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第34回研修会(日本行動療法学会ワークショップ) 日本行動療法学会第36回大会
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タイトル:

認知行動療法の面接スキルの向上:
「ヘルピングスキル」を活用して

  遊佐 安一郎  
 

講師:

遊佐 安一郎
 

所属:

長谷川メンタルヘルス研究所所長
北海道医療大学客員教授、国際基督教大学非常勤講師
 

対象:

初級(臨床を学んでいる人)・中級(臨床経験が3年以上あり、困難事例の面接のためのスキルアップを目指す人)・臨床教育者(学生、初級者の教育指導の方法のレパートリーを広げたい人)
 

定員:

40〜90名
   

概要

 
 

 認知行動療法は、さまざまな技法を駆使してクライエントの症状の改善を目指す。それをクライエント、そして時にはクライエントのエコシステム内の関係者との対話、面接を通して行う。例えば、Marsha Linehanは弁証法的行動療法において、境界性パーソナリティ障害のクライエントの感情調節スキルを改善することが障害の改善につながると考えている。しかし、変化のための行動療法的働きかけ自体が症状の増悪とドロップアウトのリスクを高めるという経験から「承認(Validation)」の重要性を強調している。これは言い換えると、セラピストとクライエントとの関係において変化のための行動療法的かかわりと、クライエントのあるがままの受容のバランスが重要であるということだと思う。

 また、LinehanやDonald Meikenbaum、そして日本の行動療法家の臨床実践を観察する機会があったが、それらに共通する面接の特徴として、高度な共感と受容があると私には見えた。しかし重要なのは共感と受容だけではなく、それらが変化のための技法と組み合わされているように見えた。

 このワークショップでは変化と受容のバランスをとりながら面接を行うためのスキル訓練システムであるClara Hillのヘルピングスキルを活用して、面接スキルを向上させるための訓練の解説と実習の方法を紹介する。実習の方法としてNorman Kaganの「対人プロセス想起法(Interpersonal Process Recall)」の応用を紹介する。

 
   

略歴

 
 

1970年

上智大学英語学科卒業
国際基督教大学院教育心理学科に一時在籍後、ニューヨーク州立大学オールバニー校留学

 
  1977年 教育学博士号取得、Syracuse Developmental Center, Pilgrim Psychiatric Center, Kings Park Psychiatric Center等でPsychologistとして勤務  
  1990年 South Beach Psychiatric CenterでChief of Service として精神科病院での臨床管理に従事  
 

1996年−2009年 長谷川病院クリ二カル・コーディネーター兼リハビリテーション部長
2003年より国際基督教大学非常勤講師
2005年−2007年 東京大学客員教授
2009年より北海道医療大学客員教授
2010年より長谷川メンタルヘルス研究所所長

 
   

著訳書

 
 

「DBT=弁証法的行動療法を学ぶ」こころの臨床、第6巻第4号、2007(星和書店)
「DBTワークブック」(監訳・星和書店)
「援助技法の実際 精神科リハビリテーション」(星和書店)
「家族療法入門」(星和書店)、「認知療法入門」(星和書店)
「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」(星和書店)
「別れからの再出発 見捨てられ傷ついた心をいやす5つのステップ」(星和書店)
「家族のための精神分裂病入門」(星和書店)他

 
   

所属学会役員

 
 

日本認知療法学会幹事、日本家族研究家族療法学会評議員、心理教育・家族教室ネットワーク運営委員、日本サイコセラピー学会理事
日本家族カウンセリング協会顧問、日本精神神経学会、日本精神障害者リハビリテーション学会、
American Psychological Association会員

 
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