席した関東軍の軍人さんたち。
 最初は梅津美治郎総司令官を出すとか、山田乙三総司令官を「踊る〜」のマヤミキとか裸足で逃げ出すような、「これ演じれるの藤木孝サマしかいないのでは?」みたいな極悪非道シナリオもあったのですが、十転くらいして、甘粕に。
 あえて、今は民間人の甘粕(劇中では甘田)に情報と知見を求めに来るくらいですから、関東軍の中でも優秀な人を選ばないとということで、以下の人選になりました。

中村獅童(松原)・・・松村知勝
川野太郎(草野)・・・草地貞吾
角田信朗(石田)・・・池田純久

 興味がある人は、松村知勝・草地貞吾・池田純久とか調べてください。昭和史の重要人物です。って、普通の人が関東軍の人事録見ても抽出できる訳無いですね。

その三 甘粕の極秘情報。
 甘粕が劇中で取り出す、佐藤尚武駐ソ大使の極秘公電は、満洲国大使も兼ねる関東軍総司令官には渡らない様式です。実際の外交官達も、関東軍の軍人に情報を流さないようにあの手この手の知恵を使っています。
 例えば、「半公信」という様式にすれば外務省出身の公使には渡るのですが、関東軍総司令官兼満洲国大使には知らせずに情報のやり取りが出来ます。
 てな感じで、関東軍の中枢にいる人たちこそ、情報過疎地帯にいたのです。
 ただ、本当のところ、甘粕がどこで何をしていたかというのは、一次史料はほとんどないのですが。

その四 佐藤大使は御存知だ!
 佐藤大使の情報とは、「ソ連なんか信用できるわけ無いでしょうが!」というものです。
 昭和十九年になると普通の人が読んでもわかる表現になりますが、それ以前から外交官ならわかる表現で書いています。
 佐藤尚武という方、新渡戸稲造ではなくこちらをお札にした方が、という偉大な外交官です。
 昭和十八年にソ連の裏切りを予見するなど超能力者に思う方もいたと思いますが、別に昭和十二年でも大正十五年でも結構です。ソ連の約束破りなど、国際常識ですから。
 問題は、そんな常識を東京の外務省がわかっていなかった悲劇で。。。(これは、今の方がはるかにひどい。)

その五 満ソ国境付近のゲリラ
 パルチザンにしたかったのですが、それでは用語の説明がいるだろうということで。
 「ゲリラ」は今の「テロリスト」の意味で使っているので良いかな、ということです。
 まあ、金日成の偽者の金一星(実在)とでも思って下さい。笑
 さすがにその名前にすると別のドラマになってたでしょうね。爆
 でも銃と青竜刀が同居しているとか、民間人だと思ったらだまし討ちとか、やたらリアルだなあ。。。細部は実際の映像を見て初めて、なので感心しました。
 残念ながら、当該期の満洲にクルスク大会戦とか大陸打通作戦みたいな大作戦はありません。
 地味な諜報に付随する戦闘が本領です。

その六 根本将軍は無敵の名将だ!、とその前に。
 玉山さん演じる有川大尉は、ソ連を刺激しないように国境付近のゲリラを見つけ出して、場合によっては自らの犠牲を顧みずにおびき出すという任務を帯びている訳です。とは言うものの、物資はロクに無く(昭和二十年などは“木銃”)。
 で、キャリアで宣撫工作とかやらされている(だから長髪でなくてはならない)有川大尉は、
自分の好きな人材を各部隊の担当者がイイという限りにおいて、集める権限くらいは与えられている訳です。まあ、「第三班」は「お前達は特殊部隊だ」と持ち上げられながら体よくオトリに使われている訳です。
 派遣社員を役職付きにして持ち上げながら給料は変わらず責任だけついてくるので多少の我侭は聞いてあげましょう、みたいな話ですか。(違うか?)
 だから、色んな意味で「エリート部隊」になっていないのですね。

「よくある軍隊イジメ」的なシーンは全部、見事なまでの後半への伏線になっていましたね。

その七 根本将軍は無敵の名将だ!
 最後、有川大尉は戦場に孤立している主人公の太一たちを助けに行きます。
 副官の工藤(蟹江一平さん)、格好良いなあ。最後、足手纏いになって手榴弾で自決するシーンとともに見せ場ですね。
 軍事的には「助けてらんない!」なのですが、有川としては「全員、自分が集めた部下だ!」と助けに行く訳です。
 ここでアルマがせっかく来たんだからととんでもない長距離を遠征すれば途端におかしくなるので、「双眼鏡目視確認できる距離」が「救援に行く決心をする」ギリギリの距離になる訳です。「絶対助からない」ではなく、「行けば助かる可能性がある」という設定です。
 結局、予想外にこの方面のソ連軍の重火器の威力が激しく有川隊ごと孤立してしまうのですが、これが太一君にとっては不幸中の幸いで、彼らは赤峰にいたので、東の奉天に猛進するソ連軍本体を背に、西に落ち延びていくのです。
 それで、敵の治安部隊を避けながら逃げていくのですが、それでも戦力差は圧倒的で次々と仲間は倒れる羽目に。ちなみにソ連兵の銃器はバラライカ。ちなみに「ロスケ」と呼ばれてましたねえ。一人もソ連兵が出てこないことで「見えない敵に追われる」という戦場の恐怖を描いていました。
 一方、こちらの有川さんに到っては、将校用の拳銃。。。
 で、地元の人たちから情報を得た通訳の王が「根本博将軍が張家口でソ連軍を食い止めています!」いう情報を得られて、何とか太一君だけ合流できた訳です。
 劇中では、根本将軍の名前を聞いただけで生き残ったみんなで歓喜するシーンがありますが、
この根本博という方、ほとんど冗談みたいな強さの将軍です。

