ヤクザの息子、不倫、売春街の弁護士…橋下氏の素顔

■「出生の秘密」めぐる週刊誌との闘い

 日本の週刊誌が橋下氏に照準を合わせたのは11年のことだった。橋下氏が中学1年の当時、初めて家出したことや、高校の同級生だった妻と同棲していた学生時代のことなどを暴露した。しかし、最終的なターゲットは橋下氏の「出生の秘密」だった。橋下氏が小学2年のときに亡くなった父親、本名・橋下之峯(はしした・ゆきみね)の正体だった。一家は「橋の下」という意味を嫌い、苗字の読み方を「はしもと」と変えたとされる。

 橋下氏の父親の同和出身説と自殺説を最初に指摘したのは、ノンフィクション作家の森功氏が2010年12月に『g2』に掲載した『同和と橋下徹』という記事だった。森氏は同和地域の大阪府八尾市安中地区に橋下氏の父親が住んでいた事実を確認した。ただし、生来の同和出身者だったかどうかは確認できなかった。橋下氏の母親が「夫は時々ここで暮らしたが、先代から住んでいたわけではない」と証言したからだ。

 1年後の2011年10月には「『同和』『暴力団』の渦に呑まれた独裁者『橋下知事』出生の秘密」(週刊新潮)「橋下徹42歳 書かれなかった『血脈』」(週刊文春)といった雑誌記事の掲載が相次いだ。最も詳しかったのは、ノンフィクション作家の上原善広氏が月刊誌の『新潮45』に寄稿した「最も危険な政治家 橋下徹研究」だった。

 上原氏は「安中にある墓所には橋下徹から三代前の曽祖父の名が刻まれている」と書いた。「代々住んでいたわけではない」とする母親のインタビュー内容を覆す事実だ。決定的証言は橋下市長の叔父、橋下博トシ氏(トシは亟の下の一をれんがに変えた字)の口から出た。スキンヘッド姿で土木・設備工事会社を経営する叔父は、同和事業の利権に絡むやくざの出身だった。その息子は金属バットで殺人事件を起こし、服役した前歴がある。

 「アニキが入ってたんは土井組や、わしも入っとったけど、今はもう解散してない」(博トシ氏)

 橋下市長の父親と叔父はいずれもヤクザで、安中で生まれた同和出身者だった。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)週末ニュース部長
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