がん経験者「語り部」に 京都府、臨時職員を公募採用へ
京都府は、がんの経験者を府の臨時職員に採用し、学校や企業に出向いて自身の経験や検診の重要性などを語ってもらう「がん教育メッセンジャー」事業を始める。がん検診の受診率が低迷する中、「がんの語り部」の言葉を介して早期発見と早期治療の大切さを訴える。
常勤の臨時職員として3人程度の採用を予定している。ハローワークを通して公募し、庁内研修などを経て今秋以降に「語り部」として活動してもらう。
語り部は医師や看護師など医療従事者とペアになって企業の社員研修や府内の中学校に赴き、がんが見つかった経緯や闘病時の支えになったこと、社会復帰までの経過などを講演する。効果的な教育や研修プログラムの企画立案にも携わる。
府は2013年3月にまとめたがん対策推進計画で、17年度末までに府民のがん検診受診率を50%にする目標を掲げている。
しかし、11年度の調査では肺がんの受診率38・1%を最高に、乳がん35・6%、胃がん34・5%、大腸がん33・2%、子宮頸(けい)がん24・4%といずれも目標値を大きく下回っている。
府健康対策課は「がん発病で離職を余儀なくされるなど、がんへの理解が不足している面がある。早期発見で治癒できるという正しい知識を若いうちから学んでもらいたい」としている。
【 2013年06月03日 16時00分 】