 というのは、
 全滅する関東軍を尻目に一人だけソ連軍を撃退し、居留民を全員救出した!
という、伝説の将軍です。(本当に映像化するなら演じるは阿部寛さんしかいない!)
 よくいう「中国残留孤児」というのは嘘で、あれはソ連と毛沢東にひどい目にあわされた「満洲残留孤児」です。万里の長城の南にいた人は岡村寧次大将(敗軍の将なのに、蒋介石に言いつけて居留民を日本に送り返させた)のおかげで助かっています。
 根本さんが助けたのは、モンゴル方面にいた人たちです。
 この時に生き残った人に話を聞いたことがあるのですが、
「満洲にいた人には悪いけど、根本さんや岡村さんは関東軍みたいなヘタレではなかったのよ!」でした。。。
 一応、関東軍、装備さえちゃんとあれば「無敵」だったのですが。。。

 民放のフジで特集やっていたのですが、かのNHKで根本将軍の偉大さを称える快挙となりました。でも知名度低いのかなあ。
 ちなみに「張家口 奇跡の大撤退戦!」は、やったらこれまた別の話になってしまったでしょうね。

 細かいこと言い出したら切りないのですが、例えば、「なぜ仲里依紗演じる小学校(国民学校)の先生が昭和十八年まではこれでもかと清楚な白いブラウスなのに翌年になるとモンペになるのか」とか、「一回お見合いしただけでお互いに結婚したことになって旦那が戦死したら奥さんの方は一生独身でした」は今の人には信じられなくてもよくある話でしたとか、最後の有川の台詞の「任務」は昭和の日本人のとっては特別な意味の言葉です、とか言い出したらきりがないのですが、まあこれくらいで。
 再放送というより、連続ドラマ化してほしいなあ。80分ではもったいない。

 ちなみに私のクレジット、大河ドラマの殺陣師を四十年くらいされておられる林邦史郎先生と並んででした。
 田舎の両親も喜んでおりました。

 それでは良いお年を。


2010年12月30日(木曜日)

全国共通・統一地方選挙の政策

カテゴリー: - kurayama @ 20時28分40秒

 今年のことは今年の内に、、、などと思っていたらとんでもないことを発見。。。

年賀状を一枚も書いてなかった。

ということで、昨年引越しをした挙句、新住所を大学・学界・出版社関係など限られた方にしか知らせていないので、返送されてしまった方、申し訳ありません。
 古式にのっとり、お正月に書きます。
 ように、努力します。
 ということで、たまりにたまった仕事、終わらせます。
 あと最低三年は仕事納めは無いなあ。。。

 さて、外界との接触を立っているヒキコモリの私ですが、世の中には私を必要としてくれるのでしょうか、頼まれごとをされることもあります。あまりにもショーもない雑用に人をこき使おう精神アリアリの人は笑ってシカトしているのですが、快く対応させていただいているタダ働きの仕事もあります。
 その中でも
「来年、選挙に出ますので、どういう公約にすべきか相談させていただいて良いですか」
などと、はるか目上の方に、丁重にお願いされると「ハイ、喜んで」となります。
 まあ、(必要な場合)メール送信完了まで含めても15分かからないですし、御国に有益な話ですのでその都度対応でも良いのですが、雛形というか、わたしならこうする「全国共通版」として、ここに掲示させていただきます。
 見出しと簡単な説明のみ。

一、デフレ脱却!―増税しなくても景気は回復します!
 こんな報道を聞きませんか?
 国は、地方は、財政危機だ。日本人一人頭の借金はウン百万円だ!だから消費税増税しかない。しかし、それはすべて嘘です。むしろ、増税などしたら皆さんの暮らしが壊れます。
 実は消費税増税などしなくても、デフレ不況は脱却できるのです。
 経済学の常識に基づく正しい政策で、皆さんの暮らしを守ります。

二、外国人参政権反対!―日本人も外国人も、住民が安心して暮らせる街づくりをします。
 尖閣諸島での中国漁船騒動、ロシア大統領の北方領土訪問、そして延坪島への北朝鮮の砲撃、
 日本はどうなってしまうか不安ではありませんか?
 今や国際情勢は、地方の問題でもあります。
 こんな時に、外国人参政権などを認めてしまえば、どうなるでしょうか?
 何より、外国人参政権を認めることこそが弱者差別だと知っていましたか?
 私たちの住む町は私たちが守る!
 誰も差別されない街を作ります!

三、犬猫の殺処分をゼロにします!
 我が○○区(市)では保健所で年間○○頭の犬や猫が殺処分されています。
 日本全体では三十万頭です。
 しかも、首輪をしていても、迷子になって迎えに行けなければ殺されてしまうのです。
 さらに、費用の理由で、安楽死すらさせてもらえません。
 でも、ドイツでは年間の犬猫の殺処分はゼロです。
 そして熊本県もドイツ方式を真似てゼロに近づけています。
 人にも動物にも優しい街を作ります!

 以上、詳しい内容をお聞きしたい方は、演説会に駆けつけてください!

