獣害対策の最終兵器登場！！　佐賀県の心身障害者授産施設「佐賀西部コロニー」が先月発売したイノシシ撃退機「猪キラーマン」が農家から熱視線を浴びている。

　コロニーでは５年前から地元の高齢者農家が作ったミカンやサツマイモの全量買い取りと販売に取り組んできた。農家が安心して作業ができると評判だったが、イノシシの被害に悩む声が届く。コロニーでは研究を重ねて、昨年９月から１０軒の委託農家に「猪――」の初号機を無料で貸し出したところ大好評。バッテリーの持ち時間などを改良した製品がこのたび完成した。気になる機能は、激辛唐辛子「ハバネロ」を燃えやすい材質と混ぜて燃焼させ、猪の嫌がる煙で嗅覚と器官を刺激して撃退するものだ。

　コロニーの中尾富嗣氏（４１）によると、獣害対策の主流「電気柵」は人間が感電したり、草木のツルが絡まって使えなくなる短所があったが「猪――」は弱点を克服したうえで周囲１５０メートルに効果がある。

　仮に猪が「こんな煙、もう慣れたブヒー！」となっても、ハバネロの配合比を変えることで新たな刺激を生み出せる点が優れている。もちろん、農作業中の燃焼が前提なので、間近で直接、煙をかぶらない限り人間に影響はない。

　製品リリース後は「九州の農家さんからも問い合わせが相次いでいる」（中尾氏）状態で、全国的なヒットが見込めそうだ。「猪――」は「理論的には、人間より嗅覚の優れた生物には効く」（中尾氏）ので、他の動物への「キラーマン」としても使えるだろう。

　外付けのプロパンガスとバッテリーによって、約２週間の連続稼働が実現された。今年の意外なヒット商品に躍り出そうだ。