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【三重】

岩手・大槌町長ら防災の重要性訴え 津で講演

写真展の会場で講演する碇川氏(右)と林氏(中)=津市一身田上津部田の県立図書館で

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 三陸沖のリアス式海岸に位置し、東日本大震災で津波被害を受けた岩手県大槌町の碇川(いかりがわ)豊町長(62)と京都大防災研究所の林春男巨大災害研究センター長(62)による講演が一日、津市一身田上津部田の県立図書館であった。市民ら七十人が聴講し、東北の被災地の現状に思いをはせるとともに、南海トラフ巨大地震の被害が懸念される三重での防災・減災の重要性を再認識した。

 岩手県のまとめによると、大槌町の犠牲者は関連死を含め八百五十二人、行方不明者は四百三十六人、家屋倒壊数は三千七百十七棟となっている。

 前町長の死去を受けて町長となった碇川さんは、人口流出や職員、土地、業者の確保などが課題であると指摘する一方、官民を挙げて復興を進める第三セクター「復興まちづくり大槌株式会社」の設立や、住民情報などを民間のデータセンターに移しておく「自治体クラウド」の意義を強調。参加者に「大事なのは高い場所に逃げること。防災行政無線が災害時にしっかり聞こえることや、子どもへの防災教育も重要だ」と説いた。

 林さんは阪神大震災などの例を基に「いろんな方法を組み合わせた多重防御が重要だ」「地元経済が活性化する経済再建を優先し、その道具として社会基盤、公共施設の再建を進めれば、結果として被災者の生活再建につながる」と訴えた。

 講演は、大槌町民ら十一人が被災直後の状況などを撮影した作品の写真展「リメンバー大槌」(県立図書館、大槌町、ふるさと大槌会共催)が一日から県立図書館で始まったのに伴って企画。写真展の開催は東京、京都に次ぎ三カ所目で、津波が多くの建物をさらい、がれきが中心街を覆い尽くしている写真など約四十点を展示した。二十六日まで(月曜休館)。入場無料。

(相馬敬)

 

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