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政治
【阿比留瑠比の極言御免】「強制ありき」作文談話の罪
さらに、談話作成の準備段階にあたる5年3月23日には、わざわざ「強制」の定義を広げる国会答弁までしている。やはり談話に関与した当時の谷野作太郎内閣外政審議室長は、参院予算委員会でこう述べた。
「単に物理的に強制を加えることのみならず、脅かし、畏怖させて本人の意思に反してある種の行為をさせた場合も含む」
朝日新聞は3月25日付の「『強制』幅広く認定」「従軍慰安婦調査で政府方針」という見出しの記事で、「精神的苦痛、心理的なものも含めて」という政府首脳の言葉を引用している。当時、政府首脳とは主に官房長官を指した。つまり、河野氏のことである。
宮沢内閣ぐるみで何とか韓国のために「強制」を認めようと涙ぐましい努力をした跡がうかがえる。談話は橋下氏の言うように「逃げている」というより、むしろ積極的に「強制」を認定しようと模索したものの、裏付けが弱すぎて踏み込めなかっただけなのだ。
これで日韓関係がよくなったのならまだいいが、実際は逆に刺々しさを増すばかり。見識のない政治家が歴史をもてあそび利用すると、後世にどんなに大きな禍根を残すことか。せめて貴重な教訓とせねば救いがない。(政治部編集委員)
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