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法人企業統計、1─3月期設備投資額は2期連続減

2013年 06月 3日 10:39 JST
 
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[東京 3日 ロイター] - 財務省が3日発表した2013年1─3月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、設備投資額(ソフトウエアを含む)は全産業で前年比3.9%減となり、2期連続の減少となった。

製造業・非製造業ともに減少。前期比でみても下げ止まり感が出ていない。経常利益はコスト削減努力などで5期連続増加しているが、売上が4期連続減収と需要が回復せず、企業の投資意欲は慎重姿勢が続いている。

設備投資の内訳をみると、製造業の設備投資額は前年比8.3%減、非製造業は1.5%減と、いずれも2期連続の減少。前期比でも(ソフトウエアを除く、季節調整済み)、全産業で前期比0.9%減、製造業、非製造業ともに減少している。

電機が収益の振るわない企業を中心に不採算部門で投資を抑制しているほか、鉄鋼では需要の先行き不透明感から慎重姿勢を続けている。非製造業では情報通信やサービスで前年の大型投資の反動減があったほか、航空機の運航一時停止が影響した。

他方で投資に積極的な業種は、新車生産や研究開発投資を中心とした自動車や、医薬品販売の好調な化学、コンビニやスーパーなど新規出店を図る小売、大型ビル建設に動いている不動産など。

このように設備投資の意欲は、個人消費の好調を背景に明るい動きが見え始めている業種もあるが、投資抑制姿勢を続ける業種の落ち込みをカバーするに至っていない。

売上高は全産業で前年比5.8%減となり、4期連続の減収。前期比でみても、増益に転じたとはいえ0.2%増とほとんど横ばいだ。

業種別では、内需関連の好調を映じて、医薬品が堅調な化学や住宅関連建材を扱う金属製品、また復興工事関連需要の増加を背景にリースなどが好調だったほか、電気料金改定で電気業も増益となっている。他方で、世界経済低迷の影響を受けている業種は振るわない。中国からの受注減で自動車が、半導体やテレビ・パソコンが低迷している情報通信機械、資源価格下落の影響を受けた商社などが減収となっている。

経常利益は前年比6.0%増となり、5期連続で増益となった。製造業は2期連続の増益。自動車や電機では減収ながらもコスト削減で増益を確保。他方で非製造業は5期ぶりに減益となった。商社が減収減益、情報通信も競争激化による販売促進費の増加で減益、建設業は資材高騰の影響を受けた。

世界経済の減速を背景に売上自体はさほど回復していない中で、企業のコスト削減努力などで増益を確保している姿に変わりはなさそうだ。需要の本格回復が見通せないため、設備投資も一部に明るさがあるものの、全体的な広がりがまだうかがえず、明確な下げ止まり感は出ていない。  法人企業統計は四半期ごとに調査が行われ、資本金1000万円以上の法人企業が対象。

*内容を追加します。

 
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