■被爆国から2013 講談師・神田香織さん
【聞き手・宋光祐】原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を27年前から講談で演じています。前座修業を終えて戦争を語ろうと決めたものの、重すぎるテーマに悩んでいた時、原作に出会いました。「大変だけど前向きに生きる」。主人公の少年ゲンの姿は聞く人を元気にしてくれる。私も生き方を教わりました。
10年前からは(1986年の)チェルノブイリの原発事故を題材にした講談も始めました。原発事故は形を変えた原爆です。芸人仲間から「お金にならない仕事をして変わってるね」と言われたこともありますが、原爆も原発事故も二度とあってほしくないと思い、語り続けてきました。
講談は落語と違ってやる人こそ少ないですが、語りにはパワーがあると信じていました。それなのに、故郷の福島で2年前、原発事故が起きた。全く役に立たなかったという無力感と悔しさに襲われました。
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朝日新聞社会部