セール表示:「消費税」文言なければ値下げOK 統一見解
毎日新聞 2013年05月08日 21時23分(最終更新 05月09日 00時59分)
政府は8日、来年4月に消費税率が5%から8%に上がる際のスーパーなどのセール表示について、「消費税」という文言など消費税と関連づけられる表現がなければ禁止しないとの統一見解を示した。「3%値下げ」などの表示が可能となる。
統一見解は消費者庁、公正取引委員会、総務省、財務省、経済産業省の連名。8日の衆院経済産業委員会の理事懇談会で提示された。禁止される広告・宣伝の表示は「消費税は転嫁しません」「消費税率上昇分値引きします」などで、「消費税」の文言が含まれるケースとした。
一方、表示全体から消費税を意味することが客観的に明らかでなければ禁止される表示には該当しない。具体例として、たまたま消費税率の引き上げ幅と一致するだけの「3%値下げ」や、消費税との関連がはっきりしない「春の生活応援セール」を挙げた。国会では増税分を円滑に価格に転嫁することを促す消費税転嫁法案が審議されている。
同庁は同法案成立後に具体的な事例を盛り込んだ詳細なガイドラインを公表する予定。
同法案は大手小売りなどが価格を据え置き、弱い立場の納入業者が増税分を負担させられるのを防ぐのが狙い。これに対し、流通大手は「国の過剰規制」と反発している。
増税時のセール表示については同庁幹部が4月24日に「『消費税』の文言を使わなくても、消費者から消費増税に関連した安売りと認識されるものは禁止」と発言。これに対し、麻生太郎財務相が26日の記者会見で「単なる『春の生活応援セール』とか、『3%値下げ』といった表示を規制することは法律の解釈として無理がある」とし、政府内の意見が集約しきれていなかった。【大迫麻記子】