注 中身はともかく、わざとテキトーなキャッチと書き方にしてます。
  上の通りに書いても、選挙民の方、訳わからないと思います。
  こういうパンフ作りを仕事にしている人の営業妨害にならないようにです。
  「本気バージョン」が御入用な方はお問い合わせフォームにお願いしますね。笑

 世の中には、ウグイス嬢が勝手に政策を決めてしゃべっているようなテキトーな議員もいますが、それよりはまじめにパクッてもらった方が。上の三つ、政策そのものは全国共通でやってほしいことです。


2010年12月29日(水曜日)

メドベージェフは鎌倉将軍?

カテゴリー: - kurayama @ 23時58分19秒

 実は気になっているのが、ロシアの動向だったりもしています。大統領がこれによがしに北方領土を訪問したり、はあくまで現象であって。
 本質は、アジアで支那の舎弟になりながら、欧州で威張り散らしていることです。
 コーカサスではやりたい放題だったし、それに関連してイランとの関係もどうなのだろう。
 お願いだから、バルカンにだけは火をつけないで欲しいと願う私。

 とりあえず、
「奴らが清朝の後継者を名乗るということは、シベリアへの野心を持っているとの意味ですぜ」
と、ロシアの知識人に広めないと。
 このあたり、北京条約とかアイグン条約に関する歴史認識が重要ですな。
 少なくとも中共は、両条約でとられた部分は固有の領土(=失地回復の対象)と思っています。

 どうせプーチン健在の内は、露中同盟が切れるなんてことは絶対に無いので、地道に啓蒙活動をしていかないと。

 時々、
モスクワ市長が近く退任か 大統領と対立
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100920-00000036-mai-int
みたいな記事が出ますけど、メドベージェフがプーチンに逆らえるはずが無いですな。
 メドベージェフは鎌倉時代の将軍みたいなものであって、執権への不満分子が口実として集まってきているだけで。北條家としては、無害な内はそのままですけど、邪魔になれば取り替えるわけです。

 ちなみに、みんな何となく「アメリカvs.中国&ロシア」という図式はわかっていても、上海協力機構とかモスクワ条約とかいう軍事同盟の存在はあまり言わないなあ。

 いずれにせよ、ロシアは日本にとって強敵なのは間違いなく、少しばかりの外交でごまかせる相手ではないということです。ならばとるべき道は一つ。

 自分が強くなる!


2010年12月28日(火曜日)

ハタ迷惑な土地

カテゴリー: - kurayama @ 23時45分58秒

 色々な所で「日中歴史論争」に関わっています。結構、最初に考えていたのより大きな仕事になってきていて、テンヤワンヤです。
 まず、現代日中関係を考える前提を二つ。

 中国共産党の劣化。
 間違ったサインを送る。
例一)「せっかく小沢を手なづけたのに何でこうなるんだ?」
例二)「仙谷につぎ込んだ金をどう回収すればいいんだぁ?」

 日本の政治家の劣化。
 サインの概念が無くなる。
例一)スパイのクセに、公の場で雇い主に敬語を使う。
   「漁船の船長はお帰りになりました」
例二)日本海を友愛の海に。なんなら「東海」と改称しましょう!(本気)

 さて、世の中にはジャイアニズムという言葉があるらしいです。
「のび太のクセに生意気だぞ!」と、やりたい放題やることだそうです。
 しかし、ジャイアンはのび太がのび太であることを否定しないです。
 ところが、世界で二番目に迷惑な土地であるバルカン半島では?

一、ギリシャ、マケドニアがマケドニアを名乗ることを、国連で否定させる。
二、セルビア人のマケドニア同化政策。
  「お前達はセルビア人だ!それがイヤなら南セルビア人だ!」
三、今は真人間のフリをしているブルガリアも
 「やあやあ、君達は栄えある“大”ブルガリア帝国の一員となれてうれしいだろう?」
四、アルバニア(in 2001)
  自然と属国にできる状態のマケドニアに対して、軍事侵略!
  しかも、兵隊は山賊!!あやうく首都スコピエを攻略しそうになった。。。

 で、
五、当のマケドニアは?
 「大マケドニア主義」を唱えて、周辺諸国の併合を今も虎視眈々と狙う。
 ただし、なぜか日本国憲法九条の平和主義を信奉勢力まで登場し、「まじめに国防努力しろ!!!」と日本人にまで怒られる。

 事実を並べただけで意味不明に頭痛が。。。
 こういう歴史を考えると、「相手が嫌がる呼び名だから支那は良くない」とか言い出す日本人って、なんと甘い民族なのか。
 などと偉そうに講釈をたれているかのような私も不勉強なことがありまして。

 支那=シナ
 中国=チャンコロ

だと知りませんでした。

 我が外務省はご丁寧に「支那と呼んではいけません」という何の法的効力の無い通達を昭和六年と二十一年に二度も出しているのですが、これからは「支那は差別語だから良くないんだ」とか言い出すアホには「ではチャンコロと呼ばせていただきます」とお答えするようにします。
ちなみに、こういうアホなことを言い出すのは決まって日本人です。中国人でこんなアホなことを私に言ってきた人はおりません。まあ、私の場合はどこの国の方でも「わがくに」「おくに」「両国」で会話しますので問題が起りませんし、学術論文では「支那」「中国」は峻別しています。

