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右傾化の否定―「誤解」と言うならば

「日本の右傾化を指摘する声や、国際秩序への挑戦を試みているという批判もある。まったくの誤解だ」小野寺防衛相がシンガポールで開かれたアジア安全保障会議の講演で、そう語った[記事全文]

世界的税逃れ―国際協調の機運いかせ

グローバル企業や富裕層による国境をまたいだ「税逃れ」について、国際的な対策を求める声が高まっている。英国で今月開かれる主要国首脳会議(G8サミット)でも取り上げられ、経[記事全文]

右傾化の否定―「誤解」と言うならば

 「日本の右傾化を指摘する声や、国際秩序への挑戦を試みているという批判もある。まったくの誤解だ」

 小野寺防衛相がシンガポールで開かれたアジア安全保障会議の講演で、そう語った。

 安倍政権の歴史認識や外交姿勢をめぐり、国内外から疑念が突きつけられている。

 やむにやまれず、この機に反論し、局面の転換をこころみたのだろう。だが、防衛相が国際会議でこんな弁明をしなければならないのは尋常ではない。

 そもそも安倍首相がとなえる「戦後レジームからの脱却」ははっきり説明されていない。歴史の見直しを含む動きがあれば、戦後秩序への挑戦と受けとられても仕方あるまい。

 慰安婦問題をめぐる日本維新の会共同代表の橋下徹氏の一連の発言も、海外では、安倍政権下での日本の問題として見られているのが実情だ。

 小野寺氏は講演で「野党の一党首が不適切な発言を繰り返した。そのような発言や歴史認識にくみしない」と述べたが、他人ごとで済ます話ではない。

 歴史認識をめぐっては、首相自身の発言が不信を招いた。閣僚らが靖国神社を参拝したことで中国と韓国が反発すると、「どんな脅かしにも屈しない」と言い切った。

 植民地支配と侵略へのおわびと反省を示した村山談話について「そのまま継承しているわけではない」と発言。批判を浴びると、継承の明言に転じた。

 歴史をめぐる安倍政権の「価値観」とは何か、どこに向かうのか。その見えにくさが「右傾化」批判を招く一因だろう。

 歴史発言に始まる負の連鎖の果てに、近隣国とのつき合いを損ねてしまう。そんな安倍外交の不手際には、首相がもっとも重んじる同盟相手の米国からも困惑の声が寄せられている。

 各国の懸念を「誤解」と弁明するならば、行動でみせるしかない。とくに中国、韓国との冷えた関係を解きほぐし、建設的な対話につなげる糸口にしてもらいたい。

 小野寺氏は、防衛費の増額などについて「地域の安定へ、より能動的、創造的な貢献を目的としたものだ」と説明した。

 ならば、海洋、宇宙、サイバー空間のルールづくりといった21世紀型の安保問題への取り組みも、隣国と積極的に論議してはどうか。

 後ろ向きの弁明から脱却し、アジアの安定への道筋を率直に提案する新しい日本の姿を見せる。それが「軍国化日本」の否定にもつながるだろう。

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世界的税逃れ―国際協調の機運いかせ

 グローバル企業や富裕層による国境をまたいだ「税逃れ」について、国際的な対策を求める声が高まっている。

 英国で今月開かれる主要国首脳会議(G8サミット)でも取り上げられ、経済協力開発機構(OECD)が進めるルール作りを後押しする見通しだ。

 世界的な税逃れは、経済活動や資産運用がグローバル化する一方で、税制が国ごとに異なる点が突かれている。

 しかし、国際的な課税は国と国との税収の取り合いという側面があり、協調は容易でない。これまでテロ資金対策やヘッジファンド規制をめぐってムードが盛り上がっても、中途半端に終わってきた。

 今回は、各国の財政悪化に伴う負担増を背景に国民の怒りが政府を動かしている点が大きな変化だ。この勢いで国際協調を新たな段階に引き上げたい。

 変化の象徴は英国だ。長年、自国のタックスヘイブン(租税回避地)とロンドン金融センターを組み合わせて世界の富を集め、潤ってきた。

 それが、米コーヒー店スターバックスの税逃れに世論が沸騰し、政府の背中を押した。

 米議会もアップルなどのIT企業が法人税の安いアイルランドに利益を集め、米国での税負担を大幅に免れていると非難した。ドイツの名門サッカーチームの会長やフランスの閣僚が、スイスの銀行に隠し口座を持っていたことも発覚した。

 協調でまず目指すべきは、銀行の口座情報を他国に提供する仕組みを拡充することだ。

 特許やブランドの管理を税金の安い国に移せば、世界中からあがる使用料収入への課税から逃れられる国際ルールの「穴」もふさぐ必要がある。

 欧州連合(EU)は銀行情報の交換を強化する協定に動き出した。ただオーストリアやルクセンブルクは、秘匿を売り物にする非EUのスイスに客を奪われることを警戒している。

 そこで、独仏などはスイスも情報交換に加わるよう求め、米国も同様の圧力をかけている。スイスが譲歩すれば協調が加速する可能性がある。

 この流れをより世界的なルール作りに反映させたい。

 OECDでの協議には、新興国や途上国も参加しており、グローバル企業に市場を開き、工場などの拠点もあるのに税収の配分が少ないとの不満がある。国ごとの企業活動の規模に応じた課税を求める声もある。

 税の「南北問題」に陥ることを避けながら、妥協点を探るべきだ。

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