大阪府:松井知事がオスプレイ訓練受け入れの意向
毎日新聞 2013年06月02日 21時18分(最終更新 06月02日 23時16分)
日本維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を府内で受け入れる意向を固めたことが分かった。同府八尾市の八尾空港を給油地点とすることも検討している。6日に菅義偉官房長官と会談し、意向を伝える方針。
会談には、橋下徹共同代表(大阪市長)と沖縄の地域政党「そうぞう」の下地幹郎代表(前衆院議員)も同席する。
八尾空港には現在、定期便はないが、警察や消防のヘリコプターが離着陸し、陸上自衛隊八尾駐屯地が隣接している。同訓練で、沖縄以外でこれまで離着陸が確認されたのは米軍岩国基地(山口県)のみ。維新は、米軍司令官に対する橋下氏の風俗業活用発言などで国内外の批判を招いたため、沖縄の基地負担軽減への取り組みをアピールしたい考えとみられる。
ただ、沖縄の政界関係者は「米軍が『うん』と言うわけがなく、実現可能性は乏しい」と話す。
橋下氏は5月、大阪維新の会代表として、「そうぞう」と基地負担軽減を目指す方針を盛り込んだ政策協定を締結。関係者によると、維新とそうぞうとの協議で、沖縄県外の自治体首長にオスプレイの訓練受け入れを要請するよう、政府に働き掛けていくことで一致したという。
基地問題を巡っては、橋下氏が同府知事時代の2009年、普天間飛行場の関西国際空港への移設を「(議論を)受け入れる方向で検討したい」と表明し、その後、関空・大阪(伊丹)空港の経営統合で立ち消えとなった。【堀文彦、山下貴史】