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米国で遺伝子組み換え小麦が見つかる、日韓で輸入一部停止

  • 2013年06月03日 18:27 発信地:ワシントンD.C./米国
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米ノースダコタ(North Dakota)州ティオガ(Tioga)近郊で栽培される小麦(2010年9月29日撮影、資料写真)。(c)AFP/Karen BLEIER

【6月3日 AFP】米オレゴン(Oregon)州の農場で米アグリビジネス大手モンサント(Monsanto)の除草剤に耐性を持たせた遺伝子組み換え小麦が見つかり、米規制当局が調査を開始したことを受け、日本と韓国は5月31日、米国産小麦の一部輸入を停止した。

 米当局はこの遺伝子組み換え小麦に危険性はないと主張しているが、米国は世界最大の小麦輸出国であり、調査の結果によっては──すなわち、このような小麦が他の場所でも栽培されていることが確認された場合──世界市場に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 遺伝子組み換え小麦の商用販売は世界のどこでも認可されていない。にもかかわらず、除草剤耐性小麦が4月にオレゴンの農場で発見されたため、政府が調査を開始していた。

 日本が米国産小麦2万5000トンの輸入を停止し、欧州連合(EU)が遺伝子組み換え小麦が消費者に販売されることはないとして加盟国に米国産輸入小麦の検査を行うよう指示する中、市場では緊張が続いている。ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズ(Dow Jones Newswires)によると、台湾の製粉協会も米国からの輸入小麦を検査中という。

 また、米小麦アソシエイツ(US Wheat Associates)と全米小麦生産者協会(National Association of Wheat Grower)によると、韓国の製粉協会が米国産ソフトホワイト小麦の購入を一時中止した。両団体は、この事例が単独のものであるとの理由から、米国産小麦の購入を中止する科学的な根拠はほぼないとして、各国に過剰に反応しないよう呼び掛けた。

 米農務省(USDA)によると、遺伝子組み換え小麦は1998~2005年にかけて全米の農場100か所で試験栽培された。だが、オレゴン州で最後に試験栽培が実施されたのは2001年だったという。

 米国産のダイズとトウモロコシには同様の遺伝子組み換え技術がすでに広く採用されており、農家は作物に被害を与えることなく除草剤を散布することが可能になっている。

■FDAの検査は任意

 米コーネル大(Cornell University)農業・生命化学、国際プログラム主任のロニー・コフマン(Ronnie Coffman)教授(植物育種)は「第1に知るべきことは、(遺伝子組み換え小麦が)完全に安全だということ」と語る。

「米国は、市場シェアを失う可能性を恐れ、カナダより先にバイオテクノロジー小麦を導入したくない。最大の小麦輸出国であるカナダ、米国、オーストラリアは、3か国とも市場の力に非常に神経質なのだ」(ロニー・コフマン教授)

 消費者団体は、商品化される前の遺伝子組み換え作物についての米食品医薬品局(US Food and Drug AdministrationFDA)の安全検査が任意であることを指摘し、米規制当局が食糧を遺伝子組み換え作物汚染から守ることができなかったと批判している。

 また、食品安全センター(Center for Food Safety)の科学政策アナリスト、ビル・フリーズ(Bill Freese)氏も、オレゴン州の状況は、遺伝子組み換え作物の「規制制度の完全な不備を示している」と述べた。(c)AFP/Kerry Sheridan

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