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2013年5月31日(金) 東奥日報 ニュース



■ もんじゅ廣井所長にインタビュー

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本紙インタビューに応じた、もんじゅの廣井所長。規制委が出した事実上の運転禁止命令を「重く受け止める」と話し、早期の対策構築を目指す考えを示した=28日、敦賀市内
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 約1万件に上る点検漏れにより、原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令を受けた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。4月に所長に就任した日本原子力研究開発機構の廣井博理事(63)が28日、東奥日報社のインタビューに応じ、規制委の命令を「重く受け止める」として、運転再開準備の前提条件となる、安全管理体制の早期構築に取り組む考えを示した。その上で、将来のエネルギー安定供給の観点から核燃料サイクルの必要性を強調、高速増殖炉の研究開発継続を求めた。

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 −規制委の命令をどう受け止める。

 「規制委の決定、命令措置は大変重いものと受け止めている。そこに至った原因はいろいろあるが、少し絞った形で言うと、自ら決めたルールを守れなかったコンプライアンスの問題がある。担当者任せ、各課任せで、全体としての取り組みができなかった」

 −1995年のナトリウム漏れ事故では、組織体制そのものが批判されたにもかかわらず、今回も点検漏れの事態を招いた。

 「ナトリウム漏れ事故は透明性という観点で落第点。最近のトラブルでは、炉内中継装置の落下など、運転というよりは保守管理の面で足りなかった点がある。改善はしているが、それに満足すると、また劣化してしまう。下りのエスカレーターを上り切るように、改善を繰り返す努力をしないといけない」

 −命令により、再発防止に向けた安全管理体制が整ったと確認できるまで運転再開への準備はできない。今後の取り組みは。

 「保安管理体制や品質保証体制を再構築する必要がある。原因をいろいろ分析した結果、再発防止策をまとめているので、まずはそれを最優先にやっていく。従来の工程では来年1月としていた未点検機器の点検を前倒しで行う。最終的な規制委への報告書提出がいつになるかは言えないが、できるだけ早く対策を進めたい」

 −安倍政権は核燃料サイクル政策の継続を明言する一方、原発を減らすことにも触れている。将来的にプルトニウムの需給バランスが大きく崩れることも予想されるが、プルトニウムを生み出す高速増殖炉は必要なのか。

 「プルトニウムを利用せず、今の軽水炉だけの利用体系だと100年くらいでおしまいになり、廃棄物だけ残る社会になる。それでは原子力が本当の代替エネルギーにはなり得ない」

 「原子力を利用して出てきたプルトニウムを繰り返し使うことで、資源は何千年先まで延びるし、高速炉を使うことで廃棄物の有毒性を管理する期間を短くできる可能性もある。それを追求することが人類発展につながる。重要性は変わらない」

 −核燃料サイクルの中核を担う六ケ所再処理工場でようやくガラス固化体製造試験が終わった。再処理工場に対する認識は。

 「再処理して初めてプルトニウムが出てきて、炉で燃やすわけですから、やはり要の技術。難しい技術だが、人類に大きな果実をもたらすという意味では重要。われわれも一緒になって成功させていきたい」

 −福島第1原発事故以降、第2再処理工場の議論は表に出なくなった。

 「しばらくは(六ケ所再処理工場が)安全を確保して運転できるということを国民の皆さんに見ていただかないと、次の段階には進まない。今は(六ケ所の)実績を積み上げることが大事だ」

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