2007年8月のこと


1日(水) 久しぶりのジンギスカン

 今朝は昨日より早めに起きた、起きられた、足のケアは済んでいるので髭を剃ってお弁当を詰めるだけだ。
 台風が近づいているけどピーカンの快晴で汗ばむほどの朝だから、こちらも負けじと気合いを入れないと。
 以前は五反田駅から浅草線だったけれどもここ二週間は品川から京急に乗ることにしている、百七十円のところを百三十円で乗っている。
 これも足が治るまでの電車通勤だ、治れば時間があれば五反田から、無ければ品川駅から歩くことにするだろう。
 して、今日は時間があったので京急品川駅構内のえきめんや品川店に、何度か立ち寄ったことがある。
 食べたのは冷やし豆腐一丁そば四百五十円、ネギ多めにしたけど値段が高い気がする。
 豆腐がそのまま一丁のっていて、あとは揚げ玉と花カツオ、醤油をかけるとちょうどいい気がするけど、お蕎麦には濃すぎてしまうし。

 午前中はダラダラと過ごしてお昼、今日のお弁当は夕飯のおかずの残りの焼き肉に、お総菜のコロッケ、ご飯の間には海苔を挟んでみた。
 ノリ弁なのだけど手のりたまののりたまをかけて食べる、いつまで続けられるか分からないけど、お弁当生活も悪くない。

 午後はちょっとプログラミング的なことをやっていたので、眠くはならないし時間の経つの早いし、あっという間に外が暗くなってしまった。
 プログラミングを始めたのは初めてパソコンを買った(当時はパソコンと呼ばずにマイコンと呼んでいた)十八歳の時だから、もう三十年近くやっているわけだ、毎日やっている訳じゃないけどずっと心に秘めていたのは間違いない。
 気持ちの上では一生プログラマーなのだけど世間様がそうは許してくれないのでなかなか難しい、趣味の範囲でやる分には全く構わないのだけど。

 暗くなってそそくさと店じまいして新宿へ向かう、帰り道といえばそうなのだけど場所的には代々木に近い店、東京ジンギスカン倶楽部のシールが眩しい北海道ジンギスカン北牧場@代々木、どのくらいぶりなのだろうか。
 新宿御苑にあった頃はあまり通えなくて代々木に移ってからは毎月通っていたのだけど、人当たりが良くてとてもステキな女将さんが辞めてしまってからパタリと足が途絶えてしまった。
 今年に入って隣のラーメン屋でラーメンを食べた帰りに覗いてみたらラーメン屋の女将さんがジンギスカン屋の女将さんになっていて、これは行かねばとずっと思っていて、やっと実現。
 いつの日か一人でのんびりジンギスカンする身分を目指しているのだけど、その足固めの意味もあって通わなければ。
 店内は三割の入りで暑い夏は苦戦を強いられるのかなと思ったりする、女将さんは予想通りに元隣のラーメン屋の女将さんだけど、もう一人のバイトの女の子はここ代々木に移ってからずっと働いている子、メガネが変わっていた。
 部下を呼び寄せての月度報告会、まずは生ビール五百円にジンギスカンセット九百八十円、セットにはモヤシが付いてくる。
 都内には沢山のジンギスカン料理屋があるけど、ラムに限らず肉を焼くなら炭火だと思っているし、炭火だと火の調整は欠かせないのでお店の人の賄いか自身の気心のどちらかが必要である。
 七輪はカウンター台の先の低いテーブルから動かさないタイプで、低い位置でラムや野菜を焼くことになる、他の店でこの方式を見たことがない。
 一口大に切りそろえてある生ラムをじっくり火が通るまで焼く、焦げ目が付くくらいに焼けたら同じように焦げているモヤシと一緒にツケダレに運び、浸すようにたっぷりとタレを染み込ませて食べる。
 醤油ベースであっさりしたタレ、ラム肉の味を邪魔しないさっぱり感がたまらない、口の中で噛んでいる間は目が開けられないほど。
 ちょうど目の前で頼んでいる人がいたのでキムチ五百円も頼んでみた、自家製ということはないだろうけど自家製かと思うくらいの旨さ、いい感じだな。
 モヤシ三百円を追加する、追加分はお皿にこれでもかというくらい乗せられているけど三百円は高いんじゃないのかなぁ、とあるラーメン屋ならサービスだよとか思ったりする。
 店は終始満席状態でお客さんが帰ったらすぐに新しいお客さんが来る状態、なんだかんだ言って流行っているのだな。
 肉が無くなったので追加ジンギスカン八百五十円、暖まってしまうわけじゃないけれども一人前ずつ頼む、一人前でも二人前でも付いてくる脂身の肉は一つなのでね。
 生ビールが終わったので二人で飲もうと赤ワイン千五百円を頼んだけど、かなり量が少ないボトルで一人分しかない感じ、返って割高だな。
 一応ワイングラスを出してくれるのだけどゼリーグラスの方が店の雰囲気に似合うんじゃないだろうか、キッチリと赤ワインという印象の味わいだった。
 隣の人が食べていたのでジャガイモ五百円、火が通りにくい大きさだったけどそこは炭火、しばらくすると芯まで暖まっていてバターを乗せて美味しくいただいた。
 飲み終わってもう一人前肉を頼み、飲み物はレモンサワーにした、店で作るんじゃなくてハイリキ缶を冷蔵庫から出して氷入りのジョッキに入れるだけだ。
 七時半スタートで九時過ぎに食べ終わってお会計、一人五千円は高いのか安いのか分かりにくい標準的な値段。
 ちょうど目の前にアルバイトの子が食器を片付けようと立っていたので「お店、長いですよね」と声を掛けてしまった、相手も私のことをうっすらと覚えていたようで愛想笑いに気持ちがこもっていた。
 女将さんはお会計の後で店出口まで見送ってくれた、何気ないことだけどなかなかできないこと、早く顔を覚えてもらいたいなぁ。


2日(木) ケイコリー、ライブ

 今日は西方面へ出かけるのでお弁当はなし、朝になって決めたのではなく昨日のウチに決めておいたので、ついうっかり寝坊。
 玄関を出ると地面が湿っている、夜のうちにかなりの量の雨が降ったようだけど全く気が付かなかった。
 それにしてもいい天気でまさに真夏、そういえば昨日から八月になっていたか。

 午前中は定例的な打ち合わせ、明日休みをもらうので金曜日の定例会を今日に前倒ししたのだ、昨日のウチから資料を準備しておいたのでつつがなく終了。
 お昼をどうしようかと考え、いっそ食べないという選択肢もあったのだけど、さすがにそれはまずいかなとほっかほっか亭泉岳寺店へ。
 豚肉辛子高菜炒め四百三十円、お肉がサッパリと仕上げられいてとても美味しかった、また食べてみたいな。
 よおく考えたら辛子高菜って博多トンコツラーメンの時にしか食べていない、こうして肉と一緒に炒めると結構美味しいのはキムチと同じだな。
 今度作ってみよう。

 仕事を三時頃に早退して品川から新幹線で名古屋へ、友達がライブを聞きに行くというので付き合うことにしたのだ。
 のぞみでスーッと向かえばノンストップで名古屋まで行ってしまう、下手に寝て寝過ごす方が怖いくらいだ。
 時間の余裕を見て早めに到着したので先ずはぐるめん@名駅新幹線下りホーム東京寄り、きしめん屋なのに日本蕎麦も扱っている店である。
 食べたのは冷やしきしめん四百円+ねぎ多め、きしめんも汁もドンブリも充分に冷やしてあってとても美味しかった。

 まだまだ時間に余裕があったので名古屋駅構内半地下にある驛麺(えきめん)通りへ、以前は六軒だったような気がするが一軒増えたのか。
 時間的にもう夕飯を食べだしてもいいはずなのにどこの店もガラガラだった、お客さんが誰もいないということはないようだけど。
 どの店も取り立ててそそらないのは、いずれも「ご当地を模している」だけで誘致しているみせは一軒もないからだ、「北海道に行けばこんな感じのラーメンが食べられますよ」的な営業方針は私にはどうしても馴染まない。
 どこの店でも同じとは思うのだけど少しでも何か変わった店をと、以前はなご家があったはず店舗の屋台高山中華そば@名古屋駅驛麺(えきめん)通り、信州長野のラーメンを模した店である。
 季節柄冷やしをやっていたので試しに高山ざる中華七百五十円にしてみた、本来ならば六百円くらいのところを名駅内値段だな。
 ソウメンのように細い麺は長野ラーメンの特徴だけど、その麺を冷やしたんだからソウメンのように一つかみずつザルに乗せないと麺同士がくっついてしまうんじゃないかなと心配していたら、案の定、くっついていた。
 ツケダレは醤油味薄めの味付けだけど、ラーメンのスープとしてならば完成度は高いのだがつけめんのツケダレとしてではちょっとなぁ。
 チャーシューは細切りされていてなかなかの味わい、メンマは美味しい方、山菜ワサビが添えられていてこれは美味しかった。
 スープ割りはイマイチだった、今後に期待、していいのだろうか。  

 足が何でもなければブラブラと歩いてもいいのだけど情けないことにタクシーに乗る、ついこの前から禁煙が始まっているはずなのでその話しを振ると、運転手さんはしゃべるしゃべる
 地方といっては言い方が悪いが、出先では少し高いけれどもタクシーに乗って運転手さんと話すのが好きだ、ホンの五分であってもね。
 ライブハウスjazz inn LOVERYに着いたのは開場一時間くらい前、もう並んでいる人がいたので順番に並ぶ。
 早く並ばないとパイプ椅子になったり立ち見になったりするとのことだったけど、開場してみたらなんてことないチケットの番号順、つまりチケットを買った順番で案内された、何とかステージから二つ目の近い席で嬉しい。
 生ビール六百円で乾杯してサンドイッチと海老の唐揚げを頼んでじっと開演を待つ、が待てど暮らせどなかなかミュージシャンが出てこない。
 ライブでもコンサートでもそうなんだけどどうして開演時間を守れないのだろうか、もったい付けているわけじゃないだろうし、土壇場にきて何か調整しているわけでもないだろうに。
 一分一秒でも早く会いたいと思っているのはファンの方だけで、アーティストの方はそうでもないのかな、よく分からない。
 二十分遅れでケイコリーライブ(公式ホームページ)、ピアノ、ベース、ドラムと従えてのジャズセッション。
 ボーカル抜きのジャスライブも多いが楽器の演奏を邪魔しない素晴らしいボーカル、ビリビリと魂を揺さぶられ、後半では手が痛くなるくらい手を叩いてしまった。
 二十二時までの予定が終わってみたら二十三時近くまで、アンコールのスタンドバイミーがまた素晴らしかった。
 握手会とかサイン会とかはなくてもよいけど、せめてCDくらい売ってくれても良かったのに、絶対買ったのにな。

 ライブハウスを出て「遅くまで営業していてホテルに近い店」ということでリストアップしてもらっていたラーメン屋、鴨らーめん竹亭@名古屋市中区ホームページ)。
 あちこちのホームページで「見つけにくい」とあったけど、簡単に見つかった、都内にはもっと見つけにくい店がたくさんあるし。
 二十人は座れそうな長いカウンターだけのお店、元気のいい店長さんは赤坂本店の大将の息子さん、愛想のいい女将さんは店長の奥さんじゃなくて本店大将の奥さんのようだ(未確認)。
 すぐにラーメンを食べようかと思ってメニュ立てを見たらサイドメニュに釘付け、あとはもうホテルで横になるだけだから酒でも飲むかと。
 聞くとお酒のメニュは無いそうで口頭で伝えられた銘柄を聞き流して「焼酎をロックで、薄めのウーロンハイ」をオーダー。
 ツマミには鴨ねぎ千円に味メンマ五百円、メンマはここ名古屋ではよく見かける羊羹のように大きいタイプ、それでいてサクサクと簡単に噛みきれる食感、久しぶりに好陽系のラーメンが食べたくなるよ。
 鴨ねぎはねぎたっぷりで鴨肉がいい感じで混ざっている、実はこの世の中で一番好きな肉が鴨肉、専門店になってしまうと超高級店になってしまうので、普通の鴨肉を普通の値段で食べさせてくれる店はないかな。
 ロックとウーロンハイをお代わりして店員さんとも明るくお喋りしているうちに、入り口近くにも少しずつお客さんが入ってきてもう日付は変わっているというのにお店は満席近くなってきた、二時まで営業は伊達じゃないな。
 そろそろラーメンを食べるかともう一度メニュ立てを見たのだが、悩む。
 一杯千円を超えるラーメンは余程のことがない限り食べないようにしている、スープと麺が高いのではなくトッピングが高いからだ。
 ま、そうなんだけどたまにはいいかなと鴨らーめんロース千八百円、友達は鴨らーめんもも九百円、あっという間に出てくる。
 それにしても大きく八角形に角張ったドンブリ、神様にお供えをするかのように足が高くなっていて見た目で圧倒される。
 鴨の骨というか端材というかそのまま食べられない部分と野菜とから作られているスープ、レンゲですくって一口飲むと思わずニンマリしてしまう、さすがネットで絶賛の味わい、値段相応という気もしないでもないが。
 博多ラーメンより素麺より細いストレート麺は茹で時間が秒単位なのだろう、茹で湯に浸してある深ザルに麺を入れたら大将はその場を離れることなくずっと麺を見ていて、沈んでいた麺が浮き上がってきたら茹で上がり。
 ホームページではクロレラを練り込んである特注品とあったが酔っぱらいにはそこまでは分からなかった、とても食べやすい麺だというのは分かったが。
 三つ葉に斜め切りされたネギに、その上に乗せられているのが鴨肉三切れ、鴨肉の上にさらにサンショが添えられている。
 鴨肉は生でも食べられる状態だが「スープに浸して色が変わったらお食べ下さい」との説明通りにしてみる、はぁ、旨い、箸も口も目も時間も止まってしまう。
 まあこの三切れで千円ってのは相場的には高くないけどラーメンに乗せると途端に高い気がする。
 スープも殆ど飲んでしまった、いやぁ、とんでもないラーメンを食べたよ。
 お会計を頼むと既に領収書に金額が書き込まれていて、二人合わせて八千円強、ラーメン屋でこの値段は人生の中で最高である。


3日(金) 初めてのひつまぶし

 泊まったホテルは全国チェーンの東横インだったので、朝は無料のモーニングがある、ホテルによってメニュはまちまちだ。
 無料サービスはいいけど内容によっては「お金を取ってももう少しまともな方がいいんじゃないか」といいうホテルもある、無料サービスしたからといってお客様は必ずしも喜ぶわけではないということだ。
 ホットコーヒーにホテル特注のパンを二つ、美味しくいただきました。

 十一時開店ということでまだまだ時間に余裕があるけれど「常に店外に並んでいる」という噂なので十時半に到着してみると、既に五人ほど待っているお客さんがいた、平日でも並んでいるのだな。
 蓬莱軒松坂屋店@松坂屋本店、ひつまぶしの登録商標を持つお店で本家本元のひつまぶしを出す店である、グルメ雑誌やテレビ番組では何度も見ているが実は初ひつまぶしなワケで、先ずは本物から食べられることになって嬉しい。
 開店時間を待つことなく店員さんが「何名様ですか」と人数と名前を聞きに出てきた、開店したら順番に席に案内するためだろう、すると「○○さんこんにちわ」と先に並んでいる人に挨拶しているじゃないですか。
 庶民感覚からすれば何日分かの食費代に匹敵するランチの店で常連とは、目指したくてもとてもなれそうにない。
 十一時になるとすでに五十人くらいは並んでいる、順番に席に案内された店内は百人は入れそうなくらいに広い、お客さんの人数によって四人席や六人席を作ったり、一人客が多いことを見越してカウンター席もあるし。
 お茶でもいいけれどせっかくの休みなのでアサヒ熟選五百二十五円を中瓶でも多いかなと思っていたらちゃんと小瓶が用意されていた。
 してつまみはきも焼き八百四十円、ご飯ものと一緒に出されたら幻滅するところだったけどそこは老舗、キッチリと先に持ってきてくれてビールのつまみに、ってつまみにしては贅沢すぎる。
 キモといっても心臓なので一匹に一つだけだ、タレがキレイに絡まっていてとても美味しかった。
 席に着いてから十五分経って待ちに待ったひつまぶし二千五百二十円、お吸い物(肝吸いではない)とお新香が付いてくる。
 座ったときに既に箸が用意されており、半月のお盆にも箸が乗せられている、きも焼きしか食べていない箸なのでそのまま使ったけど代えるべきだったのかどうか、ひつまぶしの作法がよく分からない。
 私のようにひつまぶし初心者でも正しく食べられるようにメニュ立て裏側に食べ方が書いてある、なになに四等分して最初の一膳はそのまま食べるとのこと、と。
 食べやすい大きさに切り刻まれた絶妙なタレが染み込んだ鰻、うな重は自分の箸で切り分けて食べるけれどもひつまぶしは既に切り刻まれていてとても食べやすい。
 二膳目は用意されている薬味を乗せて食べるとのこと、刻みネギに刻み海苔に山葵、このワサビがかなり利きが良くて絶妙。
 以前に白焼きにワサビを乗せて食べたらとても美味しかったのを思い出した、鰻と山葵、この取り合わせはとても合っているのかも知れない。
 三膳目はいわゆるウナ茶、小さい土瓶に用意されているお茶をかけて食べる、三膳目だからお茶は冷えてしまっているかと思ったらアツアツを保ったまま、ちょっとした小さいことが料理を台無しにしてしまうことをよく分かっている。
 三通りの食べ方があって四膳目はそのいずれか気に入った食べ方でとあった、残っていたねぎとかノリとかを残らず乗せ、これまた冷えずに残っていたお茶をかけ、ラーメンでいうところに全部乗せで食べた。
 いやはやひつまぶしというのはこんなにも美味しいのか、鰻重だと単に乗せて食べるだけだけど、その人なりの食べ方ができるのもとてもいい。
 また食べたいけれども値段も高いからなぁ、居酒屋で一杯飲むつもりなら安いものか。

 足が何でもなければあちこちへ歩き回りたいところだが、仕方ない、名駅目の前のミッドランドスクエァで映画でも見るかと。
 友達が見たいと言っていたハリーポッター、私は先月に子供一緒に見たけれど良い映画は何度見てもいい。
 映画はもっと観たいよね、DVDは映画と違うのでとても見る気にはならない、ラーメン屋とカップラーメンくらいの違いがあると思う。

 見終わってビル最上階の五十一階のカフェで一息入れて、夕飯までのひとときを遠景と共にのんびりと。
 ディナーは夕食はレストラン街で見つけたザキッチンサルバトーレクオモ名古屋、この店はかなり手広くやっているチェーン店なんだけどピッツァが食べたくてつい立ち寄ってしまう、値段もそれなりだけどね。
 ディーな一番客で入ったのでハジッコの席かなと思ったら店の真ん中の席に案内された、厨房の近くで一番サーブが行き届きそうな席だ。
 先ずはシャンパンにレッドオレンジジュースで乾杯、シャンパンをグラスで一杯だけ飲むのはとても気分がいい、一本飲むのはとても大変。
 当然のようにコース料理を勧められたが帰りの電車まで一時間ちょっとしかないのでアラカルトに、もう一時間くらい遅くに来店してコース料理を食べてみたい。
 頼んだピッツァはマルゲリータにクアトロフォルマッジ、イタリア語をカタカナに直訳されて書かれていても結局なんだか分からないから直感でオーダーするしかないのだけど、一枚丸ごとを持ってくるわけじゃなくて半ピースずつを一つのお皿に盛りつけてきてくれて、取り分けもしてくれた。
 一枚丸ごとだと量が多いから大抵はハーフアンドハーフにしてくれる、他のイタリアンでも普通にしてくれるのだろうか。
 メインディッシュは私が魚料理、友達が肉料理にしたんだけど「シェアしたいので取り皿(正式には何というのだろう)をお願いします」と伝えると、一品ずつを一人分ずつのお皿で盛りつけてきてくれた。
 先ずは「柳橋市場から届いた鮮魚を本日のスタイルで」とあったが「鮮魚」は車エビだった、パイナップルソースが振り掛けられていてこれがなかなか旨い、イタリアンもフレンチも欧米料理はなんといってもソースだよな。
 あしらわれている香菜はレモングラスのようなセロリのような、ちゃんと聞いて確認するべきだった。
 二匹ずつだったので一人分は四匹なのか、どうなのか、エビの大きさで変えているのかも知れないしエビじゃないかも知れないし。
 友達が頼んだのは「鴨胸肉のロースト」、昨日も食べたのに今日もかも料理で最高に嬉しい、ソースには生姜をアクセントにしたレッドオレンジソース、ルッコラ(これは聞いた)が乗せられていた。
 噛み応えたっぷりだけど最後はサッと切れる上質な鴨肉、どこかに毎日でも食べられるくらいリーズナブルな店、無いかな。

 さて、定刻通りに小田原に着いた、いつもならエスカレーターで小田急線の改札まで上り、そのまま突っ切って向かうところを北口でタクシーに乗る、歩けないほど痛む足でなぜに店に行かねばならぬのか、自分でも理解に苦しむ。
 洞@小田原、待ち合わせた友達は既に着ていて一杯飲んでいた様子、飲まずに待たれるとかえって困るから初めから「遅れるから先に飲んでいてください」とお願いしておく。
 数多くのオフ会で顔を合わせているけどこうやってサシで飲むのは初めてか、特別に話したい話し、聞きたい話しがあるわけじゃないけど、こうして二人で時間を共有するだけで何となく嬉しい。
 金曜日はいつも満席で予約しないと席の確保すら難しいけれども珍しく空いていた、何日も前から予約しているときに限って空いているんだな。
 泡物を飲んできたので最初の一杯は黒糖梅酒、体調万全であれば焼酎の一升瓶を目の前に置いて半分は飲むところなのだが、そういうわけにはいかず。
 あまり料理を食べずに飲み専門の友達なので、事前に食事を食べてきたのだけれど、それでも少しは魚をつまみたくなる。
 一品目は新さんまこの時期だけのまだ脂の乗りきっていないさんま、あと一ヶ月もすれば脂が乗ってきて焼いて食べるしか無くなる。
 それでも醤油をはじくような肌はピカピカで食べるのがもったいないくらいだ、おろししょうがと合わせて美味しくいただく。
 鮭カマ、魚の部位で一番好きなのがこの首もとであるカマ、殆どの魚のカマは捨ててしまうんだろうな、もったいないな。
 さて、梅酒も飲み終わったのでどの焼酎を飲むかな、日本酒だと飲み過ぎてしまうしなとメニュを見ていると「飲みますか」と注いでくれた蓬莱という純米酒、三合瓶だから持ち込んだんだろうな。
 お銚子で三杯ほどもらったけど喉に引っかかるし口元で暴れるしとても飲みにくいけど他では味わえない味、やっとこういうお酒の味が分かるような歳になってきたんだな。
 日本酒を飲んだ後は大石という米焼酎、ラベルがとても力強いんだけど飲み口は柔らかい、体調万全じゃない今日にはちょうどいい。
 初めて今年くらいからお店に入った若い子と話をして、店長さんとも挨拶だけじゃなくてちゃんと話ができて、二時間なんてあっという間だな。
 ラストは鶏の蒸し焼き、味噌仕立てのホイル蒸しだ、エノキが型くずれしない絶妙のあんばいで火が通っているし。
 結局は十二時を過ぎてしまって、タクシーを呼んでもらった。
 治療費だと思うことにして自宅まで八千円のタクシー代、こんな真似はそうそうはできない。


