特集ワイド:続報真相 橋下氏弁明 倫理で失速、建前に失笑 「ウソついてはるわ」追及に守勢

毎日新聞 2013年05月31日 東京夕刊

日本外国特派員協会で開かれた記者会見が終わり、退出する橋下徹・大阪市長=東京都千代田区で2013年5月27日、西本勝撮影
日本外国特派員協会で開かれた記者会見が終わり、退出する橋下徹・大阪市長=東京都千代田区で2013年5月27日、西本勝撮影

 「面談するか、断るか。結論が出たのは前日深夜でした」と話すのは元慰安婦を支援する「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」の奥田和浩共同代表だ。発言を撤回しない橋下氏と会うのはつらいという元慰安婦2人。一方支援者は、発言撤回を迫るために行きたいと思っていた。

 昨夏、元慰安婦は橋下氏から面談を断られ、今年4月に再び面談を申し入れた。大阪市役所担当者に何度問い合わせても「検討中」との返事だったが、橋下氏の発言後「元慰安婦2人と面談する」と一転。批判が高まると、通訳を入れて5人、支援者を含めて10人でもいい、と譲歩してきた。

 「しだいに、橋下氏は面談を落としどころにしようと考えた上で慰安婦発言をしたのでは、と疑いを持つようになりました。橋下市長が高齢のおばあちゃん2人の手を取って涙を流し、謝罪する映像が世界に流れたらと思うと我慢ができなくなった」(奥田さん)

 政治ショーが得意な橋下氏への不信感が、中止を決断させた。

 27日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で海外メディアを前に橋下氏は会見した。

 イタリア人記者 「女性の尊厳を尊重するという発言があった。橋下市長は大阪の飛田の組合……売春組織といっていいのか……の顧問弁護士だったと批判されている。売春は違法だが、どう自身を納得させているのか」

 橋下氏 「かつて顧問弁護士だったことは事実です。飛田の組合という料理組合の顧問弁護士です。日本において違法なことがあれば、捜査機関が適正に処罰をします。料理組合自体は違法でもありません」

 日本人記者 「飛田は、お金を払えば買春できることは大阪のちょっとませた中学生なら誰でも知っています。中学生が聞いていて『橋下さん、ウソついてはるわ』と思うような詭弁(きべん)を弄(ろう)して一人の政治家として恥ずかしいと思いませんか」

 橋下氏 「違法なことがあれば捜査機関によって処罰されます。以上です」

 失笑がもれたのはその時だ。これまで既成政党や行政などを「本音」で痛烈に批判して人気を集めてきた橋下氏が、「建前」で保身に転じる姿があらわになった。

 会見終了後、橋下氏に同行していた中田宏国会議員団政調会長代理は「これからまだまだ尾を引く議論になるだろうと思います。既に参院選への影響は大きく出ている」と険しい表情で語った。起死回生は果たせなかった。

 ◇問責回避で逆襲するが…

 それにしても、疑問が残る。橋下氏はこれまで「ふわっとした民意」を巧みにつかみ、支持を得てきた。しかし、今回、なぜ自身の本音と世論のギャップに気付かなかったのか。

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