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日本の偉大なヴォーカリストシリーズ 『尾崎紀世彦』

歌手で「尾崎」と言えば、大抵の人は尾崎豊を連想すると思いますが、私がまず真っ先に思い浮かべるのは、なんといっても尾崎紀世彦ですね。この人の歌のインパクトは本当に強烈。一度聞けば、そのスケールの大きさに度肝を抜かれること必死です。

あの日本人離れした歌唱力、あのモミアゲ、あのダンディズム。和製トムジョーンズと呼ばれてたのも頷けますね。ダイナミックで情熱的なところがそっくり。それでいながら、日本人歌手らしい情緒溢れる繊細な歌い方も出来るにくいヤツ。

世間的には、名曲「また逢う日まで」の大ヒットでお馴染みですが、紀世彦の本質は洋楽のカバー曲にこそあり。それを聞かずして、紀世彦を語るなかれ。あの、どこまでも果てしなく広がっていくような雄大な声でカバーされるとオリジナル版もあわやと感じてしまうほどに圧巻で、ただただ凄いの一言。

豊かな声量に裏打ちされた太く綺麗に伸びるロングトーンは実に理想的で、日本はおろか、当時の世界的シンガーと比べても、あれほどの逸材は数えるほどしかいないでしょう。洋楽オールディーズの日本人カバーが聞きたくなった時は迷わず尾崎紀世彦を選びますね。ときどき坂本九。あえて難点を挙げるなら、どの曲もダイナミックな味付けなので、ややこってり感が強いことか…。



5年くらい前から、日本語でダイレクトに歌詞が伝わることの素晴らしさに気付いてしまい、かつては洋楽ばかり聞いてたのに、今は日本語の歌ばかりを聞き漁る偏食的な毎日です。

しかし、低音が魅力的で、かつ歌唱力があって、声質が魅力的で、ビブラートを変に強調したりしない自然な歌い方の出来る人材となると相当数が限られてくるわけで…。だからその全ての条件に合う尾崎紀世彦は、定期的に聞きたくなる貴重な存在です。

ただCD化されてる音源が少ないので(ベスト盤ばっか!)、この「尾崎紀世彦の世界)」をひたすらリピート再生しています。ライブ音源とかもっとバンバンCD化してくれないものか…。