第3日、8アンダーで首位に立ちホールアウト、ギャラリーの声援に応える中嶋常幸=大洗GC
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![写真](http://megalodon.jp/get_contents/127088797) |
◇ダイヤモンドC<第3日>
▽1日、茨城県、大洗GC(7190ヤード、パー72)▽晴れ、気温19・5度、東北東の風4・5メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝賞金2400万円▽67選手▽観衆5925人
またもシニアが主役に躍り出た。16位でスタートした58歳、中嶋常幸が1イーグル、5バーディー、1ボギーの66で回って通算8アンダーとし、首位に躍り出た。4月には66歳の尾崎将司が62をマークしてエージシュートを達成、5月には51歳の井戸木鴻樹が全米プロシニアで優勝。またシニア勢の頑張りだ。最終日は同8アンダーで首位タイにいる21歳、松山英樹(東北福祉大)との37歳差の最終組直接対決に臨む。
◆前半驚異の「30」
大ベテラン復活を喜ぶ歓声にプレーで応えた。最終18番、中嶋の第2打はグリーンをとらえられずラフに落ちた。ここからがツアー通算48勝の真骨頂。ピンまで25ヤードの第3打を80センチに寄せ、きっちりパーセーブ。「俺を誰だと思っているんだ」。冗談めかした高笑いで、快進撃を繰り広げた1日を締めくくった。
「大洗は大好き」。その言葉をゴルフで実践した。2番パー5。ピンまで約10ヤードから58度のサンドウエッジで放った第3打が、カップに吸い込まれた。「最高のアプローチだった。先に2人がチップインしていたので、どうしたものかと思っていたけど」。見事なチップインイーグルで波に乗ると4番、そして7〜9番と前半だけで1イーグル4バーディー、驚異の30で折り返した。「本人が一番驚いた。できすぎ」。大満足の1日だ。
◆ダイエット効果
2006年以来優勝から遠ざかり、10年1月には交通事故で右膝に重傷を負う不運もあった。転機は2年前。「きっかけはメタボ。体重計に乗ったら95キロあって、そこからダイエットを始めた」。夕食の時間を早め、アイスクリームを絶って83キロまで減らした。事故の後遺症が残る右足には月2度ヒアルロン酸注射が欠かせないが「体調は本当に良い」と言えるまでになった。
「初日のエージシュートじゃなくて3日目(首位)だからな」と、ジャンボ尾崎、全米プロシニアを制した井戸木への対抗心は隠せない。最終日は松山との37歳差対決。「なんであんな若いのと回らなきゃいけないの。朝一番で『俺を誰だと思っている!』って言ってやろうかな」。笑顔の裏には6年半ぶりの栄冠を見据えている。「自分とコースとの戦い、そこに集中する」。大会通算4勝の本領を発揮する。 (川村庸介)
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