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　また、世界中からの予想以上の批判もＩＯＣ理事たちを動かした。ロシア、米国をはじめ、五輪発祥の地であるギリシャも、同国の五輪委員会やスポーツ競技連盟が決議を非難。

　ある競技関係者によれば、ギリシャスポーツ関係者が「レスリングを外すなんて信じられない。このままいけば、聖火の火も渡さない、となりかねない」と、五輪の象徴である聖火の採火拒否をチラつかせるほど反発を強めていた。
「密室決議」に対するＩＯＣ内からの批判も、レスリングの立場を後押しした。

　２月と同じメンバーの理事会を通過したことで、９月の総会での奇跡の復活チャンスは広がった。しかし「五輪での我々の立場が保障されたわけではない」（ラロビッチ会長）。レスリングが残れば、新種目は一つも加わらない。競技の入れ替えを狙うＩＯＣの方針を否定する結果になっても納得させられるだけのアピールが必要だ。

　一方、２月のＩＯＣ理事会の決議を「ばかげている」と反発する委員が多く、９月の総会で中核競技の決議そのものの是非を問う可能性も報じられている。一度は生き残ったテコンドーや近代五種が、再び窮地に立たされる可能性があり、ともにロビー活動を強化しているという。レスリングにとっては心強い情報だが「そういう話も出ているようだが、確証はなくウワサの範囲に過ぎない。気休めだと思って今まで以上にロビー活動、改革を強化していく」と、ＦＩＬＡ副会長で日本レスリング協会会長の福田富昭氏（７１）は気を引き締めた。

　再び戦いの舞台に上がるチャンスを得た伝統競技。「まだ１回戦を突破しただけ。決勝戦に勝たないとダメ。９月まで、精一杯やります」（福田会長）と、大逆転を信じて進むしかない。

※ＦＩＬＡによるルール改正の内容は、２分３ピリオドから３分２ピリオドに変更し、延長戦突入時などに攻撃権を決める抽選も廃止。全体的に攻撃を重んじるルールに変えた。さらに、近い将来の女性副会長など女性幹部の登用を約束している。

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