政治いま:安倍好きVS安倍嫌い(その2止) 高支持に保守派高揚 リベラル派は苦悩

毎日新聞 2013年03月29日 東京朝刊

 「冷戦終結で左翼的なものが崩壊した時代に思想を形成した今の30代男性が、勇ましいイメージを意識的に打ち出す安倍政権のマーケティングの対象となり、それが成功している可能性もある」との分析だ。

 若さと清新なイメージで登場した第1次安倍内閣の支持率は06年9月の毎日新聞世論調査で67%を記録。男女別では女性が69%で男性の63%を上回った。しかし、今年3月の調査では男性73%、女性68%と逆転した。

 秋田県男鹿市のウェブ制作会社に勤める男性(36)が昨年、安倍氏が交流サイト「フェイスブック」にページを開設した直後に「友達」申請をすると、すぐに「承認」の返信が届いた。「大物政治家なのに反応が早くて驚いた。カツ丼を食べたとか親しみやすい書き込みで、ネットの使い方がうまい。僕らの世代と会話ができる政治家だ」と共感を語る。秋田ではまだ景気回復の実感がないが、首相の実行力に期待感が高まっているという。

 こうした雰囲気が護憲派の危機感に拍車をかける。水島教授は「多くの人が新聞を読まなくなり、インターネット情報による瞬間風速の印象で政治を語っている。権力の頂点にいる安倍氏がフェイスブックで改憲を語り、フワッとした改憲を誘導する危うさがある」と指摘する。

 ◇「暮らし」後回し不安

 女性の支持が低いわけではないが、「経済」や「憲法」の陰に隠れて「暮らし」の先行きが見えない不安を感じる女性もいる。子育て支援のNPOや企業で構成する「にっぽん子育て応援団」事務局(東京都新宿区)の松田妙子さん(43)は「女性の働き方を変えないで、給料だけ小手先で上げればいい話ではない」とアベノミクスへの違和感を語る。

 「景気がよくなれば最後には家計が潤うと言うけど、最後って何十年後の話?」

 被災地・福島県三春町で2児を育てる会社員の橋本玲子さん(41)は、子育て支援が後回しにされる不安に原発再稼働方針への不信も重ねる。

 ◇小泉政治に相似

 経済が失速すれば支持率も下がるのか。シンクタンク「新外交イニシアティブ」事務局長の猿田佐世弁護士(36)は小泉純一郎元首相の人気を思い返す。

 「尖閣諸島や竹島の問題で安倍氏は威勢のいいことを言う。アベノミクスの三本の矢も小泉氏のスローガン絶叫政治に似ている」

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