焦点:全国CPIは6月にもプラス転化、ゼロの壁突破で消費喚起効果も
[東京 31日 ロイター] - 今朝方発表された5月東京都消費者物価指数(コアCPI)が約4年ぶりにプラス転化、サプライズとなった。エコノミストの間では、全国コアCPIについてもマイナス脱却時期の予想を前倒し、早ければ5月分からプラスに転じるとの見方が浮上。注目されるのは、円安によるコスト増を価格転嫁できそうだとの企業行動の変化と、期待インフレ率への波及だ。
「物価ゼロの壁」を突破すれば、企業の価格設定が消費の前倒しにつながり物価上昇に勢いが出てくれば、アベノミクスの思惑通りの展開が期待できそうだ。あとは所得の増加が後から追いつけるかどうかがカギとなる。
<テレビ価格に変化、コスト転嫁への動きも>
足元のコアCPIは、5月の東京がプラス転化し、全国の4月分も3月よりマイナス幅は縮小した。こうしたデフレ圧力緩和の大きな要因は、主に食料品・日用品への円安による輸入コスト転嫁と、自動車保険料の引き上げによるところが大きい。
もっとも今回の消費者物価の動きを見て、従来とやや異なる企業の価格設定の動きが出てきたことが注目されている。
一つはテレビの価格がここにきて下げ止まりから上昇に転じつつあることだ。SMBC日興証券では「テレビについては、従来は調査対象銘柄変更や新製品投入などの特殊要因で押し上げられるケースがあったが、今回はどちらにも該当しないようだ。特殊要因でないとすれば、需給を素直に反映していると考えられる」と見ている。
またエアコンも前年比上昇、3月までの下落とは様相が異なる。伊藤忠経済研究所では、こうした動きが統計の歪みの影響を除いたとしても値下げの動きが一服している可能性があると指摘、「消費者の低価格志向の弱まりを踏まえた、企業行動を反映した動きとも解釈できる。こうした解釈は、現段階では推測の域を出ないが、6月日銀短観などで、企業の価格認識の変化が示される可能性がある」と見ている。
消費者サイドからみても、期待インフレ率は相当上昇している。クレディスイス証券の試算によれば、消費動向調査による1年後の物価見通しをもとに分析した期待インフレ率は4月に2.5%と、日銀の物価目標2%を越えて上昇している。同調査では身の回り品や電気料金に影響されやすいが、1年後には相当上がっていると消費者が認識していることを示す。 続く...
政権圧力で反対派は戦々恐々
ロシアではプーチン大統領に批判的な団体や個人への取り締まりが強化。反体制派は「次の標的は誰か」と不安を抱いている。
記事の全文 | 特集ページ