4日(土) 足、かなり痛い

 起きたのは七時頃だったけどあれこれしていて家を出たのは十一時過ぎ、十三時には現地入りしないといけないのに。
 遊びに行っていたので足が悪化してしまった、歩くのはかなり辛いけど一度延期している作業なので今日は延期できない。
 高田馬場から東西線で向かうので気になっている店に行こうと歩き出したのだが、歩き出してみたら意外と遠いので途中で引き返した、健常体で普通に歩いているときは二分も五分も変わらないのに、足が悪いとこんなにも弱気になってしまうのか。
 引き返してきて駅から一番近い店の麺屋武蔵鷹虎(たかとら)@高田馬場、土曜日のランチタイムだというのに空いている。
 さすがに前回のメニュ構成は不評だったらしく、少し改めて券売機上は味とトッピング組み合わせだけにして、味の配分は食券を受け取るときに指定するようになった。
 「ドカ盛り」とかいう気を引くメニュもあるけれど、とりあえず今日はつけ麺を食べよう、好きな席に座って良いといわれたのでL字カウンター入り口近くの短い部分に。
 曜日なのか何なんのか見当も付かないけれども女性客が多い、一人で食べに来るお客さんもいるし、数人でキャッキャと食事を楽しむグループもいるし。
 食べたのは醤油つけ麺七百五十円、配分は鶏1に豚3にしてみた。
 つけ麺の麺量は並が三百グラムで中盛り大盛り券百円で中盛り四百グラム、大盛り五百グラムにできる、大盛りは結構な量だろうな。
 やや縮れたモチモチしつつも歯ごたえを残した喉ごし爽やかな中太麺、冷水での締めと盛りつけ時の一手間で麺は一本も絡んでいない、当たり前のことだけどね。
 麺だけ食べてもおいしいと思うのに、さらにツケダレにくぐらせるとさらに旨い、普通のつけ麺はざるそばとは違って麺をスープに浸けて軽くかき混ぜてから食べるのだけど、ここのはツケダレを半分くらい浸けて食べると格別の美味しさがある。
 チャーシューはほぐされて焦がし葱の香りがするツケダレに入れられ、メンマも数本泳がされていてとても美味しかった。
 あっという間に食べてしまいスープ割りをお願いする、分けネギを少し加えて戻され、レンゲですくうと至福の時間、美味しいなぁ。
 店は決して広くないけど六人もの店員さんがせわしなく働いていて、統一したTシャツではなく無地だけど色が違う。
 他の武蔵でもそうだけど、女性店員を見かけたことがない、雇っていないはずはないから運が悪いだけだと思うけどね。

 頑張ってデータセンターへ、到着したのは予定時間を大幅に過ぎた十四時半、やばいやばい。
 いくつかのセキュリティをパスしてサーバの目の前に、椅子を並べて足を延ばして作業、まあ誰も見ていないから良いか。
 持ち込んだ自分のパソコンとセンターにコンソールとして置いてあるパソコン、さらにサーバ直結のディスプレイを加えて三台を同時に操作、さながらマトリックスのネプカドネザル号のコクピットの様だ。
 おかげで四時間かかる作業が二時間で終了、その足で頑張って泉岳寺の事務所へ。
 自席に戻れば処理しなければならない作業がてんこ盛り、一日仕事を休めばこの通りといった感じで、事務所をでたのは二十一時を過ぎていた。

 もうどこかに寄ろうという気持ちは全く起こらずに帰宅、駅を降りたら蝉がうるさいので見上げてみたらすぐ目の前に止まっていた。
 夜の街灯では大した写真は撮れないけど、記念撮影、だな。


5日(日) 明日痛くても子供優先

 起きたのは八時頃、足の痛みは少しは引いたが朝は調子がいいのだ、お昼を過ぎ、夕方に向けてドンドン痛みが増してくる。
 次回の診察は木曜日なのだけどとてもそこまでは持ちそうもない、火曜日あたり会社を休んで通院してくるかと画策する。
 一階のダイニングに降りると中学生コンビが朝食を取っていて、今日の予定を聞くと映画を見に行きたいとのこと、まあしょうがないな。
 長距離は無理でも近場まで車を運転するくらいはできそうだ、映画は子供達だけ見させて自分は車で横になっていよう。

 前回と同様にネットで予約しようとタイムスケジュールを確認すると、第一回目が三十分後だ、急いで支度しても間に合わないので二時間後の会を予約、簡単にチケットが買えた。
 二時間後だから余裕を見て一時間前に家を出たらいいかとのんびりしていたら、子供達はウキウキしてしまってさっさと支度してしまいいつでも行けます状態、中学生になって生意気を言うようになってもまだまだ子供だな。
 こういう「これから映画を見に行くぞ」という気持ちの高ぶりも映画の楽しみの一つだろう、DVDではこういう楽しみはないわけだ。
 早めに家を出たけど湘南OTCへ入る直前で渋滞していて、映画館には五分前にギリギリセーフ、もう一つの楽しみであるポップコーンを買っている余裕が無かったのは残念である。

 車に戻って駐車場をでて近くの公園そばの日陰に車を停めて身体を休める、っていうか足以外は何でもないので足だけ休める。
 映画の終わる時間をみつつ、久しぶりに行ってみるかと飛附亭@平塚、地元の有名店は二年も三年も前に行ったきりで再訪していないことが多い。
 大磯店があっという間に終わってしまったけど平塚店は常に駐車場が満車なくらいの盛況、隣の和食屋は相変わらずといった感じだ。
 入ってすぐ右手の券売機をみると「つけめん、始めました」の貼り紙があったので、食券を買わずに席についてから店員さんに伝える、食券を買ったのと同じように前金制だった。
 お客さんは八割以上入っていて、なんと言っても家族連れが多い、地方の名店で信用できる店は子供連れが多いということだ、味はともかく子供が入店することを配慮した店内構成やメニュ、小ドンブリやフォークが用意されている店が多い。
 ご夫婦と思われる店員さんはお客さんとしきりにお喋りしている、雰囲気は地元で愛される居酒屋ふうだな、こうやってずっとやってきたわけでこれからもずっとそうやってやっていくのだろう。
 十分ほどしてつけめん(二玉)七百円、一玉だと六百五十円だったので二玉にしてみた。
 「最近始めた」の場合は他店やラーメン雑誌のをみて見よう見まねで作ってある場合が多いのだが、角張っている太麺はつけ麺専用だろう、ちゃんと一から作ったのだな。
 ツケダレは分けネギたっぷりで七味がふられてサッパリした食感で酸っぱさが前面に出てきている、ちょっとやりすぎのような気もしないではないが、醤油味や鶏ガラ出汁とギリギリで合っている。
 チャーシューもかなり柔らかく作ってあり、メンマと味付け玉子が半分に海苔、シンプルながら「ウチのつけ麺」という感じでとてもよい。
 割りスープは初めから土瓶に入れて渡されており、食べ終わった段階で入れてもいいし、味が濃ければ途中で入れても良さそうだ。
 充分な暖かさを保ったままのスープはなかなか美味しい、どちらかといえばしっかりできすぎているつけ麺、今年が初めてでは無いのかも知れない。

 映画を見終わった子供達をピックアップして、回転寿司を食べさせるべくすし兵衛伊勢原店、百円とか百三十円均一とかの店では子供達は納得しないのだ。
 時間がランチタイムを外れていたこともあって店内はガラガラで、うがった見方をすれば夜だって満席にはならないのではないだろうか。
 子供達はあれこれと頼んでモグモグ食べてお腹一杯と楽しんでいた、女房も好きなネタを頼んで楽しそう、私はといえばあれば頼む赤貝と生シラス、ラーメンを食べていたからではないけれど二貫で充分だった。

 帰宅してベットに横になる、真っ昼間でも横になれば寝られるのは普段が相当睡眠不足ってことなのだろうか。
 八時過ぎに起きてきてお腹が空いたからお茶漬けまがいのご飯を作って食べる、ふう、明日は会社に行けるだろうか。


6日(月) 結局通院

 朝起きたら足が痛い、朝から痛いのでは一日過ごすのは無理と判断、会社にメールを送ってお休みをもらう。
 女房に無理を言って病院まで車で送ってもらい、一時間ほど待って診察、診察といっても洗浄して看てもらって薬を塗って包帯を巻くだけだ。
 包帯の巻き方が前回の看護士さんとまるで違う、良く知らないけど看護学校で習ってその通りに巻くのではないのか、それとも特に教わらずに現場で学んでいくのか。
 いつも通りに薬をもらい、頭を下げて女房に迎えに来てもらって、帰宅。
 まだお昼には早いのでとりあえずベットで横になった、足が悪いだけだからパソコンをするのは問題ないのだけど、気持ちが向かないとダメである。

 そのまま夜まで寝続けてしまう、身体を休めればそれだけ足の治療に身体全体で専念できるのでは、という素人考えなのだが。
 動かさなければいたくない、動かすと皮がむけたところがすれて痛い、明日は多少痛くても頑張って会社に行かねばなのだ。
 夜ご飯はざるそばにコロッケと切り干し大根を、何もしなくても生きているだけでお腹は空くのだな。


7日(火) なんとか出社

 早めに起きてシャワーを浴びる、歯を食いしばって足を洗うわけだ、自宅には看護士さんがいないからね。
 時間的には無理ではなかったけどお弁当を作る気持ちが奮い立たない、明日は作ろうと思うけど今日は無理。
 空腹での出勤は辛いのでご飯一膳に玉子を二つ割って掛けて食べる、食べると言うより流し込むだな。
 途中で何か食べていこうかと何度も思ったけれど、いったん気を緩めてしまうとその先が辛いかと思い、どこにも寄らずに出社。

 先週やり残した仕事を片付けようとしたのに、次から次へとトラブルが持ち込まれて全く自分の仕事ができない。
 ある意味、何にも仕事をしないウチに午前中が終わってしまった、あらあら午後が思いやられるわ。
 歩くのに時間がかかるから早めに出かけようとしていたのに、これまたトラブルを持ち込まれて対応、出かけるのがすっかり遅くなってしまった。
 コンビニで支払いを済ませてから近くの東興飯店@泉岳寺(港区高輪)、地道に営業していてお昼時には殆ど満席である。
 店内が伺えないのでドアを開けてみて満席だったらどこで待つのかと心配になるが、まだ満席になっていたことはないし、満席になったことをみたこともない。
 ランチタイムのメニュは麺類だけで、麺類といってもラーメンと焼きそばがあるのだが、素のラーメン以外は全て七百五十円という分かりやすいメニュ。
 二回食べてメニュの傾向が分かったのでどれを食べても同じような気がしたが、ルースーメン七百五十円ってのを頼んでみた。
 フロアを女性店員が切り盛りしていたけど、たまたま手が足りないときは厨房から店長さんらしき人がドンブリを運んでくるらしい、思いの外早く運んできてくれてちょっと驚いた。
 見た目のモヤシの盛りといいスープの色といい、イメージした通りだった、どこが「ルースー」なのかと考えてみるに、細切りの竹の子が入っているからのようだ。
 野菜もたっぷりに見えてそんなに多いわけではない、スープはしょっぱいわけではなくてなかなかバランスの取れた醤油味、レンゲで何杯も飲んでしまった。
 細麺はアツアツスープに負けずに伸びたりしていないから、箸捌きがとてもいい、ダマになっていると最悪だからね。
 もう一時に近い時間だったけど入れ替わり立ち替わりずっと八割くらいの入りだった、次回は焼きそばを食べてみたいな。

 午後もまたトラブルを持ち込まれて調べモノと対応に終われる、早く帰りたかったのに終わってみたら二十時近かった。
 お腹が空いたのでどこかで何かを食べていこうと思案する、五反田の未食店に行こうと浅草線の五反田駅改札を出た頃で「やっぱり遠いから近い店にしよっと」と方向変更。
 こだわり味噌らーめん極(きわめ)@五反田(品川区東五反田)、駅から近いけどちょと遠回りをしないと行かれない店、ちょうど団体さんが入って店が満席になってしまった。
 タイミング悪いなぁと待合い席に向かおうとするが一席だけ空きを見つけた、良かった良かった。
 昼夜通しで営業されているのだが、夜しか来たことがないのでいつも同じ店員さん、二人息が合っているので食券制ということもあって殆ど会話をしていない。
 この店は味噌が美味しいのだけど今日は店先に大きく貼りだしてある強麺つけ麺八百円、並が二百グラム、大盛り九百円が三百グラム、特盛り千円が四百グラム、となっている。
 普通、つけ麺の麺は平皿にバラッと広げてあるのだけど、なぜか濃い色のお椀型のドンブリに入っているのだが、麺と麺がくっついてしまう心配は全く不要。
 箸の二倍もある太さの縮れ麺はくっつきたくてもくっつかない、噛みきるのにギュッと気持ちが必要なくらい、それでいてスープは意外と付いてくるから不思議。
 見た目は濃厚で魚粉はたっぷりだけどタレそのものはそんなに濃いわけではない、店内の雰囲気はジャンクっぽいけど実はバランスがとれた美味しいスープなのだ。
 ツケダレにはトロトロチャーシューに玉子半分、分けネギが散らされているのはいいのだが、ワカメはいただけない、サービスで入れているのだろうけど。
 食べ終わってふと見上げると次々と訪問するお客さんの調理に忙しそう、手の空いているタイミングを見計らってスープ割りをお願いして、と。
 アツアツスープでツケダレを割ってもらって美味しくいただきました、ごちそうさまでした。


8日(水) やっとお弁当復活

 目が覚めたら五時過ぎでかなり早く起きられたともう一眠りして起きたら六時を過ぎていた、まあ、そんなものだろう。
 それでも昨日より早めだったのでシャワーを浴びて足のケアをしてお勝手に立つ、何が哀しくて自分のお弁当のおかずを朝から作らなければならないのかと考えたりするが、考えても答えが出ない難しいことは朝から考えないようにする。
 のんびりしていたわけではないけどなぜか時計の針は七時を大きく回ってしまった、普段よりかなり動作が鈍いんだな。

 久しぶりに海老名で乗り換えて相鉄線で向かうことにしたので、海老名駅構内の海老名そばへ、ここの店で一番旨いのはカレーそば、全席立ち食いなのだけどなんとか食べられるだろう。
 時間帯のせいか比較的店内は空いていてゆっくりと食べられそう、メニュを見るとコロッケ入りもあったのでコロッケカレーそば四百円(コロッケ一つ八十円の計算)、コロッケはカレーの上に乗せて欲しかったな。
 ネギ多めと頼むと「コロッケカレーそば、ネギオー」と奥の店員さんにオーダーを通していた、ネギを多めにするお客さんって結構多いのか。
 カレーはちょっと辛味が足りず、蕎麦つゆもちょっと少な目でちょっぴりガッカリ、ねぎはこれでもかというくらい多くて嬉しかったけどね。

 午前中の仕事は資料作りで終わってしまい、気が付くと周りがガランとしてお昼に気が付く、そろそろお弁当を食べないとイカンじゃないですか。
 おかずは朝作った茄子とエリンギの炒め物にインゲンを湯通ししただけ、いずれもちょっときつめのおかずだ。
 食べられないことはないけどとてもおかずとは言えない、クックバッドにお弁当を投稿していたけど、さすがに今日のは止めておいた。
 ご飯には海苔を細かくして醤油を付けて乗せたんだけど、海苔どうしがくっついてしまって食べにくい、もう一工夫必要だな。

 今日こそ早く仕事が終わらせようと頑張ったのだけど、既に時計は七時半を過ぎているし、どうしても早く終わらせることが出来ない。
 事務所を出てさてさてどこで夕飯を食べようかと考えるけど、足の調子を考えると遠くまで歩いていけない、こういう日に限ってあれこれと行きたい店が思い浮かんだりするし。
 ちょっと駅から遠いけど頑張って行ってみるかと新宿駅から小滝橋通りを北上すること十五分、普通に歩けば五分強の道のり、バイクかチャリンコでも駅で借りられたらとも考えたりする。
 麺屋翔(しょう)@西新宿七丁目、今日で何回目か忘れたけどともかくつけ麺が始まっているはずだ。
 店先の立て看板と店内の壁とポスターが数枚張り出してある、普通のラーメン屋は画用紙に手書きで書くのが関の山で、希にパソコン+プリンターもあるが、この店のようにしっかりとオフセット印刷している店はチェーン店くらいだ。
 閉店時間まで三十分を切った店内はガランとしている、店長さんは私の顔を見るなり「サッカー、見ました?残念でしたね」と話しかけてきた、きっと私は店長さんより百分の一位しかサッカーが好きではないだろうけど、地元の飲み屋でしっかりと見ているからね。
 先ずはお疲れさまと瓶ビール五百円、ツマミはチャーシュー、穂先メンマにネギとこのお通しにはお金を払ってもいいくらいの出来。
 見ればカウンター台に張られたメニュもつけ麺が入った印刷物に変えられている、大抵はマジックで追記しているか張り出しメニュになっているものだ、チェーン店でもここまでしっかりと変えられる店は少ないと思う。
 テレビを見たり店長さんとお喋りしながらのんびりしたいのだけど、時計を見るとあと五分で閉店時間、すくっと立ち上がって券売機へ。
 つけそば七百五十円、三百グラムと貼り紙が張ってあるけど、百円加えた大盛りは四百五十グラム、二百円加えた特盛りは六百グラムとある、特盛りは無理でも大盛りは食べてみたい気持ち一杯である。
 七分ほど茹で時間がかかると書かれた貼り紙があるのだが、七分が一般的に長いのか普通なのか分かりにくいだろう、「ちゃんとした」つけ麺であれば普通の時間ではある。
 ツケダレは一杯分だけを雪平鍋に取り分けて煮立てる、麺は流水と言うより漬けて締めていて、さて出来上がってきた。
 中太でやや縮れた四角い麺はプリッとして旨い、今まで食べてきたつけ麺の中で最高とは言えないけれども店長が心を込めて作ってくれた渾身のつけ麺である、かなりレベルが高いと感じるがまだいけそうな可能性がある。
 魚粉もそこそこ入っているけれどツケダレは「濃厚でアリさえすればいい」という最近の風潮に流されることなく、自分なりのバランスでツケダレの味を調整しているのだろう。
 トロトロチャーシューに穂先メンマ、海苔と共にたっぷりめの刻みタマネギ、酸味が少ないか全くないのが寂しい気もするが、これもこれで一つの完成形か。
 いやいや、もっと先にいけるでしょう、ここで完成と思わずにもう一工夫頑張って欲しいな。
 さすがに三百グラムはかなりの量があるが最後まで飽きることなく食べてしまった、さてさてスープ割りを頼まねば。
 って、お客さんが入って来るじゃないですか、もう九時を過ぎているんですけど、しかしスープの火は落とさずに待っている店長も店長だ。
 色々な店の閉店に付き合ってきたけど、閉店時間を過ぎたあたり暖簾を閉まって火を落とすことが多いようだが、お客さんが全員帰るまではそのままにしているのか。
 スープ割りは特別なことはなかったけど、「味噌汁のように毎日飲めるスープ」だな、美味しかったよごちそうさまでした。
 店を出た時には九時半近かったけどまだお客さんが入ってきた、店長さんの人柄なんだろうな、少しずつ少しずついい店になっていく。


9日(木) 久しぶりの大崎の店とまたジンギスカン

 午前中は通院、今回で四回目なのでだいぶ病院の作法に慣れてきた。
 予約を八時にすると早く来た順番にやってくれるようで、五分も待たないで名前を呼ばれる、いつものように洗浄と塗り薬を。
 包帯を巻いてくれる看護士さんが毎回違うのは、同じ曜日の同じ時間に通院しても看護士さんのローテーションが曜日と関係ないからだろう。
 個人的には一回目と二回目に洗浄してくれた看護士さんがなんとなく相性がいいのだが、まあ、指名するわけにもいかないし。
 診療の会計を済ませて薬を処方してもらってバスに乗ったのは九時半前、愛甲石田行きのバスで小田急線に接続して新宿まで、途中はぐっすり寝ていた。

 こういう余裕のあるときならば必ず行きたい店が大井町にあるのだけどちょっと駅から遠いのが玉に傷、仕方ないから暖簾分けの大崎の店へ向かった。
 駅から炎天下を数分歩くのだけで汗びっしょになる暑さの中、店に着いたら外で待っている人がいなくてラッキー、空き席もあって券売機で買ってからすぐに座れた。
 凛@大崎、ずいぶんと来ていないけれども心はいつも忘れずいて、夜も時間さえ合えば食べられなくはないのだけど、その量とパワーで昼間しか食べたことがない。
 見慣れないメニュが二つ加わっていて、定番メニュの大盛りが無くなっていて、色々変わったなあと思う反面、この店のメニュは毎月のように変わっていたなと思い出して一人笑い。
 座ってからは壁のディスプレイが少しずつ変わっている、小さいミニカーが置かれていたり、司馬遼太郎のエッセイが無くなっていたり、ディスプレイは毎回来る度ごとに変わっていたのではないだろうか。
 食べ終わって出ていく人は例外なく「ごちそうさまでした」と店員さんに挨拶して席を立っている、心の底から「ご馳走になった」という気分が自然と言葉になるんだろうな。
 それにしても遅い、まあ出てくるのが遅いと思うならこの店に来てはいけないのだけどね、結局は椅子に座ってから二十分も待たされてしまった。
 あんまり暇だったのでカメラのホワイトバランスを合わせてみたり壁のポスターを撮影してみたり、後ろから不意に置かれるどんぶりに対応できないので携帯をいじくるのは厳禁。
 食べたのは見かけないメニュの一つであるぽんず八百円、このメニュは去年あたりにのスた@大井町で作っていたのと同じだろう。
 ドンブリからはみ出すくらいに大きく盛られるだろうと楽しみにしていたモヤシと細切りキャベツはちょっと少な目、そりゃ普通のラーメンからしたら大盛りかも知れないけどこの店にしたらかなり期待はずれ。
 まずはその野菜から食べ出すのだがモヤシと野菜はちょうどいい感じに茹でられていてとても美味しい、心の中では卓上のGABANでも振り掛けたい気分だけどスープの味が変わってしまうので我慢する。
 野菜を半分くらい食べたところで麺をほじくり出す、以前は大好きな平打ち麺だったのに今日はまん丸のほぼストレート麺、スープをまとわずにそのままの味わい、とても美味しい。
 この店に通いだして三年になるけど一度もつけ麺をやっているというのを聞いたことがない、二郎系の店はやらないことが多いしやりたくできない事情もあるんだろうけど、期間限定でも構わないので一度食べてみたいなぁ。
 普通のラーメンならスープから味わうのだけど、レンゲが置いてないし、置いてあったとしても野菜と麺の量からして始めっからは飲めないので少し食べてからドンブリを持ち上げて飲むことになる。
 醤油ベースでいて背脂の旨みも溶けだしているこの世の中の唯一無二のスープ、に加えて明らかにそれと分かるポン酢、酸っぱさが加わるとさらに独創性が高くなる、いいねぇ。
 旨い旨いと食べていると麺を八割くらい食べたところで「うぅっ」と満腹神経が反応してくる山があるのだけど、なぜか無反応、決して量が少ないと言うことはなさそうだけど。
 麺を食べきっても何ともないし、いつもだったら「山中さんに申し訳ない」からと半ば無理矢理飲むスープなんだけど、今日はとても美味しく飲むことが出来た。

