橋下市長問責否決:市民不在、冷めた声

毎日新聞 2013年05月31日 01時49分(最終更新 05月31日 02時48分)

自身に対する問責決議案が否決された橋下徹・大阪市長=大阪市議会で2013年5月30日午後9時14分、金澤稔撮影
自身に対する問責決議案が否決された橋下徹・大阪市長=大阪市議会で2013年5月30日午後9時14分、金澤稔撮影

 従軍慰安婦発言を巡る橋下徹大阪市長への問責決議案は30日、可決の見通しだった前夜から一転、否決された。橋下市長らは出直し市長選をちらつかせる「瀬戸際戦術」で市議会の足並みを乱し、大阪市で戦後初の問責決議という不名誉を土壇場で回避した。しかし苦境が続く市政運営に打開のめどが立ったわけではなく、市民不在の政治劇に有権者からは冷めた声も上がっている。【林由紀子、茶谷亮】

 30日午後、橋下市長は自民、公明、民主系の市議団幹事長と市長室で向き合った。「法律家として問責というのは大変厳しい。私に議会に出てくるなという趣旨で受け取っている」。橋下市長は問責決議案が可決された場合に出直し選挙をすることも示唆し、「問責」の2文字を削除するよう求めたという。幹事長らは辞職を求める意図がないことを説明したが、橋下市長は「問責という言葉を取っていただいたらどんな厳しいことでも受ける」と食い下がった。

 議会は、慰安婦問題などを巡る橋下市長の発言への対応を、1週間前から協議していた。共産が辞職勧告決議案を提案する方針を示したのに対し、自民や民主系などは問責決議案を検討。両会派には「辞職を含めた政治責任を問うべきだ」との意見もあったが、可決を優先させるため、公明に配慮して辞職に関わる部分は削除した。その譲歩も実らなかった。

 公明が一転して反対に回ったことに、共産市議は「腰砕けで、市長の脅しに屈したようなものだ。議会の存在意義を否定するような行為で、今後は何も言えなくなる」と批判した。

 自民市議団の柳本顕幹事長は否決という結果に、「非常に残念だ。『問責』という言葉の解釈について市長と温度差があった」と声を落とした。一方、公明市議団の待場康生幹事長は「市長の辞職を求めるものではなく、市政の停滞を招いたことを自覚してほしいという思いだった。否決は仕方ない」と淡々と語った。

 混乱する市議会に対し、市民の視線は厳しい。本会議が始まったのは当初予定より5時間半遅い午後7時半。空転した議場では「議会は何をやっているのか」「しっかりせえよ」などとヤジが飛んだ。

 「市長は反省を」

 橋下徹大阪市長への問責決議案を巡る大阪市議会の対応について、市民からは疑問の声が上がった。

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