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アレルギー対応ケーキ店閉店…仙台、6月末で
全国でも珍しいアレルギーを持つ人向けのケーキを専門に作っている仙台市太白区西中田の「洋菓子しおんボンバイエ」が、6月末で閉店することになり、客からは惜しむ声が出ている。
約28年間、店を切り盛りしてきた中沢敦さん(69)、千恵子さん(65)夫妻は
アレルギーを持つ人のためにケーキを作り始めたのは、15年ほど前。幼稚園教諭から「アレルギーの子どもがみんなと同じケーキを食べられるよう、卵や乳製品抜きで作ってもらえないか」と依頼されたのが、きっかけだった。
「アレルギーが何かも知らなかった」という夫妻は図書館に通いつめながら原料から勉強し直したが、半年ほどはふわふわした食感が作れなかったという。里芋やベーキングパウダーの量などを工夫し、「満足できるものが出せるようになったのは数年前から」と敦さんは言う。
「お客さんが食べて体調を崩さないか心配で、最近まで購入翌日に電話していた」と千恵子さん。これまでにアレルギーを起こした人は1人もいないという。
だが、完全注文制で、クリスマス時期以外の注文は月10件程度。少しでもアレルギー成分が混ざると命にかかわるため、器やまな板なども材料ごとに使い分けなければならない。
体力面でも、きつくなってきた上、「まったくもうからない商売で、継いでくれる人はいない」(敦さん)ため、やむを得ず、1985年から始めたケーキ店の閉店を決めた。
小学5年の長女がアレルギーで、同店を利用してきた名取市の母親(44)は「関西から取り寄せたこともあったが、この店のケーキは他より断然おいしい。残念だが、感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
(2013年6月1日 読売新聞)
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