 ちなみに蒋介石政権は、「中国」どころか「支那」ですら無かったのでさらに話がややこしい。今している仕事の一つが、「お前達は中国どころか、支那ですらない!」です。

 昔の日本軍は誰と戦っていたのだろうか。
 そして今の日本人の敵は誰なのだろうか。

 しかし、ユーラシア大陸極東部って、世界一ハタ迷惑な土地ですね。

 ちょっと大きな仕事を抱えた合間の、小さな悩みでした。


2010年12月27日(月曜日)

日本で合法革命を起こす方法

カテゴリー: - kurayama @ 01時17分42秒

 人間、4日徹夜すると鼻血が止まらなくなると、はからずも人体実験で知りました。
 さすがに、異国のお祭りの初日こそ朝6時30分の講話から夜まで働いてましたが、2日目はダウン。。。
 てなこと書くと色々な人に心配をおかけしてしまうのですが、寝たら回復しました。
 レスその他でご心配いただいた方、ありがとうございます。
 ということで、年末年始のまとまって且つ落ち着いて仕事ができる環境の合間に、これ書いてます。

 またまた李登輝さんが、今度は『WILL』で「日銀を潰せ!」と仰ってますね。
 そらあ、日銀は中共の資金源なので、マフィア退治には、まず資金源を潰せ!が基本ですから。
 そうそう、忘れていましたが、白川方明(パク・フォンミョン)の肩書。
 中川昭一を暗殺した男!
 普通の人間なら、あの酩酊会見、止めますわなあ。

 ところで、憲法関係の原稿を書いていて気付いてしまいました。
 今回、あまりにも本当の恐ろしい話なので、伏字を多用します。

 日本でただ一人、合法的に革命を起こせる人がいます。
 ××××です。肩書は×××××××です。略称は×××××。
 別に秘密結社の首領でも何でもありません。
 バッチリ公務員、というか官僚中の官僚です。
 私の中での「最近の注目ニュース」が「×××××××××」関連なのですが、
 連日のように「××××」という文字が踊っており、血も凍る想いです。
 今のところ木っ端役人根性を出しているので、革命を起こす覚悟はないようですが、でも最終的には×××××の胸先三寸です。

 ちなみに現象面だけ解説しておきますと、この「どう転んでも捩れ」を解消するために「増税大連立への布石」みたいな話を進めていますが、別にたちあがれ日本が今回政権に入るかどうかでどうこうなるのではありません。「平沼さん、拉致担当大臣はどうですか?」とか言われて入る分には、「まあありかな」とも思いますが。大事な点は、将来的に「何が何でも増税で日本を破滅させる」「日銀法改正など絶対にさせない」という権力の意志が働いていることだけは確かだということです。
 あんまり政局に興味が持て無いのですが、
小沢さんが
「私が離党します。一人もついてこないで良いです。その代わり日銀法だけは通して景気回復をしてください」と菅総理と取引すれば、英雄でしょう。
 そこまでやれば私は歴史家として永久に小沢さんを褒め称えますが、やる気配すら無し。なぜできるのにやらないかなあ。どころか、高嶋とか福島とか又市としょっちゅう会っている。。。

 でもそんな政治家達の動向をいくら追っても、×××××の気まぐれで、×××××××!××××!とか言い出したら、今年の夏の参議院選挙で売国勢力の日本侵略を止めたのなんて、一気に吹っ飛んでしまいますからねえ。

 白川法王は、選挙で選ばれている訳でもないのに、国民の生活を恣に痛めつけています。
 ただ、心ある人は気付いてきているのですね。今のところ、あまりにも視界不明瞭なのですが、日銀法さえ改正すればどうにかなります。
 しかし、×××が本気になって、合法革命を起こそうとしたら、菅さんだろうが誰だろうが止められないですから。

 最後に、その合法革命を起こせる権限を握っている人の名だけを伏字からはずします。

竹崎博允(たけざきひろのぶ)

 皆さん、この人がどういう人か、以前に名前を知っていました?表面的な履歴も、実は必要な情報も「ウィキ」レベルで載っていますけどね。サンタさんに「この人とそのお仲間が白川たちと結託せず、普通に小役人根性で仕事をするようにしてください」とお願いしておきました。


2010年12月23日(木曜日)

天長節

カテゴリー: - kurayama @ 17時52分50秒

 天長節ですね。ご無沙汰しておりました。このところ、立て込んでおりまして。一月、二月とメジャー媒体で色々やりますので、楽しみにしておいてください。

 ということで、クリスマスはばっちり仕事です。さらに十二月最終週はまとまって時間が取れる最後の時期なので、忘年会などはすべてお断りいたしております。すみません。一月は例の続編の校正があって、、、目が回りそう。。。って、この間、久しぶりにお呼びいただいた武士道研究会の講演会場、表参道なのに気がついたら青山に。。。(物理的に目が回ってどうする・・・。)

 あと、アルマちゃん、評価が高いようでありがとうございます。新年会代わりに上映会&解説会(非営利)をやろうという話もあるのですが、そこまで時間が取れるかどうか。DVDなどで観た方など、ご感想さらにお待ちしていますね。

 ブログの更新は、明日から本格再開。たぶん。

「たぶん」と言えば嘘にはならない。(イギリスのことわざ)


2010年12月18日(土曜日)