 事務所に着いて一時間ほどクールダウンして、その後は打ち合わせ、一時間くらいかなぁと高をくくっていたら三時間もかかった。
 もうこの時点で何もする気が起きず、何をするわけでもなくブラブラと二時間ほど過ごして事務所を出る。
 新宿でちょっと野暮用を済ませてからオフ会のお店に行こうと思ったのだけど、電車の駅からは遠いなぁと、そうだバスで行こうかなと携帯で時刻表を撮影した画像を読み出す発車時間が一分後、急遽バス停に向かうと後ろからバスが追いかけてきた、ほんの十メートルだけど走ってしまった。
 道が渋滞しているわけじゃなくて元々の運行スケジュールが遅いのだろう、新宿に着いたときにはもうかなり時間が押していて野暮用を断念、テクテクと歩いているウチに友達から連絡が入ってもう店にいると、あらら、遅刻してしまった。
 北牧場@代々木、四人で行こうと思っていたけど結局三人になり、しかもテーブル席の予約が出来ないので席が空いているかどうかは運任せ、テーブル席は空いていなかったけどJの字のカウンターハジッコで向き合うように席を用意してくれた。
 生ビールで乾杯してジンギスカンセットを三人前、三人前までは一つのお皿に乗せられるんだなと感心しつつモヤシを鍋に敷き詰めて肉を焼き出す。
 一人は知り合いだけど一人は初めて、かと思ったら別のパーティーで会っていて向こうはこっちを知っていた、まあ良くあることだけどね。
 モヤシだけでは寂しいのでタマネギをお願いしようとメニュを探したら無かった、メニュ落ちしたのかなと「タマネギって出来ますか」と聞くと出来るとのこと、ああ思い出した、野菜盛り合わせのタマネギだけ頼める裏メニュだ。
 肉が無くなったので追加は二人前にして、でその二人前も殆ど終わった頃に「テーブル席へどうぞ」と案内される、先にいた友達が空いたら移りましょうと頼んでおいたのだろう。
 真上に配管がないので照明が明るく、扇風機も良く当たってカウンター席とは雲泥の差、大抵のお店は座った席によって全く違った印象になるので、一回行ってどうこうという判断は難しいな。
 広めのテーブルに風通しも良くなり照明も明るくなり、で、またまた肉を追加、食べきれないかもと心配があったので二人前にしたけれど、三人でペロッと食べてしまった。
 飲み物はずっと生ビールでとおし、最後にまたモヤシと肉を食べてごちそうさまでした、一人五千円以下で収まった。
 さすがに今日は辛いとロマンスカーを予約して、ぐっすり寝ながら帰宅、今週はあと一日だ。


10日(金) 久しぶりのナンコツ

 かなり足が良くなってきて包帯を巻く量をずいぶん減らすことができ、靴下を履いてかかと付きのスケルトン型サンダルにしてみた。
 かかとが無くて前だけでつっかけて歩くのは返って指先を踏ん張らなくてはならず、足が良くなってきているのに歩きづらかった。
 さすがに走るのは辛いけど格段に歩きやすくなり、皆の五倍はかかっていた歩行時間が二倍程度まで狭められた、明日一日身体を休ませればかなり完治に近づくだろう。

 朝はデイリーヤマザキで買ってきたコロッケパンを、食べながら午前中の定例会用の資料をせっせと作る。
 一週間分の進捗報告をババッと説明して、お願いするべきことをお願いし、以前は二時間かかっていた打ち合わせを一時間で終わらせた。
 お昼はどうしようかなぁと考えてポンと思い付いた品達の夏季限定、歩けるときならば十五分かけて歩いていくところだが今日は電車、片道百三十円である。
 手頃な店に二軒ほど行っておくかと向かったのだが、いつも大行列の一番手前の店先に誰も並んでいない、これは行かないといけないでしょうと店先へ、店内での待ち席は満員でそこまでは甘くなかった。
 なんつッ亭弐@品達、夏と冬に出される限定麺は殆ど食べている、本店のように独立一軒家だと頻繁に限定麺を出すこともないのだろうけど、集合施設に入っていると客寄せのために季節ごとメニュを一斉に発売するので付き合わなければならない、テナント契約の時にそんな話もあったのだろうか。
 六分で店内へ入り食券を買う、並んでいるウチに買った食券を店員さんに確かめられて、席に案内されたのは店に到着してから二十分後だった。
 その間もずっと行列は減ることはない、この店は開店してから閉店するまでずっと行列しているのではないだろうか。
 席に着いてから十分後になすとひき肉のまぜまぜ麺八百八十円、見た目全体が緑で麺がどこなのか分からない。
 まずは良くかき混ぜる、周りをレタス、真ん中には温泉玉子、マーボ茄子には挽肉とザーサイの細切れが混ぜられ、全体には水菜と分けネギが散らされている。
 麺は特製平打ち麺との説明だったが実際は他の麺と同じような気がする、いずれにしてもマーボ茄子との辛味がとても良く、いわゆる一つの油麺ってことだろう、旨い。
 辛味が結構強いのだが私には充分許容範囲でグイグイと食べさせるラーメンである、って、これもラーメンのウチなんだろうか。
 レタスは葉っぱのまま敷かれていたのでちょっと食べにくい、私はマーボ茄子をくるんで食べたけれど。
 何だかんだと言って美味しく食べてしまってごちそうさまでした、ステンレス製のドンブリがとても印象的だった。

 仕事を七時で終わりにして今日もバスに乗ってみた、昨日乗ったときにバス通りに気にあるお店があったのだ。
 墓地下というバス停で降りてすぐの店、かおたんラーメンエントツ屋南青山店@乃木坂(港区青山二丁目)、赤坂にも支店があるようだ。
 看板には中国福建省の高級スープと書かれていて、ここ青山や赤坂の景観からは大きく逸脱した店である。
 入り口らしき戸を引くと船のデッキを思わせる床にくくりつけのテーブルと壁と一体化している椅子と、閉じこめられた雰囲気はとてもステキだけどBGMがラジオだしな。
 醤油味、塩味、味噌味、五目、タンタンメンにつけ麺とライス、酒のつまみも揃っている飲み屋風のラーメン屋、店員さんは店長さんは日本人のようだったけど他の四人は東南アジア系の男性、ちょっと馴染みにはなりにくいな。
 つけ麺を食べようと思ったけど変に高かったのでラーメン六百五十円、プーンといい香り。
 焦がし葱がタップリ乗せられた醤油ベースのスープはまろやかな味わいがする、どこにも引っかからない丁寧に作られたスープ、美味しくてレンゲで三杯も四杯も飲んでしまった。
 やや細めの縮れ麺はスープに良く絡む美味しい麺、まさにチュルチュルとすすって食べるラーメン、この店は相当年季が入っているな。
 巻きチャーシュ、絹さや、モヤシにメンマと、標準的なトッピングも飽きのこない組み合わせ、近くにあれば定期的に通ってしまいそう。
 食べ終わってごちそうさまでしたと代金を払ったのだけど、店長さんだけが「ありがとうございました」と返事してくれただけだ、社員教育にも順番はあるだろうけど、「ありがとうございました」は優先度高めで教育してくださいませ。

 そのまま新宿に出て長女の誕生日プレゼントを買う、もう大学生になるので何を買ったらいいのかサッパリ分からなかったのだが、「iPodが欲しい」とリクエストがあったので、色の好みだけ聞いておいた。
 アップル製品なのでどこの店で買ってもそう変わらない、新宿の量販店で購入、三万円はしなかった。

 そのまますぐに電車に乗って地元の駅へ、九時半を過ぎていたのでひょっとしたら閉まっているかもとは思ったけど空いてて良かった。
 ホルモン焼大(ビック)@秦野、前回は同じくらいの時間で既にネオンが消えていたので点いていて感激もひとしお、事前に電話連絡しておかない自分が悪いのだけど、三回行って一回は閉まっている感じ。
 今日も最初から最後まで自分一人かと思ったら、途中で十五分ほど酔っぱらいが入ってきて、それでも全体を通してサシで飲んでいた。
 いつも通りに店長に一杯おごって生ビールで乾杯、ナンコツ二人前を用意してもらって少しずつ焼き出す。
 最初は済みに火が回っていないのでなかなか焼けないのだが、途中からゴウゴウと焼け出す、そうなると一度に乗せてしまうと一度に焼けてしまうので、少しずつ乗せるようにしないとダメだ。
 ビールが終わったのでキープしてあるJINROをレモン水割りで、薄めにしたけれど足を悪くしてからまとめてお酒を飲むのは久しぶり。
 途中でニンニクをサービスしてもらう、いつも自分から頼んで食べようとは思うのだが、店長さんの気持ちも分かってあげたいので頼まずに待っている。
 今日のニンニクは特別に大きいのだったらしく、一房で三粒になっていた、味は美味しいと答えたけれどそんなには分からなかったし。
 プロ野球の結果を全て見終わったあたりでチャーハンを頼むとご飯を炊いていないとのこと、冷やし中華ならできるというので頼んでみた。
 当然だがお湯を茹でるところから始まるわけでじっくり時間を掛けて待たなければならない、まあいつものことだが。
 おまちどさんとカウンター台に置かれた冷やし中華七百五十円、具だくさんだとは想像していたけれどここまで乗せてくるのか、麺が全く見えないじゃないか。
 トマト薄切りがほぼ一個分、錦糸玉子、キュウリの斜め切り、キュウリの細切り、モヤシ、ハムの細切り、紅生姜、そしてゴマがふりかけてある。
 野菜をたっぷり食べてから麺、細めの縮れ麺はラーメンのと似ているけれど違う気もする、スープは醤油ダレで普通の味。
 まあ、お店で食べるというか家庭で食べるような気がするけれど、ナンコツでこってりしていた口の周りがサッパリした、ああ美味しかったごちそうさま。
 お会計してタクシーを呼んでもらい店を出る、既に日付が変わっていたな。


11日(土) 目黒で二軒

 足の治療優先で早く寝る習慣になっているので朝も早く起きられる、お休みだからといって何もしないで過ごすのはもったいないので朝からパソコンに向かおうと。
 とりあえずシャワーを浴びて足を治癒して朝ご飯を食い、さてさてとパソコンに向かおうとしたら充電中の携帯電話が赤く光っている、着信があったのだ。
 留守電ではなくメールが入っていて、「仕方ないなぁ」と電話をかけ直す、さらに「仕方ないなぁ」と思いながら十一時には行けると思うと返事する。
 パソコンの電源が入らなくなったという、締め切りが今日までの原稿データが入っていてなんとか救い出せないかと。
 電源が入らないパソコンに入っているデータを救う方法は大きく分けて三つある、Windowsを再インストールしてしまう方法、CDでブートしてハードディスクのデータを読み出す方法、そしてハードディスクを本体から取りだして他のパソコンに接続する方法だ。
 そのいずれもできるように、いったん新宿本社に立ち寄ってツールやCDを鞄に詰めてから高田馬場の事務所に向かった。
 故障していたパソコンはノートパソコンでハードディスクをネジ一本で取り外せるタイプ、電源が入らないことからさっさとディスクを抜いてデータを救い出す。
 なんだかんだで三時間もかかって完了、無事に原稿を仕上げることができたらしい。
 で、すっかり遅くなったけれどもメシでも食うかと、炎天下をちょっと歩いて韓国いなかやキムチ@高田馬場、だあれもお客さんなどいない。
 食べたのはビビン冷麺七百八十円、辛いだけであんまり美味しくなかったなぁ。

 その後、すぐに帰宅しても能がないので客先に出向いて三時間ほど仕事をして、と。
 定期券があるからついつい移動してしまうな、足もほぼ完治しているから歩くのが苦にならないということもあるけど。
 事務所を六時になってでて目黒まで移動、目黒はラーメン屋が軒を並べるくらいの激戦区で端から全部の店に行っておきたい。
 今日は未訪問のづゅる麺池田@目黒(目黒区上目黒)、最近になって冷やしを始めたらしい。
 店外の券売機で食券を買って真っ直ぐ奥に伸びるカウンターへ、真ん中あたりに一人座っていたので手前の方へ座る。
 ずっと持ち歩いていたマイ箸を最近になって使うようにした、森林資源がどうとかという大義名分ではなく、単にカッコイイからなのだが。
 五分ほどして冷し節らーめん八百円店主のブログによると「鶏節とあさり節で出汁をとりまして白醤油のタレで味付けしました。麺は全粒粉、具は大山鶏のスモーク、穂先メンマにかいわれ、白髪葱です」とのこと。
 スープがかなりいい感じに仕上がっていてとても美味しい、白醤油ベースはビックリするほどの透明感で麺が透けて見えるのは嬉しい。
 麺はプリプリでスープと一緒に美味しく食べられる、麺の中に見えるつぶつぶは全粒粉ならではの小麦の殻でこの麺でつけ麺を作ってもいいのではないだろうか。
 鶏胸肉の薫製はスープとベストマッチ、よくこういう組み合わせを考えられるよね。
 貝割れと白髪ネギはちょっと量が多いな、この半分くらいの方が良かったのかも知れない。
 昼夜十食限定とのことだがどこにも謳っていないし券売機での表示もひときわ薄い、次はつけ麺を食べてみたいと思う。

 さらに坂を下り、山手通に出て左に折れて南下する、なにげに十分位歩いてからかづ屋目黒店@目黒(目黒区下目黒)ホームページ)、駅から近い五反田店には既に訪問済みで、やっと本店に、目黒駅から歩くと十五分はかかる。
 っていうか、どうしてこんなに駅から遠い場所に飲食店を構えるかな、そりゃ周りに飲食店が少ないので商売はやりやすいのかも知れないけど。
 通りに面した戸が全てガラスで中の様子が丸見え、店内からも外の様子がよく分かるのだがちょっと透明ガラス過ぎないかな。
 テーブル席主体の店内だけどカウンター席もある、奥から二席目に座ってお冷やを持ってきてくれた女性店員さんにオーダー、厨房では三人の男性店員が働いていて一人の男性店員は五反田店でも見かけたことがある。
 お持ち帰りの餃子をやっていて、女性客が十五分後に取りに来ると窓越しに一つ頼んでいた。
 食べたのは冷やしソバ七百五十円、七月八月限定らしいが全メニュにこのメニュを加えて一新していた。
 他のラーメンで使われているストレート麺ではない縮れ麺と共にスープを味わうと酸味を感じる、醤油味も比較的強く、これは冷やし中華のスープじゃないか。
 見るとキュウリの細切りが添えられていた、その他の冷やし中華の代表的なトッピングは無かったけれど、固めに仕上げられた焼き豚をややサイコロ状に刻んで乗せてある、旨い。
 食べ進むウチにドンブリ脇に添えられている辛子をスープに溶かそうとするのだが、スープが充分冷えてしまっているので溶けていかないのだ。
 仕方ない、口に含んでキンとしながら麺を食べることにしよう。
 五反田店は券売機だったが本店は後会計、ごちそうさまと挨拶しつつ店を後にした。


12日(日) 東京都現代美術館

 さて、今日は待ちに待ったラーメン仲間との麻雀大会、遅刻しないようにいかねば。
 シャワーを浴びて足のケアをすませて包帯を巻く、本当ならば靴下を履かない方がいいのだろうけど包帯丸見えだと周りの人が心配せざるを得ないだろうから、隠す意味で履かざるをえない。
 新宿での乗り換えもスムーズにすませて現地に着くと店の周りに待ち人がいない、いつもは店が開かずに待っていることが多いのだけど今日は早めに開いたのかと入ってみたら、知った顔がどこにも見あたらない。
 おかしい、場所に間違えはないはずだけど。
 なぜだか分からないまま店を出てパソコンを開いてメールチェックしてみたら、大会はなんと昨日だった。
 メールの件名として何度も「8月11日(土)」と書かれているし、自分の手帳をみたらしっかりと土曜日に「まーじゃん」と書かれていた。
 唖然。
 予定されているイベントの日付を間違えたのは人生初めて、ビックリすぎて言葉もない。

 がっくりとうなだれたが、このまま落ち込んでいても時間の無駄、そういうえば中学生の夏休みの宿題で美術館に行くと言っていたな。
 連絡してみると東京に向かっているとのこと、新宿駅で待ち合わせて、山手線で渋谷まで、渋谷から半蔵門線で清澄白河まで、山手線は混んでいたけど半蔵門線はガラガラだった。
 地上に出て歩くこと十分、前から行きたかった東京都現代美術館、岡本太郎のもの凄く大きい作品が展示されているのだ。
 でも今日の目的はジブリ時代にトトロの森を描いた男鹿和雄展を観に来たのだ、人気があって一時間待ちとは聞いていたけど、着いてみたら百分待ちの看板が出ていた、ひるまず並ぶ。
 ウチの子は部活で鍛えられていることもあるし、人気ラーメン店に一時間以上一緒並んだことがたまたまあるので、並ぶことはあまり苦にならない。
 結局九十分位待って入場、彼の歴代の作品というか映画の背景画(この絵の上に人物が描かれたセル画を合わせる)や美術ボード(現実に存在しない風景を描くアニメで監督やスタッフ間で美術の方向性を確認し、色彩や様式など映画全体の背景の統一感を持たせるために美術監督が描く絵のこと)がこれでもかというくらい展示されている、その数六百以上。
 背景画なので人物や動物は描かれていない、背景画の上にセル画で人物などを描いて重ねて撮影することでアニメを作っていくのだ。
 映画に限らずだが、その絵画は一回描いて一回撮影したらもう二度と使われないのだ、それでもスタディオジブリは全て保管しておいたのだろう。
 何万人、何十万人、何百万人の人に数秒間見てもらうだけのために、何日も掛けて一枚の背景画を描く、ほんの数秒のためだ。
 この絵を描けるのは日本に、いや、世界にたった一人だけだ、圧倒的な世界観に驚くばかり。
 芸術家の作品ではなくあくまでも商業的な絵なので点数が多い、一枚一枚丁寧に観ていたらとても全部は見切れない。
 古い町の全景のような作品を観てみると遠くの誰も見ないだろう小さな家までしっかりと描き込まれている、オーケストラがその一音一音に気持ちを込めて演奏し一音たりとも気を抜かないのと同じなのかも知れない。

 足が棒になるまで堪能してお土産売り場へ、ちょこちょこと買い物して美術館を出たのは十六時を過ぎていた、お腹が空いているのか空いていないのか分からない。
 駅までの間には何も店らしい店はなかったけれど、この際、贅沢は言っていられない。
 ちょうど歩く半分くらいの距離にあったバーミヤン江東白河店@清澄白河(江東区白河三丁目)ホームページ)、こんな日でもなければ絶対に入らない店。
 階段を昇って店内に入るとこんな時間でもほぼ満席、近くでお祭りが開かれるらしくその前とか後とかに食事を取りに来ているよう、まるでランチタイムのような混雑。
 それでも長居するお客さんがいなくてすぐにテーブルに案内される、すぐにできるだろうと思われる麺類を頼む。
 私はバーミヤンラーメン三百八十円、中学生は五目冷やし中華六百八十円、女房は海鮮皿うどん七百八十円。
 薄めの醤油味で優しく仕上げられたスープは決して悪くない、何も特出していないので何がどうとは言えないのだが。
 細めの縮れ麺は普通の味わい、青菜、巻きチャーシュー、海苔、ドンブリ一杯に散らされた刻みネギ、ファミレスのラーメンだった。
 美味しそうに食べていた冷やし中華は刻みキュウリ、細切りハム、錦糸玉子にタラの缶詰、真ん中にキクラゲをあしらった正統派の構成、スープを飲んでみたけどこれまた真っ直ぐな冷やし中華の味わいだった。

 その場で帰りのロマンスカーの予約をして新宿へ向かう、到着したのは発車十分前でちょうどいい感じ、各自飲み物を買って車内へ。
 いつも事務仕事をしているのでずっと立って歩くのはかなりしんどい、自宅に着いてすぐに一杯引っかけて横になれないのがもっと辛いのだが。
 今週号のR25に掲載されていた酒肴道場で紹介されていた「ゴーヤと豚の梅しょうゆ」を作ってみた、作ってみようと思って雑誌から切り取ってあったのだ。
 材料はゴーヤ一本、生姜一片、梅干し二つ、豚バラ肉五枚、調味料は醤油と塩コショウだけ。
 生姜は薄く細切り、ゴーヤは縦に半分に割ってから綿と種を取り除いて二ミリ幅に切る。
 梅干しの種を取り除いてから梅肉と醤油をようくかき混ぜる、このかき混ぜ具合が最後の仕上げの味を左右するので、自分の好みで固さや醤油の量を調整する。
 ドレッシングのようにかけるのであれば醤油多め、かけてから自分で回し合わせるのを楽しむときは醤油少な目、私は少な目にした。
 豚バラ肉を細めに切ってフライパンで炒め、塩コショウで味を調える。
 油が出てきたところでゴーヤを入れて良く炒める、油が無くなってきたかと思ったら火を止めてから生姜を入れてかき混ぜて、出来上がり。
 苦さと酸っぱさとで苦酸っぱい「ゴーヤと豚肉の梅醤油和え」、明日のお弁当のおかずにも使えそうだ。


