東京円:円売り加速 一時1ドル101円台に

毎日新聞 2013年05月10日 11時29分(最終更新 05月10日 12時54分)

約4年1カ月ぶりに1ドル=101円台を示す為替モニター=東京都港区の外為どっとコムで2013年5月10日午前10時40分、竹内幹撮影
約4年1カ月ぶりに1ドル=101円台を示す為替モニター=東京都港区の外為どっとコムで2013年5月10日午前10時40分、竹内幹撮影
08年以降の円相場の推移
08年以降の円相場の推移

 9日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は一時1ドル=100円79銭まで下落し、2009年4月14日以来、約4年1カ月ぶりに1ドル=100円台をつけた。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱となる日銀の大幅な金融緩和策を背景に円安の流れが続いており、米経済回復の期待感の高まりが更に円売り・ドル買いを後押しした。10日の東京外国為替市場では、前日のニューヨーク市場の流れを引き継いで、朝方から円売り・ドル買いの動きが加速。一時、1ドル=101円台をつけた。

 円安の進行は、自動車や電機など日本の輸出企業にとって大きな追い風になり、13年3月期のトヨタ自動車の業績を後押しするなどの効果がすでに出ている。一方で、エネルギーや食料品などの輸入価格が上昇し、電気料金の値上げなどを通じて家計に影響を及ぼす恐れもある。

 昨年12月に発足した安倍政権が、デフレ脱却に向けた大胆な金融緩和策などを柱とする経済政策を掲げたことで市場の期待感が高まり、同月初めに1ドル=80円台前半だった円相場は円安が加速。4月4日に日銀が黒田東彦新総裁の下、市場への資金供給量の倍増を目指すなど「異次元」とされる金融緩和策の導入を決めると更に円安が進み、4月11日には一時99円95銭と節目となる100円が間近に迫った。

 その後は米国の景気指標が弱含んで円の買い戻しの動きが出るなど、100円の手前で足踏みしていたが、5月3日に発表された4月の米雇用統計が市場の予想を上回り、米景気の減速懸念が後退した。9日朝に発表された週間の新規失業保険申請件数も市場の予想を下回って08年1月以来の低水準を記録。雇用の改善期待の高まりからドル買いが優勢となり、円相場は一気に100円の大台に乗せた。

 市場では「当面は米国経済の動向をうかがいながら、次の円安水準を探る動きになりそうだ」(邦銀ディーラー)との声が出ており、景気指標などで米国経済の勢いが確認されれば、更に円安が進む可能性も出てきた。

 主要20カ国・地域(G20)が日銀の金融緩和策について「デフレ脱却が目的」と認め、「通貨安競争」ではないと理解を示していることも安心感となって、円売り・ドル買いを支えている。

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