【台北=山下和成】EMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は31日、ディスプレー関連の研究開発子会社を大阪市に設立したと発表した。電機大手のリストラで流出した人材を確保し、スマートフォン(スマホ)や液晶テレビに使うパネルなどの技術開発力を高める狙いがあるとみられる。
研究開発子会社の社長にはシャープで液晶生産技術開発本部の本部長などを務めた矢野耕三氏を迎えた。採用人数は非公表。今後、横浜市にも同様の拠点を設ける。
同子会社ではスマホなどの端末やタッチパネルなどの関連部品について、製造工程や技術、設備などの研究開発を手掛ける。台湾や中国の拠点とも研究成果を共有していく考え。「端末の設計機能なども磨きたい」(鴻海の広報室)。鴻海とシャープが共同運営する堺ディスプレイプロダクト(旧シャープ堺工場、堺市)とも技術開発で連携する方針。
鴻海は端末の部品生産や組み立て、販売までを一貫して手掛けて収益力を高める「垂直統合戦略」を推進している。パネル事業の技術力向上を目指し、昨年3月にはシャープへの出資を表明、同7月にはシャープの堺工場にも出資した。
だが足元では最大顧客の米アップルの成長が減速。鴻海の2013年1~3月期の連結売上高は3年半ぶりの減収だった。液晶パネルの生産拠点がある日本に研究拠点を設け、幅広い顧客から多様な製品を受注できる技術力を磨く。「日本の大手電機メーカーからの流出人材の受け皿にもするのでは」(アナリスト)との見方もある。
鴻海は3月下旬にシャープに9.9%出資する交渉がいったん期限切れを迎えた。シャープへの出資問題に関しては、31日時点で「新たな進展はない」(鴻海)としている。
鴻海、シャープ、スマートフォン、アップル
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