打倒!坂本龍一?―「さよなら、アルマ」本日放映

カテゴリー: - kurayama @ 15時48分15秒

 誕生日です。
 フェイスブックその他、お祝いをいただいた方、ありがとうございました。

 さて、本日はいよいよ「さよなら、アルマ」の放映日です。
 前評判はいいみたいですね。
 DVDで見ましたが、確かに一味違う戦争ドラマですね。
 今朝の産経でも絶賛されてましたが、確かに80分ではもったいない。
 出演陣も豪華で、チョイ役だけ並べても、
小栗旬、中村獅童、川野太郎、角田信朗、劇団ひとり、東てるみ、中原丈雄、、、

 劇団ひとりさんに到っては、相当気をつけていないと気付かないかと。。。
 万田久子演じる女将さんに、ソ連軍の到来を告げに来る現地人下男の役です。

 私が一番関わったのは、中原丈雄・中村獅童・川野太郎・角田信朗の四人が登場する2シーンなのですが、川野さんはほとんど台詞はないし、角田さんはいかめしい顔で座っているだけだし、キャスト表を見た時、目を疑いました。

 中原さんは顔を見れば誰でも知っている方ですけど、『ラストエンペラー』が散々捻じ曲げた甘粕正彦像とは違う、等身大でリアルな甘粕像を演じています。「打倒!坂本龍一?」

 先行番組では「ソ連が約束を破った!」とNHKの女子アナさんが連呼。ちなみに声の出演がミヤネさんと神木隆之介さんでした。
 その他にも、「NHK史上初」とか、「日本映像史上初!」とかの快挙がたくさんあるので、
放映後にご紹介します。

 産経新聞が絶賛するNHKの戦争ドラマ、

さよなら、アルマ

 本日、21時〜22時08分 放映!
 みんなで見てください。
 御感想、お待ちしています。


2010年12月16日(木曜日)

ホルブルック氏死去に思う

カテゴリー: - kurayama @ 13時41分48秒

 我が友好国、大韓民国で全国民避難訓練が行われたとか。
 韓国 全国民対象の避難訓練
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101215/t10015876581000.html

 これと関連して、気になったのがこのニュース。
 死去したホルブルック米特別代表、医師団に「戦争を終わらせて」
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2779532/6586001

 常々、アメリカ外交に感心すること。
 なんであの人たち、あんなに敵を作るのが上手いのだろう…?もはや天才的?
 ついでに、敵を結束させる天才でもありますね。
 世界中の民族紛争に介入して、すべての民族の憎悪をアメリカに向けさせて、最後はアメリカを滅ぼすことによって人類永遠の平和を実現しようとしているのでは?と勘繰りたくなります。

 このリチャード・ホルブルックって、私の中ではバルカンでハチャメチャをやった男でして。
 1995年デイトン合意の立役者で、
 セルビアのミロシェビッチ
 クロアチアのトゥウジマン
 ボスニアのイゼトビコヴィッチ
の三人の独裁者をアメリカに呼びつけて、和平を実現したということになっていますが。
 私の手元の資料によると、この三人の独裁者を電話口で何度も怒鳴りつけたとか。
 11月1日には間違いなくそういうことをしていますが、まあ他の日の態度も推して知るべしでしょう。それを自慢にしていたような方なので。

 ちなみにホルブルックの肩書は国務次官補で日本の外務省で言えば局長です。さすがに日本の外務省の局長が外国の国家元首を電話口で怒鳴りつけるなどという話、、、小国相手ならありえないとは言えないか。。(自信なし…)

 さらにちなみに、日本では対北融和論者として評価が低い明石康さんも、バルカンでは超有能です。
 さらについでに、田中真紀子外務大臣もバルカンを訪問した時は借りてきた猫のようにおとなしかったです。
 恐るべし、バルカン。。。

 しかし、まったく不必要に恨みを買うことをする人を褒めたたえる神経、わからん。。。アメリカ政治学とそれを信奉する拝米日本人の間でけっこう評価が高いのですね。
 デイトン合意の評価は、言いだすとそれだけで膨大なエッセイになってしまうのでやめますが、簡単に言えば、まったく現地の事情を理解していないアメリカがセルビアやロシアを挑発するようなことをしまくって、事態をこじらせにこじらせた揚句、セルビアが親露だけでなく親中になってしまいました。
 で、世界一の親米国家が誕生。その名もアルバニア…。頼む、敵にまわってくれ。。。

 1990年代、フランスという国がなければ、控え目に言って3回世界大戦が起きています。
 アメリカという国、全然わかっていなかったようですが。

 で、それとは別にイギリスが世界大戦を止めた話を。(つまり上とは別件)
 1999年と言えば、コソボ紛争の年です。
 中国と台湾まで介入していました。
 ついでに、この時の高村正彦外相は獅子奮迅の働きぶりでした。

 当事者の欧州諸国は、「地上軍を介入させるぞ!」と恫喝合戦。
 ブレア英首相とシュレーダー独首相があんまりそういうことを連発するので、エリツィン露大統領が「核の照準、戻すぞ!」と錯乱寸前。

 で、空爆が一通り終わったかと思った6月12日、コソボの州都のプリシュティナ空港を、ロシア軍の空挺部隊が奇襲占領。NATO軍とにらみ合いを始めます。
 この時、アメリカ人のクラーク最高司令官が米軍空挺部隊投入により阻止しようとしたのですが、イギリス人のジャクソン司令官が「君のために世界大戦を起こす気はない」と止めて、まあその後もスッタモンダが山のようにあって何とか、おさまりました。
 アメリカ人、ノストラダムスの予言を本気で実現しようとさせていたとしか思えないというか。

