成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は三十日の記者会見で、空港の検問自動化に向けた鉄道駅での顔認証システム実証実験について「空港のセキュリティー上、効果的に使えると確認できた」と述べ、導入可能との認識を示した。
実証実験は空港第2ビル駅で三月十八日から五月二十四日まで、通常の入場検問と並行し、延べ九十四万人を対象に行われた。現在は空港の安全を守る上で、システムの有効性や効果的な活用の仕方について警備当局と協議している。
実証実験では、事前登録したNAA社員ら約二百人の顔の照合精度や、複数のカメラによる追跡の精度などを検証した。夏目社長は「カメラはなかなかいいと評価している。警備当局とよく協議して、可能な限り早い時期に実現したい」と述べ、早期の検問自動化を目指す姿勢を強調した。
同時に実験した爆発物探知装置については「有効性をもう少し検証しなければならない」と、導入に慎重な姿勢を示した。車両ゲートの自動化は「構内道路の変更が必要で、まだ検討中」と話した。(小沢伸介)
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