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<元慰安婦>橋下氏と「会うこと自体衝撃」 中止理由説明

毎日新聞 5月24日(金)12時22分配信

<元慰安婦>橋下氏と「会うこと自体衝撃」 中止理由説明

「慰安婦問題は解決していない」と話す吉元玉さん(左)と金福童さん=岡山市役所で2013年5月22日午後3時10分、五十嵐朋子撮影

 「橋下市長に会うこと自体が大きな精神的衝撃になる」。旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、24日に予定されていた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長との面会を取りやめた韓国人の元従軍慰安婦、金福童(キムボットン)さん(87)と吉元玉(キルウォノク)さん(84)。紹介された2人のメッセージには厳しい言葉が並んだ。面会を求めた後に飛び出した慰安婦発言と広がる波紋は、高齢の2人には想定外で、疲労を募らせていた。

 支援団体の「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」の方清子(パンチョンジャ)共同代表は24日午前、市役所で記者会見し、姿を見せなかった2人のメッセージを読み上げた。方さんは「橋下市長が仮に面会で謝罪したとしても、本心からではないのは明らかだ」と主張。「被害者の声に耳を傾け、発言を撤回するようなことはないと確信した」と説明した。

 しかし、方さんら支援者と2人は、中止するか土壇場まで迷っていた。話し合いは23日の深夜に及び、最終的に2人の意思を尊重して判断したという。

 橋下氏への面会を申し入れたのは先月30日。今月13日になって、慰安婦制度が「当時は必要だった」と橋下氏が発言した。2人は韓国で報道を通じて知り、憤っていたという。

 来日した17日以降も2人は各地の集会で証言しながら、連日報道される橋下氏の発言を見聞きしてきた。同行してきた韓国の市民団体「韓国挺身隊問題対策協議会」の尹美香(ユンミヒャン)共同代表は「ハルモニたちは日本各地を回っているうちに橋下市長が発言を変えると期待していた」と明かす。

 しかし、橋下氏は主張を軌道修正したが、発言を撤回しなかった。方さんによると、2人は「こんな人に会ってどうなるのか」「口先の謝罪を受けて何の意味があるのか」などと話していたという。

 各地の集会には多くの市民が参加したが、2人の表情には疲労の色が濃くなった。吉さんは体調が優れず、19日から医師の診察を受けていたという。23日に岡山市であった集会でも、2人の発言時間は数分ずつだった。

 一方、維新幹事長の松井一郎大阪府知事は24日午前、府庁で記者団に「できれば会って橋下氏を理解していただければよかったが、相手の気持ちを尊重しないといけない」と語った。【遠藤孝康、林由紀子】

最終更新:5月24日(金)14時46分

毎日新聞

 
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