 さて、今次韓国情勢。
 アメリカは空母ジョージワシントンを黄海に派遣しています。
 ただし地上軍の本格動員、少なくとも湾岸戦争やイラク戦争のような、はしていません。
 では絶対に戦争は起きないのか?ということです。

 アメリカは、バルカンには最後まで動員しませんでした。
 でも「勝利」を誇る連中がいます。
 そういう連中の理屈が、「我々アメリカ人は空爆と艦砲射撃で十分。アメリカ人を死なせる必要はない。 地上戦は現地の土民どもにやらせれば良い」です。
 バルカンでは、クロアチア政府軍やボスニア政府軍、それから義勇兵ゲリラ(含・アルカイダ)でした。
 ではアジアでは?
 韓国軍でしょうね。

 あんまりにも稚拙なシナリオなので、さすがに実現可能性は低いとは思うのですが、
 空爆&艦砲射撃=米軍
 地上戦=韓国軍、勝ち目が出てきたら戦略予備として在韓米軍とか在沖縄海兵隊投入、
とかも、0%ではないということです。
 ホルブルックって、そういう発想の人でしたし。

 歴史の教訓。
 最大の準備をしていると、意外に戦争は起きないもの。
 悲惨な戦争は準備を怠ったり、頭が悪い希望的観測をした時に起きる。

 あなかま、あなかま。


2010年12月14日(火曜日)

赤穂浪士の討ち入りは史上最大の就職活動

カテゴリー: - kurayama @ 17時18分42秒

 旧暦の12月14日は赤穂浪士の討ち入りの日です。

 赤穂浪士の討ち入りとはどういう事件かというと。。。

 江戸時代、徳川綱吉という人がいました。
 征夷大将軍という、今の総理大臣に当たる人です。
 毎年お正月には、天皇陛下の御使いである勅使をお迎えするという儀式があります。
 その接待役が浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)という大名でした。
 今で言えば、従業員二百人くらいの会社の社長兼赤穂市選出国会議員です。

 その時の儀式は、綱吉にとって身分の低かった母親に位を授けてもらおうというこれでもかという下心があったので、それはそれはいつもにもまして大事な儀式でした。

 ところが、接待役の浅野内匠頭が何を血迷ったか、接待役を指導する係の吉良上野介という人に斬りかかりました。
 この吉良という61歳の御老人、不意を突かれたので無抵抗でした。
 原因は本当のところはまったくわかっていません。吉良さん、本当に身に覚えがないそうです。
 よく、吉良さんが意地悪したという噂があるのですが、ありえません。
 考えてみましょう。いつもにもまして重要な儀式です。将軍の機嫌を損ねたら何をされるかわかりません。意地悪などして儀式で粗相があったら、自分の責任になってしまうので、絶対に意地悪をしないどころか、いつにもましてピリピリしていたのが真相です。

 で、この浅野という若者、性格最悪で、癲癇気質の、キレやすい若者だったようです。
 そもそも、武士のくせに刀を「振り回して斬りつける」というのがなっていないというか、それが頭おかしかった証拠では?と言われるくらいで。
 本気で殺すつもりなら、突け!ということです。

 要するに24歳のバカ殿が何かの拍子にキレて起こした殺人未遂事件です。
 で、内匠頭は切腹。(当たり前だ)
 吉良はお咎めなし。(当たり前だ)
 この時「武士を畳の上ではなく、庭先で切腹させるのは屈辱だぁ」とよく言われるのですが、討ち首じゃなくて切腹の名誉を与えられただけでもありがたい訳で。

 もちろん浅野家はお取り潰し。
 200人の従業員、じゃなかった、家臣団は路頭に迷う羽目に。
 で、普通は再就職先を求めて就活を行うのですが、47人くらいあきらめきれない人たちがいたのですね。この人たちを赤穂浪士と言います。「赤穂藩の元正社員で今は無職の人」という意味です。
 というか、マトモな就職活動をするよりも「世間をあっと言わせて、イイ所に再就職しよう」みたいな一発屋根性丸出しの話になったのです。

 で、一年半もネチネチと計画を練りに練って、本当に吉良邸に押し入ってしまいました。
 まさか平和な時代にそんなことをされるとは思っていない吉良家はほぼ無抵抗。
 あわれ、これまた無抵抗の吉良老人は首をはねられてしまいました。
 よく、吉良側が必死の防衛策を用意していたとか言われるのですが、本気でそんなこと考えているなら、愛知県の領地に帰っていればよい訳で。自分を殺しに来る奴がいるとは本気で思っていないから、ノコノコと江戸で隠居生活をしているのです。

 そこで、大石内蔵助以下赤穂浪士一同、主君の墓がある浅草の泉岳寺までデモンストレーションの行進。これで江戸庶民は「この平和ボケの時代に偉いねえ」などとほめそやし、
「この時代に主君の恩義を忘れないとは見上げたものだ。武士の鑑だ」
「そこまで思わせた浅野という殿様は偉い人だったに違いない」
「その浅野さんをキレさせた吉良というのは相当悪い奴に違いない」
と、ドンドン話は変な方向にねじ曲がり、
 結構いいところの諸大名家から「是非、我が藩に来てください!」などとお呼びがかかりました。

 で、最終的な決断は綱吉が下さなければならないのですが、あんまりにも話が広がりすぎてどうしようもなくなります。
 議論は百家争鳴で、
「武士の鑑だ!とりあえずアゲとく」
「本気で仇討をするなら、吉良の首をあげたら、その場で切腹しろよw」