13日(月) ピュアホワイトのトウモロコシ

 もうだいぶ足も良くなった、ここで気を抜かずにキッチリと治したいものだ、食べ歩きに飲み歩き、もう少しの我慢である。
 お弁当のおかずは昨日の料理の残りと冷蔵庫にあるものを詰めて、暑くて駅に行く間に疲弊してしまうので車で送ってもらって。

 泉岳寺に着いたらデイリーヤマザキに立ち寄る、立ち食いソバを食べ損なったので調理パンを、肉や玉子をたっぷり使って栄養たっぷりのパンが並んでいるけどフレッシュ野菜だけの簡単なヤツがいいんだけどな。
 結局はハムカツロール百五十八円と野菜ジュースを買って事務所へ、パンをかじりながらパソコンを立ち上げて仕事を始める。

 お昼はお弁当、昨日作ったゴーヤと豚肉炒め生姜入り、梅醤油は切れてしまったので何もかけずに食べる、確かに冷えても美味しく食べられる。
 もう一品はゴボウサラダ、ご飯は斜めに海苔を順番に差し込んだのだがご飯の配分が悪くて、まだまだ練習が足りないな。

 さて、今日は亡くなったマイミクさんの友達と新宿は思い出横丁で会うことになっている、仕事をそここで切り上げて事務所を出た。
 中学三年になる息子さんを連れてくるとのこと、そういえば夏休みに入る前のレスリングの大会で神奈川の代表になったと言っていたっけ。
 何かプレゼントを買っていってやるかと思い付いたのまではいいのだが、さて、何を買ったらいいのやら。
 女性にプレゼントするアクセサリはどこにでも売っているけど、男性向け、さらに子供向けともなると全く想像付かない。
 ウチの中学生チームにメールで問い合わせるも「学校ではチェスが流行っているよ」と全く要領を得ない、さてどうしたものか。
 東急ハンズに行けば何かあるだろうとは考えたのだが、目指す焼鳥屋は駅を挟んで全く逆の位置なので行って買ってくるだけでゆう三十分はかかり大遅刻間違いなし、さてどうしようか。
 山手線に揺られて周りを見渡していてはたと気が付いた、東急ハンズは止めて思い出横丁至近のビックカメラへ向かう、店内案内板を探すと5Fにあった、よしよし。
 時計売り場に行ってあれこれと物色、ソーラー+電波時計は一万円では買えない、片一方の機能が付いただけで八千円近くするし、そもそも安いのはデザインがダメ過ぎる。
 そこそこの値段でデザインがまあまあのを発見、タグを見ると電池は十年持つという、十年後にはこの子も二十五歳だからこんな時計を使わないだろう。
 会計するときに店員さんに「プレゼントなのでちょっとだけそれ向きの包装にして下さい」と頼む、無料の範囲でシール式のリボンを付けてくれた。

 さて、埼玉屋@思い出横丁、二階は分からないけど一階カウンターは満席でどこにいるのか探してしまった、全体的にゆっくりめに座っていたカウンターを少し詰めてもらって座る。
 「全国大会、出場おめでとう」と言って紙袋を渡すと「なになに!!」とありがとうも言わずに「ねぇねぇ、あけていい」と目が輝いている、子供だなぁ。
 五分前に包んでくれた包装を開けて時計を取りだしてすぐに腕にする、友達に言わせると腕時計など買ってあげたことがないから人生初めての腕時計とのこと。
 と言う話をしているウチに既にベルトを締めてボタンをあれこれいじくって遊んでいる、身体は大きくてもまだまだ子供だなぁ。
 すると「それじゃ」と小瓶を出してくれた、梅干しが入っていた、夏は梅干しだよなとありがたくいただく。
 レモンサワーを飲みつつ、亡くなったマイミクさんが病室のベット上から携帯電話を使って発注しておいた真っ白なトウモロコシをいただく、ピュアホワイトという生で食べられるトウモロコシだ。
 一本の半分を先ずは生で、トウモロコシはアツアツをほぐすイメージがあるので冷たくて甘くてという食べ方はとても違和感がある、どうにも雰囲気が出ないなぁ。
 で、残り半分は焼いてもらった、醤油をかけて焼いてもらえば香ばしい香りも含めてとても美味しい、何倍にも美味しくなる、たまらないなぁ。
 レモンサワーをお代わりしつつ焼き鳥を頼む、いつもタンとナンコツ二人ずつで、一人で食べないで勧めたら良かったのにうっかり忘れていて全部一人で食べちゃったよ。

 二時間以上あれこれとお喋りして退店、JRの改札まで送り届けてから時計を見るとロマンスカーの予約時間まで余裕がある、ラーメンでも食べていくか。
 来た道を戻って岐阜屋@西新宿一丁目、年に一度くらいをポツリポツリと訪問しているお店。
 店内は満席、元々この界隈のお店がお盆でお休みが多いので食べると言うより飲むという感じで混んでいるのかも知れない。
 焼き鳥横丁側から店に入って何とか席に座り、何にしようかと天井付近に貼られているメニュを探す、それにしても値段が安いなぁ。
 大きな中華鍋でユラユラと麺を茹でて、平ざるでチャッチャと湯切りして、やっぱりラーメンはこうでなくちゃな。
 そんなに待たされることなく高菜ラーメン五百五十円、どのラーメンも具はたっぷり乗せてくれるな。
 各ラーメン共通の醤油ベースでいい感じのスープ、色々な具を乗せることがあるのだけど、可もなく不可もなくでちょうどいいんだろうな。
 細めの平打ち麺は私が一番好きな麺で茹で具合も絶妙だし、スープの相性もバッチリ、とても美味しいです。
 乗せられた高菜はモヤシの方が多く、ニラにニンジンにバラ肉ととても美味しい、と感じるのは飲んだ後だからだろう、飲んだ後で食べるように味を調整しているのかも知れないし。
 ドンブリに描かれた「日進軒」を調べてみると高円寺の製麺所のよう、製麺所名の入ったドンブリってなんだろうか。
 するっと食べてしまってからお勘定して店を出る、ロマンスカーはそんなに混んでいなかったけれどぐっすり寝て帰った。


14日(火) 茅場町のビストロマルセイユ

 昨日より早く起きて身支度、朝のおかず兼お弁当のおかずを作ってみた。
 まあ、冷蔵庫に残っていた野菜とかを炒めただけだけどね、まあオトコの手料理とはそういうものでしょう。

 新宿に着く頃にはとってもお腹が空いてしまい、せっかくだからと箱根そば新宿本陣に立ち寄る、夏限定メニュもあれば小田急創業八十周年にちなんだメニュも用意されている。
 せっかくだから食べてみるかとも思ったのだけど、朝から六百円はちょっと出しにくいと思い、冷やし豆腐ナス天そば五百二十円。
 ナス天は好きなので暖かいそばでも冷たいそばでもつけたいくらい、ネギ多めにしたらオクラはすっかり隠れてしまった。
 それにしても豆腐が小さい、まんま豆腐一丁なお蕎麦の復活を強く望む。

 午前中は引き継ぎのための説明で終わる、この仕事が強制的な引き継ぎで終わるとは思っても見なかったけど、現実は受け入れなければならない、どんなに厳しい現実で受け入れなければならない。
 お昼まで説明をしていてお昼になってしまった、話をしていると時間が過ぎるのが早いなぁ。
 お弁当のおかずはナスとタマネギとピーマンの油炒めカレー風、のみ、ご飯には手のりたまでふりかけしてみた。

 今日は少し遅くまで仕事をしようと思っていたけれど、定時後にチラとミクシィをチェックして、いても立ってもいられなくなり。
 なかなか機会が無くて行かれなかった茅場町のお店、行こうと決めて駅すぱあとで調べてみると事務所からは乗り換え一回の三十分圏内なのを初めて知った。
 嶋さんの店に行くとどこでどうなってたっぷり飲むことになるか分からないから事前にお腹を満たしておくことが必要、空きっ腹で向かったらどうなってしまうか分からない。
 土地に明るくない駅で降りたときは大抵は駅そばですませるのだけど、東京都内での地下鉄の駅そばと言えば小諸そば、うまく向かっている方向にあればいいんだけどと念じていたら小諸そば茅場町店がちょうどあった、ツイテる。
 何を食べるかは券売機の前で考えるかと店内に入ると、すぐ左手に初老の女性店員がレジを構えていて前金の食券制になっている、なんでチェーン店なのに券売機が置かれていない支店があるのか。
 色々悩む楽しみは一瞬で奪われ、いつも頼んでいるかき揚げせいろ三百三十円、美味しくいただいた。

 店を出てさらに橋を渡り、信号二つ目を右手に入り、二本目の路地を左手に折れる、おお、ここがビストロマルセイユか。
 お盆の時期のお店はどこでも空いているのだろうけど、店長の嶋さんの目の前のテーブルを案内された。
 店長の裁量で一杯目のビールはサービスのようだ、八時近くなれば熱気もだいぶ落ち着くがそれでも一杯目のビールは旨い。
 ビールを飲みながら軽いつまみと前菜を頼む、メインディッシュはちょっと頼む気になれない、値段のせいではなくて間違いなく二人分のポーションで出てくるからだ。
 料理が出てくる間にあれやこれやと四方山話、とはいっても他にサーブの人がいるワケじゃないので他のお客さんのトレーを下げたり会計をしたりと突然席を立つ、そんなことは百も承知でこちらも飲んでいる。
 一品目は自家製ピクルス盛り合わせ五百円、単なるピクルスも真っ白なトレーにキレイに盛り付けるととても美味しそう、美味しそうなままを写真に収めたい。
 ほどほどに酸味が利いていてとても美味しいピクルス、ビールはあっという間に飲んでしまった。
 ここで普通ならワインなのだけど、一人フレンチなのでフルボトルワインでは持て余してしまう、かといってハーフボトルではなぁと考え、先に見せてもらった焼酎を飲むことにした。
 この店は以前は居酒屋で馴染みの酒屋が営業に来たから何本か仕入れたそうだ、フレンチには全く似つかわしくないがこれはこれで挑戦してみるのも面白いか。
 普通の和風居酒屋で「赤ワイン」って銘柄でおいてあるのと似たようなものかな、どうだろうか。
 何本か見せてもらった中で本格芋焼酎角玉、後で調べて分かったことだが晴耕雨読を造っている鹿児島の蔵元さんの焼酎で、かなり気合いの入った渾身の焼酎らしい。
 単体で飲むとググッと魂を引き寄せる凄みを感じる、掴まれるほどではないにしろ、杯を重ねるウチにぬかるみにハマってしまうだろう。
 ビクルスにはギリギリ合うな、そんなに違和感がないけれど人に勧められるかと言うとどうだろうか、やっぱりワインだろうな。
 メインディッシュとして食べた前菜の地鶏のスモークと桃のサラダ仕立て千円、値段の割りには地鶏がたっぷり入っているような気がする。
 地鶏は歯ごたえが充分感じられてとても美味しい、桃の表面が軽く炙ってあって甘みを増して旨みを閉じこめている、香味野菜との相性もとてもいい。
 二人で食べると相手に気を使って何か慌てて食べてしまうことが多いけど、一人だとのんびりと居酒屋気分だ、まあ、フランスの居酒屋を「ビストロ」と呼ぶのだけど。
 と、のんびりいい気持ちで飲んでいると隣りに来たお客さんに突然「こんばんわ」と声を掛けられてしまい、全然覚えていないから酔いに任せて「全然覚えていないのですが」と言ってしまった。
 その後彼女はあれやこれやと話をしてくれて、最後にやっと思い出す始末、私はどうして人の顔と名前が覚えられないのだろうか。
 入り口近くにベビーカーに子供を乗せて来たお客さん、旦那さんが子供をあやしに外に出ているときに話しかけられて、話し込んでしまった。
 初めのうちは店長と話し込み、途中から以前あったことのある(はずの)友達と話しを、最後は初対面の人とお喋りを、一人で行ったのにあんまりのんびり出来なかった。
 焼酎を三杯くらいロックで飲んでかなりいい気分、他にも試飲もあったし、そろそろおいとませねば。
 ごちそうさまでした、ランチなどや繁忙期にはワイワイとうるさい位なのだろうから、静かなお店は貴重だったろうな。
 今日もロマンスカーで帰宅、確かにロマンスカーは楽だけど少し自重せねば。 


15日(水) 終戦祈念日

 六時頃に起きて身支度、今日はお弁当のおかずを一品だけ作って家を出る。
 お盆だからと言って帰るところはないし、仕事もお盆とはあんまり関係ないので特別に何をするわけでもない。
 そんな人は私だけじゃなくて電車一両の座席数分だけいるのが救いか、乗った時刻から座れると新宿までの間にぐっすりと眠れるけどね。
 品川駅に着いてどうしてもお腹が空いてしまったので、常磐軒@品川駅コンコース上へ、ここ品川駅には常磐軒が六店舗あって、それ以外にもあじさいもあって、どのお店も味が少しずつ違っているので楽しみ。
 食べたのは冷やしかき揚げそば四百三十円ネギ多め、ちょっと高い気もするけれど。
 ドンブリが冷たいのは蕎麦つゆが冷たいせいだろう、お蕎麦もよく冷えていて悪くはないけどかき揚げが噛みきるのも辛いくらい冷たいのはいただけないな。
 じゃあ揚げたてだったらいいのかというと、それはそれで違和感がある、さてどうしたものか。

 お昼のお弁当のおかずはチャーシューの端切れと茹でインゲン、インゲンは近くの農家からもらったものでかなり不揃いだし、苦みが残っているし。
 ご飯には斜めに海苔を差し込んでみた、醤油を付けてあるので作ったときはピッタリだったけど、食べる頃になったら縮んでしまった。

 仕事が終わったのは七時半過ぎ、ふと見渡したらもう誰もいないので施錠してセキュリティをかけて、と。
 電車で五反田まで、暑い日々を歩けば痩せられるかも知れないけど、痩せる前に身体を壊してしまうかも。
 地下鉄の階段を昇って地上に出る、お盆休みの可能性も高いがとりあえず行ってみたら定休日のように貼り紙も貼らずに休んでいた、なんだかなあ。
 踵を返して通り二本渡ったお店に向かうも、こちらは貼り紙ありで臨時休業、まあ仕方のないところではあるがここは五反田のラーメンや銀座、やっている店は普通にやっているし。
 明日はお休みなのでニンニク摂取とばかりに博多一風堂五反田店@五反田(品川区西五反田)へ、ガラス越しに店内を覗くと満席で入って待ってもいいけど何人か出てくる前で待ってからドアを開ける。
 男性店員が三人に女性店員が三人、カウンター十席に大テーブルに十席の店内なので四人で回そうと思えば十分可能だけど、サービスを行き届かせようとしたらこのくらいの人数は必要なのだろう。
 カウンター端に案内され、先ずは生ビール五百円に博多一口餃子四百二十円、餃子はすぐに出来てこないのでテーブルにおいてある辛子ワカメと辛子高菜、少しだけ紅生姜で簡単につまみを作って、と。
 キリンのラガーよりも少し薄めの味わい、いやラガーは瓶でしか飲んだことがないので生だとこの味なのかも知れない。
 ビールを半分飲んでお手製のツマミを食べ終わったところで餃子が到着、この一口餃子が旨いんだよね。
 特製醤油を上から掛けて、豆板醤ベースの調味料を少しずつつけて口に運ぶ、はぁ、美味しい、もう一杯ビールが飲みたいけれどグッと我慢。
 一口と小さいので十個あるのだけどどんどん食べてしまってビールが無くなるのと同じタイミングでなくなってしまった。
 それじゃあ今日のメインイベントであるニンニクを絞っておきますか、テーブルにおいてあるニンニク片をニンニククラッシャーで潰して小皿に乗せておく。
 四片潰したところで「ラーメンをお持ちしましょうか」と声を掛けられる、私にだけではなく皆にそうするのだろう;。
 食べたのは赤丸新味七百五十円+ネギ百円、麺は固めでお願いしたらラーメンより先に九条細ねぎを一合升にたっぷり入れて先に持ってきてくれた、これはいい。
 そのままねぎだけ食べたい気持ちをグッと抑えてドンブリを待つ、両手で持ってきてくれたドンブリをそっと目の前に置いて、と。
 臭みがない真っ白な豚骨スープの特製醤油ダレを回しかけてあって、ここ一風堂でなければ味わえないスープ、チェーン展開していてもどこの店に行っても美味しい。
 細いストーレート麺は一本としてくっつかずにするるっと食べられる、博多ラーメンの本場に行けばこの麺よりも美味しいラーメンが食べられるのだろうか。
 ニンニクしぼりと刻みネギをどさどさっと入れて食べるが、全く負けていないスープの味、喧嘩するのではなくうまく融合している。
 あっという間に食べ終わってしまったので替え玉百五十円を、今度は固めではなくバリカタで頼んでみた、茹で上がるまでに再びニンニクを絞っておかねば。
 一分もしないうちに替え玉が出来上がってくる、さてさて二杯目は辛子高菜と辛子モヤシと紅生姜をたっぷり入れて、と。
 さらにニンニクしぼりをいれてもスープの味はそのまま残っている、さすがである、高菜は高菜、生姜は生姜と味わえる。
 手を休めることなく食べてしまってごちそうさま、気が付いたらスープまで飲み干してしまった。
 ごちそうさまと席を立ってお会計、会計したらお釣りは手に手を添えての手渡し、久しぶりの優しさ。
 うーん、いい店だな、また来ます。


16日(木) 秦野の馴染みの店と伊勢原の新店と

 今日は足の病気の通院のために会社を休む、たっぷり余っている有給は使い切らないとね。
 土曜日に出勤していることが多いので代休として休んでもいいのだけれど、色々と事情があってそういうわけにはいかず、月に四回も有給を使っていても月の作業時間は変わらない。
 久しぶりに愛犬の散歩、自分の足が悪かったのでずっと行かれなかったし、酷暑のおかげで朝早くにいかないと犬は参ってしまうのでそれもあってずっと行っていなかった。
 犬は久しぶりだから嬉しかったのだろうかどうだろうか、聞いてみてもワンとしか答えないし。

 散歩が終わったら本題の通院、東海大学病院へ向かう。
 病院内の作法にだいぶ慣れたところで病気が治ってしまうのはいつものことだけど、時期が良かったのかどうか分からないが、八時半に到着して治療と診察が終わり薬局で薬をもらい終わるのが九時頃、三十分もかからない。
 次は二週間後となった、前回もかなり良くなったときに二週間後と言われ、薬を止めてしまって名古屋に遊びに行ったら再悪化した。
 今度も名古屋出張が入っているのだけど、お願いして飲み薬を出してもらった、今度は大丈夫だろう。

 バスで伊勢原駅に向かい、小田急線で小田原駅へ、ちょうどいいバスが見つからずにタクシーワンメータで小田原警察署へ、運転免許の更新を。
 地元の警察では後日郵送なので即日発行の警察署へ出向いた、後日郵送でも良かったのだが普段はなかなか行かれないところへ行ってみたかっただけだ。
 近場の交通安全協会で証書とか手続きとかをしてもらって、その書類を持って警察署へ、あまり車に乗っていないので優良運転者ということで三十分間の講習を受ける。
 よく運転免許証の顔がどうとか服装がどうとかと気にする人がいる、三年間なり五年間変わらない写真なのでキレイに撮って欲しいと。
 って、この写真は必ず抑揚のないのっぺりした写真になってしまうので、一人として運転免許書の写真が気に入っている人はいないだろうな。

 で、近くの小田原市役所そばに有名なラーメン屋があるので向かってみたら当たり前のようにお盆休み、次に来ることはないだろうとは思いながら後にしてバスで小田原駅まで戻る。
 小田原駅そばの昼間しかやっていない店に行きたかったのだが木曜日は定休日、駅そばのもう一軒の店もお盆休み、それじゃあと栄華軒@神奈川県小田原市へ、店内はテーブル席ながら全てのテーブルが一人か二人で埋まっている、と思ったらまだ奥にテーブル席があって、三つほど空いていた。
 ラーメン屋というか中華料理屋なので色々なメニュがあるし冷やし中華もあるけれど、何となくそれはアレかなと思って坦々麺九百円にしてみた。
 店内が混んでいるだけあって十五分ほど待たされて運ばれてきたのは見るからにラーメン、すりゴマを使っていれば坦々麺ってことじゃないんですが。
 真ん中に挽き肉、ほうれん草、メンマに海苔、食べ進んでいくとチャーシューもある、まさに普通のラーメンを坦々麺らしくしただけかと思ったら、スープの奥の方に酢が隠されていた、元々のスープが美味しいから美味しく食べられる。
 自家製麺の細い平打ち麺、好きだなぁ、前回食べたときも美味しいと感じだけど今日もおいしいと思う、この店が昭和二十年代から営業できているのはこの麺のおかげだろう。
 途中で一緒に持ってきたラー油をかけてみたらちょうどいい辛さに、もっと辛くてもいいかと思ったけどほどほどにしておいた。

 炎天下を小田原駅まで歩いて戻り小田急線で最寄り駅前まで、これまた酷暑の中をテクテクと坂を登る、汗びっしょりになって登りきってお盆休みだったらがっかりだけど、一応心づもりしてお店に向かうと赤いラーメンの幟が立てられている、やっているじゃないですか。
 麺一真@秦野、最近ホントご無沙汰だなぁ、地元で二十一時までしか営業していないので平日に寄るのはとても難しい、それでもなんとか休みには行くようにしている。
 聞くと今日まで営業で、明日から一週間お休みをもらって広島の実家に帰るそうだ、危なかったよ。
 二時だったけどお客さんが一人いたし、その後もパラパラと入ってきて最後まで一人にはならなかった、繁盛とまではちょっと言い難いけど何とかやっていける感じだ。
 お冷やを二杯飲んでからあっさり中華そば六百円、注文したら「平と細麺がありますが」とのこと、まよわず平打ち麺で。
 動物系を一切使わずに作っているとのアツアツスープは魚介の旨みがグイグイ来るけど決して濃すぎず、流行の濃厚スープに流さされることなく自身の求める味を突き進む姿勢が好きだ。
 平打ち麺は細めで黄色みがかかっている、スープがやや薄味なので麺が引き立っていて美味しい、これからはこの麺に合わせてスープを作って欲しいな。
 ランチサービスで味玉か半ライスが付くのだが、サービスで両方付けてくれた、二杯目のラーメンなのでちょっときつかったけどぺろりと食べた。
 トロトロチャーシューは健在、メンマはもう少し何か工夫があるといいな、後はたっぷりの水菜とたっぷりのねぎと。
 気が付くと全部飲んでしまった、なんか残すのが悪いみたいで飲んでしまったのだが、とても美味しかった。
 していつもアイスコーヒーを出してもらってのんびり、その途中で雷を伴った大雨が降ってきてビックリ、閉店時間を大幅に過ぎてしまって「送っていきますよ」の言葉に甘えてまた家まで送ってもらってしまった。
 世の中には色々なラーメン好きがいて色々な馴染みの店があるだろうけど、食べ終わった後で自宅まで送ってくれる店主は他に知らない。

