不発弾処理:東北、上越、長野新幹線などがダイヤ大幅変更
毎日新聞 2013年06月03日 20時36分(最終更新 06月04日 13時37分)
東京都北区のJR上中里駅近くで見つかった不発弾の処理のため、東北、上越、長野の各新幹線や東武鉄道などは4日午前11時前から午後2時ごろまで、一部運転を見合わせるなどダイヤが大きく変更される。都心部と埼玉県央をつなぐ鉄道交通の大動脈を止める形で行われる例の少ない作業で、影響は上下約150本9万人に及ぶ可能性がある。混乱を避けるため、JR東日本は迂回(うかい)路線となる宇都宮線や高崎線、埼京線の利用を呼びかけている。
不発弾は3月に同駅南側の研修施設建設予定地で見つかった。旧日本軍の高射砲弾とみられ、直径約10センチ、長さ約40センチ。陸上自衛隊が午前11時から爆破処理を行うが、重さ約1トンの砂袋100個以上を周囲に積み、破片が飛び散るのを防ぐ。作業中は、半径100メートル以内を立ち入り禁止にする。民家はないが、上中里駅の一部がこのエリアに入るため鉄道の運休が決まった。区立滝野川公園と滝野川体育館、線路沿いの通路の一部も立ち入り禁止になる。
処理時間中、東北、上越、長野、山形、秋田の各新幹線は東京−大宮駅間で運休(一部列車は全区間または仙台−東京駅間で運休)。上りは、本来午前11時8分東京駅着の「はやて・こまち24号」が同10時42分大宮着止まり。下りは、本来は同10時44分東京発の「あさま517号」が同11時10分大宮発となるのをはじめ上下線共に後続ダイヤに影響が出る。
京浜東北線は、午前10時20分大宮発磯子行き、同9時41分磯子発南浦和行きまで通常運行した後、東十条−品川駅間で運休。湘南新宿ラインは、午前9時4分籠原発平塚行き、同9時43分大船発宇都宮行きまで運行した後、新宿−大宮駅間で運休。また、JRに乗り入れている新宿駅発着の東武鉄道「きぬがわ4号」「同5号」は全区間運休となる。JR東日本はホームページで詳細を説明している。
JR東日本は不発弾発見後、「日中だとダイヤ変更や振り替え輸送などの周知に時間がかかる」として夜間の実施を北区に要望したが、同区と自衛隊は「安全性を考えると日中が望ましい」として実施時間が決まった。【戸上文恵】