「いや、御公儀(幕府=綱吉のこと)の非を訴えたかったのです。デモで世の中は変るんです。署名もお願いします」
「それDQNじゃん。さすがに将軍のおひざ元で騒ぎを起こしたらまずいだろ」
「吉良じゃなくて、白川とか羽毛田とか、もっと悪い奴ら他にいるだろう」
とか、収拾がつかなくなります。

 で、綱吉は家臣たちに「お前らはどっちだ。参考にするから全員、意見を署名入りでこの箱の中に入れるように」とかやり出します。
 本気で参考にしようと思っていたのは、柳沢吉保ただ一人なのですが、その吉保の意見は「上様の御意のままに!」
 見事に丸投げされ返されました。

 そこで綱吉は、二人の学者に御前ディベートをさせます。
 綱吉自身も学者だったので、
「モメゴトは公開討論で決着をつけよう」というフランスなど文明国共通の方法を持ち出したのですね。日本の学者でこれをやったのは吉野作造と、あと誰だ???ですが。

 御前討論の一人は東大総長兼法学部長の林鳳岡(一生勝ち組)。
 もう一人は、やたらと政界にコネがあった私大講師の荻生徂徠(年収五百万円、後に失業)。

 林さん、思いっきり時流便乗の立論。
「彼らは武士の鑑です。だから、上様が無罪にしてあげることで徳を示すことになるんです」
 綱吉、、、うーん。それは法を曲げることになるし、自分の失敗を認めることだし…。

 それに徂徠先生の反論。
「彼らは武士の鑑である。だから切腹の名誉を与えるべきである!」
 相手の持ちだした根拠を逆用した反論を、「たーんあらうんど」と言います。ディベートの基本技です。毛沢東の得意技でもありました。
 かくして、一件落着。

 三河人の歴史観だとこうなります。愛知県東半分の人たち、忠臣蔵と長篠の戦に関して、日本で最も正しい歴史観を持っていると思うの、私だけ?


2010年12月10日(金曜日)

「さよならアルマ」いよいよ放送

カテゴリー: - kurayama @ 14時58分45秒

 たった今、クロネコ宅急便が。差出人は、今年最も評価が高かったドラマこと「ゲゲゲの女房」のメインディレクターの一木正恵さん。

 中身は、この夏休みからお手伝いをしていたNHK土曜ドラマ「さよならアルマ」のDVDです。人生で最大級に大変だったかもしれません。本当は試写会に行きたかったのですが、その時間は大学の講義でしたので、プロデューサーの内藤さんに送っていただきました。ご丁寧にありがとうございます。(ペコリ)

 とりあえず公式ホームページに飛ぶと、井上陽水さんの主題歌が聴けます。四年ぶりの新曲とか。http://www.nhk.or.jp/drama/alma/

 私のクレジットは「資料提供」ですが、実際はかなり深く係りました(夏休み全部潰した感覚)。「スタッフメッセージ」のところは是非お読みいただきたいのですが、脚本の藤井清美さんの「動物が戦争に巻き込まれたのは可愛そうという感傷だけで描くことは出来ない」というところが出発点です。

 よくある戦争ドラマ、に飽きたらない人にこそ見てもらいたいドラマです。

 放送日は12月18日土曜日、午後9時から。何と私の誕生日です!

 ということで、「ドラマの見所=日本人に知っておいて欲しい歴史」を小出しにしていきます。「NHK史上初の」「日本映像史上初の」の部分がメチャクチャ多いのです。かなりマニアックなところで。ただし書けるかどうかは、私の原稿の進捗によりますが。。。大泣

 12日に締め切りはあるは、共著者の鍛冶俊樹先生の玉稿は全部あがるは、、、と愚痴ったりないている暇に仕事に戻ります。さらに大泣。。。


2010年12月8日(水曜日)

別に記念する日でもなく、、、

カテゴリー: - kurayama @ 20時12分45秒

 ご無沙汰です。レスの返事とかできなくてすみません。色々と立て込んでいて。ご報告したいこととか、書きたいこととかあるのですけど、今日を前後に3日くらいはご容赦ください。「なんであいつがここにいないんだ?」とか言わないでください。すべて忘年会はお断りしてます。(以上、生存確認)

 それはそうと、今日は記念すべき日ですね。

 昭和七年、松岡洋右国際連盟代表が「十字架上の日本」演説をした。

 あれ?違いましたか?

※7月1日「急に松岡洋右について書きたくなりました」参照。

 そうそう、白村江の戦いは「古代史のパールハーバーアタック」ですね。やるのが遅すぎたという意味でも。

 ちなみに月曜日の「テレビタックル」でビートたけしさんが「民主と自民の大連立やって悪い奴らをまとめてしまって、若い優秀な連中が新党を作ればよい」と仰っていました。なんか私と同じこといっている。

 米韓が「今度やったら北朝鮮の拠点に攻撃を加える」と言い出しましたね。米国は空母しか派遣していませんが、「空爆はウチがやるから、地上戦は韓国に任せた」とか言い出すこともあるので、もっと緊張しないとと思うのですが。

 大河ドラマ史上最悪作品(=MUSASI)の主役だった人の安全保障に構っている場合ではないのでは?


