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顔見知りによる犯行か 酒田・大学生刺殺

殺された設楽さんが住んでいたアパート=31日午前8時ごろ、秋田県酒田市

 秋田県酒田市高見台2丁目のアパートで東北公益文科大(酒田市)2年の設楽亮介さん(19)が刺殺されているのが見つかった事件で、酒田署の捜査本部は31日、設楽さんの部屋を現場検証し、周辺で凶器を捜索するなど本格的な捜査に着手した。顔見知りによる犯行の可能性もあるとみて、犯人の行方を追っている。
 捜査本部によると、設楽さんの部屋は2階建アパートの2階にあり、間取りは居間1室と台所などの1K。先月29日に遺体が発見された際、部屋の玄関や窓の鍵は閉まっており、鍵をこじ開けたような形跡はなかった。
 設楽さんはベッド周辺にうつぶせで倒れており、着衣に乱れはなく、室内を荒らされた跡もなかった。部屋の電気は消えていたという。
 大学関係者や友人らによると、大学内で設楽さんの姿が確認されたのは27日が最後とみられる。
 大学は出席カードの記録から、同日午後2時40分〜4時10分の授業に出席したことを確認している。同じサークルの男子学生は「最後に会ったのは27日の昼。特に変わった様子はなく、次の授業のことなどを話した」と語った。
 捜査本部は、アパート周辺や大学で引き続き聞き込みを行い、27日夕方以降の足取りや、設楽さんがトラブルに巻き込まれていなかったかなどを捜査する。

◎友人、知人ら憤り/サークルで「明るいやつ」/実家を手伝う「優しい子」

 秋田県酒田市の自宅アパートで刺殺されているのが見つかった東北公益文科大2年の設楽亮介さん(19)は、学内のサークル活動を掛け持ちするなど、明るく社交的な青年だった。山形市の実家に戻って田植えを手伝うなど親孝行の一面もあり、友人や知人に悲しみと怒りが広がった。
 大学の同級生らによると、設楽さんは弓道部と天文部に所属し、友人も多かった。天文部の男子学生(19)は「明るく真面目で、人から恨まれるようなやつではない。こんなことになって信じられない」と絶句した。
 サークル活動で交流があったという男子学生(20)は「警察には早く犯人を見つけてほしい。犯人は自分から出てきてほしい」と憤った。
 同大は公益学部公益学科のみの私立単科大学。大学側によると、設楽さんは勉強熱心で、講義を休むことはほとんどなかった。8月に実施されるロシアへの短期語学留学に参加するため5月24日に応募したばかりで、楽しみにしている様子だったという。
 大学法人の酒井文敏専務理事は「事件に巻き込まれ、本当に残念だ。教職員や学生には動揺しないよう呼び掛けたい」と語った。
 設楽さんは山形市出身で、昨年3月、村山地方の県立高校を卒業した。同校の教頭は「担任だった教師から、真面目で何事にも一生懸命取り組む生徒だったと聞いている。夢と希望を持って進学して大学生活を送っていたのに、将来を絶たれてしまい残念で憤りを感じる」と話した。
 実家は山形市北部にあり、5月中旬には、田植えを手伝うため酒田から帰ってきた姿を近所の人が見ている。
 実家近くに住む男性(68)は「優しい子で、恨まれるような人ではないのに、どうしてこうなったのか」とやりきれない表情。子どものころを知る女性(76)は「いつもにこにこしていて、かわいらしい子だった」と、しのんだ。


2013年06月01日土曜日


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