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【コラム 撃戦記】

勇者・河野 王座返り咲きに期待

2013年6月2日

 4、5月はボクシングの世界戦が多かった。いずれも好ファイトで会場は沸いた。日大キックボクシング部の後輩で元K−1レフェリーの大森敏範君が会場とテレビで観戦し、その後メールをくれた。その中で「ファンは勝者を見たいのではなく勇者を見たい」の言葉が印象に残った。一世を風靡(ふうび)したK−1のリングで観客の大歓声を聞いていただけに、眼力は鋭い。

 私としてはWBAスーパーフライ級王者河野公平(ワタナベ)の王座陥落が残念だった。暫定王者リボリオ・ソリスに0−2の判定負け。本紙評論家の畑中清詞氏は114対112で河野の勝ちを挙げていたが、私も同じ思いだった。2回に右ストレートでダウンを奪って河野が先制。中盤も積極的に出て流れをつくった。だが、終盤の8回、ソリスの左フックでダウンを奪われた。それでもひるむことなく前に出て見せ場をつくっただけに、最悪でも引き分け防衛と思ったのだが。

 ただ、王座から陥落はしたが、現役続行を表明して安堵(あんど)した。接戦では見てくれもポイント。ソリスの右フックに上体を右に傾ける河野のイメージは良くなかった。強いハートがあるのだから、そのあたりを課題に王座の返り咲きを期待したい。 (格闘技評論家)

 

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