東京大空襲国賠訴訟:原告側の上告棄却、敗訴確定 最高裁

毎日新聞 2013年05月09日 12時53分(最終更新 05月09日 14時11分)

 東京大空襲(1945年3月10日)の被害者や遺族77人が「戦後の救済から取り残された」として、国に謝罪と総額約8億円(1人当たり1100万円)の賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(横田尤孝(ともゆき)裁判長)は8日付で、原告側の上告を棄却する決定を出した。原告側全面敗訴の1、2審判決が確定した。

 原告側は、国が51年のサンフランシスコ平和条約締結時に米国への賠償請求権を放棄したのは国民の保護義務違反で、被害者を救済せずに放置したのは国家賠償法上の違法な公権力の行使にあたる、などと訴えていた。

 1審・東京地裁は2009年12月、賠償責任を規定したハーグ陸戦条約について「交戦国の一部が条約加入しておらず、第二次世界大戦は適用外」と判断。その上で「戦争被害者救済はさまざまな政治的配慮に基づき立法を通じて解決すべき問題だ」と結論づけ、「苦痛は計り知れず、訴訟を起こした心情は理解できる」と原告に配慮しつつ請求を棄却した。

 昨年4月の2審・東京高裁判決も1審の判断を追認。原告側の「旧軍人・軍属らが補償を受けているのに空襲被害者に援護がないのは憲法の『法の下の平等』に反する」との主張には「援護を受けていない戦争被害者は今も多く存在する。被害の原因、態様、程度は非常にさまざまで、合理的な理由なく差別されているということは困難だ」と指摘した。【和田武士】

 【ことば】東京大空襲

 第二次世界大戦中の1945年3月10日未明、東京の深川、本所、浅草を中心とする下町の住宅密集地を、約300の米軍のB29爆撃機が襲った。被害地域は約30平方キロに及び、投下された焼夷(しょうい)弾は約33万発。死者は約10万人、焼失家屋約27万戸の甚大な被害が生じた。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日