2010年12月5日(日曜日)

草食系男子の正体

カテゴリー: - kurayama @ 22時24分03秒

 草食系男子には二種類いることを発見しました。

 その一 肉食系に対する草食系。草しか食べられない弱々しい動物。

 その二 草として食べられる、もはや動物ですらない弱々しい生物。

「草を見つけて食べられるなんてたくましい!」と褒める日が来たら、日本は終わりですね。


2010年12月4日(土曜日)

中井元拉致担当大臣の例の件に関して

カテゴリー: - kurayama @ 00時14分39秒

 中井元拉致担当大臣の「例の件」に関して。・・・不吉なことなのであえてこういう書き方。

 実はやじったのではなく、「つぶやいただけ」とか、「殿下に対してそんな言い方をするはずがない」とか、「結局、みんなの党のええカッコウしいだろう?」とか、今日当たりには風向きが変わってしまったようですが、二言。

 まず、みんなの党に反感を持つ気持ちはわかりますよ。特に日銀法改正案を何の根回しも無く提出したというのはよくわからないです。民主党内全員がデフレ脱却に賛成な訳ではなく、権力の中枢の人たちは頑強に反対で、藤井元財務大臣を前面に押し出して(パシリとして)、必死に党議拘束のかかる出し方をさせないように抵抗している訳ですから。「国会に提出されている法案を議論すればよい」という理屈は通らないです。なぜなら、デフレ脱却反対派が「ヨッシーのスタンドプレーに我が与党が付き合う必要はないし、してはいけない」と中間派を説得する大義名分を与えてしまったので。まあ、これは1月の通常国会開幕までが勝負ですけど。

 いきなりわき道に長くそれましたが、本題の方のもう一言。

 中井議員が当日どういう態度をとっていたかは本当のところは私には判断できません。ただし、報道でもれ伝わってくる内容、上記の弁護論などを聞いているだけで判断はできます。少なくとも、陛下と殿下がおわす儀式で私語をした訳ですよね?それは認めていることになりますね。

 それだけで、何らかの懲罰に値するでしょう。

 例えば、私も神社などの儀式に参加することがあります。神主さんが祝詞をあげていたり、お神楽を奉納している時に「早くしろよ!」とはつぶやけませんよ。あるいは儀式がはじまる前であっても。仮に態度の悪い人がその場に同席していたとしても、目配せとかで促すことはあっても、言葉を発してはいけない時間と空間ですから。

 会社の社長朝礼とか、学校の入学式なんかで同じことをしたらどうなりますか?

 畏れ多くも、陛下と殿下がお出ましいただいた場所で私語をできる感性というのがよくわからいというか、気持ち悪いです。中井さん、皇室に対する「畏れ」の感性があれば、私語はできないはずです。「恐れ」でも「怖れ」でもない「畏れ」、これがないと「恐怖」しか残らなくなりますから。

 学級崩壊させる子供とか、成人式で騒ぐ「コトナ」を思い出したのは私だけでしょうか。

 意外と長くなってしまいました。。。二言が。


2010年12月3日(金曜日)

御礼と告知―政治を近くする会

カテゴリー: - kurayama @ 23時54分37秒

 しばらく休んですみません。潜っていました。

 さて、1日の「政治を近くする会」は目標だった100人の方に来ていただいて、ありがとうございます。これで毎回、20人ずつ増えている勘定で、ありがたいことです。自ら「手伝いたい!自分も何かをしたい!」と申し出てくれる方も増えてきて、ありがたいことです。とはいうものの、私が当日の運営から手を離れた、色々と不備があったので申し訳ありません。

 当日は、著名な評論家で、「あの織田裕二主演のドラマの都知事と同じ名前の主役のモデルとなった方では?」と言われているあの方(もうほとんど言っているに等しい・・・)も、他の会合を抜け出してきていただいただけでなく、サービス満点の「飛び入り講演」もしていただいて、大感謝です。内容はとてもここには書けません(笑)。

 この会をきっかけに、「北朝鮮に拉致された生島孝子さんを奪還する会」を学生達ができたのですが、また新たに、「ゼロの会(仮)」ができました。近日、詳細を御報告します。

 次回は、さすがに1月5日はキツイということで、

1月12日(水) 18時30分〜21時

文京シビックセンター26階スカイタワー

で行ないます。万障お繰り合わせの上、ご参加ください。


2010年12月1日(水曜日)

菅さん、辞める大義名分ができましたね

カテゴリー: - kurayama @ 09時26分28秒

 中井ハマグリとかいう、とんでもない不敬議員がいたようで。
 親王殿下に儀式中に野次、というか暴言というか命令?

 さて、戦前にもこういう愚か者が居ました。
恐れ多くも摂政宮狙撃犯。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A3%E6%B3%A2%E5%A4%A7%E5%8A%A9

 で、その父親の衆議院議員がどうなったかと言うと、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%8E%E3%83%8E%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 死んでお詫びをしました。
 ついでに責任を取って山本権兵衛内閣総辞職です。
 みんな思っているのでは?
「菅さん、辞める理由が出来てよかったね。今ここでこの理由で辞めれば、永久に忠臣として名が残りますよ」と。

 ちなみに、上の虎の門事件の九年後に桜田門事件というこれまた不吉事件がありました。
 桜田門事件で「責任を取って辞めろ!」と閣内で主張していた犬養毅が、時の総理でした。
 で、当然ながら周囲は犬養さん辞める気では?と思い、元老の西園寺公望などは使いをよこして真意を探るほど。

 しかし、犬養総理は「修練による心境の変化!」と居座り。

 菅さん、犬養さんに近い?
 でも菅さん、暗殺されてでも権力にしがみつきそう。。。


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