 帰ってきて子供達のCDをパソコンに取り込んで携帯オーディオにコピーする、長女と次女では形式が違うので両方ともiTunesでは管理できないことが分かった。
 MediaPlayerにもう一度CDを読み込ませてからデバイス転送、手間がかかるけど何ヶ月かに一度なので仕方ない。

 夕飯は子供達を引き連れて伊勢原へ、朝に病院へ行くときに見つけた今週にリニューアルオープンした基motoi伊勢原店@伊勢原、以前は楽@伊勢原があった店を居抜きで。
 元々は渡辺樹庵さんがプロデュースした楽でしたが、楽の店主ご夫婦は麺や道楽@秦野市に「隠居」してしまい、その前後して町田店とかと一緒にリニューアル、何でしょうね。
 花輪がたくさんあったけど著名なラーメン店主からはそんなに多くなかったことで渡辺さんの人柄がしのばれます。
 駐車場は満車で四人で入って席が空いているかなと心配だったけれど、カウンター席がちょうど空いていた、ウチ子供達はとかくカウンターに座りたがる、ラーメンを作っているところを見たいんだろうな。
 以前はなかった券売機が導入されての食券制に変わっていた、塩味とか醤油味とかはなくてラーメンとつけめんのみ、メニュの違いはトッピングのみで子供達はどんなときでも一番高いメニュを食べたがる、まあ、いいでしょう。
 カウンターに並んで出来上がるのを待つ、と、厨房を見ると渡辺さん自ら麺茹でしているじゃないですか、プロデュースだけじゃなくて手足も動かすのはなかなか出来ないことじゃないかな。
 ラーメン三つを出した後で少しおいてつけめん六百八十円、麺量は三百グラムはありそうなくらいたっぷり。
 スープは普通と薄めがあるとのことで普通にした、今後、少しずつ薄めにするのだろうとの読みだが、彼のブログを見たらまさにその通りだった。
 以前は濃厚魚介に羊羹のようなメンマが渡辺テイストだったのだが、少しずつ完成度を高めているようだ、周りの雑音に惑わされずに自分がこうと思ったラーメンを作っていく、ずっと変わらないのではなく少しずつ変えていく、きっと味に完成などはなくて永遠に未完成なのかも知れない。
 穂先メンマを使い、少し固めのチャーシューを出す直前にバーナーで炙り、ネギと刻みタマネギで味を調えたツケダレ、とても美味しい。
 子供達は何も言わずにラーメンを食べている、彼女らが私の歳くらいになったとき、世の中のラーメンはどんな味が主流になっているだろう。
 途中でカウンター台に置かれていた刻みタマネギを投入、ツケダレの温度は下がってしまったがさっぱり感が増してこれまた美味しい。
 最後にスープ割りをしてもらう、アツアツスープを入れたら青ネギを足して戻してくれる、これまた美味しくて全部飲んでしまった。
 ごちそうさまでした、次は普通のラーメンを食べに来ます。


17日(金) 再びビストロマルセイユ

 今日から足に包帯を巻かないことにした、しかし革靴は来週からにして今日までサンダル履きだけど、サンダルは楽だし。
 肉を炒めてお弁当のおかずを作ったのだけど、後から思えば豚キムチにするんだった、うっかりしてしまったよ。
 駅まで送ってもらって出勤、来週からは暑さも落ち着くだろうから健康のためにも歩いていこうと思う。

 都内はさらに酷暑でまだまだコンクリートの上を十分とか二十分とか歩ける状態ではない、品川から京急で一駅乗るついでにえきめんや品川店に立ち寄る。
 逆に涼しくなったらこのコースは滅多に使わないのだろうな、その前にこの地に来ることが少なくなるんだろうな。
 食べたのは冷やし天ぷらそば四百二十円、冷やしに揚げたてアツアツの天ぷらは合わないと思っているのだけど、揚げ置かれてちょうどいい感じに冷めているかき揚げが美味しかった。
 サービスでワカメと山菜が乗っていた、ネギも多めにしてもらって満足でした。

 お昼はお弁当、おかずに冷やし豚バラにゴボウサラダ、ご飯には海苔を斜めに差してみた。
 海苔はどうしても縮んでしまうので付ける醤油の量を増やしてみたけど返って逆効果のようだ、最低限の醤油をサッと付けるのがいいのかな。
 今夜は小田急線を途中下車して、とあれこれと考えていたら「嶋さんの店に行かない?」ってお客さんからメッセンジャーが入って、つい火曜日に行ったばかりだけどまた行くことになった。
 仕事の切れ目が悪くて出かけるのにてまどうが何とか離脱、茅場町の三番出口を出たいので一番後ろに乗ってみたけどそこは二番出口、反対側斜線の出口でないとダメらしい。

 橋を渡って歩いていく途中で行きたかった店を覗くと真っ暗、水曜日には営業していたのに残念、それではと次候補の香味@茅場町、調べてみると2003年7月のオープン当初に行ったきりである。
 店内の様子はあまり覚えていない、テーブル席は五卓くらい、壁に向かってのカウンター席が十席くらいかな、なんとなく一番入り口に近い席に座る。
 ほぼ満席で周りにお店がないことを物語っているが五分ほどしてつけめん七百円、見よう見まねのツケ麺かと思ったらちゃんとしているじゃないですか。
 刺身を盛り合わせんばかりの大きな平皿に二玉分くらいの麺、固茹で玉子、チャーシュー、メンマ、ワカメ、なるとに青菜と具だくさん、どれから食べるか迷ってしまう。
 麺の真ん中には胡麻がたっぷりでちょっと多いくらい、四角い細麺をツケダレにくぐらせる、美味しいじゃないですか。
 ツケダレはやや薄めだけどワタシはこのくらいのが好きだ、これでもかというくらいの濃厚なのはちょっと苦手である。
 つるつると食べてしまってごちそうさま、覚えきれない程の中華料理を食べながらお酒を飲んでみたいな。

 さて、ビストロマルセイユへ、金曜日なのかお盆が明けたのか、その両方なのか分からないけどほぼ満席、嶋さん一人のサーブではとても回らない。
 奥のテーブルでオーダーを取っているので何の挨拶も無しに友達の待つテーブルまで、私は全然気にしないけれど初めてこの店に来た人であればかなり気になるのではないだろうか。
 友達も私もあちこちに声を掛けたけど、当日に金曜日が空いているほど暇な友達は一人しか見つからなかった、こういうときのために携帯のアドレスを交換しておくべきだろうけど、アドレスを交換しただけで普段に交流がないと突然呼び出す方も気が引けるし、呼び出された方もちょっと引いてしまうよな。
 前回まであった焼酎は売り切れてしまったとのこと、今日はお店セレクトのワインに身をゆだねる、以前は撮ってきたボトルの銘柄を元に色々と調べたけれど今はなんか気持ちが乗らなくなってしまった。
 ちょうど地鶏のローストと桃のサラダが来たところで、先ずは生ビールで乾杯、ふう、やっと金曜日まで来た。
 一本めにいただいた白ワインのBOURGOGNE CHARDONNAY 2005 lequin-colin、ボディが軽くとても口当たりがいい、大切な人との語らいを後ろから優しく照らすムードライトのような味わい、三人でワイワイ飲むワインじゃないような。
 こういうときに銘柄を覚えておいて何かの時に役立てられるといいのだけど、銘柄を覚えておけないし、覚えておいても先のお店においてあるか分からないし。
 頼んだつもりは全くなかったけど自家製ロースハム九百円、まあ出されれば食べるし、千円二千円を気にするようならこういう店には来ないし。
 ハムを巻いただけってちょっと手抜きのような気がしないまでもないけど、ハム単体の味がよく分かって嬉しい。
 二本めにいただいた赤ワインのMORGANS 2005 COTEAUX DU LANGUEDOC、グッと重めの味わいでちょうどさらに酔いたいと思っていた気持ちにピッタリ、一人は途中で帰ってしまったので二人半で二本飲んでしまった、まあ、そんなものか。
 ホロホロ鳥を頼んだのに、どこがどう変わったのか和牛すね肉の煮込み千八百円、形を崩さずにすね肉をここまで煮込むのはとても大変なのではないだろうか。
 夏野菜がたっぷり入っていてとても美味しい、赤ワインにもとても合うし、まさにメインと言うにふさわしいメニュ。
 十時閉店なのにもう十時半近い、まだまだ帰らないお客さんがたくさんいるのはよく見かける風景だけど、そろそろ店を出ないと。
 お会計をすませて店を出てからロマンスカーの予約、テーブルには電波が届いていなかったのだ、無事に二十三時の便を予約できた。
 東西線で馬場まで、山手線で新宿まで、発車十分前には到着して余裕の搭乗、今週は後一日頑張らないと。


18日(土) 久しぶりにラーメン二郎

 昨日は珍しく一時過ぎに寝たのだけど起きたら七時、身支度して会社に行くにはちょうどいい時間だ。
 恨めしくこちらを見上げる愛犬に「明日、一緒に遊ぼうね」と何の根拠もない声を掛けて家を出る、やっと駅まで歩いていける身体になった。
 あちらこちらにサルスベリの花が咲いている、既に枯れはじめてしまっている花もある、また来週から毎朝花を撮ろう。

 今日の予定はデータセンターに行ってから泉岳寺の客先へ向かうのだが、データセンターに向かう地下鉄の二駅前で降りてラーメン屋巡り。
 常に大行列なので開店時間の三十分前に駆けつけたお店は明日まで臨時休業、次候補と次々候補は共に十一時半からの営業、こんな事なら先に仕事してきてから戻ってくれば良かったと後悔するが、まあこれも食べ歩きの宿命。
 目に付いたコーヒーショップで昨日の日記でも書いておくかと百八十円のコーヒー付きの場所代を払って席に付く。
 十分前になったので次候補に向かうも三人並んでいたので一気に萎えてしまい、次々候補の美学屋@木場(江東区東陽)へ、既に三人食べていたけど先の店より広いからゆっくり出来る。
 今日は奥さんが手伝っているようだ、客商売の経験はなさそうにみえるけど誠心誠意で接客すればちゃんと気持ちが伝わるしね。
 それにしてもこの店は店内が明るい、昼間だったら店内の照明が要らないくらい明るい、太陽光をたくさん取り入れている店っていい気分だな。
 太麺と細麺が選べるのだけどツケ麺は太麺だけ、さてさてどんなラーメンかなとワクワクしていたらつけめん七百五十円、おまちどおさま。
 ツケダレはアツアツなんだ、一人分ずつ雪平鍋で暖めているんだな、冷水で充分締めた麺とちょうどいい感じである。
 キュッとした味わいの太麺は細麺に比べて太いだけで世間一般の店からすると中太程度である、しかしこのくらいの太さがちょうど食べやすい。
 ツケダレは濃厚一歩前のこの店でしか味わえない高レベルのバランス、とても美味しい、ラーメンも美味しかったけどつけ麺も美味しいな。
 食べ終わったところでスープ割りを、割りスープはこれまた一杯分を雪平鍋で暖めている、ちょっとやりすぎな気もする。
 最後まで美味しくいただいてごちそうさまでした、またこの辺りに来ることがあったら立ち寄ってみたい。

 そのまま地下鉄二駅分を歩いてデータセンターへ、なんだかんだで二時間近くいたことになる。
 つつがなく作業を終了して外に出て、東の方へ向かってお店を探す、この辺りは電車が少なくて殆どの人は都内なのに車での生活をしているから店がポツリポツリとしかない。
 それでも遠くから見えた中華永楽@南砂町(江東区南砂六丁目)、入ろうとしたら数人のお客さんが出てきた、この地で長く営業しているのだろうな。
 ガラス戸を開けるとすぐそこが横に長いカウンターと丸椅子とう典型的な省スペース中華料理屋、ラーメンと丼物と一品物が同じくらい用意されている。
 塩味とか醤油味とかは選べない、選べない店の殆どが醤油味なのは関東地方だけのことだろうか、地方に行ったら違うのかな。
 食べたのはラーメン五百円、大きな中華鍋になみなみと満たしたお湯でユラユラと茹でられた麺は場違いのように美味しい、この麺だったらもっと茹でてみてもいいのではないか、いや、新聞やテレビを見ながらのんびり食べるお客さんのために少し固めに茹でてあると考えるのは考えすぎだろうか。
 スープは化学調味料多めの醤油味、少ししょっぱめなのは飲んだ後がちょうどいいのかも知れないけど、昼間は薄味にしてもいいかも。
 チャーシュー、メンマ、モヤシにネギ、値段相応といった感じだな。

 その後、電車を乗り継いで泉岳寺の客先へ、誰もいないかと思ったら一人出社していた、部屋が冷えていて助かった。
 少し調べ物をして資料を作って、どっかに飲みに行こうかとも思ったけどやめてニンニク摂取を、と思ったけどお盆中は休みが多いだろうな。
 一ヶ月ぶりくらいに品川駅まで歩いて、山手線に乗ったらすぐに座れたのでノートパソコンを立ち上げて営業しているお店を探す、高田馬場か。
 駅を降りて早稲田通りを西へ、足が痛くて途中で引き返したのは今月はじめの頃か。
 二郎高田馬場店@高田馬場、二郎難民が集結しているかと思ったらそもそも都内に学生が少ないようで数人並んでいるだけだった
 よく店前を通りかかるので何度も行っている感覚だったけど、調べてみたら二ヶ月ぶりの二回目だった。
 以前は店外に券売機が置いてあった気がするがいつの間にから店内に、入って左手で食券を買って、食べている人の後ろを奥まで進んで並ぶわけだ。
 七分ほどして席に付くことが出来たけど、ラーメンが出てくるまで二十分近く待たされた、意外と早かったな。
 待っている間に「ヤサイニンニクダブルトウガラシ」と小さな声で何度も練習、聞かれたときに噛んだり間違えたりすると格好悪いからね。
 さてラーメン六百五十円、無料トッピングは「ヤサイ、ニンニクダブル、トウガラシ」、トウガラシは二郎の中では珍しい。
 いつもどおりにヤサイから食べ出すがニンニクもトウガラシも一緒に食べてしまい、一瞬咳き込んでひるんでしまう、が、ここで負けるわけにはいかない。
 食べ進めて分かったのだけど背脂って甘いからトウガラシが合うんだな、とても食べやすいよ、って食べやすい二郎ってどうよ。
 格闘に格闘を重ねながら食べていると後ろから「すみません」と店長さんに一万円札を出すお客さんが、壁に吊された巾着から千円札を出してと現金を触った手を目で追っていたらちゃんと洗っていた。
 隣と少し離れた席が空いたので「すみません、一つ寄っていただけませんか」とまだラーメンが出来上がっていないお客さんにお願いして二人連れを並べて座らせた店長、そういうこともするのか。
 まだ格闘は続くのだがついつい気になって隣の細身の女性を見てしまう、おまちどおさまとカウンター台に脂まみれのどんぶりが置かれて上手くテーブルに降ろせずに四苦八苦していると、彼(単なる友達かも知れないが)は両手をテーブルの下に下げたままで眉毛一つ動かさない、最近の若い男性はそういうものなのか。
 麺を八割くらい片付けてから「さてと」と独り言を言いながらドンブリを持ち上げてスープを飲む、他のラーメンのスープを残して身体のことを考えても二郎のスープは残せないのだ。
 脂ぎっているドンブリは慎重の上に慎重に持たないと滑ってしまう、レンゲを置いてくれたらなぁと毒づきながらもカウンター台を見るとプラスチックの容器に薄うぐいす色のレンゲが用意されているじゃないですか。
 途中から使うのは格好悪そうなので最後までドンブリから直接飲んだ、シャツに数滴のシミが出てしまったけどそれは戦歴として良しとしよう。
 十分ほどでスープを一滴も残さずに食べ終わった、ああ、美味しかった、また来るけどいつ来るかは約束できないなぁ。


19日(日) ヒマワリ畑

 六時ちょっと前に起きて愛犬の散歩、昨日の約束通りだけど犬は覚えていないだろう。
 一時間位したら太陽がずいぶん高くなっていて暑くなってきた、地面に近い犬はもっと暑いだろうと即座に撤収を決める。
 戻ってきて何か食べようと思ったらご飯が余っていたのでキムチチャーハンを作ってみた、こんなチャーハンは簡単だな。
 さて、どこへ出かけようかと県内の著名ラーメンサイトを巡回したら、足を悪くしている一ヶ月の間に何軒も店ができていた、一年後に何軒くらい残っているだろうか。

 何軒も行きたい店の中でリストアップした第一候補は駐車場満車で、それでも一番自宅から近いから後回しにして次候補へ。
 道の両側には見渡す限りのサルスベリの花、なんでこんなにたくさん植えられているのかは分からないけど。
 通りにはばたく幟ですぐに見つかった一期一会@厚木市、言葉の意味からすると「一回しか会わない」ってことになるが、そういう意味ではないだろうな。
 本丸亭@厚木市で修行したとのネット情報だけど、塩ラーメン専門店で修行してなぜに醤油ラーメンや坦々麺なのだろうか、本丸亭ではつけめんもやっていなかったと思うけど修行したのは本店じゃなくて関内店か川崎店なのだろうか。
 四人掛けテーブル卓が二つに四人(五人かも)ほど座れるカウンター、意外と狭い店内にはあちこちに貼り紙が、「化学調味料を使っていない投手自慢のスープ」とか「割り箸は資源の無駄遣いなので使っていない」とか、貼り紙も読まないといけないし漫画も新聞もおいてあってラーメンが出来上がるまでの時間の過ごし方に困ることがない。
 先ずは女房の分の醤油玉子らーめん七百五十円、少し時間をおいて私の醤油つけめん七百五十円、さてさて食べてみますか。
 縮れ麺はちょっと太めでツケダレに合うな、そのまま食べてみたけどちょっと茹で加減が長すぎるのかも知れない、たまたまなのかも知れない。
 トロトロチャーシューが一つ乗せられている、なぜか麺の頂上には三つ葉が乗せられている、イマイチ方向性が分かりにくい。
 ツケダレにはワンタンが一つ、ちょっと薄めの味わいながらふんわりしたまとめ方がなかなかいい、あっさりタイプながら良く麺に絡む。
 ちゅるちゅるとあっという間に食べてしまった、割りスープは初めから付いていたのでそのままでも充分に飲めるツケダレを割ってみるとちょっと味が濃くなったような気がする、これはこれで美味しい。
 ごちそうさまと席を立つとこれでもかというくらいに挨拶されてしまった、まだまだこれから頑張っていって欲しい店である。
 一番近い駅はおそらく愛甲石田で歩くと三十分以上かかると思うのだが、「晩酌セット」とかあるのは地元の人向けだろうか。

 次に向かったのは麺庖くらかど@神奈川県厚木市、神奈川工科大学のそばと言えばそばだけど車で五分はかかるだろう。
 大きな看板にまで「一日七十八杯限定」と書かれているけど、ツケ麺や大盛りなどを考えると、麺やスープの量で杯数に制限があるのではないだろう。
 車を駐車場に停めて裏手の店先に回ると店先には三人ほど待っているじゃないですか、まあ日陰だし待ち客用の椅子もあるので座って待ちますか。
 十分ほど待たされて店内へ、かなり広い店内だけど厨房分がかなり広くて客席は八席しかない、席が多ければいいと言うものでもないけれどテーブル席があると家族連れとかが入りやすいだろう。
 メニュを見ると味の種類がない、まだ三十歳前後の店長さんなれどこれは期待できるな、調理しているところを見ていたけどちょっと雑だけどきっちりとよどみない仕事ぶり。
 ドンブリにタレとスープを入れたところで「(私が頼んだ)ねぎはどちらですか」と聞かれた、とりあえず答えたけどなぜ聞かれたのか分からなかった。
 先に女房の分のらー麺六百八十三円、次に私の分のねぎ麺八百四十円、ネット情報を見てこの店に来たんだけどどのブログもラーメンの写真が分かりにくくて初めて目の前にして「これはかなり具だくさんだなぁ」と。
 「見てこのレンゲ、変わってるよ、可愛いし」と声を掛けられて、見てみたら自分のと違っていた、そして次のお客さんが年輩の夫婦で私の時と同じようにラーメンを作っているときにどちらのメニュがどちらの人のかを聞いていたので分かった。
 男性と女性でラーメンのドンブリとレンゲを変えているのだ、麺屋武蔵では男性女性でお冷やのグラスを変えるのは有名だけど、ドンブリとレンゲを変える店は初めてだ。
 というかだな、メニュのオーダーは店長のお母さんらしい人が聞いて紙伝票に書くわけだから、その時にメニュに印を付けておけばいいんじゃないのかな、(おそらく)息子さんのドンブリの気遣いを知らない訳じゃないだろうし。
 スープはスーッと飲める(おそらく)化学調味料未使用の醤油ベースの豚骨系、トッピングで勝負しているのかと思ったらスープがしっかりしているじゃないですか、何口も飲んでしまうほど旨い。
 家系御用達の大橋製麺の太麺はスープに負けてない、この製麺をみて「まんま家系」と評しているネット情報もあったけど、麺の固さや味の濃さが選べないし、そもそもスープに脂が浮いていないじゃないですか。
 チャーシューはかなり大きく、トッピングする前に味付けされてヒーターで暖めている、スープを冷やさないし何よりも美味しいし。
 やや幅広の白髪ネギがなかなかのシャキシャキ感、ほうれん草もしっかり茹でられている、味付け玉子は一玉分を半分に割ってある。
 かなり美味しいラーメンで食べ終わって外に出たら十人くらい並んでいたくらいだ、もう周りの地元民には認知されているのか。
 強面の店主かと思ったらニッコリ笑って「ありがとうございました」と挨拶しているし、いったいどこで修行されたのかなぁ。
 また食べに来たいなぁ、つけめんを食べてみたいなぁ、可能ならばビールでも飲みながらのんびりしたいなぁ。

