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シジミ漁解禁、出漁わずか 震災と渇水響く 石巻の北上川
 | シジミが入った籠を引き上げる石山さん。解禁初日の漁は低調だった=1日午前7時10分ごろ、石巻市の北上川 |
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宮城県石巻市の北上川でシジミ漁が1日、解禁された。昨夏の渇水で酸欠状態となったシジミが大量に死滅した影響で、漁獲は低調だった。昨秋に放流した稚貝は出荷できる大きさに成長するまで時間がかかり、ほとんどの漁師が出漁を見合わせた。 北上追波漁協橋浦支部シジミ部会の石山潔さん(60)は午前6時半ごろ、船を出した。川底に金属製の籠を下ろしてシジミを採ったが、水揚げは約20キロと例年の6〜7割だった。 漁協の6支部でシジミ部会に所属する約30人のうち、解禁日に出漁したのは石山さんだけ。漁をした河口部から約5キロ付近は浅瀬のため死滅を免れたが、「川全体では厳しい状況だ」と表情を曇らせた。 良質なシジミの産地として知られる北上川は東日本大震災の津波で貝が流出。2011年の漁獲量は8.3トンで、震災前の約10分の1に落ち込んだ。昨年は夏場の高温小雨による渇水が追い打ちを掛け、3.5トンと低迷した。 漁協は昨年11月、旧北上川を含め稚貝約40トンを放流した。漁獲できる16ミリ以上に育つには、2年かかるとされる。飯野川支部は6月末に生息実態などを調査し、結果を見て漁の開始を検討する。 漁師でシジミ問屋を営む池田直優さん(67)は「自然が相手だから待つしかない。暖かくなるこれからの季節に期待したい」と話した。
2013年06月02日日曜日
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