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【サッカー】

長友が危機感訴えた 「このままでは手遅れになる」

2013年6月1日 紙面から

ブルガリア戦から一夜明け、ボールを使って調整する長友。左は今野=愛知県豊田市で(由木直子撮影)

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 「世界のトップを目指しているのか?」「本気になってやっているのか?」−。日本代表のDF長友佑都(26)=インテル・ミラノ=が国際親善試合のブルガリア戦から一夜明けた31日、目の前にある「危機」を訴えた。ホームでまさかの2失点完敗。ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦(4日・埼玉)を直前に控えながら、同じ未来図を共有できないチームメートに強烈なメッセージを発した。

 泰然と話しながら眼光は鋭かった。「僕自身もチームもすべてのパフォーマンスに失望した。これでは世界で戦うのは難しい」。ブルガリア戦から一夜明け、ランニングなどの軽めの調整をした長友。練習後、腹の底にたまった憤り、苦り切った思いは危機感を帯び、言葉となって口を突いて出た。

 「厳しさ、ハングリーさ、勝利に対して貪欲になる気持ち。どれだけの選手が世界のトップを目指しているのか、真剣に考えているのか。正直、足りないと感じた。考え直さないと本当の意味での成長はないと思う」

 親善試合であっても力を尽くさぬ限り、そこに収穫も課題もない。

 「僕は勝つために貪欲になりたい。内容も求めないといけないけど、勝たなければいけない。日の丸を背負っている以上、見に来てくれた子どもたちにも申し訳ない。正直、恥ずかしいし、情けなかった」

 世界の実力を肌で知り、そこまでの距離も把握している。「日本代表はまだ世界の仲間入りをしていない。本当に強いチームならコンディションがどうであっても勝ち切るし、負けることはない」。長友には物足りないのだ。高みを目指す意識、世界で戦う未来を共有できていないから歯がゆい。

 「W杯まであと1年しかない。どれだけの選手が本気になっているのか。お祭りに行くのではない。勝つために行くんだ。(意識改革を)しないといけない。ちょっと、このままだと手遅れになる」

 すべての戦いは「W杯優勝」へとつながる過程だ。「(昨年10月の欧州遠征時は)モチベーションも高かった。あのときの気持ちが今もあるのか。僕も含めて忘れかけているのではないか。いま、コンフェデを戦えば全敗する。考え直さないと」。長友の言葉がニッポンの反発力を生めば、世界は見えてくるはずだ。 (松岡祐司)

 

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