 お腹一杯になったところで、今年も行ってみました座間市のヒマワリ畑、座間市ひまわり推進協議会が開催していて全部で十一万本らしい。
 三つか四つほど畑があって時期をずらして植えているらしくて一ヶ月くらい楽しめる、近くの人は毎週来ているのだろう。
 最初の畑はそんなに咲いていなかったし、二番目の畑はうなだれていてやや終わり気味だった、が、三番目の畑はまさに満開、ここまで咲いていると凄いな。
 撮影していると「写真を撮っていただけませんか」と三回も頼まれてしまった、他にも見物客はたくさんいるのになぜに私に頼むのだろうか。

 たっぷりヒマワリを堪能してから帰宅、さてさて写真編集にたっぷり時間がかかるから夕食は簡単にすませて、というか夕食を食べながら編集しないと間に合わない。


20日(月) 中国旅行土産

 今日から革靴を履くことにした、革靴と言っても「きっちり紐締めタイプ」と「緩やか脱ぎ履き楽タイプ」があるのだが、先ずは楽な方からだ。
 
 今日から朝は駅まで歩くことにした、「した」と決めつけないと「まだまだ暑いから」とか「まだまだ完治していないから」とか幾らでもいいわけに甘えてしまいそうなのでね、それでもまだ無理はせずに途中からバスに乗っている。
 バスまでを止めるのはもう少しかかる、無理をしないって言うことじゃなくて無理が出来ないってことなんだけどね。

 下らないトラブルに巻き込まれて午前中を潰してしまう、先に止めておきなさいと伝えてあったのに。
 人間、私も含めてなのだが幾ら言われても理解できないもので、失敗して「それはやってはいけないこと」だとやっと理解出来るものだ。
 自分の記録の意味もあるし、考えを整理する意味もあるので記しておくと、VISIO2007をインストールすると標準でIME2007がインストールされてIME2000やIME2005を無条件で上書きしてしまうようだ。
 して、そのIME2007が使用する辞書は管理者権限でないとアクセスできないようで、特にエラーとならずに漢字変換が出来なくなる。
 ログインアカウントに管理者権限を付与することで漢字変換が出来るようになるのだが、何か釈然としない。
 漢字変換が出来なくていいユーザは日本には存在しないから、日本のユーザは全て管理者権限でパソコンを使えと言うことか。

 お昼はお弁当、新宿本社勤務であれば夏はお弁当をお休みして近場に食べに行くところだが、どうやら今年はお弁当休みがなさそうだ。
 朝慌てて作ったゴーヤと豚肉炒め、昨日のウチから仕込んであった味玉、できあいのゴボウサラダ、ご飯の上には百均で買った高菜とちりめんじゃこ炒め。
 なぜかご飯を勢いよく食べてしまっておかずが大幅に余ってしまった、明日はバランス良く食べることにしよう。

 仕事を七時過ぎに切り上げて事務所を出る、ムッとした熱気に押し戻されそうになる中をグッと足を踏み出して。
 その店に行くには途中まで地下鉄に乗るのが一番近道なんだろうけど、都内で地下鉄一駅乗るのはとても無駄に感じている、ホームへの下り上り時間がとてもイヤだ。
 それもあってテクテクと十五分ほど歩いて馬かんべえ高輪台店@高輪台(品川区東五反田)へ、この店でよく見かける女性が奥の席で店長との話に興じている、とても楽しそう。
 店内入って右手の席に座って生ビールをオーダー、今日は満席にはならなかったけれどもずっとお客さんが絶えなかった。
 ビールを飲みながら水餃子をつまむ、タレには特製ニラ醤油をたっぷり入れて、プリプリした皮を味わう、何度食べてもここの水餃子は旨い。
 さて焼酎を飲もうと思ったら「中国のお酒、飲みますか」と、夏休みに子供を連れて北京旅行をしてきたのでそのお土産だ。
 小さな小瓶に入っていてラベルを見ると大きく「五十六」と書かれている、五十六度のお酒なのだが普通の酒屋で百円前後で売っているとのこと、なんとなくの勢いでロックで飲んでしまったが、アルコールの味しかしないよ。
 ジンとかウォッカとかテキーラだとどんなにアルコール度が高くても「ウマイ」という味わいがあるのだが、ちょっと感じないなぁ、まあ飲めなくはないけれども。
 そうはいってもチェイサーと共に飲んでしまい、お代わりに焼酎をロックで、 しかしこの店の焼酎は大きなグラスが焼酎で小さなグラスがチェイサーなのだ、ここまで大盤振る舞いしてくれるお店を他に知らない。
 水餃子が終わったので(メニュに書かれている通りに)なんか酒のツマミがありますかと聞くと「じゃあ、何か作りますよ」とネギたっぷりのチャーシューとメンマの炒め物を作ってくれた。
 味濃いめながら酒飲みにはピッタリの味付け、焼酎が進みすぎて一杯じゃ足らずに半分だけお代わりして食べた。
 そろそろ火を落としますがとの声掛けに納豆冷やし中華七百五十円を、この夏はこのメニュでいくようだ。
 刻み海苔の下には冷水でしっかり締めた細麺がたっぷり、納豆と温泉玉子、ドンブリ端には洋辛子が添えられて、全部を勢いよくかき混ぜる。
 とっても美味しい、納豆が麺と合うなんて考えてもみなかったけど、こんなに合うなら他の店でもやってみたらいいと思う。
 最後の一本まで美味しくいただいてごちそうさまでした。


21日(火) 早めに帰ろうと思ったのに

 六時前に起きて身支度を、夏真っ盛りに早く目が覚めるようになったのはなぜだろうか。
 お弁当のおかずを一品作る、タマネギを刻んでも目が痛くなかったけど、何か今日はいいことがある知らせだろうか。
 坂を下った先にあるバス停まである、駅までの距離を考えるとちょうど真ん中でバスを待つ時間が十分あるのであれば歩いていった方が早いのだ。

 午前中を慌ただしく過ごしてお昼、今日もお弁当でおかずは夕飯の残りの焼き肉と朝作ったタマネギの玉子とじ。
 玉子とじと言っても玉子にカツオのだし粉を混ぜるところがちょっと違うところで、まあ、そのくらいしか工夫できないのだが、色合いを考えるとピーマンとかあるとなおいいな。

 午後はずっと打ち合わせが繋がっていて、それでも一時間のところを四十五分とかで切り上げて少しずつ息抜きしたけど。
 一方的に話を聞く打ち合わせだと眠くて仕方ないのだが、自身が主体的に集めた打ち合わせだと皆の意見を平均的に聞いて時間内にうまくとりまとめることにもの凄く神経を使う、ぐったりと疲れてしまった。
 仕事が終えたら本社に立ち寄って事務手続きをしようかと思ったけれどもとてもそんな元気は残っていない、明日は名古屋出張で寝坊できないから、そそくさと帰ろう。

 新宿まで出てムッとした熱気の小滝橋通りを北上する、この店に向かうときは大抵同じルートなのだが、今日は大きく遠くから回り込んで新しい店でもできていないかとチェックしたけど全く代わり映えしなかった。
 さて、麺屋翔(しょう)@西新宿七丁目、何回目か覚えていないけど月に一回以上来たい店なのだ、駅から遠いのが難点と言えば難点。
 ほんの少し三十分ほどだけのんびりするかと瓶ビール五百円、小さい器に押し入れられたツマミはバーナーで炙られた小さく刻んだチャーシューに長いままの穂先メンマ、少しだけの白髪ネギ。
 このつまみをもう少しバージョンアップすれば三百円くらいの一品料理として充分通用すると思うし、そうなったら是非食べてみたいとは思うのだが、そういう小技が効かないのがこの店だしこの店のいいところだし、私が好きなところ。
 餃子があれば食べたいところだけどつまみと呼べる料理は特に用意していない、というか、飲み屋じゃないからな。
 もうすこし贅沢を言わせてもらえば、瓶ビールじゃなくて生ビールが望ましいけど、あれこれ望んでいたらキリがないし。
 さてさてビールを飲み終わったのでどのラーメンを食べるかと考えていたら携帯にメールが、何だろうと見たら「埼玉屋にいる」と、なんだよそれ。
 飲みに行ったら遅くなってしまいそうだし、そもそも飲まずに帰ろうと思ったいたのだが、部下からの声掛けの気持ちにも応えたいし。
 「二十分待て」と返事して券売機に向かう、ツケ麺をゆっくりすすろうかとも思ったけれど、今日は中華そば七百五十円。
 「お熱いので置かせていただきます」とテーブルへ置いてくれる、視線はずっとこちらを見たままだ。
 醤油ベースに今風の魚粉をたっぷり使った濃厚なスープ、それでいてしつこさを感じないところがこの店の素晴らしさだ。
 食べ進めているとわずかに酸味というか柑橘系の爽やかさを感じるのだが、柚子の切り身が入っているのだろうか、テーブルに酢でもおいてあったら合わせてみたい気もする。
 ほぼ真っ直ぐなまん丸い中太麺はなかなか美味しい、心の中では固めとか柔らかめとか食べてみたい気もするので、次回に訪問したら頼んでみようかな。
 チャーシューは大ぶりで二つ、乗せる直前にバーナーで炙ってあるので余分な脂身がそげ落ちていて、それでいていい香りがしてなんとも言葉に出来ない柔らかい旨さ、次回はもう二百円出してチャーシュー多めを食べてしまうかも。
 ねぎは刻みタマネギとして散らされていて全体を丸くまとめ上げている、真ん中にはなると、明らかに異質ではあるがかの東池袋大勝軒のラーメンも最後までなるとが入っていた。
 今はまだまだお客さんが少ないけど、変なメニュに手を出したり奇抜なことやらずに実直にこの味を磨いていって欲しい。
 また、食べにきます。

 さて、十分ほど歩いて戻って埼玉屋@思い出横丁、この暑いのにどの店も大変混み合っているな。
 軒先の通りに面した席にはラーメン食べ歩きの大先輩がのんびりとした時間を過ごしていた、尋ねると「もう帰ります」と言いながら私より先に来て私より後まで飲んでいるような気がするが気のせいか。
 奥で飲んでいた部下の隣をにすわり、先ずはレモンサワーで乾杯、かぁ、何度飲んでも埼玉屋のレモンサワーは旨い。
 なんでも仕事で色々と息詰まっているらしく、出張から帰ってきたら出向いていって対応するか、上手くいくかどうかはやってみないと分からないけれど、やらないといつまで経っても場面は好転しないし。
 レモンサワーをお代わりし、お腹のラーメンがこなれてきたところでナンコツを三本、シオで、自分で持ち込んだ日本一辛いトウガラシをたっぷりかけて食べる。
 この辺りから話がさらに盛り上がってアズミちゃんとの会話も弾む、早く帰ろうと思ったのだけどね。
 さらにタンを三本、シオで焼いてもらってからさらにレモンサワーをお代わり、九時には帰ろうと思ったのに十時を過ぎてしまっているし。
 仕方なくロマンスカーを携帯から予約して、ぐいっと飲み干して退店、この店に来るとどうしても飲み過ぎてしまうな。


22日(水) 名古屋出張

 先月に引き続き今月も名古屋へ、小田原発七時十分の名古屋までノンストップのひかりである。
 六時前に家を出ないと間に合わないので起きられるか心配だったけど、五時にピタリと目が覚めて良かった良かった、滞りなく身支度して。
 名古屋に着いたら何はなくともきしめん、きしめん住よし@下り新幹線ホーム大阪寄り、店先にはベタベタと冷やしメニュの写真が貼られていてそこまでいうなら食べてみるかと冷やしおろしかき揚げ入りきしめん五百五十円の食券を買う。
 店内はガランとしていたのだが少しずつお客さんが入ってくる、私のようなきしめん好きはたくさんいるのだろうな。
 新幹線ホームのきしめん屋四軒は全て同じで、平べったい豆腐のように凍結されているきしめんを深ザルの中に入れて煮立ったお湯で暖める、暖かい麺の場合は湯切りして出すのだが冷たい麺の場合は冷水であら熱を取り、氷水が入った容器でギュッと締めている。
 冷たいきしめんもなかなか美味しいと思う、蕎麦つゆは変わらないようで大根おろしが意外に合う、ネギ多めはあまり考慮してくれなかったみたいだ。
 トレードマークのカマボコはかき揚げの下に隠れていて、全体的にはとても美味しく食べられた。

 伏見の錦通りの事務所で作業開始、さっさと済むはずの仕事も実際に現地に来てみると色々とやっかいな場面が多くて。
 しかしそれはそれで臨機応変に対応するのがシステム管理者として一番大切なこと、次回からは後任者が頑張ってくれるだろうけど今回はきっちりと自分でキレイにしておかないと。
 インフラ整備にLANケーブルが足りないことが発覚して、お昼を食べるついでに名駅西口のビックカメラまで買い出しにいくことにした、炎天下だけど死ぬことはないと思って歩くことにして。
 行く前にチラチラッとネットを検索して、先ずは旨いと評判で事務所に一番近いラーメンやを目指して錦通りから広小路通りに出てみると見覚えのあるスターバックスが、あたりの風景に見覚えがある、ここはひょっとしてとさらに店の方向に歩いていくとハッキリと思い出した、日本一旨い焼き鳥屋のある通りだ。
 左手の郵便局の脇を入っていくとこくや原田屋@名古屋市中区の看板が見えてくる、どれどれと入ってみると木材をふんだんに使った落ち着いた店内はカウンター十席に二人卓と四人卓のテーブルが一つずつ、店長が全てのお客さんを見渡せる席数だ。
 塩味、醤油味、味噌味と揃っているしつけ麺も始めたようでどれを食べたらいいのか迷ってしまうが、ねぎのトッピングが百円だったのでネギ麺八百円にしてみた。
 氷が一杯入った小さい湯飲み茶碗を出してくれるのが女将さん、大将は調理と仕事を分担しながら効率よくラーメンを提供していた。
 ラーメンのスープは一杯ずつ大将がレンゲで味見をしている、ホンの一口ずつの味見であっても一日し続けるのは結構大変だと思うよ。
 たまたま女将さんが片づけをしていたので大将自ら出来上がったラーメンのドンブリを出してくれた、プーンといい香りのするドンブリを。
 旨いラーメンというのはいい顔をしていて品がある、鶏ガラやかつお節などを丁寧に合わせた石垣塩ベースのスープ、レンゲで飲んだ瞬間「この店でもう一杯食べていくか」と思ったほどだ。
 真っ黄色の細い縮れ麺がこれまたうまい、スープに良く絡むし具と一緒に食べても美味しいし。
 丸いチャーシューもいい味だし、メンマはコリコリした食感、青ネギは斜め切り、白ネギは白髪ネギ、さらに焼いて味付けしてある長ネギも入っていた。
 味付け玉子は色合いも良く海苔も付いてこの値段とはずいぶん安いな、他のメニュも是非食べたいけれども他もいってみたい店が沢山あって困りものだ。

 店を出てムッとした熱気の中を「行くと決めたら行く」と自分に言い聞かせて広小路通りを西へ、交差点以外はビルの日陰を歩けるのでそんなに大変なことはない。
 とはいえ十五分も歩いたので汗びっしょり、二軒目に向かう途中でコンビニに立ち寄ってミネラルウォーターを一気飲みしてしまった。
 通り一本入った路地裏にある浄心家@伏見(名古屋市中村区)、観光客が普通に歩いていたら見つからない場所なのに先客は二人いたし、帰る頃には四人くらいになっていたし。
 厨房を取り囲むカウンターのみ十二席程度の店内は夏の高校野球の決勝戦が天井から吊されたテレビから放映されようとしていた。
 先の店が何種類ものスープを出すことを営業方針としていたけれどこの店は醤油味一本、しかし麺が「多治見麺」「名古屋麺」の二種類がある。
 細麺、太麺、という区別ではなく全く違う二種類、どちらか一方しか食べられないのでメニュ右端の多治見麺にした。
 壁側には素材がどうとかン十時間も煮込んでいるとかのウンチクが書いてあって読み終わる頃にメンマ中華そば八百円、プーンとあたりを包み込む旨そうな香りがたまりません。
 先の店に続いて化学調味料未使用のスープ、単に未使用だと薄っぺらい味になってしまうが、この店のはギュッと掴まれる強さがある。
 はぁ旨い醤油スープ、ちょっと独特な味わいがあって他ではこの味は出せないだろう、ハマってしまったら抜け出せなくなるスープだ。
 多治見麺は「(メニュの説明によると)つるつるっとしたストレート麺」でかなり旨い、名駅からも伏見駅からも決して近いとは言えない地の利が無いこの地で営業しているだけある。
 なかなかここまでは来られないと思って百五十円増しで頼んだメンマ、好来系のごとくドンブリを覆い尽くすぶっといメンマ、サクッと切れるほどの柔らかい食感でいてジュワッと味わいがある。
 まあるい煮豚はまずますの味わいで真ん中にこんもりと盛られたねぎが良かった、海苔はまあ普通。
 ごちそうさまでした、また、食べに来たいけど次は汗をかかない陽気の頃に。

 ビックカメラは名駅の反対側だったのでまた十五分も歩いてしまった、タクシーに乗るべきだったような気もするが、まあ後の祭り。
 帰りは地下鉄で事務所まで、ホンの四時間前に同じ商店街を歩いたので道を間違えようがない。
 仕事は「とても今日中には対応できない」という大トラブルだけを運用対処として残して他は終了、名古屋営業所との人と軽く食事でもと思ったのだが、お客さんとの懇親会があるというので「次回にでも」と延期、次回がないことは分かっているのだが今ここで伝えるわけにはいかない。
 名古屋の友達に連絡したくても時間的に難しかったので「ちょっと時間がないといかれない店」に一人で向かう、あまり鉄道には詳しくないのだが「そんな路線、あったっけ」と思うような名鉄瀬戸線、栄町駅から森下駅まで乗ったのだが、車体の色も高架なとこも四両編成なのも浜松から北に向かう遠州鉄道そっくり。
 駅を降りて携帯で探した地図と柱に貼ってある地図表示とを見比べて、道を間違えないように途中のコンビニを確認しつつ住宅街を進むと徳川町如水(じょすい)@名古屋市東区、比較的広い通りに面してガラス戸越しに店内の様子がよく分かる。
 テーブルを並べれば四十人は座れそうな店内なのに十人強の席にしか用意していない、隣の人との間にもう一つ席が置けそうなくらいに空いている。
 醤油味も塩味も味噌味もあって何を食べるのか悩んでしまう、使用食材の一覧が貼ってあってこの店も化学調味料未使用とのこと、どれも美味しそうだなぁ。
 一人の店員さんが麺茹でして盛りつけていて、残りは白い調理服に白い帽子をかぶった店員さんは四人全員男性でなんとなく見習いも混じっている、してその湯切りのパフォーマンスがスゴイ。
 茹で上がると大きく腕を一周して湯切りし、小さく上下にふってからドンブリに入れていた、調理場の壁はずっとびっしょりのようだ。
 七分してつけ麺七百円、高いテーブルに低い椅子だと食べるのはちょうどいいけど写真を撮るのには低すぎて立ち上がらないとならない。
 しっかりと締められたやや細めの四角い麺は小麦粉の味が真っ直ぐに伝わってくる美味しさ、量はそれほどでもないのでちょっと助かった。
 麺に乗せられたチャーシューは味がしっかり付けられていて美味しいと思う、カイワレ大根とメンマは普通。
 スープは火傷するかと思うくらいアツアツでここまで熱いと風味も何もないのだがガシッとしたウマが伝わってくる濃厚さ、このツケダレをここ数年始めたのであれば驚かないけど、十年以上も前からだったらビックリだな。
 スープ割りも頼んでごちそうさま、ああ、また食べに来たい店がまた増えてしまったよ。

 その後、大曽根経由で金山に抜けて三河安城まで、友達と飲む約束になってるので駆けつけてみたらまだ来ていなかった、遅くまで仕事をした帰りに呼び付けてしまって申し訳なかった。
 一献@愛知県安城市、この辺りで行った店の中では一番魚が美味しい店だと思う、予約してあったのだが店内は満席だった。
 生ビールで乾杯して最初に出てきたのはジャガイモシーザーサラダ五百八十円、暖かいジャガイモに半熟卵の組み合わせ、粉チーズもたっぷりで美味しかった。
 梅くらげ三百円、キクラゲを梅で漬けていてなかなか美味しい、同じ味は無理だけど自宅で作ってみたい一品。
 枝豆三百円、いい感じの塩加減で茹でられていて美味しかった。
 カンパチ七百八十円はのっている脂がちょうどよくとても美味しかった、トリ貝七百八十円もネットリとした食感がたまらなく酒が進む。
 活きアワビ刺身千五百円、このアワビはちょっと固くて味がよく分からなかった、値段が値段だったので頼んでみたのだが。
 ビールの次は焼酎、今夜は百年の孤独をチェイサー付きで、なかなか美味しかった。
 焼き物はつくね、、ウズラのベーコン巻き、ナンコツ、焼き物は普通の居酒屋レベルで残念、次回は焼き魚にチャレンジしてみたい。


23日(木) ラーメン食べてパーティに参加して

 東横インに泊まればモーニングが付いてくるので食べなければならないのにぐずぐずしていて食べ損なった。
 都内ならば駅そばか牛丼やで食べるところをここ愛知県ならばコメダ珈琲なわけである、私は有給なのだが世間様は普通に平日なのに駐車場が一杯で、店内は老若男女が入り乱れて普通の光景、何回来てもこの光景には驚かされる。
 モーニングコーヒー、モーニングサービスにするとパンと固茹で玉子が付いてくる、無料である。
 コメダ珈琲は愛知県に住んでいて知らない人はいないくらい有名だけど、独特のフランチャイズ展開方式なのでホームページもなければ全店舗がまとまったサイトもなければメニュやその値段も店舗によって違う。
 誰か全国全店(関東や関西にも委任フランチャイズ展開している)をまとめてやるという豪傑はいないかな、三百店舗以上あるらしいけどね。

 映画が十二時からなのでその時間に合わせてのお店探し、走れども走れども十一時半開店のお店ばかりでそれでは間に合わない。
 都内であれば食事の時間に合わせて映画館を選べばいいのだけど地方ではそうはいかない、映画がやっているだけ良しとすべきか。
 あちこちを走り回ってやっと見つけた岩田屋@愛知県安城市、見るからにチェーン店だけどそうではないらしい。
 こんな早い時間に食べる人はいないかと思ったら一人だけ先客、テーブルに着いて何にしようかとメニュを見ると味噌味専門店のような店構えなのに塩味も醤油味もある。
 食べたのは岩田屋特製味噌らーめん七百五十円、友達は札幌味噌ラーメン、まあ普通の味噌ラーメンだな。
 鶏ガラベースのスープに味噌を合わせてありまずまずの味わい、ピリ辛も利かせてあるし。
 黄色く細めに縮れ麺はこのスープに合わせたということではなく近場の製麺所から仕入れたんだろうな、大量生産の味がするしね。
 普通の大きさのチャーシューにメンマ、ワカメに固茹で玉子に刻みネギ、ちょっと特徴に薄いなぁ。
 飲んだ後に食べるとちょうどいいかも知れないけど、車社会だからそれも厳しいかも。

