「意識低い系」の特徴

2013/05/30


「意識高い系」という誹謗中傷が目につきますが、「意識低い系」に対する考察は少ないので、書いてみようと思います。


「頑張るのは恥ずかしい」という価値観

意識低い系の人々は、「頑張るのは恥ずかしい」という価値観を抱いています。「全然ベンキョーしてねーよ」「あいつ頑張っちゃってダサくね?」といった、ヤンキーっぽい価値観、といってもいいでしょう。

彼らは、同じく「頑張るのは恥ずかしい」という価値観をもった仲間同士で群れることになります。そのコミュニティは一見居心地がいいものですが、「おまえ、頑張っちゃってないよなぁ??」という相互監視・同調圧力がよく効いたものでもあります。

これは一度入ってしまうとそう簡単に抜け出すことができない空間です。一念発起して「頑張っちゃった」時点で、そのコミュニティからは排除されてしまうでしょう。いわく「あいつ最近意識高くねwww」。

そういう磁場の中にいる人たちにとっては、諦めないことよりも、諦めることの方が合理的に見えるようになります。ムダな頑張りをして、これ以上「損」をしたくない。仲間たちの前で「恥」をかきたくない。嫌われたくない。

「頑張るのは恥ずかしい」という価値観は短期的には救いをもたらしますが、相互監視の力学が駆動した時点で、自縄自縛をもたらします。「意識低い系」の人たちは、そのことに気づかず、弱みを認め合い、動けなくなります。「頑張るのは恥ずかしい」という価値観を受け入れることは、「毒薬」を飲み込むようなものでしょう。


自分に対する自信のなさ

なぜそんな毒薬に頼ることになるのか。彼らには自分に対する自信が欠けているのです。自信がないがために、「オレには何もできない」と開き直り、「頑張っちゃってるヤツら」を「意識高い」と否定するのです。

彼らに対して「自分に自信を持てよ!おまえなら世の中変えられるよ!」と伝えたところで、「それはアンタだからできたんだろ?アンタ大卒のエリートじゃん。オレらには無理だよ」と暖簾に腕押しとなるでしょう。

彼らは自分の無力さを肯定してしまっているので、自分が何かを変えられるとは考えません。もっとも変えやすいはずの「自分自身」ですら、変えられると思えないのです。

この心理の背景にあるのは、「自分の力で何かを変えることができた」という成功体験の少なさと、「あなたには可能性がある」という他者から(たとえば親、教師)からの肯定でしょう。成功体験と自己肯定感が欠如した人は、長い人生の中で諦めを身につけ、「自分は無理だ。何かを変えるのは誰かの仕事だ」という態度に至ってしまいます。


自分の世界に閉じこもっている

そうして彼らは自分の世界に閉じこもっていきます。

「頑張るのは恥ずかしい」という価値観を受け入れた人々は、頑張らないがために、活動範囲は狭まっていくでしょう。いいかえれば、居場所が減っていくのです。その貴重な居場所を守るために、我慢することも増えていく。ストレスは居場所の外にいる他者に向けられ、彼らの攻撃性はますます高まっていく。

「あいつ頑張っちゃってるよwww」という冷笑は気持ちがいいものです。しかし、それは繰り返しですが、自分の行動を阻害し、コミュニティを狭め、攻撃性を高める毒薬です。飲むならこれらの副作用を自覚した上で飲んでもらいたいものです。


ぼくは意識高い若者が好きです。そりゃあ人間、空回りすることも、未熟なこともありますが、自分の失敗にはそのうち気づきますし、どんどん行動すればいいじゃないんですかね。

ぼくは社会人になってから「意識高く」なりましたが、たくさん失敗して、恥をかきつづけてます。それでも、行動してよかったと心底思っています。頑張っていればそれだけでいい、というわけではありませんが、頑張るのは決して恥ずかしいことではないですよ。


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「意識が高い学生」でいいじゃないか

[寄稿] イタい「意識高い」学生にならないための6箇条(@abri_mr)

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