国連拷問禁止委員会 日本に勧告6月1日 4時58分
拷問や非人道的な扱いの禁止を定めた国連の条約に関する委員会は、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る大阪市の橋下市長の発言などを念頭に、日本の「地方のトップや、政治家が事実を否定し、元慰安婦を傷つけている」と指摘して、政府がこうした発言に反論するよう求めました。
国連は、拷問や非人道的な扱いの禁止を定めた条約に基づいて「拷問禁止委員会」を設けて、加盟国が条約を守っているかどうか数年ごとに審査し、勧告をまとめています。
委員会は31日、日本に対する勧告を発表し、いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る大阪市の橋下市長の発言などを念頭に、日本の「地方のトップや政治家が事実を否定し、元慰安婦を傷つけている」と指摘しました。そのうえで、日本政府がこうした発言に反論するとともに、いわゆる従軍慰安婦の問題の法的責任を認め、関係者の処罰など解決へ向けた対策を直ちに取るよう求めています。
ただ、日本政府は、いわゆる従軍慰安婦は太平洋戦争中の問題であり、1987年に発効したこの条約の対象にはならないと主張しています。
拷問禁止委員会のクラウディオ・グロスマン委員長は、記者会見で「われわれはこの問題に懸念を持っており、注目を集めるべき問題だと考えている」と述べました。
日本側の主張全く反映していない
外務省関係者は「いわゆる従軍慰安婦の問題を巡る戦後処理については、サンフランシスコ平和条約の締結などによって、法的には決着がついているが、アジア女性基金をつくって償い金を拠出するなどの対応をとっている。勧告には、委員会に伝えた日本側の主張が全く反映されておらず、今後、内容を精査したい」としています。
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