 で、楽しみにしていたハリウッド映画のトランスフォーマー、漫画の原作をCGバリバリで実写化した映画。
 ストーリーがどうとかいう以前に色々な場面で無理があるが、そのむちゃくちゃさを楽しめなければこの映画は楽しめない。
 車がロボットに変身していく様は素人の私には全く思い付かないアイディア、ロボットが車に戻るのも凄いなぁ、車だけじゃなくてジェット戦闘機やヘリコプターに変身したりするし。
 「ああ、面白かった」というエンターテイメント、続編は特に期待しません。

 帰りの時間までまだたっぷりあるけれど、こんな中途半端な時間にやっている店は限られている。
 コーヒー飲んでも仕方ないのでラーメンでも食べるかと丸源三河安城店@愛知県安城市へ、さすがにお客さんは誰もいないかと思ったらそうでもない、営業していればお客さんは入ってくるんだな。
 先ずは生ビールに餃子、餃子が焼き上がるまではプラスチックの容器に入ってテーブルに置かれている野沢菜キムチ、キムチ味薄めでとても美味しい。
 お皿に盛り付ければ一品料理になりそうな美味しいさ、ビールが進んでしまって無くなってしまいそうだ。
 待ってましたとばかりの焼き餃子、小ぶりながら「餃子のことはちょっとうるさい」友達も「チェーン店にしては美味しい方」と認める味、確かに美味しいですな。
 生ビールがとっくに終わってしまったけどお代わりするのは何だよなと我慢してラーメン、色々な種類が揃っていてどれも美味しそう。
 スタンダードメニュには載っていない夏季限定っぽい激辛つけ麺六百八十円にしてみた、ツケダレの辛さを選べるようだけど四段階の二番目にしてみた、メニュの説明ではどう辛いのかが全く見当が付かない。
 そんなに待たされることなく出てきて先ずは記念撮影、窓側のテーブル席なので自然光が良くあたってとても明るい。
 麺は良く締められていてドンブリに山盛りかとびびったけど、ドンブリ中央にすのこが引かれていて上げ底、水分を切る意味もあるのだろう。
 真ん中にポツンと赤トウガラシが乗せてあるけど食べなかった、太いメンマは愛知県だからか、オニオンスライスはツケダレにいれるとちょうどいい辛さ。
 ツケダレは全体に胡麻がまぶされていて真ん中に温泉玉子、この玉子はどうやって食べるのかと考えたが途中で崩して混ぜることにした。
 沈んでいたネギも一緒にかき混ぜて麺を漬けて食べるとそんなには辛くない、ほどほどの辛さでとても食べやすいよ。
 なんだかんだ言ってペロッと食べてしまう、こんなに大箱なのにするべきことをきっちりとしていないとこの味は出せない。
 ごちそうさまでした、また、食べに来ます。

 新幹線を乗り継いで客先の人から誘われた六本木ヒルズでのパーティーへ、実態のパーティーは先に別で行われていて二次会からの参加。
 場所は六本木ヒルズの展望フロアの一部を一般客が帰った後を貸し切って、二十二時から二十四時なので子供はいない。
 三階の受付で光るブレスレットを渡される、細い箸の様な棒を真ん中でポキッと折ると薬剤が混ざって発光する仕組みで、このブレスレットを付けていれば展望フロアは出入り自由になっている、なかなかよく考えられている。
 まだ少し時間があるので展望フロアから都内の夜景を見て楽しむ、友達は初めてだったみたいで「おお、スゴイ」の連発、高所恐怖症の私は薄目を開けての必死の撮影、ちゃんと撮らないとちゃんと写らないですねぇ。

 時間少し前に開場へ、いまだ一般客がいるなかをスカイアクアリウムを鑑賞、なかなかキレイで幻想的だと思ったら専門のアーチストがいるらしい。
 夜景とアクアリウムですっかり満足してしまいながらもパーティーへ、一次会に出ていた人はそのまま来たのだろうけど、二次会が立食は辛いんじゃないかなぁ、って場所柄食べ物は一切無くて飲み物だけで、その飲み物もシャンパン、赤ワイン、白ワインのみのシンプル構成。
 周りを水槽で囲まれているので見た目はとてもステキだけど初対面の人とお喋りするには照明の暗さがなんとも言えない。
 終電に間に合うギリギリの時間で会場を後にした、にも関わらずギリギリで終電が行ってしまう、恵比寿駅で階段を走って登るべきだったか。
 心当たりのビジネスホテルに連絡しまくるがどこも満室、仕方ないので定宿のグリーンプラザへ。


24日(金) 少しだけお店の人に近づいた気がする

 カプセルホテルを七時半頃出て昨夜の喧噪が砂埃のように残る歌舞伎町をふらつく、さて、何を食べようか。
 ずいぶんと行っていなかったなぁと博多らーめんわ蔵@新宿歌舞伎町一丁目へ、店内の貼り紙に全店舗が紹介されており「板橋本店」「中目黒店」「歌舞伎町店」「池袋店」とのこと。
 二十四時間営業だけど月曜日の夜だけ四時間ほど休む、日曜日の夜でないところが面白いね。
 豚骨博多ラーメンなので一味でトッピングだけが違うメニュなので何にしようかとか前回何を食べたから今回はとか、悩むことは殆どない。
 券売機左スミのらーめん六百円のボタンを押して店員さんに「カタメで」と伝えながら食券を渡す。
 カタメは十五秒の茹で時間なのでカメラの支度をし終わるかどうかのタイミングでラーメンが出てくる、この速さが博多ラーメンだよな。
 プーンとトンコツ臭が香しい、思わず鼻を近づけてしまうスープ、レンゲで一口飲むとグッとこくのある醤油ベースの味わい、トロンとしたとろみもたまらない。
 典型的な極細ストレート麺をスルスルッと、美味しいなぁ、朝から食べても美味しいけど夜お腹が空いたときに食べても美味しいだろうな。
 やや小ぶりのチャーシューが二枚、刻みネギにキクラゲ、なぜかメンマ、途中からテーブルの胡麻、紅生姜を、この味の変化もとてもよい。
 さすがに朝からニンニクたっぷりというワケにはいかないけれど、ひとさじ位ならいいかなと、ギュッと味が締まってさらにいい。
 ごちそうさまでした、友達から以前に「都内で食べられる博多ラーメンはどこ」と聞かれたときに、この店を紹介するんだった。

 仕事は溜まりに溜まって、片っ端から片付けるつもりが午後一の打ち合わせの資料作りに追われてしまって。
 そうこうしているウチに明日のイベントで使いたいプログラムを作って欲しいと持ち込まれて、外に食べに行こうかと思っていたけど急遽お弁当に切り替え、買いに出かける時間も惜しいので部下に頼んで買ってきてもらう。
 ほっかほか亭の鶏唐揚げ弁当四百五十円、唐揚げにかけるレモンとコショウが余ってしまったのでご飯にかけてしまった、残せない性格の私。
 割り込み作業が多すぎて本来の自分の作業が全く出来ず、仕方ないので遅くまで頑張るか、それとも明日出てくるか、と考えていたら部下から「今日は飲まないんですか」と連絡が入って、誘われると断れない私。
 それでも七時頃まではやるだけのことをやって、まあ、納得していただいて、退社。

 思い出横丁が優先候補だったのだけど、もう少しマメに通って顔を覚えてもらおうとジンギスカン北牧場@代々木、少し先に着いていた部下が席を取っておいてくれた。
 ジンギスカン専門店なので何を頼むかではなく何人前頼むかということになる、最終的に何人前になるか分からないけどとりあえずは二人前か三人前を頼むことになり、今日は二人前を。
 生ビールで乾杯しつつ炭火で温められたジンギスカン鍋にジンギスカンセットのモヤシを周りに乗せてくれる、中に肉を敷き詰めてじっと焼けるのを待つ、時々反転させたりして。
 まあ仕事の話が多いワケだが時事問題もそこそこ出る、とっても楽しいと言うことことはないけれどかなり楽しい会話で時間が過ぎていく。
 肉のお代わりをするときにモヤシもついでに頼む、合わせてタマネギも、タマネギというメニュはないのだけどちゃんと通じるところが嬉しい。
 ビールが終わったので麦焼酎をロックで一杯飲んでみた、あんまり合わないなぁ、そもそも焼酎は無理だろうな。
 ぐいっと飲み干してしまってレモンサワーにする、全体的に値段が高めだけど安いと店が今以上に混んでしまって大変、このくらいがちょうどいいと思う。
 肉も最初の二人前は直接鍋にのせて焼くのだけど、次の二人前からはタマネギ、モヤシ、さらにその上に肉を乗せて焼くというよりも蒸すという札幌式に切り替える。
 この方式だと野菜は良く焼けるし肉が焦げないし手間はかからないので、なかなか優れていると思う、それでも焦げ目のある肉も美味しいけどね。
 帰り際に店員さんの五年越しにお喋りが出来た、全くの日本人顔だったから気が付かなかったのだけど中国の人だった、へぇ、もっと色々とお喋りをしたいな。


25日(土) 第三回焼酎を楽しむ会

 昨日までは出勤しようと思っていたけど、朝起きたら出勤しないことにした、たまには身体を休めないと身が持たない。
 平日ヒマだからといって土日に予定を入れておくと平日忙しくなるし、土日予定がないから平日遊ぶと土日に予定が入ってしまうし、なんとも上手くいかないことが多い。
 昨日ではなくおとといの分の日記を書いてから、ちょっと昼飯を食べに出かける、先週行こうと思ったら駐車場満車で見送った店だ。
 場所は分かっているから鼻歌交じりに車を運転していくと今日も駐車場満車、今日はそう簡単に引き下がるわけにはいかないので道路で車が空くのを待つ、五分もしないうちに空いたので車を滑り込ませて、と。
 東池袋大勝軒小野橋店@厚木市、「○○店」って書かれちゃうと支店とか関連店とか思われちゃうので、今までならば「小野橋大勝軒」って屋号だったんだけどな、その辺のところを山岸さんは頓着しないんだろうな。
 入って細い廊下を歩いた先に券売機があって、前の組がお先にどうぞと譲ってくれたけど丁重にお断りして、とりあえず初回なので左上の「特製もりそば七百円、右下を見ると替え玉のボタンがある、百円で二百五十グラムの替え玉だそうだ。
 店内に入ってみるとカウンター席七席に四人か二人のテーブル多数で二十人くらいは座れそう、明らかに車の数より席が多いのですぐに座れた。
 ラーメンを撮ったり店内を観察したりするには窓側(壁側)の席に座るのが定石なのだが、その上席には女房を座らせないとならないので(どんな場面でも連れを優先する)二人で行くと店内の様子がイマイチ分かりづらい、仕方ないけれども。
 男性店員二人が主に厨房を、女性店員二人が主にフロアを担当していて家族総出で頑張っている感じ、開店して間もないのでまだまだバタバタ感は見られるけれど。
 私はつけ麺、と思ったらどう見てもあつもり七百円、女房はチャーシューメン九百円、どちらも角盆に乗せられて出てきた。
 麺は丸い太麺だけど蒸し器で蒸したような食感、茹でて締めてまた温めたらもう少し水っぽくなると思うのだけど。
 それでいてスープをイマイチ吸わない、何がどう違うのか分からないけどこれは東池袋大勝軒の麺ではない、とはいえ開店して一ヶ月だからもう少し長い目で見ないとならないか。
 ツケダレはコクというか深みが足りない、甘さも酸っぱさもイマイチ、こちらも今後に期待だな。
 それでも開店早々連日満員御礼は大したものだと思う、これで厚木市には大勝軒が二軒できたわけだ、両方とも頑張って欲しいものだ。

 いったん帰ってきて少しのんびりしてから出かける、今日は洞@小田原にて開かれる友達の酒屋さん主催の第三回焼酎を楽しむ会に参加するのだ、少し早めに出たつもりでも着いた頃にはちょうど良かった。
 少し早めに着いて支度でも手伝おうと思ったら特に手伝うことがなくて手持ちぶさた、またまたのんびりしてしまった。
 時間になった頃には満席になり、特別に呼んでいる蔵元の営業マンにも一言挨拶してもらってから乾杯、ビールではなくて始めっから焼酎をロックで飲んでいく。
 飲んだ焼酎は芋焼酎が「パープルタイガーandドラゴン」「問わず語らず名も無き焼酎」「相良仲右衛門」、泡盛が「昔醸 翠古」、米焼酎の「峰の露」、蕎麦焼酎の「帰山」、麦焼酎の「おこげ」、黒糖焼酎の「稲乃露」、栗焼酎の「宮の舞」、それ以外に蔵元さんが持ち込んだ焼酎。
 焼酎ごとに口当たりが違うのでドンドン飲み進んでしまう、こんなに飲んだらやばいとは思いながらも飲んでしまう。
 料理は岩牡蠣から始まってホタテ、タコサラダ、馬刺し、モツのサッパリ料理、ホッケ焼き、白海老の唐揚げ、ベーコンとブロッコリー、締めにマグロ漬けとウニの麦飯丼、こちらもこちらで食べ過ぎの感あり。
 いつもは日本酒を注いで回って自身では飲まない役回りの幹事さんも、今日はどっかと腰を落ち着けて飲んでいた。
 会も終わりに近づき抽選会になった、焼酎は度数が高いこともあって全部飲みきれないだろうとの読みで残った分を持って帰ってもらおうという算段だ、なかなか素晴らしい企画である。
 なかなか当たらなかったのだが、最後の最後に番号を呼ばれて栗焼酎が当たった、目の前にいた人が交換して欲しいと言ってきたので喜んで交換、最終的に個人的にも買おうと思った翠古を持って帰れることになった。
 盛り上がりに盛り上がって気が付いたら終電が無くなっていた、という事態にも備えていたのだけど、何とか電車のある時間に小田原駅に着いた。
 寝過ごしが一番怖いのだけどちょうど厚木止まりの各駅停車、いい感じじゃないですか、って実際には一駅乗り過ごしただけで気が付いた、良かった良かった。


26日(日) 久しぶりの寄席

 朝ご飯はざるそば、乾燥麺から茹で戻したのではなくサッと水に通せば食べられるように茹でられた麺が売っているのである、もちろん、賞味期限は三日くらいの短期間であるけれど。
 夏でなければ即行で愛犬の散歩に行くところだけど、まだまだ残暑厳しいので無理、人間は何とかなるけれど地面に近い犬は暑さ百倍でしょう。

 NTT東日本から電話があって、現在のADSLを光回線に変更しないかという営業。
 固定電話は殆ど使わないといってもまだ子供が小さいので学校からの連絡先を親の携帯電話にするわけにはいかず、かといって最近のADSLの不安定さには閉口していたがわざわざ電話をするのも手間で。
 光回線にすると使用料とか初期工事費とかあれこれかかるのがイヤだなぁと思いながら相手の話を聞いていると「どうせ値段のことしか気にしていないのだろう」とばかりに固定電話の基本料を安くして光回線の増額分をほぼ相殺したり、初期登録料の費用を三ヶ月光回線使用料を無料にしてくれたり、初期工事費はサービスにしたり、何としてもメタル回線を撤廃して光回線に切り替えて欲しい、みたいな。
 なんだかんだいってもNTTがいなければ私達の生活は一歩も前に進まないので、ありがたく提案にのることにする。
 来月の八日には我が家も光回線になる、ISDNを引き込んでから十年以上経っているな。

 自宅でのんびり二日目、と行きたいところだけど昨日の焼酎が身体にたっぷりと残っているし、夕方には寄席を聞きにいく予定が入っているし。
 まあそれでもそれまでの間はすこしのんびり過ごせる、って元々がのんびりするのは好きではない。
 ボケッとテレビを見るという時間がとても無駄に思える、景色を眺めるとか本を読むとかなら気にならないのだが。

 夕方になって中の子を引き連れて出かける、馴染みの居酒屋の店長の弟さんが噺家で寄席を開くのだ、娘三人に聞いたら中の子だけが行きたいと。
 小田原に新店が開店しているから電車+徒歩のルートは確認してあったのだけど車でのルートは調べていなくて、慌てて調べて車を出す。
 小田急線足柄駅から歩いて五分の東京大勝軒@小田原市、なぜ屋号に「東京」と付いているのかは最後まで聞けなかった。
 店内はカウンター四席、四人テーブルが二つ、飲食店の店内構成を分かっている人がデザインしたとは思えない非効率な配置、テーブルは営業用というより家庭用に近い造りだし。
 メニュは坦々麺もあったらしいが二重線で消されていてラーメンとツケ麺しかない、醤油味とか塩味とか書かれていないのでおそらく醤油味一本なのだろう。
 背中越しに軽快な麺の湯切り音を聞きながらできあがりを待つ、自分はつけめん七百五十円(300g)、中の子はラーメン七百円、見た瞬間びっくりした。
 「大勝軒」といえば東池袋系か永福町系のいずれかだと思ったのだがどちらでもない細い縮れ麺、どこをどうして「大勝軒」と名乗っているのだろうか。
 そのまま二、三本食べてみるとまずまずの味わい、自家製麺とは思えないけどどうなんだろうか。
 ツケダレはまさに東池袋系、少し酸味が強くてトウガラシが利いているけどきっちりと仕上げてあり、縮れ麺との相性が良くあう、これは旨いぞ。
 ハッキリ言って期待していなかっただけに嬉しい、時間があればラーメンも食べてみたいくらいだ。
 食べ終わってスープ割りを頼むとちゃんと刻みネギを追加してくれて、暑すぎずでとても旨い、300gあったらしい麺はあっという間に食べ終わってしまった。
 いやいや、今度小田原に用事があるときには少し早めに向かってこの店に寄ることにしよう。

 さて、小田原市民会館に着いたのは開場の三十分以上前で、とりあえず車をコインパーキングに入れたはいいけどどうしようかと歩いていたら、ぞろぞろと大勢の人が市民会館に入っていくじゃないですか。
 みんな今や遅しと待っていたのかと眺めていたら大きく手を振ってくる長身の男性、本日の講演を努める主役のお兄さんの居酒屋のマスター、あまりに多くの人が集まってしまったので早めに開場したとのこと。
 少し町中をぶらつくかと思ったけどすぐに会場に入ったら半分以上埋まっていて、何とか席を探して比較的前の方に座れた、のんびりしていたら後ろの方の席になっていたよ。
 三十分以上待っての開演、珍しく時間ピッタリに幕があったのには驚いたし、最初の噺家さんは女性だったのにも驚いた。
 世間話から始まってうまい具合に古典落語に続けていく、私も笑ったし中の子も大笑い。
 次は主役の柳家三三師匠、語り口調もだいぶ見慣れてきて決まり切ったネタもあってどう落とすかが分かっていても笑ってしまう。
 今日のネタは買い物上手の話し、中の子は江戸時代の言葉使いであっても話の前後で意味が分かるようで、面白いのだろう、つれてきて良かったと思う。
 その後、大ベテラン、傘回しの芸、締めに再び三三師匠の話と、たっぷり二時間以上楽しませてもらった。
 都内の講演の時はチケットが即日完売で全くとれないので、こうして地元に来てもらった時しか楽しめない、次はいつのことだろうか。


27日(月) 疑問

 決して寝坊しているわけではないけれどゆっくりとシャワーを浴びているとどうしても出かけるのが遅くなってしまう。
 お弁当のおかずも冷食にすれば時間も節約できるし味も保証されているのだけど、やっぱり自分で作りたいと作り始めたら時間が足りない、けど、今日は冷食を一品使ってみた。

 駅まで歩くとシャツがびっしょりになってしまうので途中からバス、百七十円がもったいないとは思うけど朝から汗まみれのシャツで電車に揺られるのも辛いものがある。
 それでもお腹が空くので、時間が無い中をデイリーヤマザキ高輪本店に立ち寄ってジューシーチキンカツロール百三十七円と野菜ジュースを買う。
 さてさて、朝飯を食べながら仕事でもしますか。

 お昼は今日もお弁当、妻子がいる家庭に住んでいる四十五歳を過ぎているオヤジがなぜ自分でお弁当を作らないといけないのか、という問いを毎日繰り返しているウチにどうでもよくなってしまった。
 おかずは鶏肉とナスの油炒め、味付けに余っていた焼き肉のタレをかけてみた、あんまり美味しくない。
 冷食のシューマイ、温めすぎて焦げてしまったので固くて食べにくい、キムチは辛くて美味しかった。

 午後から引き継ぎの担当者が来て色々と状況説明、四時過ぎには出かけようと思ったのにその四時にブチョーが見えてさらに状況説明、出かけるのが大きく遅れてしまった。
 一緒に出かける担当者を口説いて木場あたりのラーメン屋を攻めようかと思ったのだけど時間が無くて諦める、乗換駅の日本橋駅で地上に出て小諸そば江戸橋店@日本橋、二回目の訪問になるか。
 殆どが立ち食い席なのだが壁側には五席程度の椅子が用意されていて、女性の一人客も食べやすくなっている。
 注文口というか厨房手前に行くと、品質管理上の理由からネギは商品受け渡し口にてお渡ししますとある、つまり食べるテーブルには置いてないのだ。
 今年の夏は異常だったからな、よく事故が起きる前に気が付いて対応したものだと感心しつつ、ミニおろしヒレカツ丼セット500円。
 ざるそばとカツ丼と、とても美味しかったな。

 東西線に乗り換えてデータセンターまで、初めて訪問する担当者にあれこれと説明しながら作業を進める。
 順調に進んだにみえたけど途中で大きな落とし穴が、調べても分からないのでそのまま流して先に進めた。
 最終的には九時半過ぎに終了、うまい具合に終わって良かった、良かった。

 お腹が空いてはいたけれどそのまま帰宅して晩酌することにした。
 お弁当のおかずが手付けずで残されていて、あとはパック物の野菜煮を冷蔵庫から出して、つまみを用意して。
 日付が変わる三十分前に仕事を終えてくたくたになって帰ってきてから自身で晩酌の用意をなぜしなければならないのか、という問いかけは毎日考えているけど考えているだけで終わってしまう。
 飲んだお酒は翠古、とても泡盛とは思えない吟醸酒的な位置づけで、これからも頑張って売って欲しい。


28日(火) 久しぶりに蒲田へ

 起きたらやや涼しかったけれども身支度して外に出たらまだまだ手強い夏が踏ん張っていた、踏ん張らなくてもいいのに。
 冷蔵庫の中のめぼしい食材を引っ張り出して刻んで炒める、アレがあったらコレがあったらと欲を言うのは簡単だけど、ものがないからこそ工夫をする、なんちって。

