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【サッカー】日本代表 異例のWミーティング2013年6月2日 紙面から
日本代表が異例の「ダブルミーティング」で結束と緊張感を高めた。ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦(4日・埼玉)に向け、ザッケローニ監督は1日の練習前、さいたま市内の宿舎で国際親善試合・ブルガリア戦を映像で振り返り、ディスカッション形式のミーティングで戦術面の相互理解を図った。その後、主将のMF長谷部誠(29)=ウォルフスブルク=の音頭で選手だけのミーティングを開催。長友、川島ら「南ア組」がW杯直前の危機を引き合いに、精神を強く持つ重要性を説いた。 宿舎の一室にW杯への思いが熱となって充満した。1日の昼下がり。ザック監督の指示の下、全選手が集められた。2失点を喫して無抵抗に敗れたブルガリア戦の反省会。試行した「3−4−3」の課題と成果などを取り出し、指揮官自身の戦術面の考えを伝えた。「毎試合やっている」(長谷部)という恒例の光景だが、その先が違った。 いつもは聞いているだけの選手側が率直な意見、疑問点を監督に問うた。机上の理屈ではなく、ピッチ上であぶり出された問題点をぶつけた。両者が微妙な考えのズレ、ざらついた気持ちをあえてさらけ出し合うと、戦術ミーティングはいつしか議論に発展した。これまでも監督と選手が個別に話し合うことはあったが、長谷部は「ミーティングで話せば他の選手も分かる。選手が発言するのは意義、意味のあること」と説明した。 その場で生まれた議論の熱量もそのままに、長谷部が音頭を取って選手だけのミーティングを開いた。気持ちが緩んでいたわけではない。圧倒的優位という状況が心の中に気付かぬスキを生んでいた。「一つの球への執着心。もっと厳しく、切磋琢磨(せっさたくま)してやっていこう」などと呼び掛けた。 さらに、長谷部の指名で川島、長友らW杯組が「修羅場」の経験を説いた。2010年のW杯直前、強化試合で韓国に惨敗した。だが、フラフラ、ヨロヨロのまま南アの地を踏みながらも結束し、躍進した経験がある。 長友は言う。「3年前の話をした。今も危機感はあるけど、(あの時のような)怖さはない。もっと厳しい状況を乗り越えてW杯へ行った。このくらいの壁はすぐにでも乗り越えられる」 この日の練習はウオーミングアップから明るかった。少しだけこわばった思いは、熱っぽい重鎮たちの言葉にも解かされて結束。大一番に向け、ニッポンがリスタートした。 (松岡祐司) PR情報
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