地方震災廃棄物 99%再利用 清水建設が開発・実用化 宮城2013.5.31 02:06

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震災廃棄物 99%再利用 清水建設が開発・実用化 宮城

2013.5.31 02:06

 清水建設(東京)は30日、震災廃棄物処理の過程で発生する灰などを再利用する技術を開発・実用化したと発表した。同社は南三陸町で震災廃棄物処理を行う共同企業体(JV)に参加。2月からこの技術を使った施設を稼働させており、これまで約8割だったリサイクル率が99%にまで上がった。

 今後約半年間で、廃棄されるはずだった灰など約4万トンの再利用が見込まれ、約4億円の経費が削減されるという。同社は「がれきとなっても被災者の財産。できるだけ還元していきたい」と話している。

 同社によると、集められた震災廃棄物は細かく分別され、ごみを出さないように徹底した再利用が行われていた。それでも、焼却時に出る灰や津波堆積物から出た残渣などの利用は難しく、多くは廃棄されていた。仮に再利用されても、利用価値の低い土砂の代用品に限られていたという。

 そこで同社はリサイクル技術を開発する恵和興業(仙台市)の不燃混合物を再利用する技術を改良。その結果、不燃混合物に加えて、灰や残渣を細かく砕いてセメントと混ぜ合わせ、砕石に作り替えることに成功した。これまで不燃混合物とセメントから砕石を作成する技術は使われていたが、灰と残渣も混ぜて作られる技術は初めてという。現在、この技術は同JVのみで使われているが、将来的には他の現場での利用も検討している。

 砕石は路盤材やかさ上げ用の盛土に利用される。すでに同町の「歌津伊里前福幸商店街」の駐車場で使われた。同JVの太田美喜夫所長は「これまで灰に関しては最終処分場しかなかった。復興資材も不足しているので、再利用を進めたい」と話した。

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