憲法と、
岐路に立つ憲法。その60年余を見つめ直します
【社会】ツリー足元 受信障害 切り替え初日 墨田・台東・江戸川区2200件超
電波塔の足元なのに見えない−。NHKと民放キー五局の地上波テレビ放送の電波送信元が東京タワー(東京都港区)から東京スカイツリー(墨田区)に切り替わった三十一日、本来なら受信障害が起きないケーブルテレビの契約先で、少なくとも計二千二百件の受信障害が、ツリーのお膝元である墨田、台東、江戸川の三区で起きた。 (井上圭子) ツリーから約千七百メートルの本紙したまち支局(台東区雷門)。窓からはツリーが先端までよく見える。ところがツリーからの送信が始まった三十一日午前九時、画面は真っ暗になった。夜に入ってからは、正常な画像に戻ったが、時折ギザギザに乱れたり、音声が飛んだりしている。 本紙支局が入るビルは大手ケーブルテレビ会社のジュピターテレコム(ジェイコム)と受信契約している。同社によると、午前九時から午後十時までに、墨田、台東、江戸川の三区の加入者からツリー電波関連で二千百九十九件の相談電話があり、四百七十二件の工事要請に応じた。「工事班だけで三百八十四班、事務職も総出で対応している」と広報担当者。 同社によると、ケーブルテレビに加入していれば、通常は受信障害は起きない。それが起きたことについて同社は「強電界」と呼ばれるエリア特有の障害だと説明する。 テレビ電波が通る光ケーブルや室内のテレビ端子、集合住宅やビルで使用する分配器などは、長く使用して古くなると接続不良やすき間が生じる。それだけなら受信障害は起きないが、電波の発信源から半径十キロ以内の強電界では、空中を飛ぶテレビ電波がわずかなすきまから入り込み、ケーブル内の電波と干渉してしまい、受信障害が起きるという。「ツリーとの間に遮るものがない近い場所ほど、障害が出る可能性が高い」と担当者。 同社によると、こうした障害は東京タワーから電波が発信され始めた一九五九(昭和三十四)年にも起きた。当時、タワー近隣では電波が強すぎて受信できない家庭があり、放送局が電波を送るケーブルを敷設した。ところが、それでも受信障害が解消できないケースがあったという。 受信障害があった場合、放送局の負担で対策工事を行うという。 地上波テレビ放送の電波送信を東京タワーから東京スカイツリーに切り替えたことを受け、NHKと民放キー五局は三十一日、受信相談のコールセンターへの問い合わせが同日午前九時から午後十時までに一万七千七百九十二件あり、対策工事が必要とみられるのは七千六百六十四件だったと発表した。切り替えは同日午前九時に実施。六局はテレビが映らない世帯の対策工事を進めている。問い合わせはコールセンター=電(0570)015150=へ。 PR情報
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