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『社会貢献』を買う人たち
【第75回】 2012年10月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

その後の『社会貢献でメシを食う。』は?
見えてきた「CSR4.0」への2つの方向性

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 すでに世界はCSRによる競争戦略時代に突入している。実際、ヨーロッパの公共調達ではCSRが問われる。ヨーロッパ基準のCSRを満たしていなければ、公共調達に参加できなくなりつつある。この流れは日本でもすでに始まっているが、欧米のCSRでは、とくに人権への取り組みが問われる。しかし、この人権というものへの理解は、日本を含むアジアの企業は弱い。人権はもともとヨーロッパ人が発明したものだからだ。しかも人権は、現代においては世界基準の絶対的な正義となっている。だから、国際的なビジネスにおいてCSRがますます問われる時代には、人権という概念をリードする欧米企業が有利になるのだ。このことひとつとっても、CSR部が企業の戦略中枢に置かれるべきだし、CSRが成長戦略の要になる可能性が高いこともご理解いただけるだろう。

 今回ご紹介したこの2つの方向性のいずれがCSR4.0になるのかは、筆者も判断しかねている。CSRとルール作り戦略の関係性はすでに始まっている事実であるので、『ルール作り戦略への進化』のほうが喫緊の課題となるかもしれない。いずれにせよ、この2つの方向性にCSRは進むだろう。というか、進むべきである。大きな社会的インパクトを与えるための「スピンアウト」と、冷徹な国際競争戦略としての「ルール作り」まさに、理念と現実だ。つまり、論語とそろばんである。この2つの要素を同時に推進することが「CSR4.0」の姿なのかもしれない。

【筆者からのお知らせ】
ソーシャル・ビジネスの企画力を身につける「CSR道場」
第二期、10月より開講

 あらゆるビジネスにおいて必要なマーケティング力、企画力、アイデア力を身につけるための「CSR道場」第二期を10月より開講します。第一期は、某大企業の現役CSR部長から企業経営者、大企業のビジネスパーソン、公務員と多彩な方々に参加いただきました。

 この講座、ハッキリ言ってかなりキツイです。前半は講義主体、後半は演習ですが、前半では筆者が持つソーシャル・ビジネスやCSRに必要なスキルをすべて伝えます。普段の講演やセミナーでは伝えきれないことも伝えます。後半の演習では、「ソーシャル・ビジネス企画100本ノック」を実施します。現役の企画職の人間でもかなりキツイ演習ですが、個別指導も含め、企画やアイデアの出し方を徹底指導。確実に企画力は上がります。限定6名の少数精鋭制です。

 ビジネス人材に必要なのは詰まるところ、企画力です。この力をアップさせたい人はぜひ参加してください。

《開催概要》

◎講座期間:
2012年10月20日(土)に開始。
以後、11月~2013年3月まで、毎月第二土曜日に開講。
参加者の習熟度により特別補講、個別補講あり。

◎時間:
毎回14時~17時

◎料金:
21万円(税込)
※返金あり(すべての講座を受講して効果を感じない場合)

◎定員:
限定6名

詳細、申し込みはこちらまで。

 

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・プランナーとして女子大生、カフェ・バー、カラオケ、インターネット、韓国ドラマなど、その時代の流行に乗っかるような仕事ばかりしてきた。そろそろ社会のために役立つ仕事をしたいと考え始めた頃に、社会貢献ブームがやってきた。今は、社会貢献ビジネスの開発プランナーおよびCSRコンサルタントとして、社会と企業とNGOの発展のために仕事をしている。史上最大の教育インフラ提供NGO「ルーム・トゥ・リード」ビジネスディベロップメント委員会共同リーダー。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ
社会貢献ビジネス専門 ~Global Good News Blog
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


『社会貢献』を買う人たち

「自分のための消費」から、「社会と繋がるための消費」へ――。こうした新しい消費のカタチがいま、日本のマーケットを大きく変えようとしている。当連載では、この「ソーシャル消費」の最前線を、毎回具体的な事例とともに徹底リポートする。

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