【社会】一宮競輪、年度末で廃止 市長が発表2013年6月3日 13時43分 愛知県一宮市の谷一夫市長は3日、記者会見を開き、市営の一宮競輪場を2013年度末で廃止すると発表した。売り上げの減少が続き、今後も改善する見込みはないとみて、資金不足で市税投入が必要になる前に撤退を決断した。東海3県で競輪場の廃止は戦後初めて。 谷市長は「今後収益の確保を見込むことは、現実的に難しい。時機を失すると財政負担が伴うことも予測される」と説明し「経営改善が見込めない以上、このまま事業を継続していくことは困難」と強調した。 一宮競輪場は1950年に開設。組合運営を経て2000年度から一宮市が単独運営している。最盛期の1990年度には720億円を売り上げたが、その後はレジャーの多様化などで減少に歯止めがかからず、2012年度は94億円に落ち込んだ。 近年では09、10年度に単年度赤字を計上。人員削減などコスト削減に努めたが、12年度も1億7千万円の赤字に陥った。過去の収益分による資金余力は、残り6億5千万円まで減少。廃止にかかる諸費用を踏まえると余力は少なくなっている。 今後、市は廃止手続きとともに、敷地面積4万5千平方メートルの跡地利用も検討する。 一宮競輪場の存廃をめぐっては、有識者の検討委員会が、13年度収支の黒字化を条件に判断するよう市に提言。谷市長は4月の会見で「存続には5千万円から1億円程度の黒字が必要」との見方を示していた。 <競輪の現状> 自治体を主体に全国で46事業者が45カ所の競輪場で開催。経済産業省によると、2011年度は、当時の47事業者のうち七つが赤字だった。最近5年では、赤字経営のため11年3月で廃止された大津市の大津びわこ競輪を含め、全国で3事業者が競輪から撤退している。 (中日新聞) PR情報
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