 乗った電車は昨日より三本早い便だったがずっと座れずに全行程の八割以上を立って揺られて、初めから座れることもあれば最後まで座れないこともある。
 まあそれでも携帯であちこちのサイトをブラウズしたりメールを出したり読んだりと、さらに日曜日に携帯に仕込んだミュージックを聞いていれば、何とか持ちこたえられる。
 元々街の喧噪を聞くのが好きなので携帯オーディオは使用しない人なのだけど、嫌いなことや慣れないことでも試してみるというのも悪くない。
 山手線では座れたのでふうと一息付いていると客先から連絡が入って、昨日の作業でミスをしていた、ハッキリと思い出した。
 慌てて駅に降りてデータセンターに電話して、ケーブルを差してもらうようにお願いする、滞りなく復旧、良かった良かったそばでも食べていくか、と。
 なじみのつるそば@五反田、いつも店長がいないからネギ多めを伝えなければならない、かき揚げそば三百七十円、今日も美味しくいただきました。

 お昼はお弁当、今日のおかずはエリンギ、タマネギ、ナス、ウィンナーを刻んで油で炒めて、塩コショウと醤油で味を調えてみた。
 個人的には充分おかずになるけど、子供達は食べてくれていないだろうな、帰って食べるか。

 午後は睡魔と戦いながら英文と格闘、サーバ証明書がどうたらこうたらと、最後にどうなればいいのかは分かるけど途中の道順が合っているのかどうかの見当がサッパリ付かない。
 私の仕事はいつもこうだ、ジャングルに一人ポツンと投下されて地図一枚で村落までたどり着く、世界中で誰かができている仕事だから私ができないわけがない、と自分で自分を鼓舞して。
 気晴らしに違う仕事をしつつ振り向きながら挑むが、結局うまくいかない、明日また頑張りましょう。

 さてさて、どこかで何かを食べて行こうと考えながら品川駅まで歩く、歩けるようになった身体に感謝し、落ち着いてきた気候も太陽に感謝、自分以外の全てのことに感謝。
 京浜東北線で蒲田駅まで、蒲田には仕事の思い出もたっぷりあるし、人生の思い出もちょっぴりあるし。
 ここ何年かはラーメン屋に行く用事でしか乗り降りしないけれども駅構内が毎回変わっていく、最終的には大井町駅のようになるのだろうか。
 駅を東口に降りて歩き出すとポツリポツリと降ってきたのは天気予報通り、しかも大粒、常識ある社会人ならとっとと回れ右して隣の川崎駅構内の店に向かうだろう。
 しかし社会常識から遠い立ち位置の私は足早に店に向かう、半分も行かないウチに本降りになってきてさらに足を速める、着いたら軒下に鞄を置いて雨の中へ身を躍らせて店先の写真を撮る、まあ、バカってコトですね。
 らあめん元気の源@蒲田(大田区蒲田)、二郎インスパイヤと呼ばれる「見た目だけはラーメン二郎」な店である。
 ラーメン二郎が近くにない地域なら貴重なのだが、線路反対側にはラーメン大があるし、品川にはラーメン二郎品川店@品川(品川区北品川)があるし、どれこの店でしか食べられない味を味わいますか。
 奥に細いL字型のカウンター席のみの狭い店内、すぐ右手の券売機で食券を買う、ラーメンと大盛りとチャーシューメンか、かなりがっかりだ。
 食券を出して足が地面に着かない高い椅子に座り、AMラジオを聴きながらじっとできあがりを待つ、ラーメンの調理方法はラーメン二郎に似ているような気がする。
 しかしラーメンを作らずに客待ちしているときに何をしているのか見たことがない、なにせラーメン二郎では満席以外の店内を知らないから。
 五分ほどで出来上がったのは大きな寸胴にたっぷり入ったお湯で一人分だけ茹でたからだろうか、それとも麺が違うのか。
 ラーメン六百円、店員さんと目があって「はい、ラーメンの方」と声を掛けられたので反射的に「ヤサイ、ニンニク」と答えてしまった。
 モヤシは三つかみ分乗せられてその上にコーンが数粒散らされている、麺もスープも普通のラーメン並の量で、このラーメンを背脂ギットリと表現したらラーメン二郎の背脂を表現する形容詞が無くなってしまう。
 茹でモヤシを食べつつ麺を取り出したら取り出せた、プルンプルンとした歯ごたえのいい麺は自家製麺とのことでなかなか旨い、事務所か最寄り駅から近ければ通ってしまいそうなくらいだ。
 レンゲでスープをすくうとどこにも引っかからないかなり薄目の背脂醤油味、グルタミン酸が足りない気がする。
 何をどうしてもあっという間に食べ終わってしまった、食べ終わって店を出たときに満腹感がなかった、ラーメン二郎系といってもかなり普通のラーメンに近い二郎系だな。
 店を出ると土砂降りで雷がピカピカゴロゴロと震え上がるほど、ビル軒下にしばらく雨宿りをしていてもちっとも止まない、仕方ないので泣きながら通りかかったタクシーで二百メートルの距離を駅まで。
 ホームに着くと電車が止まっていて人があふれかえっていた、信号機の確認をしているとのことで十分ほど足止めをくらう。
 何とか横浜、海老名と繋いで帰宅、相模川を越えたところではもう雨は一滴も降っていなかった。


29日(水) フレンチのビストロで大吟醸を

 朝はゆで太郎高輪店@品川、暑くて歩かなくなり、さらに足を怪我して歩かなくなり、先月の三日以来なので一ヶ月半振りになるか。
 イマイチ店員さんに覚えてもらえていないな、特にビビッと来る挨拶を感じない、立ち食いそば屋なので覚えてもらえなくても仕方ないけど。
 食べたのはいつもいつも同じ朝食セットBの野菜かき揚げそば+生玉子+ネギ多め、この「生玉子+ネギ多め」という組み合わせだけでも覚えてもらえそうなものだが。
 あと何回来れるかな、店が無くなるワケじゃないし自分が亡くなるわけでもないけど、通勤先が変わるとグッと足が遠のいてしまうからな。

 今日は引き継ぎの担当者とヘルプの部下との三人体勢での仕事、二人に作業を指示して自分は調べものとか顧客との調整とか、こういう体勢って理想的だよな。
 三人分のコストがかかるからここの現場では夢のまた夢だけどね。
 お昼になってお弁当、おかずはチキンのカレー風味に焼きさんま、ふりかけで使っていた手のりたまが終わってしまった。

 午後は仕事の引き継ぎに話をしつつ、時計を気にしつつ。
 昨日嶋さんから「大吟醸、飲むよ」と声を掛けられてからずっと「余計な仕事が入らないように、入らないように」と祈っていた。
 定時を過ぎて客先に「明日は午前中、通院してきます」と声を掛けて先に帰る、事務所を出たらほぼ自由の身、どこかで一杯食べてから行くか。
 茅場町駅三番出口を出て真っ直ぐに店に向かうちょうど途中に茅場町大勝軒@茅場町(中央区茅場町)ホームページ)、調べてみたらいわゆる大勝軒とは全く関係ないようだ。
 店内真ん中に螺旋階段があって二階席もあるのがウリのようだが、スカートの女性はこの真ん中の階段は登りにくいのではないだろうか。
 カウンター無しのテーブル席だけが四卓、二卓に先客ありでいずれも居酒屋としての中華料理屋利用だった。
 食べたのはわんたんめん六百五十円、ラーメンだと五百五十円でなんか貧相に思えたので。
 醤油味が強いしょっぱいスープ、こりゃ何か飲みながらでないと食べにくいけど、昔のラーメンってみんなこんな感じだったと思う。
 細めの縮れ麺は柔らかめの茹で加減、箸で持ち上げただけ切れそうなくらい。
 赤身のかかったローストチャーシューはとても美味しく、鉛筆二本分の太さのメンマも美味しい、肝心のワンタンは普通の味だった。
 白身ねぎの輪切りが散らしてあってまさに中華料理屋のラーメン、ごちそうさまでした。

 相変わらずの静けさの中でビストロマルセイユ、路地裏の穴場という感じだけどそろそろマスコミが食いついてきてしまうだろう。
 何人集まるのか分からないけど店内中央に二卓のテーブルを合わせてあったのですぐに分かった、先客は三人で最終的に六人になった。
 今日はこれを飲むんだよと瓶を見せてもらう、「大吟醸 十四代 播州山田錦 生詰」、四合瓶だけど生きている間に見ることができるとは。
 調べてみると酒屋での小売価格は一万五千円を超えるな、仮に一万五千円とすると一合が約四千円、この値段は自分で買ってきた場合だからお店で飲んだら二倍以上の値段、ワイングラスで二口ずつ飲むのにピッタリですな。
 まずは生ビールで乾杯、面白すぎるトークに爆笑してしまい、みんなビールをお代わりしてしまった。
 お決まり前菜のピクルスから、酸味が抑えられていてとても美味しいピクルス、自分で作ろうと思ってもなかなか作れないよな。
 二品目は焼きさんま、下には先のピクルスやオクラとか夏野菜がいい感じで調理されていて、どれもとても美味しい。
 アジたたきはほんのりとした味わいで、ちょっと香味野菜が強い気がするが、それはそれで結構いける。
 駄々茶豆、塩加減を抑えて茹でてあって一つ二つと食べ出すと止まらない、遠くからも手を出して食べていた豆。
 さて真打ちの登場と大吟醸十四代、今年に入ってから高級な日本酒を飲んでいた(しかも安く)ので充分下準備は済んでいる。
 先ずは香り、辺り一面が真っ白な雪で覆われて右も左も分からなくなるようでいて遠くから水の音が聞こえてくる水墨画のよう、引いて引いてさらに磨いて作り上げているのか。
 口に含むと急に華が咲いてくる、ああ、さらにあたりが白くなっていき気持ちが薄れていく、なんだろうこの感覚は。
 これが米と米麹だけで作り上げた味なのか、真っ白な和紙にスッと小川を描いて鮒を泳がせているようなスッキリ感、何も残らないけれども絶対に忘れられない味。
 ここまでの日本酒を作れるのか、決して自分では買えないし、もう二度と合うことがないかも知れないけど、一生忘れない。
 しばらくして白ワイン、さらに赤ワイン、アルコールではなくお酒に酔ってしまってワインボトルの写真を取り忘れて銘柄が分からない。
 レンズ豆のテリーヌと生ハム盛り合わせ、このテリーヌが絶品だ参加者の一人が是非とシェフにお願いした一品、個人的にまた食べに来たいなぁ。
 メインディッシュはポークソテー、ワイワイと食べてあっという間になくなってしまった。
 最後にチョコレートムースを、私はちょっと苦手なので食べなかった。
 十時閉店のお店だけどお店を出たのは十時半頃、半分くらいは帰宅を諦めていたのだけど、明日は通院なのでなんとか帰らなければならない。
 終電を覚悟したがロマンスカーの終電で帰ることが出来た、よかったよかった。


30日(木) 久しぶりに西口へ

 午前中は通院なので七時半まで寝ていられる、気候もだいぶ落ち着いてきて身体が楽になってきた。
 その辺にあった食べ物で適当に朝飯を済ませて病院へ、このまま治っていけばあと数回の通院で完治すると思う。
 八時半前には到着して九時過ぎには帰路につけるのが通常の流れなのだが、今日は到着が九時過ぎになってしまって「こりゃ終わりが何時になるか分からないな」と覚悟してパソコンを広げたら五分もしないウチに名前を呼ばれて。
 しかし治療室で放置されてしまい、会計を終えて薬局を出たのは十時半を過ぎていた、それでも充分早いのだけどね。

 伊勢原から乗った電車はガラガラでゆったりとして座れる感じ、このまま新宿まで行ってしまおうかとも思ったが、途中下車して向かわなければならない店がある、後回しにしてもいいといえばいいのだが、そうしているといつまで経ってもお店に行けない。
 向ヶ丘遊園駅を降りてぐるっと回り込んで麺屋はやと@向ヶ丘遊園(川崎市多摩区)、夜営業の時に来たのだがお店の二階が風俗店らしくて呼び込みの店員さんが店の前をウロウロしていて店先の写真が撮れないので出直してきた。
 店先には美味しそうなラーメンの写真が沢山貼ってあり、見た目は山頭火で修行された人が独立されたと思わせる雰囲気、どんなラーメンだろうか。
 入ると十人は立っていられる小さいスペースに券売機が置いてあり、その奥は右手の厨房を囲むような長いカウンター席、一番奥に四人テーブルが二卓、なかなか広い店だ。
 カウンター台には焼酎の銘柄が貼られていて飲んで食べられるステキな店に見える、男性店長さんの補助はお母さんのようだ。
 冷やしとか塩味とか食べたいメニュが多かったのだけど、ここはひとつスタンダードでとんこつらーめん六百八十円、天井からの斜めの照明が料理をとても美味しく見せる。
 スープはとろみがあるほど濃厚、野菜の旨みがあまり感じられない純粋の豚骨だけのようで喉にまとわりつく感じ。
 細い縮れ麺は柔らかめに茹でてあってスープが良く絡む、柔らかいチャーシューとコリコリした食感のメンマ、茹でモヤシの上に刻んだ紫蘇が散らしてあっていいアクセントになっている。
 スタンダードの味は分かったので、夜営業にでも塩味を確認したい。

 バタバタとして午後を過ごす、あまりにもバタバタし過ぎていて半日しか働いていないのにどっと疲れてしまった。
 「西口あたり、どう」と部下にメールして、二時間後に待ち合わせ、仕事を一気に手じまいする。
 五月に来て以来の西口やきとん@浅草橋、夏の暑い間は生レバがメニュから消えてしまうのでどうしても足が遠のいてしまう。
 少し前に着いたらしい部下は既にビールを飲み終わっていた、皿ナンコツ系は全て売れきれとのこと、野菜のチリソース煮をもらっていた。
 生ビールで乾杯し、先ずはナンコツ、タン、塩味で二本ずつもらう、一本百円均一の焼き物は会計の時に本数を数えるわけだ、飲み物は伝票に付けておくようだが。
 タレ焼きは事前に下焼きして置いてあるので注文すると暖め直すだけの一分くらいで出してくれる、塩味は始めから焼くことになるので時間がかかる。
 ビールが終わったからトマトハイ、飲み終わったらトマトハイ、と数えていないけど五杯以上飲んだ気がする。
 今日は店入り口に陣取っている二つの七輪の目の前、立っている場所は店の外になるし目の前で串をずっと焼いていて、その焼いているのを見ながら飲み食いするのが最高の快感。
 一緒に立ち飲みしているオヤジ連中とはチラと話をしたりして変な一体感がある、一人で来ていたらみんなの話の輪に入っているだろうな。
 「誰かと飲む」のではなく「その場にいる人と飲む」ってもの凄くステキ、一度キリしか会えない人もいれば何度も顔を合わせる人もいる、事務所から近いとか、帰宅する途中なら毎週通ってしまうところだけどね。
 店内奥は冷房が効いた椅子のあるテーブル席もあるけど、そんなどこに出もあるような席で食べたら美味しさが半減してしまうよ。
 カシラとハツも塩で焼いてもらう、脂身たっぷりの白獅子をタレで、ナスをしょうゆ焼きで、タマネギもしょうゆ焼きで、さらにつくねをタレで。
 レバをタレで焼いてもらったり、滅多に食べないナンコツのタレ焼きを食べたり、もう三ヶ月ぶりに食べる食べる、たくさん食べる。
 やきとん屋でお腹一杯食べてしまった、もう食べられない飲めないを堪能して四千円弱、普通に飲み食いしたら二千円で済むんだろうけど。


31日(金) 川崎ラゾーナプラザへ

 起きたら三十分の寝坊、寝坊してしまうと「午後出勤にするか」とすぐに頭に浮かぶけれども振り払ってシャワーを浴びる。
 とりあえずあるものを食べて家を出る、つい半年前までは余裕で起きられたのにここのところは全然起きられない、どうしたんだろうか。
 事務所最寄りの駅を降りてデイリーヤマザキに立ち寄りWコロッケロールN百三十円と野菜ジュース、あんまり代わり映えしないなぁ。

 お弁当を持ってこなかったので外に食べに行く、かなり過ごしやすくなった気候の中で坂を登って降りて北海道らーめん魚らん坂高輪本店@白金高輪(港区高輪)へ。
 相変わらず店内は混んでいる、なんとか一席空いていたのですぐに座れたけどあとから来たお客さんは立って待っていた、一杯ずつ丁寧に実直に調理していれば自然とお客さんが付いてくるんだなぁ。
 店内中央の厨房を取り囲むカウンターのみの構成、今日はなぜか店員さんが二人でフル回転で頑張っていた。
 ふと麺箱を見ると「高輪」とマジックで書かれている、おそらくここ高輪本店のコトだろう、他には「御徒町」と「伊勢原」が目に付いた、伊勢原店には行ったので御徒町のお店に行ってみたいなぁ。
 携帯にメモした食べたメニュを確認すると未食があと二つと分かる、その片方の味噌激辛麺八百三十円を。
 北海道ラーメンと聞くと味噌味だと思っているお客さんが多くて(私もそうだが)圧倒的に味噌ラーメンの注文が多い、目の前では大きな鉄鍋で味噌と豚骨スープと野菜を炒めてラーメンスープを作っているがどう見ても一人分の量ではない。
 調理台には三つのどんぶりが置かれ、鉄鍋から二つに注ぎ分けたので「残る一人分は私の分で、ここから『激辛』にするんだ」と見ているとガスレンジに鍋を置き直してトウガラシ粉を二さじ入れて炒め直して出来上がり。
 その「トウガラシ二さじ分」が(スタンダードの味噌ラーメンは七百三十円なので)百円なのか、確かにテーブルの味噌トウガラシを後から加えたのは味が違うとは思うけど。
 それでもテーブルに置かれたときに香りが食欲と直結するよね、味噌の風味とトウガラシの香ばしさはとても良く合うと感じる。
 真っ黄色の縮れ麺はアツアツスープに負けないくらいに茹で上がっているけど固さが失われてはいない、スルスルと食べてしまう。
 途中でおろしニンニクをひとさじ入れてみてさらに味にコクを出してスープまで飲み干してしまった、ごちそうさまでした。

 午後をバタバタと過ごしつつも帰りをどうしようかと考える、お台場の方へ行きたかったのだが仕事が終えたのが八時で今からはちょっと無理、西新宿のお店にでも行ってみるか。
 品川駅まで歩いていき階段を上って改札に向かうと山手線と京浜東北線が運転を見合わせているとのこと、どうしようか。
 京急で都内に迂回して新宿を目指すルートもあるけど、すっぱりと諦めて東海道線で川崎に向かうことにした。
 川崎駅を降りていつもは右に曲がっていたのだけど今日は左、大体の場所を勘で進むと川崎ラゾーナはすぐに見つかった、エスカレーターで降りて真っ直ぐに進むとそこがフードコーナー。
 週末の買い物客でごった返している中を進む、三軒のラーメン屋が軒を連ねていて先ずはお目当ての一番奥のすみれ@川崎ラゾーナプラザ(川崎市幸区)へ、この店が一番混んでいたな。
 店先で注文と会計を済ませると呼び出しブザーを渡される、かなり拍子抜けしてしまうけど食べられるラーメンには変わりがないだろう。
 味噌味は変わらず強きの値付けで九百円、それだけの原価と手間暇がかかっているのだと思うし、それを皆が認めてくれているのだろう。
 醤油味と塩味は八百円、ネギとかチャーシューとかのトッピングは一切無し、こういうフードコーナーに出店してもラーメンの提供方法を変えないところはさすがである。
 コショウとトウガラシだけしか置いていない六席ほどのカウンター席に荷物を置いて待つこと五分、ブザーが鳴り響き受け取りに行くと六組くらい同時に呼び出されていて全て同じ味噌味。
 味噌ラーメン九百円、大きめのドンブリにすみれの味噌スープの香りがするのにちょっとビックリ、全く期待していなかったのだ。
 火傷するかと思う程のアツアツスープ、タマネギを始めとして沢山の野菜が入っている、これは旨い、一心不乱で飲んでしまう。
 やや細めの縮れ麺こそがこの味噌スープに合う、食べ始めて気が付いたのだがお昼にも味噌ラーメンを食べているじゃないですか、さらに夕食にさらに美味しい味噌ラーメン。
 チャーシューは細切れされていてこれがまた食べやすいし美味しい、お昼の味噌ラーメンも同じだったな。
 いやはや美味しかった、川崎駅には美味しいラーメン屋が多くて駅周辺までなかなか手が回らないよ。

 食べ終わって隣のちばき屋@川崎ラゾーナプラザ(川崎市幸区)、もう一軒はえるびすだったので自動的にこちらへ。
 ちばき屋はちばき屋@葛西ちばき屋@船橋ラーメン横丁に行ったことがある、積極的に支店展開する店、フードテーマパークやコロシアムによく出てくる店、どんなに流行っても一切他に展開しない店、色々な店主の考えがある。
 どれにしようかとメニュを見上げることなしに目の前に貼られていた貼り紙の期間限定メニュに、その後でメニュを見たら「しょゆ味、塩味、合わせ味」とある、合わせ味とは何だろうか。
 厨房となりのカウンター席が満席だったのでテーブルに調味料が一切置かれていないことを確認してから四人席テーブルへ一人で。
 どのくらい待つのかと思っていたら三分で出てきた冷らーめん八百五十円、ドンブリまでよく冷えていた。
 ちゃんと風味が感じられるスープ、ただ冷やしただけだと味も香りもなくなってしまうのでちょっと一工夫が必要になってくるはず。
 細い縮れ麺は茹ですぎず硬すぎずでちょうどいい感じに仕上がっている、美味しいなぁ。
 ちゃんと冷やしてあるモヤシの上には味噌に漬けたカイワレ大根がちょこんと乗せられていて、平凡になりがちな冷たいスープを引き立てていた。
 チャーシューは大きいだけで味は普通だったけど、味付け玉子が半分に海苔にメンマ、小エビがいい感じ。
 とてもおいしい冷やしでした、ごちそうさま。

 横浜駅に出て相鉄線で海老名に着いたら小田急線もダイヤが乱れていた、電光掲示板を見ると最寄り駅付近で人身事故があったとのこと。
 ひょっとして家族に何かがとも考えたが、もしそうなら既に連絡が入っているはずだろうから。
 久しぶりに最寄り駅から歩いて帰宅した、まだまだムシムシする季節だが少しずつ運動をしていきたい。


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