県健康長寿課は29日、精神障害者の医療費や介護保険に関わる個人情報計約2万9千件(7千人相当分)を記録したCD―ROMや書類を紛失したと発表した。外部への流出は確認していないとしている。県庁で会見した同課の小林良清課長は、担当職員の管理に問題があったとし「受給者、県民におわび申し上げる。再発防止に全力を挙げる」と述べた。
県は外来通院や措置入院の費用のうち一部を負担している。紛失したのは、県負担分を県国民健康保険団体連合会などに支払う基になる資料で氏名や病名、医療機関、公費負担額などのレセプト(診療報酬明細書)のデータ1万5665件が入力されたCD―ROM2枚やレセプトデータの要点1万3235件を記録したCD―ROM1枚など。同課はこれらを昨年11月上旬、国保連などから受け取った。支払い事務は終えており、5年間の保管期間だった。
これらは紙袋に入れ、同課事務室の奥に他の書類と混在して積み上げられた状態だった。近くには紙くずや他の書類の山もあったという。同課は、この職員が外部に持ち出していないと話したことや、勤務時間外は事務室が施錠されているため、「誤って廃棄した可能性が高い」とした。
担当職員がことし3月23日に紛失に気付いたが4月に他部署へ異動。後任の職員がこの職員から紛失を聞き、探したが見つからなかった。小林課長は「鍵の掛かる場所の確保、チェック態勢を整備する」とした。